宮崎旅行2日目。

日南めぐり。


 朝7時すぎに迎えに来る、というので6時半になんとか体を起こしたんですが、まあ当たり前のように二日酔いかつ寝不足。今回は焼酎ばっかりだったので頭にはまったく来てなかったんですが、その代わりに胃腸が最悪の状態。水を飲んでも受け付けないほどの二日酔いってのは久々になりました。名古屋で飲んだとき以来かな……?(それでも経験のある自分が情けない)

 とりあえず時間に遅れるわけにはいかない、というプライドだけで風呂に入り、とても化粧ができる状態でもなかったのでとるものもとりあえず(しかも安いホテルにしたのでドライヤーの効きが悪く、髪の毛すら生乾き)チェックアウト。宮崎とはいえ朝はまだまだ冷える中、体を引きずるようにしてひとまずコンビニへ。トイレでいろいろ清算した後(すいませ……)ソルマックを購入。土曜の朝7時からコンビニ前でソルマック一気飲みをしておりました。なんかもう……いろいろ酷いよね……!(全てが自業自得なので何もいえない)

 7時半ごろに迎えが来て、YさんとTさんと合流。もちろん2人とも若干の二日酔いなので、朝ごはんは宮崎駅の構内にある豊吉うどんへ。宮崎うどんというのがあるらしく、川端康成の作品にも登場しているのだとか。うどんならいけるかしら……と思いつつ、一杯290円の温玉入りのうどんを注文。さすが、『安くて、旨くて、盛りがいい』と言われているだけあります。関西風味のダシにやわからいもちっとしためん。そして盛りが結構な量ありまして、普段なら大満足だと思うんですが、さっきまで水すら無理だった私の胃には少し、荷が重かったようで……す……。

 ただ奢ってもらった手前残すわけにも行かず一応完食したんですが、そのまま車に乗り込み、しばらくドライブなのです。これどうなんだろう、いけるのか私の胃!?とつい先々週に牡蠣アタックを食らったばかりの胃腸に一抹の不安を覚えつつ(どれもこれも全て自業自得過ぎてもう!)、ドライブ開始。

 昨日行ったのが宮崎の北の日向市なら、今日行くのは宮崎の南、日南市です。昔から新婚旅行のメッカとして有名ですよね。(祖父母の世代かな?)

 国道220号線、宮崎フェニックスロードの名の通り、ひたすらフェニックスやソテツ、ヤシなど南国気分満載な植物が植えられており、海沿いの道は眺めも最高! 昨日ほど快晴ではなかったのですが、それでも十分綺麗でした。鬼の洗濯岩といわれる奇岩も見れましたしね。

 一路目指すのは日南市飫肥(おび)。九州の小京都と呼ばれる(全国に小京都がいくつあるのかすごい気になる)城下町でございます。飫肥藩は昨日勉強した伊東さんの子孫が秀吉にくっついて九州征伐のときに役に立った、っていうので領地をもらったみたいですね。それが大体今の日南市ぐらいの広さだったようです。飫肥城があったのが現在の飫肥になっております。

 1時間ちょっとでついたのは良かったんですが、案の定胃腸の状況はかなり悪化しており、お手洗いを借りたいという名目の元、古代ローマ人再びとなってしまったのでした。やっぱり二日酔いと寝不足と車酔いは無理、だよね……!(うずくまる)

 すっきりはしたもののテンションは低めな感じで飫肥観光スタート。ひとまず観光案内所で飫肥城下町「食べあるき・町あるき」MAPを購入します。1000円で関連施設が全部入れるのと、5枚の引き換え券がついており、引き換え券で飫肥城下にある様々なみやげ物と交換ができるのです。

 ついでにレンタサイクルも借りて(3時間300円)、城下町散策スタート。とりあえず一番近かった豫章館からスタート。飫肥藩主だった伊東祐帰が知事になったあとに城から移り住んだ屋敷なんだそうです。造りは武家屋敷で、広い庭がありました。中にはあがれませんでしたが、なかなか素敵なお屋敷でした。個人的にはやっぱりなんだか懐かしい感じです。ザ・日本家屋って感じなので。

 武家屋敷と民家は何か違うのかな、と思ったんですが、武家屋敷も定義としては武士が住んでいたってことになるので、時代が進むについていろいろ建築に変化もあるんですね。豫章館は数奇屋作りだそうで。書院造の変形バージョンみたいなんですが、茶室から意匠をもらって、格式や様式を極力排除するっていう考え方みたいですね。建築史も探ったら面白いんだろうな……(そして深みにはまりそうな予感)。

 豫章館をみたあとは大手門をくぐって城内へ。明治には大手門を含めて中の建物は全て取り壊されてますが、昭和50年代にあちこち復元したみたいです。

 ということで同じく復元された松尾の丸へ。書院造の城郭ですね。御座の間、茶室、御寝所、湯殿、台所、御蔵、などなど。それぞれの部屋にたくさん解説があって、伊東氏についてもあれこれうんちくがたっぷりだったんですが、同行してるYさんとTさんはそんなに歴史マニアでもないのでそっと自粛(空気は読むよ!)。本当は面白そうな話がいっぱいあったんですけどね! 秀吉案内してた伊東さんが弁当を秀吉に食べられた話とか。そこでうまい返しができればもっと取り立ててもらえたのに!って家臣が悔しがる話とか。戦国時代は小ネタがいっぱいですからね!(笑)

 旧天守閣(天守閣は一度立て替えられている)跡は見事な杉林になっていて、落ち着いた雰囲気でした。その後立てられた天守閣の跡地はなんと小学校になっております。彦根に行ったときも思いましたが、お城の中に小学校ってなんかいいですよねぇ。

 歴史資料館は同じく城内にたてられていて、いろんな文化財が保管されています。伊東家に伝わる甲冑や刀剣、武具、古文書、衣服などなど。時代が新しいせいか全部綺麗にのこってなかなか興味深かったです。それこそ江戸末期から考えたらまだほんの200年ぐらいの話ですもんねぇ。

 続いて小村記念館へ。なんと小村寿太郎飫肥出身なのです。実は行くまで小村寿太郎が何をした人かっていうのが曖昧だったんですが(名前だけは知ってました)、日露講和条約ポーツマス条約)結んだ人でした。いろいろ資料が残っていたので読んでたんですが、かなりすごい人だったみたいです。まさに天才というかなんというか。

 なんとなくざっくり見たところで食べ歩きスタート。飫肥の名物は厚焼卵らしく、何軒かお店が乗っています。とりあえず適当に一軒いってみよう、ということで厚焼卵屋さんへ。券を1枚使ってひと切れ食べてみたんですが、普通の厚焼卵とは全く違い、スイーツでした! カスタードプリンの固い版? 卵に砂糖やらなにやらで味付けして、本当にプリンみたいに焼き上げてるんです。なかなかおいしいとは思うんですが、個人的には、普通にプリンか、普通に厚焼卵の方がすき、かな……。

 あと飫肥せんべい(泰平せんべい・おきよせんべいと店によって名前が違いましたが)というのも食べてみました。最中の皮のみ、でほんのり甘いかな、という感じです。おいしかったですが、見事に口の中の水分が奪われます(苦笑)。

 他にも日向夏あんを巻き込んだ「寿太郎ロール」や、昔なつかしアイスクリン、味の「姫アイス」、薩摩あげ的な具沢山の練り物天ぷら「おび天」などなど、ちょろっと食べながらうろちょろするのにいいおやつが沢山ありました! 食べてみておいしかった寿太郎ロールは1本購入しちゃいましたしね。きっとこれが狙いなんでしょうね。でも味見をしてみるのにはいい制度だと思います!

 食べ物だけじゃなく、雑貨屋さんもいろいろ出していて、とある寝具屋さんではお手製の和柄の札入れ(祝儀袋なんかも入る)と引き換えてもらえました! 手作り雑貨のお店では、ヘアゴムとかストラップと交換もしてましたよ。ついでに店内のほかのものも見て回るし、なかなかうまいこと考えてますよね〜。

 雑貨屋のおばちゃん曰く、どっかの観光地がやってたのを参考にしたらしいのですが、そこは平等に団体客がやってきたらみやげ物屋を4軒ぐらいに限定するらしいです。団体客ごとに順当に割り振っていく制度なんだとか。でも飫肥ではお客さんに自由に選んでもらえるようにしてるのよ、とのこと。どこもいろいろ考えてるんですねぇ。

 あと表通りは綺麗にしてあったんですが、一本細い道に入るとやっぱり結構火山灰がありましたね。海側とはいえ、やっぱり風向きによっては灰が飛んできてるみたいです。新燃岳は今も定期的にずっと噴火してますからね。どこも大変です。。

 その頃にはようやく胃もこなれてきており、時間もお昼過ぎということで(朝が早かったので午前中だけで飫肥を見れました!)、続いて今が旬の初ガツオを狙って漁港へと向かいます。向かった先は目井津港。そこにある港の駅めいつ、にて日南名物のカツオめしをいただきました!

 カツオめしはヅケにした刺身(新鮮!)を白いご飯の上にのっけて丼風に食べるもよし、刺身を乗っけてヅケだれをちょっとかけて、お湯を注いで茶漬け風にして食べるもよし、な素敵ご飯でした! 薬味はネギ、海苔、すりごまなどなど。刺身で食べてももちろんうまいんですが、茶漬けにするとさらにうまいんですよね……!(感動)

 それからカツオの腹側焼きもついてたんですが、腹側は初めて食べたと思います! 普通カツオってそんなに脂肪がないイメージなんですが、腹側には脂がたっぷり! 脂がのっててこってりなカツオっていうのがまた珍しくてですね。新鮮だからできることですよね。

 さらに漬物と茶碗蒸しもついて980円という安さですからもう! ちなみに初ガツオの季節ということで現在カツオめしフェアをやっておりました。いや本当にうまかったです! また来たい!!

 朝からのあの状況はなんだったのかというぐらいにカツオを堪能し、車に乗り込み続いての目標は鵜戸神宮日向灘の断崖の洞窟内に本殿があるという珍しい神社です。祀っているのはウガヤフキアエズ。神武のお父さんですね。

 有名なのはおちち岩と呼ばれる岩で、ウガヤフキアエズのお母さんで、山幸の奥さんの豊玉姫が海神の国へ帰る時に左の乳房を片方くっつけてったそうです。そこからしたたる岩清水(お乳水)で作った飴を母乳代わりにしたんだとか。今でも安産や育児の象徴となっております。

 ちなみに豊玉姫が乗ってきた亀が石となったという亀石もあって、そこに運玉という小さな素焼きの玉を投げ入れて、うまく入ると願いがかなうという願掛けもやっております。とりあえず被災地のいち早い復旧を願って投げ入れておきましたよ!(入りませんでしたが背中には当たりました)

 鵜戸神宮をお参りしたのちは、ラスト、サンメッセ日南に向かいます。とりあえずモアイがいるところ、としか認識してなかったんですが、予想以上に広かったし、予想以上になんというか、すごいところでした。サンメッセ日南って、「地球に感謝」をテーマにしたテーマパークだったんですね……!

 世界の宗教団体のトップ達から資金を拠出して建てられたという「地球感謝の鐘」とか、学術的に創建当時を再現した唯一のモアイ像を建ててたりとか、とりあえず読めば読むほどいろいろ、凄いんだな、っていうところ、でした……!

 まあ実際は宮崎県民御用達のデートスポット、って感じでしたけどね。なんかモアイ触ると開運のご利益が、なんてことになってたので。

 とりあえずなんかあれこれ本気なんだな……ってことが分かったところで、時間切れ。17時にきっかり出発し、宮崎市内に帰還したのでした。

 でも本当に楽しかったですよ日南市! いろいろ観光できましたし、ご飯も堪能できましたし! 体調が万全ならもうちょっとはっちゃけられたんですが(苦笑)それはそれとして、YさんもTさんも楽しんでたようで、また是非宮崎に来てね!とお誘いいただいたので、カツオ食いに宮崎に行くかもしれません。片道6500円だしね! 仙台に引き続き、いい感じの拠点ができつつあります(笑)

 18時半のバスだったので駅についてすぐにYさんとTさんとお別れして、適当に土産を買い込んで駅で準備をしていたんですが、突然前に座っていたおじさんが倒れて大騒ぎ。幸いおじさんの意識は回復したものの、一時騒然となっておりました。時間がなかったのでバス乗り場にいってしまいましたが、おじさん大丈夫だったのかな……。

 時間通りにバスに乗り込み、行きと同様あれこれきちんと準備を整え、2人にお礼メールを送り、見事に熟睡しながらの帰還となりました。

 でも本当に宮崎は楽しかった! ありがとう日向の国!

 今日はここまで。