トルコ旅行1日目。

山中を野良犬と彷徨うの巻。


 トルコと日本は時差が7時間(でも3月から10月はサマータイムなので6時間)あるので、飛行機にのってる時間は13時間ぐらいなんですが、イスタンブールには早朝につきました! ちなみに機内食の朝ごはんはチーズサンドとオムレツ。普通においしかったのでうまうまと完食し、睡眠たっぷりお腹も満足で健康的にイスタンブールにあるアタテュルク空港に到着でございます。気温は少し涼しめかな?と思うぐらい。朝夕はまだまだ涼しいみたいですね。そこから国内線に乗り換え、カイセリへ。たった1時間のフライトなのに、まさかの再びの朝ごはんで2度目のチーズサンドをたいらげることになりました。でも普通に生トマトや生ズッキーニが挟まってるのがいいですね! 生野菜がうまい国が久しぶりかも(笑)

 カイセリ空港に到着して荷物を受け取り、送迎のガイドさんと合流。カッパドキアに向かいます。ちなみにカイセリ空港からカッパドキアまで1時間程度なんですが、カイセリがすんごい田んぼのど真ん中にある田舎の平地の街なのに、カッパドキアに近づくにつれて奇岩がにょきにょき生えてくるのが面白かったです。なんじゃこりゃあ!っていう形の岩がごろごろしてます。いやはや、やっぱりすごいところですな、ここは。

 ちなみにカッパドキアとは奇岩地帯すべての総称で、その中にも村がいくつかあります。中でも有名なのが奇岩群の中に存在する、ギョレメという村。観光の拠点になるところなので、ホテルがたくさんあります。今回滞在するのはシャトーという洞窟ホテル。その名の通り、洞窟をそのまま部屋に利用したというホテルであります!

 とりあえずいったん荷物を置いて、予定を確認。ざっくり飛行機の中(しかもカイセリ行きの国内線)で考えていたのは、今日は一日歩ける範囲で散策して、歩いていけない範囲は現地ツアーを頼もう、というプラン。とりあえずホテルの人に聞いてみよう、と思って行ってみたら、ホテルからツアー頼んでもらえました。一日がかりでガイド交通費入場料昼食込みで70TL(トルコリラ/1TL=53円ほど)なり。地球の歩き方的にも相場はそんなもんだろう、ということだったんでOK。ついでにギョレメ村マップももらえたので、まずは銀行に両替しに行くことにしました。

 日本円からも直接できたんですが、せっかくドルとユーロに変えてもってきてたのでドルからTLに換金。まあ2回両替してるんでレートは悪いんですけどね。日本円の手持ちがあんまりなかったもんで。

 さあ行くぞ!ということでまず向かったのはギョレメ村からほど近いところにあるギョレメ屋外博物館。まずギョレメ村自体も奇岩の中にあって岩を利用した建物だらけなので景色がおかしいんですが、一歩村の外に出てもやっぱりいろいろおかしいんですよね! 景色が! 岩がおかしいのはもちろん、それぞれの岩にあちこち穴があいていて、人が住んでいた形式があるのです。

 なんでもカッパドキアにはいろいろ複雑な歴史があるのですが(トルコの歴史自体いろいろ深淵)昔からこの地方ではキリスト教徒が隠れて住んでいたりしたらしくたくさんの住居跡や岩窟教会が残っているのです。ギョレメ屋外博物館は、博物館というより教会群そのものをまるごと保存している場所です。

 なので博物館以外にもそこらへんの岩にまずいろんな人の住んでいた形跡があるわけで、さらっと一本道から中に入ればそこに広がるのは遺跡の数々。普通に飛鳥の古墳レベルの気軽さてガンガン中に入ることができます。すげーすげーと言いながら周辺をうろうろしてみたり。岩を登ってみたり。

 ちなみにそんなことをやってる最中に同期から「今どこにいる?」なんてメールが来てしまい、「大阪にはいないです」とざっくりした答えしか返せない自分に凹んだりもしてみたんですが、まあそれはそれで。

 しかし岩の形も奇妙ならそんなところに人が住んでいたっていう事実もまた奇妙なんですよね。人の造形なのかもともと岩がそんな形だったのかの判別すらつかないほど妙なことになっていたりするのです。こればっかりは文字で説明できないので写真でも見ていただくしかないんですが、とりあえずすごいなと。

 散策したあとはいざギョレメ博物館。ちゃんと日本語音声ガイドもありました! 1台だけ借りて私が聞きながら2人で説明して回るというスタイルだったんですが、本当にカッパドキアの歴史っていろいろ謎すぎますね! まあ博物館は主にキリスト教徒の隠れ家として使われていた場所なので、隠遁していた修行者たちの説明なんかを聞いておりました。

 いくつか教会の中に入ったんですが、外から見ると普通に岩に穴があいてるだけにしか見えないのに、中に入るとそこには見事なフレスコ画が! ちなみにフレスコ画とは漆喰を塗ってそれが生乾きの状態で顔料を塗って定着させるという手法だそうです。キリストはもちろん、聖書の一場面や天使たち、当時カッパドキアであがめられていた聖人などなど、さまざまな情景が書かれておりました。損傷の激しいものや解釈が不明なものなどいろいろありましたが、そもそも洞窟の中にそんな世界が広がっていることにまず驚きですよ! トルコそのものは現在はイスラムの国ですが、隣はギリシャだし、かつてはローマ帝国の一部だったわけで、いろいろあった場所なんだなぁ、と。

 ちなみに音声ガイドでいろいろフレスコ画の場面についても解説があったんですが、勉強不足な私にはわからないことの方が多かったです。やっぱり旧約聖書読まんといかんな……。

 そしてさすが世界遺産というべきか、すんごい観光客だらけでした。団体さんにつぐ団体さん。日本人は少なかったんですが、欧米の方や中国・韓国の方は結構いらっしゃいました。

 疲れたのでカフェで休憩していたら、突然雨が。さっきまで天気がよかったのに……と思いながら雨宿りしていたら、30分ほどですぐに上がりました。本当に通り雨だったみたいです。

 博物館を見た後は続いてレッドバレーと呼ばれる場所に行くことに。一応ギョレメからハイキングコースがあるよ!と頂いたギョレメマップには書いてあるのですが、今いち道がはっきりしません。地図もかなり簡単なものだし、一応看板で「←RED」みたいな簡単な表記があるものの、そもそもこの道であってんのか?という不安満載な感じ。

 ただ博物館以外に歩いていける範囲で見るところもないので、いっちょ行ってみるか!とレッドバレー目指して山道を歩いていくことに。

 山道に踏み込みてくてく歩いていると、突然一匹の白い野良犬が現れました。とくについてくるわけでも餌をねだるわけでもなく、私たちの少し先をとことこ歩いていきます。途中で道がわからなくなって、地図を見ながらうなっていたりすると、こっちだよ!と言わんばかりに振り返ってみていたりするのです。

 若干疲れていた私たちは思わず「あのわんこは私たちを導いてくれているのか!?」という思考に陥り、犬を信じてついていくことに。すると岩にペンキで書かれた「←RED」表記なんかが見つかったりして、おお、やっぱわんこが正しい!とわんこについてさらに進みます。

 途中で明らかなけもの道に連れ込まれたり、明らかに人の畑に踏み込んでみたり、どう考えてもこれ行き止まりじゃない?みたいな道に踏み入れてみたりと多々の難所を乗り越え、ひたすら歩き続けること1時間。わんこはあっけなく別の野良犬と出会って去っていきました(遠い目)。

 完全に野良犬に混乱させられただけだった私たちは、それでも標識を頼りに歩み続けます。もはやここまで来ると意地です。もはや地図など頼りになりません。時折あらわれる消えかかったかすかな「←RED」の標識だけを頼りに、そしてもしどうしようもなくなったら元来た道を引き返す覚悟で、ひたすら歩み続けます。雨が降ったせいで道はぐちょぐちょ、滑りやすくなっている急傾斜の山道をひたすら信じて登り続けるしかないのです。

 途中からなんでこんなことやってんのかさっぱりわからないレベルまで追い込まれましたが、ついに1時間半後、レッドバレーらしき見晴らしの良いところに到着! そしてそこには小さなカフェが!!

 3人でやったぁぁぁ!と叫ぶぐらいの達成感でした。いやーよかった! 本当に良かった! 外国人観光客も何人かいましたが、明らかにトレッキング仕様の皆さんばっかりでした。そりゃそうだよね本気の人しかこんなとこまでこないよね……。

 とりあえずフレッシュジュースを飲んで一息ついて、休憩。一息ついたところさあ、今から元来た道を引き返すか!と覚悟を決めたら、カフェの兄ちゃんに『君たちそっちじゃないよ!』と引き留められまして。

 なんとそこのカフェは別にレッドバレーでもなんでもなくて、カフェさらに少し進んだところがまさに見晴らしの良いレッドバレーでした! すごかった!! すんごい光景が目の前に広がってた!! 私たちは今まさに地球を歩いてるんだ、っていう実感がわき起こる感動でした。いや地球はすごい。面白い。BGMは君をのせてですよ。そのときまさに我々は地球の大地を踏みしめて歩いていたわけです。すごい感動だったなぁ、あれは……。

 結局そこから案の定ぐるっとまわって1時間かけてギョレメ村まで戻ったんですが、十分に価値のあるレッドバレーまでの旅でしたよ。やっぱり自分の足で大地を堪能するっていうのは大事ですね!

 まあホテルに帰り着いたときは完全にぐったりだったわけですが(苦笑)初日からなんてハードなんだ!と思いつつ、少し休んでから晩御飯へ。(ちなみに昼ごはんは朝ごはん2回だったので行きませんでした)

 近くのレストランに入ったんですが、まずはビールで乾杯。トルコはイスラムの国ですが、結構ビールは一般的に飲まれてます。中でも定番はエフェスビール。さっそく乾杯して、まずはトルコ名物ケバブをいただきます。ケバブ=肉料理、ということなので串焼きだけがケバブではないのですが、やっぱり有名どころは食べときたいよね、ということでシシケバブ(串焼き肉)を注文。それからアダナ・ケバブと呼ばれるピリ辛のひき肉ソーセージのようなケバブと、サチ・タワというトマトとラム肉とシシトウの鉄板煮込みをいただきました。どれもめちゃめちゃビールに合うよね!!

 基本的にワンプレートランチらしく、それぞれサラダやごはんがちゃんとついてました。ついでにパンも食べ放題! トルコのパンはうまいと聞いてましたがやっぱりうまかったです。小麦の味がしっかり! トルコ料理って超うまいな!と思いながらビールとケバブで飲んだくれていたのでした。

 途中スーパーで水を買ってホテルに戻ったんですが、ホテルは洞窟なので当たり前ですがシャワーもトイレも超簡易。基本的にトルコのトイレは紙を流せないので(つまるから)いろいろ大変でした。何よりシャワーのお湯がめっちゃぬるい! 上にホテルの部屋自体も洞窟なんでめっちゃ寒い!! あと部屋の照明もめっちゃ暗い!!

 雰囲気と快適さは両立しないんだな……と思いつつ、寒い寒いと騒いでお風呂に入り、余っていた布団を拝借しつつ、目一杯着込んでようやく就寝したのでした。とりあえず初日から濃厚で満足です!

 今日はここまで。