トルコ旅行2日目。

上空から下界までの全体。


 4時半に携帯のアラームをセットしていたら、それより早くアザーンイスラム教の1日5回の礼拝への呼びかけ)で目覚めるというまさかの朝でした。さすがイスラム国家……! 洞窟なので真っ暗な中でごそごそ起きだし、寒さの中震えながら身支度を整えます。もちろん洞窟だから寒いっていうのもあるんですけど、カッパドキア自体がそれなりに標高が高いのでそれで寒かったりもするんですよね! さらに今から気球に乗りに行くので防寒対策が必要、ということで目いっぱい着込んでおきました。

 5:20の迎えに乗り込み、いざ気球ツアーへ。昨日レッドバレーを目指してうろちょろしていた広いのっぱらに、いつの間にやらぽこぽこ気球が準備されているではありませんか! しかも観光客がわんさか。最近のカッパドキアではバルーンツアーが大人気らしくて、どんどん気球の数が増えていってるらしいのです。

 名前呼ぶからしばらく待ってて!と言われたので、ちょっとした売店みたいなところで他の団体さんたちと待機。無料でコーヒーとおやつを配布していたのでコーヒーもらおう!と思って調子にのっていたら、しょっぱなから人とぶつかって手にあっつあつのコーヒーをこぼしてヤケドするという事件を起こしたりしておりました。痛いけどどうしようもないので舐めてごまかそうとしている間にバルーンの順番が。

 気球に乗るのははじめてですが、やっぱり間近でみるとすんごいでかさです! すごく単純な機構なんだけどこれを自由自在に操るってすごいですよね。バーナーをぶぉんぶぉん吹かせるパイロットに元気にあいさつして乗り込みます。私が乗り込んだバルーンはアナトリア・バルーンの気球。ほかの会社の気球も大量にあるんですが、中にはHISの気球なんてのもありました。スポンサーかな? 20人ぐらいのれる大型のものもあったんですが、私たちが乗ったのは10人乗り。カメラマンさんに写真をとってもらって(あとで確実に売りつけられることを想定しつつ)レッツフライ! ほとんど揺れもせずスムーズに地面を離れていきました。

 バーナーを吹かせるとどんどん上に上がっていきます。そして岩を超え、山を越え、見えてきたのは真っ白な朝日に照らされたカッパドキアの奇岩たち! 地平線の果てまですべてを見渡せる素晴らしい光景でした。昨日てくてくひたすら歩いた山道も、レッドバレーも、ギョレメ博物館も、ギョレメの村も、何もかもがはるか眼下にありました。なんて素晴らしい光景なんだろう……!

 思わずぐっとくるくらい素敵な景色でした。昨日のレッドバレーからの景色とはまた違った感動です。やっぱ地球って広いんだな。天気が良くて、朝日がきらめいていて、ほかにもたくさんのカラフルな気球がいったりきたりしていて。どれも素晴らしく綺麗で素敵でした。自然ってなんて雄大で素晴らしいんだろう! BGMは昨日に引き続き君をのせてです(笑)

 ショートバルーンツアー、といいながらそこから40分間カッパドキアの上空を縦横無尽に飛び回りました。気球って意外と細かく操縦できるんですね! もっと風に漂うだけかと思っていたら、地表スレスレをすり抜けてみたり、ほかの気球に近づいてみたり、はるか上空にあがってみたりといろんなパフォーマンスを見せてくれました。いやーすごかった。

 たっぷり堪能したあとは、これまたパイロットの腕の見せ所。降りるポイント近くではまた別の気球がセッティング中だったため、少し離れたところにいったん降りてから、地上のおっちゃん達の手を借りてそのままトラックの上まで気球ごと移動。こうするとしたのかご部分だけにして簡単に運搬できるんですね。なるほどなるほど。

 おっちゃん達が手早く気球を回収していく様や、隣で新しい気球がセッティングされる様子なんかも一緒に見れて面白かったです。いやーたしかに気球ってはまるかも! そういや高校のときの友達が大学で気球サークルに入ってたな……。

 ようやく降りたところで、なぜかおっちゃんたちが車から小さなテーブルとテーブルクロスを取り出しまして。いったい何がはじまるのかなと思っていたら、なんとシャンパンで祝杯! 軽快に栓をとばして、早朝からシャンパンで乾杯したのでした(笑) いいですね、こういうノリ。

 ついでに飛行証明書みたいなカードも配られて、ついでに写真も1枚4ドルで購入。でも素晴らしい思い出だったので写真もほしくなりますね。そのまま車にのってホテルまで戻ったんですが、本当に素敵な体験でした。いやー130ユーロの価値はあった!(16000円ぐらい)

 まだ7時半だったので、そこからホテルで朝ごはん。トルコ式の朝食を頼んだらパン・ズッキーニ・トマト・チーズ2種・ブラックオリーブゆでたまごがお皿にのってやってきました。なかなかおいしいです! 部屋は暗くて寒くて大変ですが、朝ごはんを食べるテラスは外にあるので天気が良くてまぶしいぐらい。ぽかぽかして気分がいいです! しばらくそこでくつろいだ後、9時になったのでもういちど銀行で両替。今度は日本円で両替しておきました。だんだん海外でのエクスチェンジも慣れてきましたねー。

 9:30には昨日頼んだツアーの迎えが。ミニバスに乗りこみ、ツアースタートです。ちなみにトルコの車両は当たり前ですが、大体ベンツかフォードかワーゲンです。いやこっちにとっては別に外車でもなんでもないんだけど!(笑) 日本車がないっていうのがなんだか新鮮でした。

 続々とホテルをまわって人を集め、最終的には15名。内訳は、大阪天六在住のご夫妻、門真在住のお兄さん、旦那さんが中国人で奥さんがラオス人なカップル(夫婦?)、イギリス人のお兄さん3人組に、アメリカ人の兄さん、イタリア人の老夫婦、韓国人の女性、そして我々というやっぱり多国籍なメンバーでした。現地英語ツアーって面白いですよね!

 まずはギョレメ村を出てすぐの、ギョレメ・パノラマ。見晴らしのいい高台からカッパドキアの奇岩が一望できます。ガイドのお兄さんが英語で一生懸命トルコの歴史からカッパドキアの歴史、大地の成り立ちまで教えてくれるので、なんとか理解しようと必死で聞いていたら、隣にいた別のツアーの日本人大学生男子3人組が全力のかめはめ波かまして途中でわからなくなりました。いやかめはめ波撃ちたくなるのわかるけどさ……正直奇岩みたときからドラゴンボールみたいやなってずっと思ってたけどさ……!

 ちなみに解説の理解度は6割程度。一応10分ほど自由時間もらったので写真をとったりうろちょろしてました。その間にイギリスの兄さんズはめっちゃ体に悪そうな色のアイスを食べていて、思わず欧米か!て思いました。(偏見)

 バスに乗り込んで次の場所に向かう間もガイドのお兄さんが英語であれこれ解説してくれるんですが、バス中になると途端に英語の理解度は3割ぐらいまで落ちます。なんでかっていうと現場だと今何について説明しているかっていうのがわかるので、たぶんこういう話をしてるんだろうっていうアタリをつけて聞けるので単語を拾いやすいんですが、バスはまったく手がかりがないんですよね。うーむ、やっぱり勉強せんといかんなぁ。

 しばらく走ったのち、続いてはデリンクユの地下都市。なんとカッパドキアにはたくさんの地下都市跡があります。ギョレメは洞窟に作った教会ですが、地下都市はその名のとおりアリの巣のように地下にトンネルを掘って生活していたというのです。しかもなぜそんなものが作られて、誰が暮らしていたのかがまったくの謎。一時期ローマに追われたキリスト教徒たちが暮らしていたといのは確からしいんですが、それよりもずっとずっと前から広大な地下都市がそこには存在していたというのです。

 とにかくこの地下都市、広いし深い! なんてったって地下8階とか10階とかまであって、トンネルが張り巡らされていて、通気口も井戸も完備されているし、食糧貯蔵庫やら台所やらリビングやら礼拝堂やら学校、はては家畜用の部屋やら死体安置所まできっちり作られているんです。何キロも離れた他の地下都市とトンネルでつながっていたり、すべての入り口に敵の侵入をふせぐための丸い円盤状の扉がついていたり、とにかく地下要塞っていってもいいぐらい何かを恐れて人々が暮らしていたようなのです。デリンクユは4万人が暮らしてたって言われてるんですって! もう謎しかない!!

 とにかくわかってないことが多いらしく、いろんな説があるのだとか。ガイドの兄さんがあれこれ説明してくれるんですが、なんとか頑張って聞いてました。いや、まさに世界のふしぎを発見ですよ。でもやっぱり地下では暮らせないな……寒いし暗いし冷たいし……。

 明るい地上に戻って車に乗り込み、続いてはウフララ渓谷へ。深い谷に川が流れて、きれいな緑が広がる素敵なハイキングコースです。ここにも洞窟教会が残っていて、そのうちのひとつ、アーチアルトゥ教会へ。ここにもギョレメ博物館と同じくフレスコ画が残っています。

 そこからガイドについて川沿いをテクテクひたすらハイキング。でも天気が良くて、川の流れがきれいで、何より季節がちょうどよくてたくさんの花が咲いていたのが良かったです! 標高が高いからか、ちょうど今が春なんですね。昨日と違って平坦な道なので(苦笑)余裕をもって景色を堪能することができました。いや、昨日ももちろん楽しかったんだけども!

 みっちり1時間歩いてお昼のレストランへ。ランチはビーフかチキンかフィッシュか選べて、あえてチキンにしてみました。昨日の夜食べたサチ・タワみたいな感じかな? 基本はトマト鉄板煮込みみたいです。もちろんエフェスビール1本飲んで(別料金)、他の日本人の皆さん(全員関西人)といろいろお話しながらいただきました。天六からいらしたご夫婦は仕事やめて来られてるらしいです。前はヨルダンに行ってたんだって! 行ってみたいなヨルダンも……。

 午後(といっても昼が遅かったのですでに15時)はまずSELIME?という貿易の隊商の宿泊跡?みたいなところへ。もちろんガイドさんがすべて解説してくれたんですが、なにせ英語なもんでおおよそ推測です。地球の歩き方にも載ってない場所だったんですもの!

 かまどの跡や教会の跡が残っていて、大きな岩の洞窟を利用して3階建か4階建てぐらいの高さがありました。山をそのままくりぬいて作ったみたいな感じです。教会も地下都市も全部そうだけど、10世紀とか11世紀とかそんな時代にこんなものが作られてたっていうのがすごいですよね。

 続いてはピジョンバレー。高台から見渡す限りの奇岩が広がる絶景ポイントなのですが、一面が鳩の巣。この鳩の糞を集めて肥料にしてブドウを育てていたのだとか。

 ラストに恒例の土産物屋で、ガイドがオニキス!っていうから何のお店かなと思ったら、大理石からトルコ石まで各種宝石取り揃えなお店でございました。買えるわけないよね値段的にね! ということでとっとと素通り。ちなみにオニキスは黒メノウのことでした。

 最後に旅行会社で今日のツアー代金を支払って、ホテルまで送ってもらって皆さんとお別れ。なかなか充実したツアーでした! やっぱりあちこち離れているとツアーに参加するのが一番楽ですね。

 いったん休憩してから街をぶらぶら。明日にはカッパドキアを発ってしまうので最後の街を楽しみます。夕焼けを見に高台に上がろうかという話も出たんですが、どう考えてもレッドバレーレベルの苦労が想定されたので断念。昨日とは別のレストランでケバブをいただくことにしました。

 ちなみに今日はビールではなくラク(Raki)というお酒を飲むことにしました。トルコの国民的なお酒で、ブドウから作られる蒸留酒。アニスというセリの仲間?の植物で独特の香りがつけられてます。水加えると白く濁る不思議なお酒で、40〜50度ぐらいあるらしいです。店でラクのみたい!って頼んだら店員さんに強いねキミ〜みたいなリアクションされました。でもうまかったなぁー! トルコはイスラム国家ですが結構酒が飲めるのがうれしいです。

 本日のケバブはテスティ・ケバブという素焼きの壺でぐつぐつ煮込んだケバブ。壺ごと持ってきてくれて、目の前で割ってくれます。なかなかうまい! それからトルコのピザ、ピデ(トルコ語ではこう発音)。端を折り返してチーズや具材を船型に包み込んでるのが特徴です。これもおいしかったなぁ。パンというかナン?も焼き立てがまるごと出てきたし。トルコ料理ってやっぱり合うかも!

 晩御飯を堪能し、昨日と同様にお水を買って部屋に戻ります。この寒い部屋も今日で最後、と思えばいっそ寒いシャワーも……と思いましたけどやっぱりシャワーはあったかい方がいいですね。部屋もあったかい方がいいし、明るい方がいいし、洞窟で人ってやっぱり住めないと思うんだ!!(結論)

 今日はここまで。