ポルトガル旅行2日目。

着物de観光inポルトガル


 寝たり起きたりを繰り返して6時半に起床。朝イチでポルトに移動するため、7時半には出発しないといけないんだけど朝食はどうかな、と思って聞いてみたらやっぱり7時半から朝食でした。デスヨネ。

 仕方ないので早々にチェックアウトし、メトロでサンタ・アポローニャ駅へ。ここからポルトガル国鉄であるCPに乗り換えます。チケットは事前に受け取っているものの、引き換えが必要な場合もあるので一応窓口で聞いてみたら、そのままでOKとのこと。乗り場もわかったので近くのカフェで朝食をとりました。

 チーズとハムのはさんであるパンとコーヒー(エスプレッソ)で3ユーロ弱。パンがうまいのはやっぱりヨーロッパですね! ただ野菜がかけらも介入しないので(昨晩も食ってねぇ)私の海外での心の癒し、野菜一日これ一本をちゅーちゅーしておりました。これいろんな人に勧めるんですけど、めっちゃほっとするんですよ! もちろんおなかにも優しいですしね!

 Wifiがつながったのでしばしそこでだらだらし、列車がきたので中へ。コンパートメント的な感じになってるのかな?と思ったら普通の特急列車でした。が、席の向きが逆! え、みんな逆方向で行くの?と思ってあたりを見回したら、車両の真ん中で前後が逆転して固定式になってました。つまり半分の人は絶対に逆向き固定というわけです。

 日本のシステマチックなドッチもシート(JR)や回転式(近鉄)に慣れきっていた私にはいろんな意味でカルチャーショックでした。だって3時間もこのまんまなんですよ!? ええー……。

 まあ特急スタイルだったので荷物抱き込んで爆睡できたのは良かったんですけどね。コンパートメントや普通の車両だったらあんまり寝ちゃだめですけど(荷物が消える)これだとちょっとほっとします。景色はどこまでもヨーロッパでした! しばらくは風景に目を向けるんですが、あまりに平坦な大地が続くので途中で飽きて寝るというパターンですね!

 寝たり起きたり日記を書いたりしていたらポルトに到着。カンパーニュ駅の近くにうまいタコ飯を出すところがある、というのが地球の歩き方に載っていたので行ってみることに。駅前からがっつり坂で、本当にリスボンもそうでしたけどポルトも坂道だらけの街です。しかも石畳だからスーツケースがかなりつらい! 友人が気を使ってもってくれましたけど本当に苦労しました。

 なんとかタコ飯のお店が見つかったので中へ。タコのてんぷらとタコ飯のセット、コロッケなんかを頼んでみました。お供はもちろんセルベージャ(ビール)! ポルトはスーパーボックというメーカーが有名なようで、サグレスとはまた違ってコク重視。でものど越しもいいし、かなりバランスが良くてめっちゃうまかったです。またタコ天にあうのよこれが!!

 タコは普通にうまいに決まってるよね(真顔)というレベルでした。コロッケもうまかった! 本当に世界中の人はもっとタコを食べるべき! エスカルゴもしっかり市民権を得た日本なので、本当に日本人が食べないのは犬ぐらいだと思います(でもたぶん出されたら食うんだろうな私)

 満足したんでどっかでコーヒー飲もうぜ、となったので駅の近くにあったLOW COST CAFEへ。あまりに直球な店名だというそれだけのテンションで入ったんですが、すごくファストフードなレストランでした。コーヒーも悪くなかったですよ。結構エスプレッソも好きなので料理は本当に合うんだなぁと思います。今のところ何もハズレないですもん!

 カンパーニュ駅まで戻り、そこからCPで街の中心であるサン・ベント駅へ。スペインでも思ったんですが、いわゆる国鉄の駅って改札がまったくなくて、車内の検札だけなんですよね(メトロは基本自動改札がある)。でもこんだけ人数乗ってるのに全部まわって検札するって結構大変な気がするんですけどどういう仕組みなんでしょうね? 特急とかならわかるんですけど……。

 サン・ベント駅に降り立ってまず目に入るのは一面に張り巡らされたアズレーショ! アズレージョとはタイル絵画のことで、モザイクみたいなものもあれば、何枚もつなげて絵画を表現しているものもあります。サン・ベント駅アズレージョポルトガルの歴史を何枚にもわたって壁一面に表現していて、中でも有名なのはエンリケ航海王子のセウタ攻略。確かに見事でした。タイル絵画はイスラム圏でも結構ありましたがまた雰囲気がぜんぜん違いますもんね。これはいい! ようやくポルトガルらしい芸術を見た気がします。

 ホテルはそこからメトロに乗り換えて、少し郊外へ。カーサ・デ・ムジカ(Casa de Musica)という駅で降ります。その名のとおり、音楽堂が近くにあるのですが、降り立った印象がまず都会!という感じ。車道が広いし普通にアスファルトだし、新市街はやっぱり都会感でますね。リスボンのホテルも郊外でしたが、そちらは住宅地であまり商業施設がなく、のんびりしたところだったので。

 音楽堂の前には大きなランドアバウトがあって、それもヨーロッパだな、という感じ。ランドアバウトの中はそのまま公園で、緑が広がっておりました。中心に大きいモニュメントがあったんですが正体はいまいちわからず。今Google先生に聞いてみたんですがそれでもいまいちピンとこないですね。

 ホテルまでは歩いて5〜6分。ちゃんと看板が出ていてすぐ見つかったので一安心。そしてチェックインしてどきどきしながらホテルの部屋の扉を開けてみたらちゃんとしたツインでした! やったー! ベッドが二つあるよ!!(ハードルがもはやマイナスだった)

 もろもろ一安心ですが、すでに時刻は昼下がりというか中途半端な時間。あれこれ行きたいところはあるけれど、時間が微妙だなというのと、あわせて天気も微妙な感じでして。

 曇り空だし、昨日の感じだと日が暮れてからはぐっと冷えるので、今こそ日本から持参したアレを着るときでは?という話になったので、そこから急遽決行することになりました。その名も「着物de観光inポルトガル」。今回行き先がヨーロッパになったときから、一度は海外で着物を着てみたい!ということでわざわざスーツケースにつめてきたのです。

 いつもなら自分のスーツケースで十分なところをわざわざ母のでかいスーツケースを借りてきたのもそのため。荷物の半分を着物にしてもってきたんだから涼しいうちに着て写真撮ろうぜ!ということに。

 というわけで着替えてポルトの町へ。ちなみに友人は私が着物を持っていくといったときにネタで俺も!ということでバーレーンで購入した中東の民族衣装カンドゥーラを持参しておりましたが、さすがに着用ははばかられたので手にもったままとりあえずメトロでサン・ベントまで戻ります。

 ちなみに今回持参した着物は盗られても後悔しないもの、ということで日本でもほとんど来たことがないかなりアバンギャルドな色と柄のウール。帯も一番簡単な博多織の名古屋帯(それでもすんごくいい帯なんですけどね!)。本当は半幅でも十分だったんでしょうけどなぜかそこは妥協したくないという闘争心がありまして。草履もちゃんと持参しましたものこの瞬間のためだけに! バックももちろん風呂敷で作成します。手は抜かないですとも。

 メトロで移動しているときからすでに注目されまくりだったわけですが、サン・ベントはより人が増えて視線をビシビシ感じるようになりました。ここで話しかけてこないのがポルトガルって感じですよね。とりあえずさっきも堪能したアズレージョの前で記念撮影だ!ということでひとしきり写真をばちばちとっておりました。

 せっかくだからそのままゆったりと街を散策。おそらく観光客とおぼしき白人のご夫婦が話しかけてくれて、いいね、と褒めてもらえました。とりあえず着物と異国の風景で記念撮影ができれば満足かなと思ってたんですが、ポルトの町並みもまた絵になること……!

 ポルトはドウロ川という川沿いの町なんですが、その岸辺の風景やカモメが飛び交う坂道の多い街、という風景がものすごくジブリっぽい、平たくいうと魔女の宅急便ぽいのです。日本人がイメージするヨーロッパがそのまんまなので、すごくテンションがあがります。旧市街というか、中心地にはほとんど高い建物がなくて、道も狭くて石畳で、坂ばっかりで、ちょっと一本入ると路地で。小さい子たちが遊んでいたり、洗濯物がロープにつるされていたり、出窓に花が飾ってあったり、みたいな。雰囲気に浸るのがやっぱりこの国を楽しむ最大のポイントなんだなぁとしみじみ思いました。ちなみにポルトの町並みや景観そのものが世界遺産に指定されています。やはり!

 散策ついでにカテドラルに立ち寄ったんですが、ここは結構よかったです! 夕暮れで人が少なかったっていうのもありますけど、そこまで押し付けがましくなかったというか、ゆったりしていたというか。まだ落ち着きようがあるかな、と思いました。回廊とかは別料金になるんですが、こちらもやはり時間がギリギリ。とりあえず中にはいってみたものの、時間が足りなかったので最終日にもう一回ゆっくり来よう、ということで落ち着きました。

 教会や博物館関連は軒並みしまってしまったので、そのままてくてく歩いて川の対岸へ。ドウロ川の対岸にはワイナリーが並んでおります。ドウロ川の上流域で作られる葡萄を原料に、発酵途中でブランデーを加えることによって発酵を止め、果実の甘みを残すという製法のようです。(これを酒精強化ワインと呼ぶそうです)そのままポルト港から輸出されるので、ポルトワイン(ポートワイン)と呼ばれるわけですね。

 観光用に酒樽を積んだ帆船なんかもあって雰囲気はばっちりでした! 橋の上と川辺をつなぐロープウェイもあって、せっかくなので乗ることに。ただしく観光ですねぇ(笑)街を歩いてても思うんですが、ほとんど日本人観光客を見かけないんです今回。中韓の観光客もぜんぜんいないし、そもそもアジア系の人がほとんどいない。観光客はほぼ欧米の方ばかりで、しかも年配のご夫婦が中心。それが返ってわれわれには新鮮だったりするのですけどね!

 いい加減に日も暮れてきて、なんなら小雨が振り出したので晩御飯を食べようということに。ただ石畳の坂道を草履で歩き続けた私の足に限界がきており、とにかく一回ホテルに帰って着替えてから行くことにしました。

 ホテルに戻って着物を脱ぎ捨て(ちなみに草履の鼻緒がすれて出血してました/どおりで痛いと思った)、疲れもたまっていたので近くのショッピングモールへ繰り出してみることに。フードコートにマクドが入っていたので、そのままマクドナルドで晩御飯となりました。

 ちなみに海外に行くたびに現地のマクドで現地メニューを頼むというのは私と友人共通の趣味なので、迷いなくポルトガル限定の「Mc Prego」をチョイス。プレゴ(Prego)というのはポルトガルの牛肉サンドイッチ?のことらしいですね。バンズの生地がどちらかというとマフィン系でずっしり重く、なかなかよかったです!

 腹ごしらえが終わったあとはモールに入っていたスーパーに立ち寄り、当たり前のようにビールを購入。スーパーボックの黒ラベルがあったのでテンションあがって購入しました。ホテルに戻って風呂上りに飲んでみたんですが、黒になっても結構バランスがよくって本当においしいビールですねぇ。これはよいものを見つけた!

 ツインということで今晩は安心して就寝。そして若干もうこれ以上何も起こりようがないよな、という気もする。

 今日はここまで。