ポルトガル旅行1日目。

ドバイからのリスボン


 エミレーツということでドバイ経由なわけですが、トランジットの際には再度保安検査を受けないといけないようで、列に並ばされました。でまあいつものとおりに荷物を置いて軽く金属探知機を潜り抜けたところ、エラーが。え、何これで普通に関空通ってきたんだけど!?と思って、普通だったら係員さんが静止してハンディタイプの探知機で探してくれたり、身体検査をしたりするじゃないですか。と思ったら問答無用で並びなおせ!とのご指示。いやちょっとまって手荷物が全部先に行っちゃってるんですけど!やばい友人頼む、と思ったら友人もがっつり引っかかってやんの。

 列は長いし最後尾なんか並んだら潜り抜けるころには貴重品が消え取るわ!ということで友人が割り込んでくれたので、二人で超あせりながらとりあえず関係しそうな靴だのベルトだのを全部抜き取り、潜り抜けたものの、貴重品のそばに近づくまでは本当に気が気じゃなかったです。安全管理的にマジどうなの。怖いわ!!

 二人とも海外には何回も行ったことがあるので気を張ってないと一瞬で荷物が消えるなんてことは知ってるわけで。いやいやいや、と思いながらなんとか貴重品を取り戻したのでした。プチパニックだぜおい。

 トランジットの時間がそこそこあったのと、ターミナルが一緒だったのでベンチでちょっと休憩。フリーのWiFiがなく、結局うろうろ探したものの見つからなかったので最初の30分だけ無料!みたいなものにアクセスすることになりました。関空だったらちゃんとタダなの準備してくれてたのに。

 でもドバイ空港はかなり広くてきれいで新鮮でした! ついた時間がまだ暗くてぜんぜん外が見えなかったのは残念ですが、なかなか面白かったです。さっそくFacebookに記事をアップしてみたり。いやぁ便利な世の中だなぁ!

 トイレは結構きれいなのかなと思ったら普通に和式(金隠しなしバージョン)でしかもTOTO製なのを新鮮に思いつつ、リスボン行きの飛行機へ。搭乗してから気づいたんですが、ドバイからリスボンまで7時間半もかかるんですね!(イメージは4時間ぐらいかと思ってた)

 前にスペイン行ったときはKLMで行ったからアムステルダム経由で、結構簡単にいけた感じだったんですがそりゃ南周りはそんだけ時間かかりますよね……まずドバイまで12時間ぐらいかかってますもんね……。トランジットの時間も含めたら実質20時間ぐらいですからそりゃエミレーツが空いてるわけですよ。まあこれも経験だからいいんだけど!

 もう一回朝ごはんが出たのでとりあえず平らげてからいったん寝て、そこからはまたもひたすら映画。アナと雪の女王があったので英語版をきっちり全部見て、シャーロックのシーズン3もあったので名場面をもう一回見て(でも英語字幕が出なかったのでよくわからんかった)、お昼ごはんもきっちり食べて、調子にのってハイネケン飲んだりしてました。友人は酒好きだけど下戸なので若干遠慮してたんですが、いつもの友人Aと行くときや姉と行くときは絶対行きの飛行機で飲んでるので飲まないとなんか海外旅行感がないといいますか。悪いけど飲むわ、といったら了承してくれたので(まあ嫌がられても飲むけど)勝手に乾杯しておりました。もうこの旅行中ひたすらビールを飲んでやる、と心に誓います。

 長かった飛行機がようやくリスボンについたので、荷物をひきとり(鍵なしでもなんともなかった)、メトロで市内に向かいます。とりあえずホテルにチェックインしようぜ、ということで地図を頼りにいったんですが、案の定盛大に迷いました。スペインでもそうなんだけどわかりにくいんですけど!! ネットが使えればGoogleで調べるんですが、海外ローミングするほど裕福でもないのでひたすら足で探します。いったりきたりした結果、ようやく見つけたのは本当に小さい看板が出てるだけの普通のマンションで、2階〜6階がホテルであとは普通のマンション、みたいなホテルでした。わかるかいな!!!(エントランスがオートロックで戸惑ってたら別の人が中から偶然開けてくれて入れた)

 そしてやっと見つけたホテルにチェックインしようとしたら、予約がないと言われて愕然。友人が英語が堪能なので交渉は任せましたが、フロントの兄ちゃんがいまいち頼りにならない感じで、結局ないとかごにゃごにゃ言うてた癖にちゃんと探せよ!と友人が言ってくれたら結局見つかるという。あるんかい!!

 もうなんかぐったりだぜ……ということで部屋に入ってみたら、まさかのダブル。え、ちょ、まじか!となるが、実はホテルのバウチャー確認してたときから嫌な予感はしてたんですよね。何せ「2名1室利用の場合、2名で泊まれる部屋であってツインとは限りません」みたいな但し書きがあったんでね!!

 書かれてた以上文句も言えないのでとりあえずちょっと休憩してからとりあえず出かけますか、ということでリスボン市内へ。しかし暑い!! でも本当に快晴で、青空が日本じゃない。スペインのときも思いましたが、青空の青の濃さが根本的に違うのですよ。これぞ地中海沿岸!といわんばかりの青空なんです。色彩が違う。

 まずメトロで街の中心地であるロシオ広場に移動し、広場基点にいける範囲でうろつくか、ということで目に付いたカフェでいったん休憩。ポルトガルの伝統お菓子、ナタ(エッグタルト)を注文。私はもう暑すぎてビール一択!という気分だったのでビールを注文。サグレスというビールでした。こちらはリスボン付近で作られてるビールみたいですね。爽快で飲みやすく、キレのある感じ。乾いたのどにはちょうど良かったです!(ナタとは合わないけどナタはナタで食うので良い)

 ビールを飲んでようやく調子が出てきた気がする!ということでテンションがあがったので近くの教会へ。カルモ教会へ。1755年に起きたリスボン地震で崩壊し、その外壁のみが残されているというところです。と思ったら、そのカルモ教会の隣に警察官?軍隊?な人が白馬とともに立っているではありませんか。やだかっこいい!ということで写真をぱちぱちとっていたら、ほかにも関係者がうろうろ。どうやら教会の隣の施設を使って展示会?をタダ?でやっているらしく、よくわからんが入ってみようぜ!というノリで中へ。

 ひたすら「GNR」というロゴが出てきて、中世の騎士団のような組織からどうやら警察組織になっていくまでの歴史展示、のようなものが行われておりました。昔の剣とか短銃とかイギリス王室から請け賜った箱とかもうなんかRPGの武器としか思えないような厨二心をくすぐられるものばかりでテンションあげあげ。私も友人もファンタジーは大好きだし、結構軍モノも好きだし、銃弾を受け止めた聖書とかあったらもうどこのファンタジー映画ですかという話ですよ。偶然見つけて入ったけど超おもしろかったです!

 中庭には車とかバイクとかめっちゃあって、しかも当たり前ですけどシトロエンだのBMWだのとりあえず造形重視なつくりでどれもこれもかっこよかったです。クールでした!

 まあ調べてみたところGNRとはポルトガル共和国国家警備隊(Guarda Nacional Republicana)の略らしいのですが、Wiki先生によるとポルトガルにおける国家憲兵組織だそうです。でもこれとは別にPSP(公共治安警察)もあって、そっちが普通にポリシア(Policia)と表記されていて、でも別に軍もあってさっぱり体制が理解できておりませんでした。どこの町にいっても結構GNRとPSPの両方があってよくわからない、となってましたが主に警備業務がGNRで犯罪捜査はPSPというわけ方みたいですね。いや憲兵とか騎士団とか日本はなじみがないもんでね……。

 なぜかまずポルトガルの国防から学んでしまいましたが、続いての教会へ。サン・ロケ教会はイエズス会の教会で、天正遣欧少年使節が滞在したこともあるそうです。伊東マンショですね! いつも慶長遣欧使節とごっちゃになるんですが、こっちは別にポルトガルは経由していないようです。

 あくまで宿泊地として滞在しただけなので特にそれ関連のものがあるわけじゃない、と思ってたんですが併設の博物館には日本から来たと思わしき蒔絵の箱がありました! 使節団とはおそらく関係なく、大航海時代の何かで来たのかもしれませんね。

 スペインでも散々カトリックの教会には行きまくったので基本的な印象は同じなんですが、やっぱりこうなんというか自己主張が激しすぎてどうしよう、って感じになりますよね。しかも大航海時代で得た富を惜しげもなくぶちこんでいるというので、確かにすごいんですよ。金のかけ方が。もうおなかいっぱいですもう十分ですすいませんでした、ってなる感じの金のかけ方です。まあひたらくいうとまったく趣味ではないのですよね美術的にね!!

 いわゆるバロック様式というんでしょうか、とにかく凝った装飾をこれでもかと盛りたてる感じがもうなんか押し付けがましくて仕方がないというか。絢爛豪華にもほどがあるよ!というような印象です。うう、目が痛い……。

 教会と言われてもまったく落ち着かない自己主張の激しさですが、まあ人が少なかったのでちょっとほっとしましたかね。実は友人はクリスチャンなので膝をついて十字を切ったときは若干のショックをうけましたが、私が寺に行ったら手を合わせるのが礼儀だと思ってるのと一緒なので何もおかしいことはないよなと思い直しました。まあ十字を切る気はないですけどね!(何かに屈した気がしてならない)

 とりあえず教会関連は閉館時間が早いので、そこらへんで今日の観光は時間切れ。ロシオ広場まで戻り、近くのスーパーを冷やかしてみたんですが小さいスーパーなので特にめぼしいものもなく。ロシオ駅に併設されてた小さいみやげ物にも行ってみたんですが、イワシグッズが大量にあってテンションがあがりました。どうもポルトガルの代名詞といわんばかりにイワシをモチーフにしたさまざまなものがありました。ちょっとこれは期待が高まる……!

 やることもないのでそこからはひたすら街ぶら。でも本当にすべての風景が絵になるな、と思います。「取り残された古きよきヨーロッパ」って感じがすごくします。街並みもそうだし雰囲気もそう。あえて保存しているわけでもなく、ただただそのままそこで時間が止まってしまったんだな、というイメージ。ぼんやりベンチに座っているだけでも確かにまったりできる気がします。そこが良さなんでしょうね、きっと。

 展望台で夕日を見よう、というのは決めていたので本当はケーブルカーで上りたかったんですが、すんごい列だったのであきらめて徒歩で。坂道をてくてく歩いてサン・ペドロ・デ・アルカンタラ展望台へ。夕日に染まる街並みは本当に素敵でした! 絵になる、ただただ絵になる街です。これがおそらく「サウダージ」というものなんでしょうね。だってなんか、ポルトガルから感じられるものが明日への希望でも発展への活気でもなく、ただただ絶好調だったあのころの遺産で懐かしみながら生きているって感じがするんですもの。

 ポルトガルの歴史を紐解けばそれもうなずけるというか、本当に一瞬のきらめきなんですよね。私が今見てるものって。あの時のあのきらめきが今も残り香として残っていて、それを垣間見ているような。そんな感じなのですよ。

 風も出てきて寒くなってきたので降りてきて、最後にサンタ・ジュスタのエレベーターへ。エッフェルが建てた……というような説明を見たのでそう思い込んでましたが今Wiki先生に聞き直したらエッフェルのお弟子さんが建てたエレベーターなんですね。

 観光用のエレベーターで、坂道が多いリスボンの町の高低差を利用したものです。なかなか良かったんでけど、日が暮れると高いところは風が冷たい!! 上着は持ってきてましたがそれでも結構冷えてしまったので、晩御飯は何かあったかいものがいいなぁ、ということで広場付近をうろうろ。魚介を食べたい、というふたりの意見が一致したので目に付いたレストランに入りました。

 注文するのはもちろんイワシのグリル。ワインも頼んでみるか、ということでグラスの白を頼んでみたんですが、何せ銘柄がありすぎて甘口か辛口かもよくわからんのでお勧めされたものをそのまま頼んでみました。すんごい飲みやすい白でした(正直どこ産のワインかもよくわからんかった)

 イワシはガチでただの丸焼きが4匹きれいに並んで出て気ました。薄く塩味はついているものの、本当にそれだけなので正直大根おろししょう油がほしくなる感じでしたが、普通においしかったです! ただナイフとフォークで解体するのは骨が折れましたけどね。

 魚介のリゾットも頼んでみたんですが、こちらも大当たりでした。いろんな魚介のダシが染み出てスープがうんまい! もちろん米なのでおなかにたまるし、量も結構あるので大満足でした。

 食べ終わってホテルまで帰還し、お互い長時間移動からのがっつり観光だったのでぐったり。ダブルだしまあ何かあっても文句はいえんが、しかし初日からダブルってのもどうやねん的な葛藤もあったんですが、そんなことを気にしてられないレベルで疲れていたのか、それともそんな気を回す必要がそもそもなかったのかわからぬまま、普通に就寝。

 で、ドキドキもへったくれもなくおそらく疲れすぎていたのであろう友人の特大のイビキで深夜にたたき起こされ、でも狭いし(友人はガタイが良い)疲れてるし気を使うしでむしろ友人のほうが大変だよね……と遠い目をしてから耳栓をして寝たのでした。なんていうか、お疲れ!

 今日はここまで。