ポルトガル旅行4日目。

大航海時代からの。



 今日は朝からリスボンに戻るので、早めの朝食。相変わらずパンとコーヒーしかありませんが、フルーツとハムとチーズがあるだけまだいいです。ええ。

 荷物をまとめてホテルをチェックアウトし、せっかくなのでカーサ・デ・ムジカを眺めてからメトロでカンパーニャ駅まで。余裕があったので駅に併設されているカフェに入ります。ここもWiFiが使えたんですが、レシートにIDとパスが印字されていてうまいことできてるなぁと思いました。やっぱり海外のほうがWiFiが使いやすいかもしれませんねぇ。

 時間がきたので前回同様リスボンまで3時間の電車旅。もうすっかり手馴れているので当たり前のように爆睡しておりました。今回は本当に移動をずっと寝っぱなしな気がする(苦笑)

 リスボン到着後、ホテルへ。初日と同じホテルなので、もしまたダブルの部屋だったらどうするよ、という不安を抱えつつチェックインしてみたら、別の普通のツインの部屋でした。よかったー!! いやまあダブルでも寝れんことないのは証明されましたけど結局フラグが何一つ立っていない今気使うだけだし疲れはとれないしいいこと何も無いなと思いましてですね。正直もしダブルだったら空き部屋無いか提案しようと思ってたところなのでほっと一安心。

 荷物を置いていざリスボン観光の続き。中心のところはうろうろしたので、路面電車に乗ってベレン地区へ。有名どころの観光地がそろっているのですが、まず市内から結構な観光客の数。そしてベレンに向かう15番の路面電車はレトロな雰囲気で観光客に大人気、ということでかなりの人だかりができておりました。しかも天気はピーカン、真っ青な空と照りつける太陽で暑い!!

 1本見送って2本目に乗り込んだのはよかったのですが、車内は人が多くてものすごい熱気。しかも渋滞に巻き込まれ、びくとも動かず途中で意識が遠のくぐらいの暑さでした。突然の気温の変化に体がついていかないよ……!

 若干ぐったりしていたら、なんと車両トラブルでストップとのこと。まわりの観光客が口々に英語で話しているのを手がかりに状況が把握できたので、同じ路線のバスに乗り換えます。いろいろ時間はかかりましたが、なんとか到着しました!

 バス停に降り立つとまず目に入ってくるのはジェロニモ修道院世界遺産に指定されています。大航海時代の富をこれでもかとつぎ込み、300年かけて建てられたという修道院ですが、まず入り口のファサードがすんごいことになっておりました。でかい!そして装飾が激しい! まあ石造りなのでそれほどギラギラしているというわけではありませんが、それでもまあゴテゴテではあります。

 中に入るためにはチケットを、と思ったんですが長蛇の列が。正直電車の中から暑さでグッタリの上、この炎天下の中を並ぶはつらい……となったので、後回しにして先に発見のモニュメントに向かうことにしました。

 が、その前に暑すぎていろんなものをブン投げたくなっていたのでアイススタンドでカプリコ的なアイスを買ってひといき。確かバルセロナグエル公園でも似たようなことしてましたね。

 発見のモニュメントは大航海時代を記念して立てられたもので、壁面に大航海時代を代表する人物が掘り込まれています。先頭はもちろんエンリケ航海王子。あとは世界史選択ではない私が知っている名前としてはヴァスコ・ダ・ガマとフェルナン・デ・マガリャンエス(マゼラン)。フランシスコ・ザビエルもいましたよ!

 そしてモニュメントの前の広場には石畳に世界地図のモザイクが作られており、ポルトガルがそれぞれの国を発見した年月が書かれております。日本は1541年に『発見』されたわけですね(豊後にポルトガル船が漂着した)。まあアメリカ大陸を超えて日本まで行ったんだからそれは素直にすごいと思いますよ。シルクロードはつながってたわけですけども。

 モニュメントの中はあがれるようになっており、屋上が展望台になっております。ということであがってみたら、テージョ川の河口が一望でき、反対側には4月25日橋が見えます。ちなみになんでこんな名前かというと、カーネーション革命が起きた日を記念してつけられているそうです。天気は快晴だし海風(川風?)は気持ちいいし、本当に空が青くてすばらしい! 高いところはやはり例外なく気分がよくなりますね。リスボン市街も一望できたわけですが、やはり町並みは本当に綺麗だなと思います。おそらく新市街に行けば高いビル群も無くはないんでしょうけど、ひとつの街としては本当に絵になるなぁと思います。すばらしい!

 展望台から降りて、世界遺産のもうひとつ、ベレンの塔へ。が、当然ながらこちらも長蛇の列。しかも発見のモニュメントから炎天下の中を歩いてきたので疲れたし喉も渇いてきたということで、近くのカフェでいったん休憩を挟みました。ビールが染みるぜ……!

 結構疲れがきていたので、並ぶ?どうする?という気分に。とりあえず外観を写真におさめるか、ということでパチパチ。ちなみにこちらの塔は司馬遼太郎が「テージョ川の貴婦人」と評したことが知られております。まあ貴婦人といわれれば優雅さは確かにあるかな、と。ただいまいち建築様式の違いを細かく理解はできていないので、マヌエル建築の傑作といわれてもピンとこないところがあります。これ各種建築様式が詳しければもっと楽しいんだろうな。。。

 塔周辺をうろうろしていたところ、なにやら博物館らしき建物を発見。前に軍服のおじさんが立っているし、なんだろこれ?というただただ興味本位で入ってみることに。だれも観光客がいなくて人が少なそうだったので!

 入ってみたところ、おそらくポルトガルの軍事博物館もしくは記念館的な施設だと思うんですが(何せ今Wiki先生に聞いても何も出てこなかった)、陸軍・海軍・空軍・PSP・GNRそれぞれの展示が行われておりました。ジープや戦車、その他軍事兵器もろもろが展示されており、一番奥の部屋にはWWI(もしくは植民地の独立戦争系かも)のときのポルトガル軍の戦いの様子が蝋人形とジオラマで展示されておりました。部屋の中は真っ暗だし、蝋人形はめっちゃリアルだし、人っ子一人いないわでなかなかのスリルでしたよ。どこの国でもやっぱり戦争の展示っていうのは悲哀を感じますね。そして怖がってドン引いて、そういうことが当たり前に行われていたっていう事実を再確認すればよいと思います。

 なぜかまたもポルトガルの国防について学んでしまったところで、ようやくジェロニモ修道院へ。相変わらず列は続いていたものの、先ほどよりは少しましになっていたのでしばらく待ってから中へ。

 こちらがマヌエル様式の最高傑作、と呼ばれているそうですがまあとにかく回廊の隅から隅までの装飾がすごい! 先ほど軍事博物館を見てきたばっかりなのでいろんな意味でギャップがすごかったです。大航海時代、植民地支配や香辛料貿易でもうけにもうけた富と財を全てつぎ込みひたすら豪華なものを何百年にわたって作らせ続けたらこうなったというのがよくわかる修道院でありました。つまりまあ、自己主張が激しいのであります。

 王家の霊廟ということもあり、回廊沿いの部屋にはそれぞれ家系図があったり装飾が施された部屋があったり調度品がわっさりで、併設されているサンタ・マリア聖堂はステンドグラスが見事で、天井が超高くて、荘厳な雰囲気の中で自己主張してくる装飾、という感じでした。確かに見事であるし、一見の価値はあると思います。ちなみにサンタ・マリア聖堂にはヴァスコ・ダ・ガマの棺が安置されております。聖堂の奥にはミサ中?か何かで入れませんでしたが。

 スペインのサグラダ・ファミリアにも似たものは感じますが、あれは本当にガウディ先生のブレないまっすぐな信念が突き刺さるので、それに胸をうたれるしいっそいとおしさすら沸いてくるのですが、この修道院には信念というよりも富と権力の誇示な気がしてならないのは私がクリスチャンじゃないからですかねぇ。確かにすばらしいしすごいものなんだけれども。中にいてもあまり落ち着かないし、なんだか疲れてしまう気がするのですよ。

 そう思うと居心地がよくて落ち着いてまったりできてついつい長居がしたくなってしまうのは断然モスクですねぇ。そもそも入るときに靴脱ぐのが日本人的には癒しポイントなのもあるかもしれませんが(笑)まあカトリックの教会ばっかり行っているのでそのあたりは若干偏っているかもしれませんが。

 見終わると時刻は夕方に近づいてきていたのですが、せっかくベレンに来たからにはナタ発祥のお店に行かねばならぬ!ということで修道院近くのパスティス・デ・ベレンへ。初日からことあるごとに食べているパステル・デ・ナタ(エッグタルト)の発祥はジェロニモ修道院の修道女が考案したといういわれがあるらしいのですが、その秘伝のレシピを守り続けているのがこのお店なのだそうです。

 ということで向かうと超人だかり。また並ばないとだめなのかしら……と思ったら並んでるのはお持ち帰りのほうで、イートインは奥にかなり広いスペースがあったのでなんとか座れました。でもさすが大人気ですね。私は迷いなくナタとビールを注文。友人はメニューにのっていた謎の飲料を頼んでましたが、アイスコーヒーの上にレモンを載せ、その上にシロップの水割り?のようなものを注ぐ2層に分かれたドリンクが出てきました。飲んでみたけどおいしさは伝わらなかったです……。

 が、ナタはもう大当たり! 外側のサクサクパリパリあつあつのパイ生地に、濃厚なカスタードクリームが最高にあって、今まで食べてきたどのナタよりもうまいと断言することができます。てかやっぱり作り置きじゃなくて焼きたて食べたのが大きかったですね。皮がめっちゃうまかったんですもの。

 さてじゃあ中心地に戻りますか、ということで帰りのバスに乗ったんですがやっぱり観光客で混雑してましたね。京都の市バスを思い出しつつ、近くのメトロの駅まで耐え、ガイドブックに乗っているケーブルカーを撮影するため移動。ケーブルカーは3路線ほどあるんですが、中でも有名なのはビッカ線。坂道の上からテージョ川方面に見下ろす中をゆっくりとケーブルカーが動くさまがいろんなところで使われております。(まあ実は日本にいたときはそんなに知らなかったんですけど)

 本当は乗ってみたかったんですけど時刻表もなければいつ動き出すとも知れず、なんだったら運転手さんが爆睡しててアテにならんので、写真撮影だけして徒歩で坂道を下りました。でもそんなのんびりした風景も南ヨーロッパらしいといえばらしいですね。でも夕方にそうやって路地とか坂道とかをてくてく歩いていると、耳すまとか猫の恩返しとか、本当に知らない路地を抜けたらなんかありそうな雰囲気が満載でした。ジブリ感あふれてるなぁ。(そして逆に日本人におけるジブリの影響がすごい)

 晩御飯地球の歩き方に乗っていた缶詰居酒屋へ。もとは釣具屋さんらしいのですが、ポルトガル特産の缶詰をアテにあれこれ飲めるというレストランです。入ってみるとなかなか面白い内装で、椅子が本当に釣り用の椅子でめっちゃ低いんです! 壁の半分は缶詰ショーケースで、あとの半分はルアーとか竿とか吊り上げた魚の写真とかであふれかえってました。どこの国でも釣り好きの考えることは同じなんですねぇ。

 せっかくなのでイワシの缶詰とタコの缶詰、それからウナギ?の缶詰をチョイス。お供はビールであります。どれもマリネというか味がついてるんですが、パンと一緒につまんでビールを煽ったらそりゃまずいわけないよね!という。本当にポルトガルはご飯がおいしい……!

 ホテルに帰るとどっと疲れが出てくるので即お風呂に入ってそのままベッドへダイブ。明日がポルトガル旅行のハイライトだ!

 今日はここまで。