知られざる世界。

勉強になりました。


 本日はとあるイベントのお手伝いということで朝から実家に帰還し、着物に着替えます。義姉のお母様がお琴の師範で、山本能楽堂さんで開催される舞と筝曲の演奏会にご出演なされるのですが、着物を着て手伝ってくれる人を探しているということでお声がかかりまして。二つ返事でOKし、ついでにYちゃんまで巻き込むことにしたのです。

 せっかくだからと淡い黄緑の付け下げに、帯は姉の振袖に使った上等な袋帯を結んでやりました。重ね襟も入れましたよ。久々でしたがうまく着れて良かったです。やっぱり一年に何回かは袋帯も結んでおかないとですね。

 まずYちゃんを迎えに行ってうちの実家まで連れてきた後、義姉と一緒に3人で大阪へ。13時前集合だったのですが、お昼は一応おにぎりが出るから、とのこと。行ってみると、既になにやらバタバタとした雰囲気。なんでも今回は舞の家元が客演してくださるらしく、それでなにやら楽屋などが騒然としておりました。

 一応私とYちゃんは受付をよろしく、と言われていたもののいっこうに指示がなく。どうも取り仕切っている人が誰なのかもいまいち決まっていないようで、受付はどのようにさせていただいたら良いでしょうか、と尋ねても、去年受付を担当した人がいないためか誰も明確に答えられないという。

 ばらばらに配布物とアンケートと当日券の案内がそれぞれなされ、お祝いや差し入れの関係もなんとなくばらばらと聞き、ついでに受付の時間やどこまで何をするのかも結局あまり指示を受けられず、仕方がないので私たちで勝手にやっちゃいますね!というテンションに。

 まああとから聞いてわかったことではあるんですが、家元関係でいつもと勝手が違うのと、裏方がみんなそのまま出演者でもあるのでそのリハーサルや照明・音響の関係云々でバタバタしていたらしく、受付まで手が回っていなかった、とのこと。まあそんな気はしてましたけどね!

 そんなこんなで受付が開始。リフォームはされているものの古い能楽堂なので靴を脱いで靴袋に入れてあがっていただくスタイルで、段差もばっちり。お客様は年配の方が多く、そしてまた普通の玄関ぐらいの広さしかないもので人が3人もくれば一杯に。そしてさらに差し入れやお礼をお持ちになる方が多く、その都度どなた宛で誰からかを明記をしていただくなどを同時平行で行うことになりました。誘導も必要ですしね! あと楽屋に挨拶に行きたいという関係者の方もわらわら来られ、その都度裏に走ることになりました。そして誰もが何か疑問を抱くときは受付に聞くのに、その受付が一番何も理解できていないという事実。まあわかってはいましたけど!

 まあ私もYちゃんもなぜかそのあたりは手馴れているというか、大体空気を察して勝手に走り回ることには長けているので、相当頑張って働いたと思います。正直我々でなければあの人数をあの短時間でスムーズに会場に入れて、かつ差し入れ関係を整理し、遅れてやってきたお客様を誘導し、あらゆる質問に対応し、楽屋へのつなぎを行うことはできなかったと! 思うのですよ!

 一応時間があれば中に入って演奏きいてもいいよ的なことはちらっと言われていたのですがとてもじゃないけど受付は閉められるような状況ではなく。というか関係者全員中に入ってしまって身動きがとれないし、当日券もあったので現金がっつり預かってるし、トイレに出てきたお客様が迷ってらっしゃったりするのに放ってはおけない、ということで結局最初から最後まで働き続けたのでした。退場の誘導もだいぶスムーズにやってなんとか指定の時間内にはけさせたと思いますよ!

 終わってからも演者の皆様は超バタバタで、預かった当日券のお金はどうしましょうか、とお声がけしたところどうしたらいいんでしょう?と逆に聞かれてしまって大いにキョトンとする一面などもございまして、ええ。

 とりあえず終わったので私とYちゃんは早々に退散したのですが、帰りの電車で見事に苦笑することになりました。まあね、会は無事に終わったし特に問題もなかったようだし、確かに金品関係でちょっとごにゃっとしたっぽいですが、それも事前に何一つ指示を受けていない状態であそこまでまとめて引き渡せたのは我々がたまたまイベントに異様に慣れていて接客経験もあって各種イベントに参加する側でもあって、空気を読んで対処ができる人材であったからで、普通はおそらくこうはいかなかったと、思いますよ!

 超働いたよね我々ね、ということでいろいろ言っておりました。来年ももしお手伝いすることになるのであれば特に問題はないと思うのですが、もし我々以外が受付をする場合は今年と同じことが起こる訳で。そのときに対処できる人材であれば良いですが、なかなか経験していないと難しいと思うのですよ。どうなんでしょうねそこらへんね!

 まあ会の構成自体普段からやりとりをしているというよりはこの会だけの集まりでしょうし、各流派それぞれから来られているので普段はこのようなことにはまったく関わっておられないのでしょうし、面子などもあるでしょうから誰かが取り仕切るということも難しいというのはお察ししますがね。いろんな意味でイベント運営の難しさというものを痛感しつつ帰宅したのでした。

 話し足りないこともいろいろあったので、いったん帰って着物を脱ぎ捨ててすぐさま送ってもらい、Yちゃんとお疲れ会を決行しておりました。いやでも良い経験にはなりましたよ、ええ!

 今日はここまで。