やった!

 ああもうマジで良かった本当に良かったみんなありがとう今までいっぱいいろいろありがとう!!


 というわけで朝から吐きそうになる胃を抱えて出発しましたよ! 一応行き方とか全部きっちり調べたつもりだったんですが、道間違えたらどうしようとか、バスが間違ってたらどうしようとか、バス亭降りてからわかるのかなとかいろいろぼんやり考えつつ、ひたすら嵐を流しておりました。ええあいつら聞くと癒されるんですあいつらの曲バカっぽくて楽しいから!(最大級の賛辞)



 面接っていっても聞かれたことに素直に答えりゃなんとかなるだろーっていう結構甘い考えを持っていたので(本気の就活や公務員試験じゃそんなん通用しないことは知ってますよ!)それに関してはわりと落ち着いてました。なんだろう緊張で落ち着かないっていうよりは本当にニュートラルな感じ。確かに緊張もしてたしある程度テンパってたとは思うんだけど、ガッチガチではなかったですよ。不思議なもんですが。大学の面接のときに一番近いかな? あのときも別に落ちたら落ちたで浪人するし、まあ受かればいいかなーぐらいでしたから。(そしてセンター高かったし小論文をそれなりにかける自信はあった)



 で、無事に乗り換えもスムーズに最寄駅についたんですが、スムーズすぎてそっからわりと待ちました(笑)いやバス亭とかわかりにくかったらどうしようとか思ってかなり早めに行ったんですがめっちゃわかりやすかったんで! でもその間にちょっとコーヒー飲んで落ち着きました。でも周りを見回しても私と同じようなスーツ姿の人ってのが誰一人見つからなくて、おっちゃんとかおばあちゃんばっかりで、たまにスーツ姿のおっちゃんを見かけると「この人が会社の人じゃないだろうな!?」とか勝手に想像してびくついたりしておりました。



 ようやくやってきたバスに乗り込んで出発したんですが、しかし本当になんにもないな!(笑)だって窓から見える景色が完全に郊外っていうか荒地っていうか、見えるものは全部工場ばっかりだし、なーんにもないし! 20分後無事に私の目的のバス亭についたんですが、会社の玄関前に止まりましたもんバス(笑)しかも降りたの私だけ! だいぶ時間的には早かったので玄関ロビーみたいなところに入ったんですが、まあ人っ子ひとりいやしないですよ! この時点でやっぱり応募者は私だけだったのかな、いやいやもしかしたら時間差で呼ばれてて私が最初とかそういうことかもしれないぞ、みたいな想像をいろいろ勝手にめぐらせてましてですね。



 ひとりでうろうろするにも飽きてきたので10分前ぐらいに受付に声をかけてみました。そうするとまあしばし待ってくれ、とのこと。まあそりゃそうですわな。ぼーっと天井眺めながらソファに座っていたら、今から面接しますととあるお部屋に案内されまして。



 ええ、そのまま館長室へ連れていかれましたがな! しかも黒の革張りの椅子とかに座らされちゃいましたよ!! 目の前にはもうザ・名誉教授みたいな人が座ってましてですね。私の中で小部屋+パイプ椅子、廊下で待たされて呼ばれたら中はいって目の前には面接官がずらり、みたいなイメージががらがらと崩れていきまして。



 で、館長さんと事務局長さんが並んで座られて、私はその向かいで面接を受けたわけですが。



 最初の一言目は「なんで応用化学なんや?」だったかな。それで私は大学受験のときにも言った「化学がすきだからです」というしょぼい答えを返し、でまあもともと中学時代から理科が好きで、高校に入って化学が好きになったという話をしましたよ。そこから研究室の話になって、先生の話になって、私あんまり先生のことについて詳しく知らなかったので知らないことに知らないです、って答えたら、それはあかんよ!みたいなこと言われまして。何でも興味をもつっていうことが大切なんや、ということを言われまして、そこからようやく業務というか、まあこの会社が目指すところ?みたいなものを言われまして。



 受けながら思いましたけど、この館長さん、すごい人ですよ。すごいっていうのは人間を見抜く目がすごいってことです。最初に名刺もらったんでわかったんですけど、とある大学の名誉教授をやっておられるわけですが、直接若い学生と普段接してるわけですよ。それにたぶん今までいろーんな学生を見てきたんだろうな、と。だから心がすごく若い人だな、と思ったし、それにすごく人を的確に見抜く人なんだろうな、と。



 話もめちゃめちゃうまかったし、全然関係ない話をしたかと思えばひょい、と核心に戻ってきたり。相手の本音を引き出すのがうまいと思いました。それにたとえ取り繕ったとしてもこの人は見抜くなと。昔から私が特定の大人に抱いてきた「あ、この人にはバレる」みたいな感覚がありまして。



 それならそれでヘタに取り繕う必要ないやーと思いまして。私が今までずっといろいろ迷ってきて、落ちたときのショックでどんなことを考えたとかそういうことも素直にぺらぺら話しまして。もっと熱意あふれる感じで是非ここで働きたいんです!って言った方が本当は良かったかもしれないけど、実際私としては公務員試験という目標があるわけだし、まあそんなような宙ぶらりんな状態だってことはきっとこの人は簡単に見抜くんだろうなぁって思ったのでいろいろ開き直っておりました。



 話の内容は本当にいろんな風に飛躍しましたねー。姉や兄のことから姉が今やってること、兄が今やってること、父がやっていること、それぞれの分野の話がでました。今から思えば、きっと私の興味の範囲を探ってたんでしょうね。どこまで話題についていけるのかとか、知ってるのかとか、興味を持ってたりするのかとか。だって館長さんめちゃめちゃ守備範囲広いんですもん!



 そうそうひとつだけNさんにお礼を言うべきことが。



 突然ワインの話が出てきたと思ったら、「ワイン飲むの?」とか言われて「あ、ワインはあんまり飲まないです」って答えたら「日本酒か?」って言われまして。「そうですね」って答えたらいきなり「十四代とか?」といわれまして。



 つい先日、Nさんとの飲みでNさんにおいしい日本酒があるんだよ、って十四代を紹介されたばっかりだったんですよ!!



 「おいしいですよね十四代!」って答えたら館長さん「十四代を知ってるとはかなり君酒のみやな」とニヤリと笑われてしまいました!(笑)いやーこれは別に関係ないだろうけど個人的にはちょっと嬉しかったですよ! ふふふふ、これはきっと館長さんの予想外だぜ!



 とかぺらぺら話してるうちに、「まあ君には来てもらいたいと思うんやけどな」と話の途中で出てきて、おお!?とか思ってたら、それまで黙ってた事務局長さんが「なので返事を月曜までにしていただければ……」とか言い出しまして。え、何、これって採用不採用の面接じゃなかったの内定だすとかそういうもんでもないの!?とびっくりしまして。思わず「いや、もう是非こちらで働きたいと!」と即決しましたよ。



 にこやかな感じで館長さんと別れたんですが、なかなか素敵な方でした館長さん! うちの先生が「かなりやり手というか、まあそんな感じの人だから」って言ってたのがよーくわかりましたよ。なんていうか、まあ素直に言うと敵に回したくない人です!(笑)ぜったい老獪、っていう言葉が似合うんだ! しかも考え方が若いし、バイタリティあふれるし、こういうおじいちゃん大好きなんでちょっとテンションあがりました(笑)



 で、その後は私があとを引き継ぐという方にお話を伺いに行きまして。この人が五年たって結婚してやめることになったので、そのかわりの話がまわってきたわけですが、この人も私とまったく同じような感じでいらっしゃった方でした。なんでも大学卒業して一年半ぐらいフリーターをやってたらしく。そこへまた研究室経由で話が来て、右も左もわからぬままにここへ来てみたら採用されちゃった、みたいな感じらしいです。



 その方にとりあえず業務説明を、っていう感じで話を聞いたんですが、私はもうばっちり事務職だってことを覚悟というか、わかってきてるので、その人がすごく申し訳なさそうに「ほとんど事務というか、デスクワークというか……」と言われたときも、私が「はい、むしろそのつもりで来ましたから!」というとすごく安心されてました! やっぱり理系出身だし大学からそのままだし肩書きとかそれっぽいし、研究ができるんだと思って来てたらどうしよう、本当の業務内容聞いてやっぱりやめるとか言われたらどうしよう、とそればっかり不安だったそうなのです(笑)



 なのでそのイメージさえちゃんとできればあとは仕事なんてやってみないとどうしようもない、ってことらしかったので(笑)本題は一瞬で片付いたんですが、その後もずーっとあれこれ聞いてました。しかし聞けば聞くほどええ話やな、と。だって土日きっちり休みだし、仕事の忙しさに波があるけれどそれも一年勤めれば慣れるって言われたし、人数少ないしうるさくないし、有給とりやすいらしいし夏休みまであるらしいし、勤務地の不便ささえ除けばあとは申し分ないという感じでした!



 何より良かったな、と思うのはもちろんやってることは事務なんだけど、その内容が科学技術だったってことですよ。内容に興味が持てて、それがもしかしたら今後のためになるかもしれないっていうことが嬉しく思えるわけで。セミナーとか研究会も定期的に開かれててそれに自由に参加してもいいよって言われましたし。全国に同じようなところがあって、そこへ出張っていう形でいけたりするらしいです!



 公務員に受かるまでの腰かけのつもりで来ましたけど、2〜3年腰をすえてやってみてもいいかもしれない、と思いました。どっちにしろ院に進んでたとしてもあと2年はかかってるわけですしね。それにやるからにはきっちりやりたいし、向こうもそのつもりだろうし。しかも公務員になるなら絶対マイナスにはならない仕事ですもん! 私が目指す技術系公務員っていうのも結局はお役所仕事ですし。確かに学校の勉強から離れて事務ばっかりになるとカンは鈍るでしょうから(バイトもできなくなっちゃいますしねー)それは勉強しながらじゃないと無理ですけど、とりあえず今年の試験を受けて雰囲気だけつかんで本格的にいくのは来年からにしようかなと。予備校とかも結局この仕事が一年のスパンとしてどういう風になってるかをわかってからじゃないと行けそうにないですしね。っていうかそもそも予備校に行く金をためねばならんのですよ!(苦笑)



 まあそういうことも結構前任の人といろいろ話をして、結局一時間ぐらい話し込んでしまいました。そこからちょっと事務局長さんとお話をさせていただいて、そこでもまた「月曜までに正式なお返事を……」とか言われてしまったので「やります」とその場で正式なお返事を返しておきました(笑)こっちが拍子抜けだよまったく! 



 とりあえず3月末あたりから引継ぎということだったので、春休みは無さそうですがでも十分です! 本当にほっとした!! 帰りのバスの中とかなんかもうテンションやばかったですもん(笑)駅についたら即効で電話かけまくりました! みんな一様に喜んでくれたのがもう嬉しくて嬉しくて。本当に私たぶん昨日までずーっと精神的に最悪だったんですけどそれが本当に一気に楽になりました! わーい!



 いろんな人に言われてましたけど、今私が精神的に落ち込んでるのはみんなにバレてたと思うんですよね。いろんな人に遊びに行こうよって言ってもらったし、サークルの後輩とかOBさんとかみんなに声もかけてもらってたし、それこそ彼氏とかにもいろいろ言われたわけですでけど、結局私は誰かに頼るってことができなかったわけですよ。いや頼ってたんだけど頼ってると思いたくなかったというね(笑)ほんとぐだぐだだったと思うし最低だったと思うしいろんな人に迷惑もかけてたけど、でもしょうがないじゃんってどっかで思ってる自分もいて、そんな自分がまた嫌で。未来が想像できないことが今までになかったから余計にもうしんどくてしんどくて、またそんな私のせいでみんなを振り回してるのかと思ったらまた落ち込んで。みんなにごめんなさいって謝りたくて、でも謝るぐらいならお前が自分自身をなんとかしろよってわかってるから謝らないでがんばらなきゃいけないんだ、とか。



 つまりまープライドが高くてかっこつけ、かつ八方美人、っていうね!(笑)



 それは私の短所であり長所であるとは思いつつ、やっぱりプライドが高い人間はプライドを保てなくなるとしんどいんですよ!



 下宿に戻って姉に報告したら姉もまた喜んでくれて、実家に帰って両親と祖母に報告したらみんなまた喜んでくれて。とりあえずもう両親と祖母を安心させることができて何よりほっとしてます。本当に良かった! この半年本当にぐっだぐだでごめんね! 心配かけてごめんね!!



 何よりそれが一番ほっとしました。一番心配してたのは絶対両親であり祖母だったと思うし、そのことが一番心苦しかった事実ですから。もちろん祖母はともかく両親は私に何か意見を言うことはなかったし、私が勝手にいろいろ考えてあれこれやってるのに口出ししたりとかやめさせようとしたりとかそういうことをしなかったからここまできたわけですが、本当にいつも申し訳ないなぁって思ってました。それで、ありがとうって思います。祖母のスカタンになるなよ、っていう一言がいまだに焼きついてますから(笑)



 とりあえず公務員試験を先送り(受けはしますが)することさえ確定すれば、あとはもう卒業だけですからしばらくは! 授業もそろそろテストで終わりますし、そうなればようやくですが実験に集中もできますしね! もちろん先生に報告してお礼も言っておきますよー。まあ先生がここの研究資金獲得してなかったらこんなことにもならなかったわけですし!(笑)



 しかしま、なんていうか、コネってすげぇな、と。(オチ)



 今日はここまで。