でかい!

 こりゃ攻めようという気にもならんわ。


 本日は朝からNさんと待ち合わせをして姫路城にいってきました! 今まで新幹線に乗ったときとかにちらっと見るぐらいしか見たことがなくて世界遺産なのになーと思ってずっと見たかったんですよね。



 9時に待ち合わせして向かったんですが、やっぱり意外と遠かった姫路(笑)ついたのは11時ぐらいでした。天気予報では雨だといっていたのにちっとも降らず、むしろ晴れ間が広がっていたので今日は相当混むだろうと予測。先にお昼ご飯を食べることにしたのでした。



 たまたま見つけたお蕎麦屋さんに入ると、Nさんがおごってくれるとのことだったので何の容赦もなく海鮮丼とそばのセット(945円)を蕎麦大盛りで頼ませていただきました!(え、だっておごってくれるっていうから)また久しぶりに食べた刺身がうまくてですね! 蕎麦も以前はそれほど好きなものでもなかったんですが(どっちかというとうどん派)最近は楽しみ方もわかってきまして。おいしくいただきましたよー。



 食べ終わり、いざ姫路城に向かいます。駅からみえてたんですが、大手門の前にいってもまだなんだか遠い気がしました。駅の観光案内所で地図をもらったのでその地図を見ながら行っていたんですが、やっぱり広いですねぇ! 大手門から大天守まで結構な距離がありましたよ!



 まあ時間はあるしゆっくり行こうか、ということで西の丸の方へ。そこで盆栽展をやっているのを発見し、ついでに見ていくことにしました。盆栽っていうのも結構すきです! だってかっこいいじゃないですか! さすがに賞をとるようなやつは貫禄がすごいというか、迫力あるのが多くて見てて楽しめましたよー。あれもなかなかすごい世界ですよね!



 その後渡櫓をわたって化粧櫓の方へ。千姫がすんでたところだそうな。まあ実を言うと今回一切下調べをせずに行ってしまったためにずーっとパンフレットを見ながら進んでおりました。でもその百軒廊下というところは千姫の世話をする侍女たちが住んでいたところで、ひとつずつ廊下に部屋がくっついて連なってるんですよ! いっぺん泊まってみたいなーとかいいながらうろうろしておりました。



 千姫の人形を見た後はそのまま歩いて目的の天守閣の方へ! まず天守前の本丸のところで見上げたんですが、本気でデカイ!! だって6階建てですよ? 普通にビルぐらいあってすげー!ってなりました。今まで見てきた城ももちろん規模は大きかったんですけど、全部そっくりそのまま残ってるって言うのがすごいじゃないですか! そりゃ大阪城だってもちろんでかいですけど、あれはまた別ですから……(苦笑)



 でも見た感じは日本の城っていうよりも中華っぽいというか、なぜか違和感があったんですよね。本当にRPGのダンジョンに出てくる魔王の城みたいなイメージがありました。他の日本の城ってどっちかというともっとスリムじゃないですか? こじんまりしてるかスリムなイメージがあったんでここまででっぷりどっしりしてると、なんだか変な気がしました。



 で、ダンジョン攻略のために内部に入ってみたんですが……



 やっぱり広い!! 天守閣って基本的に狭いのが当たり前だと思ってたんですよね。だって普段生活してる場じゃないし、あくまで防御ための拠点ですよねあそこって?(間違ってるかな?)要は非常のための建物なわけで、そんな快適性なんてどうでもいいものだと思ってたわけですよ。それが装飾もしっかりしてるし(外見に金をかけるのは力を誇示するのに必要だと思うけど、内部にまで金かけれるあたりがやっぱすごいよね!)、防具もすごい数貯蔵できてたみたいだし、トイレも流し場もついてるし、いろいろと本当に金かけたつくりになっててびっくりしました。



 そこまで人も多くなくて、ゆっくり見てまわれましたのがまた良かったですねー。もちろん最上階からみた景色はなかなかのものでした! 大手門前からどーん!と姫路駅に向かって大通りが伸びてる様がかっこよかったですねー。高い建物がそんなにないので、本当に城下町を見下ろす感じがして雄大な気分になれました。そりゃー権力者はたまらんだろうなー(笑)



 いやいや、ゆっくり見れよかったですねといいつつ降りてくるとちょうど続々と上ってくる人の波にぶつかりまして。時計をふと見れば1時すぎなことに気づいてびっくりしました。よく考えたら私たちは11時に昼飯を食べてしまったので、昼の人が少ない時間にうまく天守閣が見れたみたいなんですよね。普通にお昼を食べて昼からやってくる人はちょうど今ぐらいか!ということにあとになって気づいて喜んでおりました。やっぱり時間をずらしていくのは正解でしたね〜。



 その後ぐるっとまわって大手門まで戻り、続いては隣の好古園という庭園の方に向かいました。兼六園みたいにひとつの大きい庭があるんじゃなくて、何区画かに区切られていてそれぞれがそれぞれ庭になっているという庭園だったんですが、池の鯉が超巨大!! 錦鯉もあそこまででかくなると気持ち悪いぐらいですね(苦笑)黒いやつなんかこいつ本当に鯉なのか!? ピラルク(アマゾンに生息する世界最大の淡水魚)じゃねぇのか!? とつっこまずにはいられないほどに巨大でびっくりしました。



 もちろん庭も良かったんですけどね。でもどっちかというと私は兼六園栗林公園みたいな大きな庭でぼんやりするのが好きなのでちょっと物足りなかったです。せっかく敷地広いんだからぶち抜けばいいのにー(勝手)



 あと茶の庭、というところにはお茶室があって、そこで抹茶を一服いただきました。量も多かったし濃さもちょうどよくておいしくいただけましたよ! ただNさんの正座がもたなかったために早々に退散しましたけど(笑)私はこういうときのためにお茶を習ってるといっても過言ではないですね。知識さえあれば気兼ねをすることもないですし。観光客なんだからそんなにしゃちほこばらなくてもいいとは思うんですけど、やっぱり慣れないと緊張しちゃいますもんね。



 その後しばらく庭をうろついたあとは、近くに護国神社があるのでいってみようか、ということで向かいました。ところがなぜか入口に見える赤い毛氈。あれ、何、1分間でネタでもやるの? とかいう気分になりつつそっと中をうかがってみると、正装の人々がなにやら集まっておられるご様子。あ、これ明らか何かの式典っぽい!ということであわてて退散いたしました。



 その隣をみると今度は総社があるぞ、ということでいってみました。入口のところにハローキティのからくりおみくじ、なんて自販機がどどんと設置されていて切ない気持ちになりながら中に入ってみると……



 なんと結婚式の真っ最中でした!(花嫁さんはピンクのウエディングドレスだったよ!!)



 あー晴れて良かったっすねーなんて言いながらやっぱり退散したのでした。まあ確かに観光客があんまり来るところではないのかなって感じはしたけどね!



 まだ時間もあったのでそこから今度は姫路市立美術館へ。ちょうど今日からアメデオ・モディリアーニ展をやっていたので見ていくことにしました。



 モディリアーニは美術の図表で見た「おさげ髪の少女」ぐらいしか知らなくて、あーあれ描いた人かーなんてぐらいのテンションでいったんです。



 まず入口のところに、モディリアーニのモデルになった人たちの説明があったんですよね。やれ昔の恋人だのパトロンだの交流があった芸術家だの。で、若いときから時代順に作品が展示されていたわけですが、ひとつひとつの作品について、その絵が描かれたときの時代と背景、モデリィアーニの状況が説明されてるんですね。いくつのとき、こんなときに描かれた作品です、みたいな。



 私は近代美術について全然詳しくないので、何派だとかなんとかイズムっていうのは全然知らないんですけど、イメージとしてはピカソっぽい、でもピカソほどいっちゃってない、みたいな感じでした。ただひとつひとつの絵をじっとみてると、すごく迫力があるわけです。迫力っていうよりはなんだろう、気合? 本気? じっと見てるとだんだんぞっとしてきて、うわ、こいつ本気や!みたいな気分になるんですよ。



 それでも初期はそこまででもなかったんですよね。まだそこまで切羽詰ってないというか、こう、まだ余裕があるというか。ところが彫刻の時代(一時期絵をやめて彫刻してたらしい)を終わってからあたりからますますそれがきつくなってきて。本物の絵って当たり前ですけどタッチがわかるじゃないですか。絵なんだけど立体っていうか、筆の流れが見えるっていうか、鉛筆画にしてもその一本の線を描く過程が見えますよね。特に油絵のどっしりしたのって筆の流れがすごくわかりやすくて、それからどの部分にどれだけ厚く塗り重ねてるかもわかって、なんかこう、よりはっきりと意志が伝わってくるんですよ。



 それがもうすっごく激しくなっていくわけです。晩年に向けて。明確な意思なんか全然つかめなくて、ただただ本気が伝わってくるというか、見てると引き込まれるというよりは圧倒されるっていうのに近いですね。その絵がいいとか悪いとか、好きとか嫌いとか、そういうものを考えさせる前に、とにかく思いを相手にぶつけられて、うわぁって思う感じがして。



 で、そんな最後の方にぽつん、と「おさげ髪の少女」がいたわけです。私は知らなかったんですけど、あの絵って結構モディリアーニの中では珍しいタッチで、あれだけすごくリアルな、いわば普通の女の子、を描いてるんです。見た目も全然ゆがんでないし、色使いもまだ明るくて繊細だし。だから、たぶんいきなりあの絵だけを見せられたらふーんって流してたかもしれないですね。さーっと前通り過ぎちゃったかもしれない。



 けどそれまでひとつひとつの作品をじっくり見てきて、モディリアーニがどういう変化を遂げながらここまでやってきたのかを全部知った後にあの絵を見たら。

 

 ぞくってきました。ぞぞぞってなんか、背筋に震えがきたんです。



 さらっと見たら全然気にしなかったのに。よーく見てみたら、今までの以上に本気なんですよ、あの絵。本気っていうとまた違うんですけど、今まで一番やさしくてわかりやすい絵なのに、一番怖かったんですよ。うわぁって、なんだよお前!って怒鳴りたくなるような。



 見終わった後にはもうぐったりでした(笑)こんなに疲れたのははじめてかもしれないです。目が痛かったんですもんなんか!



 その後常設展の方もみにいったんですが、そちらは近代フランス絵画が中心で、昔見たことのあるマネとかの作品もいくつかおいてありました。そっちはまだ落ち着いて見れたというか、風景画とかが多かったんでなんとなくほっとしながら見れました。



 しかしあれだけ本物の作品を見たときにぞっとしたのははじめてですね。その後Nさんといろいろ話してたんですけど、やっぱり私が年をとってそれだけ感じられるようになったんじゃないかってことでした。確かに高校のときにもいくつか有名どころの美術展は見に行ったけど、あそこにもう一回今日みたいな観点で絵を見に行ったら絶対違う感想もって帰ってくると思います。やっぱり本物って、違いますね。その意味が少しだけわかる気がしました。



 でもなかなか良かったですよモディリアーニ! 30分以上ひとつの絵の前に居たくない感じですけどね(笑)



 その後姫路駅周辺まで戻って、サンマルクカフェでちょっと休憩したり(まだおごってもらった……)、駅前のショッピングモールの本屋でうろうろしたりしてました。読みたかった新書を2冊ほど買わせてしまった感がありますが(買おうかどうしようか迷ってたら買って貸してくれることになった)とりあえず夕方5時ぐらいまでうろうろしてました。



 天王寺まで戻った後は、前に行こうと思ってていっぱいでいけなかった居酒屋にいってきました!



 以下覚えてる範囲の頼んだ酒リスト。

 

◆日本酒

十四代 純米吟醸

 これが当たり前ですけど最高にうまかったです……! ていうかほんと十四代飲むようになってから他の日本酒が飲めなくて困るぐらいうまいんですよ! で、それまでは全然純米だとか吟醸だとかそういうのを気にせずに飲んでたんですよね。何が違うんだっけ? ぐらいの知識しかなくて。でもとにかくこの日本酒はすっきりしてて飲み易くて、まあ最初だしってことでだらだら飲んでたんですよね。



・往馬(いこま) 吟醸

 一口目が超絶うまかった……! 結構しっかり冷えてて、口に入れた瞬間辛口のすきっとした喉ごしで、おお!とテンションあがるぐらいうまかったんですが……。

時間がたってぬるくなってくるとですね、なんかちょっと変な感じがしてくるんですよ。あれ?って。一口目のあのすっきり感がなくなってきたよ?みたいな。どうやらそれ、Nさん曰く醸造アルコールせいらしいんですよね。つまり純米っていうのは本当に米が100パーセントで、それしか入ってないっていう意味らしいんですよ。で、吟醸とか大吟醸っていうのは、米のどの部分を使ってるかって話で、大吟醸とかになればなるほど、お米の中心部分だけを使って作ってるんですって。つまり外にあるミネラル分(=雑味)が入らないからよりすっきりした味になる、と。

 でも本当になるほど!って思っちゃいました。だって確かに十四代は最初に一口目飲んだときも、最後にぬるくなったの飲んだときも味がほとんど変わらなかったんですよ! ところが往馬は、冷えてた最初の一口と、ぬるくなった後の一口が全然違うんです。あれは氷入りの酒器で飲みたかったですねー。

 こんなのの違いをわかるようになっちゃったからまた安い酒が飲めなくなるんじゃないか……(言いがかり)



・くどき上手 純米吟醸

 私ではなくNさんが頼んでたんですが、一口いただきました。なるほどの純米吟醸、すっきりして飲みやすいこと! でも十四代ほどまろやかじゃなくて、どっちかというとさっぱりしてました。おいしかったです! 



醸し人九平次 純米

 これもNさんチョイス。まろやかでやわらかい味わいでしたね。本当に甘口な感じがしました。

 



泡盛

・瑞泉古酒 43度 ストレート

 私は早々にこっちに切り替えておりました。普通の瑞泉はよく飲んでるんですが、古酒は初めてだったので。ストレートで泡盛頼む人って当たり前ですけどほとんどいないみたいでどの店でも怪訝な顔をされるんですけど、今回もやはりそれでして。しばらく中の方で話し合われていたみたいなんですが、出てきたグラスを見てびっくり! さっき頼んでた日本酒と同じだけの量が出てきましたよ!!!!(普通はロックの量で氷だけ抜いてある)え、いいんですか!?と思わず問い返してしまったと共に、こんなに飲めねえよ!とも言いたくなったんですが(だって43度ですよ)まあせっかくなのでいただくことにしました。(きつい酒をちまちまなめるのがすき)

 普通の瑞泉よりもやっぱり濃厚というか、香りの立ち方がすごかったですね! ひとなめした瞬間に突き抜けていく風味がめっちゃ良かったです! たださすが43度、一回口の中に入れる量を間違えて噎せ返りましたけどね(笑)



 

 もちろん料理はいわずもがなですよー。活さばの刺身とか、かわはぎの煮付けとか、鯛の湯葉サラダとか、とにかく全部うまいんですもん! 塩からとか超美味でびっくりしましたよ。スーパーの廉価版しか知らなかったんで本当にうまいのはうまいんやな、と実感です(笑)



 で、たぶん7時ぐらいから飲み始めたんでけど、結局やっぱり閉店の10時半まで居座っておりました(笑)まあもとより覚悟の上ですけどね。でも店の閉店時間が10時半で本当に良かった! 基本Nさんと飲むときは日付を超えるのが当たり前になってましたからね(苦笑)



 でも結局それでもふたりで一万五千円ぐらい飲んじゃって、Nさんに一万円だしてもらってしまいました(……)。本当にいいのかなと思いつつ、まあ出してくれるならいいかなって…(えええ)



 ちなみに何を話していたかというと毎度のごとく熱くお笑いについて談義したり、今日行ってきたモディリアーニ展の話から芸術の話になってルーブル美術館の話とかモナリザの話とか、そっから派生して文学は芸術であるか否かみたいな話になって、作家は芸術家ではないんだって話とかしてました(あんまり覚えてないけど)あとはまあいつものごとく日本人とは、とか教育とは、みたいな哲学的な話をべらべらしゃべったり、かと思えば夏野菜はどうするのが一番うまいのかなんて話になったりとか(結論でず)そういうことを話しておりました。



 でも確かにちょっと美術にも興味がわいてきたので、美術館めぐりもしたいですねー。



 かなり詳細なレポートを書いたと思うんで、まあこんな感じでしたよ、と!>私信



 今日はここまで。