どこまでも広がる草原。

 日本じゃねぇよ!


 寝たのが2時なのにやっぱり起床は6時半です(笑)移動のバスの中で寝ればいいんだよ!とお互い奮い立たせて札幌駅に移動し、そこから富良野行きの高速バスに乗り込みます。本日は一日富良野で過ごすのです!



 2時間半ほどかけて富良野まで移動し(当然車内で爆睡)10時半には富良野駅に到着しました。なんともいえない風情の駅に、早速へそまつりの人形が出迎えてくれておおお〜となっておりました。ちなみに姉は大の北の国からファンですからね! その影響で私もだいたいは見てるんですが(途中何本か抜けてるけど)姉はかなりマニアックにいろいろと観光地をリサーチしておりました。確かにフリークな人はすごいみたいですからね。



 とりあえずレンタカーを借りて、まず最初の目的地は北時計という喫茶店。もちろんここも北の国からのロケ地のひとつで、純の恋人シュウちゃんが過去の告白をするというシーンで使われてたんですが、中途半端な時間帯だったせいか、お客さんがまったくいなかったんですよ!



 あまりにも静かな店内に、思わず小声で話さなければいけないような気がしてこそこそする我々。本当は実際にドラマで出てきた席に座ればいいのに、なんとなくそれすらもはばかられて全然違う席に座ってましたからね。まあ朝ごはんを食べてないってことでパスタを一皿頼んでふたりでつついてたんですが、それはおいしかったですよ!



 ちゃんと台本とか資料もいっぱいおいてあって、はしゃぐには十分な場所なんですが、いかんせん静かすぎました(苦笑)記念写真もこれ本当にとって大丈夫なんかな……?とかびくびくしながらこっそり撮っておりました。(でも撮る)



 で、まあ来れただけで十分だよね! ということで続いては布部駅に向かいます。最初に純と蛍が五郎さんに連れられて降り立った駅ですねー。ちゃんと記念の看板みたいなのもおいてありましたよ! ここでようやくもう一組の観光客を発見。ああ、良かった私らだけじゃなかった!となぜか安心したのでした(笑)



 記念撮影をばしばしした後は、続いて麓郷の森へ移動。ここには黒板一家が二番目にすんでいた丸太小屋と、三番目の風力発電がある家があるんです。とりあえずそこでも写真をばちばちとっておりました。



 しかし暑いんですよほんとに! 天気がいいのはうれしいことなんですけど、これは良すぎじゃないですか……ってぐらい暑くて、基本的に暑さに弱い私はぐったりです。ですが姉がはしゃいでいるので次の目的地に行かないわけにはいきません。



 続いて向かったのは石の家。ここまでくるとだいぶ観光客が増えてましたねー。そこに最初の家もあったりして、うろうろしてました。私は若干テンションが下がってきて(だって暑いんだもの!)さっさと次行こうぜ、って感じだったんですが、ここでもやっぱり写真をばしゃばしゃ。



 もういいよ家ばっかり見ても面白くないよ……とだんだん北の国からそのものに嫌気が差し出してきたところに(だから暑かったんだよ!!)行ったのが拾ってきた家。ええ、家自体は別にどうでも良かったんですが(やる気ゼロ)、その近くに売店がありまして! やっとこさソフトクリームを買って一息ついたのでした。



 でも確かに疲れたときは甘いものですね。だいぶ元気が回復しましたよ! で、ようやく北の国からの家めぐりも十分だと姉がいったので、富良野から離れて美瑛に向かいました!



 もうね、すごいっすよ! もちろん富良野もかなりザ・北海道!って感じの見たことない景色でしたけど、さらに広がる大パノラマですよ! 道がずどーん!ってあって、畑がどかーん!ってあって、見渡す限りの草原で、なーんにもなくって、空が青くって、思わずすげぇーーーーーーー!!って叫びたくなるようなそんな風景が広がっておりました。(頭悪い表現ですいません)



 確かに写真とかでよく見る景色なんですけど、自分がその中に実際に入ってみたら写真なんかとは比べ物にならないですね。っていうか本当に360度何もないってこういうことか!っていう感動があります。同じ自然でも里山の自然なんかとはぜんぜん違うんですよ。なんかもう、どうしようもなくでっかい大地とでっかい空!っていうインパクト。



 まさにテーマソングは大草原の小さな家ですよ。グラスロールがごろごろ転がってて、まーっすぐどこまでも続く道を車で疾走するわけです。圧倒されっぱなしでしたね本当に。



 で、とりあえず行ってみたのは四季彩の丘というところ。行く前の私の想像としてはハーベストの丘とかブルーメの丘とイングランドの丘的な感じですよ。(いわゆる遠足でいくファーム的な場所)ところがどっこい、当たり前ですが規模がぜんっぜん違いました。あれは花壇とかじゃないです。あれこそが花畑だよっていうレベルの花畑でした!!



 とにかくすごい面積で花が満開なんですよ。思わず誰かと「うふふふふ〜あはははは〜捕まえてごらんよ〜vv」なんて笑いあいながら追いかけっこをしたくなるような花畑です(マジで!)。なんつーかメルヒェンな世界でした!



 まあ圧倒されつつそろそろ腹も減ってきたよね、ということでそこでお昼ご飯にすることに。食堂みたいなところでがっつりいこうか、とふたりしてカツ丼を頼んだら、また出てきたカツ丼すら北海道サイズでした。



 う、うまいけど重い……!(北海道きてからそんなんばっかだよ)といいながらなんとか完食。さて次の場所へ移動するかーということろで姉から、車を運転させてくれとの要望が。



 基本的に私は車の運転が大好きな子なんです。一日ハンドル握っててもぜんぜん苦じゃないぐらい。Yちゃんと高知に行ったときも出雲に行ったときも往復全部私が運転しましたし、旅行先でレンタカーを借りるときも基本的に私しか運転しないわけですよ。でもそれが苦じゃないし、むしろ本当に楽しいわけです。ていうか日々の生活でストレスがたまってくると、あードライブ行きてー! って叫んじゃうぐらいドライブが好きなわけです。



 でもそんな私に負けず劣らず姉も運転が好きなわけで。ええ、北海道まで来たから運転させろっていう気持ちはすっごーくわかるわけですし、もちろんちゃんと譲ってあげたわけですけど。



 正直助手席でむくれてました(苦笑)



 だって! だってあんなに素晴らしい景色が広がる大パノラマの中を車で疾走しているのに自分がハンドル握ってないなんて!!!(泣)そりゃあゆっくり景色が見られていいのかもしれないですけど、やっぱりなんか不満なんですよー!! これがたぶん母が運転してたら落ち着いたんでしょうが(だって母の方が運転うまいもん……ああ、はやく追いつきたい!)姉よりは私の方がまだ運転うまいですからね(運転量が違うから)。



 左よりすぎ! 怖い! とか、駐車場に頭からつっこんでとめたりとか、いやいいんだけどさ!という微妙なストレスが(笑)いやいやいや、まあまあ大人だから笑って許してあげましたけども!(引きつった笑み)



 ま、それを差し引いても景色は本当に素晴らしかったですけどね! パッチワークの路とか、あとCMとかで使われる木とか! ケンとメリーの木、とかセブンスターの木、とか親子の木、とかクリスマスツリーの木、とかそういう名所みたいになってるところがいっぱいあるんですよ。本当にCMみたいな風景でおおーってなってました。けどここまで来ると北海道っていうか、ここ日本だっけ?なんて気分になってきますね。そしてこの広い大地で今まさにうまいものが作られていってるのかと思うと、本当に農家の皆さん頑張ってください!って言いたくなりました。いやいや、本当に第一次産業を大事にしないとだめですよ!(力説)



 あと私がもっとも不満だったのがジェットコースターの道という名所! これがその名のとおりものすごいアップダウンな道なんです! そしてひたっすらまっすぐ!! イメージとしては大宇陀のあのアップダウンなんですが(マニアック)とにかく規模違う! でかいし広いしまわりは山じゃなくて草原! っていうか丘!!



 ひゃっほーーーーい!っていう気分になるのはいいんですけど、なぜ今ここで私は助手席に座っているのかと……!(歯を食いしばりながら)



 いいですいつかまた北海道ぐらい行ってやりますから。いいもんいいもん……(大人気ない)



 さて、そんなこんなで美瑛を満喫したので、そろそろ今夜の宿泊地へ向かおうかと思ったんですが、まだ時間があったのでファーム富田というところによりました。これこそハーベストの丘な感じのファームなんですが、そこに何があるかといいますと、富良野といえばコレ!というぐらい有名なラベンダー畑ですね!



 四季彩の丘にももちろんラベンダーは植わってたんですが、あそこは他にもいっぱいいろんな花があったんでそんなに目立ってなかったんですよ。でもこっちはなんと全面むらさき色!! なんでも少しずつずれて咲く様に品種だとかいろいろ考えて植えてあるんですって。しかしそれにしてもものすごい量のラベンダーですよ。でもこっちは追いかけっこというよりもリアルに北の国からを思い出して切なくなりました。だって一面むらさきですもんねー。追いかけっこするならやっぱりヒマワリとかチューリップとかそういうんじゃないと!(こだわり)



 実はこのあたりからものすごく左ひざが痛くて、原因は不明なんですがびっこをひきひきうろうろしてました。そんなこともあって私は早々にラベンダーに飽きてしまったんですが(だって全部むらさきですよ?)姉は気に入ったのか元気にうろうろしておりました。



 最後にラベンダーソフトなるものを食べて(一体何がラベンダーなのか一切わからなかった私)そのまま宿泊地であるペンションに向かったのでした。



 北海道最後の夜は、ペンション「自然舎」というところ。まず場所を見つけるのに一苦労だったんですが(だって住所に番地すらないんすよ!)、なんとか到着すると本当にアットホームな雰囲気のペンションでした!



 家族でやっておられるということで、本棚に絵本とかがつまってたりしたんですが、文庫本も結構ありまして。かなりいろんなジャンルの本がおいてあったんですが、そこに「まざあ・ぐうす(訳 北原白秋)」とか発見しましてですね! 他にもグリム童話集、とかアンデルセン童話集とかそういうのがいっぱいあるんですよ。思わずそのあたりを何冊か引っこ抜いて部屋に持ち込んでしまいました。(夕食まで時間があったので)



 夕食は奥様のお手製なわけですが、めっちゃうまかったですよ! 正直昼に食った巨大カツ丼を消化しきれてなかったんですが、それでもうまくてがっつり食べちゃいました。スープもグラタンもスペアリブもどれもうまかったし、デザートもうまかったです! 本当に北海道に来てからおいしいものしかないので食べすぎ通り越してますからね。でも残すなんてもったいないし!!



 ちょっとベランダに出て景色を楽しんだりしつつ、部屋に帰って風呂の時間がくるまでひたすら本を読んですごしました。(ちなみに風呂は時間予約制の貸切制なので部屋ごとに1時間ずつ区切ってました)



 まずマザーグースなんですが、いくつかは知ってるものの(誰が駒鳥を殺したか?とか十人のインディアンとか)あんまりちゃんと読んだことがなくてですね。しかもその本は北原白秋が訳してるわけですからめちゃめちゃ古いんですよ(今では消えてしまった言葉が多数のこっておりましたよ)。で、挿絵がまた超絶シュール! いわゆる不思議の国のアリスと同じような系統ですよね。私の感想としては下手な怪談の本よりよっぽどどきどきしたし怖かったです!(笑)不思議の国のアリスが大好きなので(あの不条理感がたまらなく怖くて大好きです!)それに近い怖さがありましたね。もちろんほのぼのしたのもあるんですけどねー。

 

 続いてアンデルセン童話ですが、知らないのいっぱい載ってたんですけど時間が無かったので有名どころだけ。「赤い靴」「雪の女王」「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」ぐらいですね。(人魚姫はのってなかったんですよねー)



 「赤い靴」は普通にホラーですあれ(笑)おおもとのあらすじは知ってましたけど、細かい表現がいちいち怖いんですけど! やっぱり一番怖いのはですます口調で淡々と語られているとこですかね。「足首を切り落としてもらいました。」っておおい!みたいな。ネタにしたいなー(笑)



 「雪の女王」はわりと普通かな? でもいろいろネタにできるのは確かにそうだな、と思いました。これは確かにいい! 「みにくいアヒルの子」もそこまで記憶と違っているわけではなかったので普通でしたね。ネタにはできそうだけど。「マッチ売りの少女」も当たり前ですけどそのままでした。まああれはオチがはっきりしてますからね。



 まーまだアンデルセンは平和的でしたよ。それでも十分怖いですけど!



 グリム童話は有名どころがめっちゃ揃ってますからね。今ちょいちょい読んだ話を調べてたんですが、「ラプンツェル」はどうやら改訂版を読んだみたいです。だって妊娠発覚とか書いてなかったもん本には!(確かに物語の後半で疑問には思った)



 「ラプンツェル(野ぢしゃ)」は幽閉されてる女の子が髪の毛伸ばしてひっぱりあげる云々、ぐらいしか知識がなくてですね。それでちゃんと読んでみようーと読んでみたわけですが。まず幽閉されるに至った経緯にびっくりですよ! いや童話の親がひどいのはいつものことですけど、ラプンツェルって名づけられたのがまさかそんな理由だなんて思わないじゃないですか。それにラプンツェル自身もまあかなりええ性格しとるな、と。しかしなー知らんかったなー……(いろいろ衝撃)



 まあ一番きっついのは「子供たちが屠殺ごっこをした話」ですけどね。もうタイトルみれば一目瞭然ですけど、そういう話ですよ。めっさ怖いっす。何が怖いって子供たちがりんごを選んだっていうのがね!(興味がある方はwikiってみよう☆)



 あとはまあだいたい予想通りといいますかなんといいますか。しかしこれははまりだすと奥が深すぎますね(笑)でもなかなか楽しかったです!



 それから姉と一緒に滝平二郎さんの切り絵の絵本を読んでました。一番有名なのは「モチモチの木」ですかね! 昔はあの切り絵が怖くて仕方が無かったもんですが、今読むとええ話ってことがよくわかります。で、同じ齋藤隆介さんの原作のやつがいっぱいありまして。「ソメコとオニ」とか「花さき山」、「半日村」などなど、いろいろ読破しておりました。



 久しぶりにいろんな本が読めて楽しかったですよー。あー図書館行きたいなぁ(笑)



 風呂に入った後はせっかくだから星みようぜ!ということで姉とともに外へ。もちろん真っ暗なんてめちゃめちゃよく見えました!! ただなんせ私の視力が悪いもので(苦笑)ちゃんと双眼鏡とかあったら良かったのに、と姉と言い合ってました。でも北極星が心なしかいつもより高い位置に見えて、やっぱり緯度が高いからだ!!とはしゃいでおりました。(肉眼でわかるレベルかどうかは知りませんけど、そう見えたんですもん!)



 もうそろそろ夏の大三角ががっつり見えるはずだよなーと思いながら探してたんですがあまりにもぼやけていて確認できず(苦笑)たぶん惑星(木星かな?)も混じってたんで余計に混乱して結局わからずじまいでした。やっぱり星もちゃんと勉強というか、知識を得たいもんです! ああ、星のくにに行きたいなぁ(前回行ったときは曇っていてちゃんと見えなかったんで、晴れてるときに!)



 そんなこんなで北海道最後の夜は更けていったのでした。でも本当に素敵なペンションでしたよ!



 今日はここまで。