グアム旅行記3日目。〜地上4200mから地下3mまで〜

 光る雲をつきぬけFly Away!(ふらいあうぇーい!)


 てるてる坊主が効いたのか、起きてすぐに見上げた空は見事に晴れわたっておりました。やった! と喜ぶまもなく大慌てで準備をし(といってもお金さえ持っていけばいいだけなんですけど)いざスカイダイビングに向かいました。



 事務所に到着するまでの過程も何もかもがほぼサイパンと同じ。否が応にも期待が高まっていきます。



 到着すると、早速日本語スタッフのお姉さんにレクチャーをしていただきます。まあ私は二回目だし、同系列の会社だってことでだいたいわかってたんで話も早かったんですが、高度はどうします?っていうときに迷わず4200mで!(一番上)と答えておりました。ええ、前回はお金がなくて3000mからしか飛べなかったですけど、今回は一番上から飛ぶためにやってきたようなもんですからね!



 免責同意書にサインをし(事故がおきても死んでも何がおきても訴えませんというやつ)、早速スーツに着替えて準備をします。ジャンプスーツも前回とまったく同じ青色のツナギ。そして一緒にタンデムしてくれるジャンパーを紹介していただきました。

 

 今回私と一緒に飛んでくださるのは女性の方だったんですが、やっぱりかっこいいですな!(笑)お互い軽く自己紹介してよろしくお願いします!とハーネスをつけていただきます。サイパンでやったときは緊張をほぐすためかいろいろと話しかけられたり笑わせてもらったりしてたんですが、今回はわりと「じゃいっちゃいますか」って感じでかなりさらっと進んでいきました。

 

 私が2回目ってことでいろいろ省略されてんのかな?と思いつつ、まあわかってるしなーとそのままセスナへ。セスナに向かう途中も乗り込んでからもいろいろとお話してました。



 と、ここで気づいたんですけど私普通に今お姉さんと英語で会話してたんですよ。昨日まであんなに全然通じなかった英語が普通に通じるし、むしろ向こうが言ってる英語が理解できるよ!?と思ったら、たぶん、単純に訛りの問題っぽいんですよね。



 ジャンパーの方は皆さん白人の方で、すごく綺麗な英語を話されるんですよ。聞きなれてる発音で、聞きなれてる単語が出てくるというか。ところが昨日まで絡んでた現地の人っていうのが、全然英語にも聞こえないような感じで訛ってる?っていうのは少し違うかもしれませんけど、でもそんな感じだったわけです。



 もちろんジャンパーの方の方が日本人と絡んでる機会が多くて、わかり易い英語を使ってくれてるっていうのはあるんでしょうけど、でもそれいったら他の現地の人だってそうなはずですもんね。



 まあどっちにしろ私の英語力なんぞたいしたことないわけですが、それでもちょっと英語が使えてほっとしたのでした。(でもやっぱり勉強しないとだめだな!)



 さてセスナが飛び立つと、あとはもうぐんぐん高度が上がっていくだけです。見事に晴れわたった空の上へと飛び立っていきます。みるみるうちに飛行場が小さくなって、町が小さくなって、やがて島全体が見渡せるぐらい上にまであがっていくわけです。雲が近づいてきて、真っ白な雲をどんどん超えていって、それだけでもうテンションがどんどんあがっていきます。



 なんて綺麗なんだろう、なんて素敵なんだろう、なんて素晴らしいんだろう!とひとりで楽しみすぎてぶるぶるしながら窓から外を眺めていると、ふいに姉が小声で歌いだしました。







 ひーかるーくーもをつきーぬけふらいあうぇーい♪







 そ れ だ ! !







 まさにピッタリの歌詞に思わずふたりして歌ってしまったことはいうまでもありません。ええそりゃもうからだじゅうに広がるパノラマですよ!!!(さらにテンションアップ)



 がっつりドラゴンボール世代な私と姉が舞空術と金斗雲に思いを馳せていると、いよいよ飛び立つ瞬間が。まずは姉からスタートです。



 がっちりタンデムされてしまっているので、あとはもうタンデムマスターにされるがままなんですが、姉は最後の最後で「ちょっと待って本当にここから飛ぶの!?」と我に返ってしまったらしく、一瞬ひるんだらしいです。が、まあタンデムマスターが飛んじゃえば自分も一緒に落ちるわけですから(笑) 飛び出していった姉を見送った後、今度は私の番でございます。



 前回は私も一瞬どきっとした瞬間がありましたけど、今回は全然そんなことなかったです。だってその先に待ってるあの快感があるんですもの!(わくわく)



 「Ready! Set! Go!!」



 の掛け声でいっきに4200mから飛び出します。ええ、もう飛び出した瞬間からすごい風が下から吹き上げてきて、一瞬自分がどの方向を向いてるのかわからなくなりますけど、すぐに安定して、タンデムマスターに両手広げていいよって肩をたたかれます。



 そして目を開いて見れば、目の前に広がるのはひたすら青い空、空、空!!



 フリーフォールと呼ばれるこのパラシュートなしの1分間が、スカイダイビングの醍醐味です。ひたすら落ちてるだけなんですけど、『落下感』なんか一切なくて、とにかく私は今空を飛んでる! っていう感覚しかないです。



 これが正確に説明できないのがもどかしいんですけど、ていうか本当にだまされたと思って一回飛んでみろ!っていうしかないんですけど、とにかくめちゃめちゃ気持ちいいんですよ! 『落ちてる』感覚でもなく、『浮いてる』感覚でもなく、『飛んでる』っていう感覚なんです。



 叫びたくても口が乾いちゃって(すごい風なんでね)あんまり声がでないんですが、それでもきゃあきゃあはしゃぎながらスカイダイビングを楽しみました。いやーもうたまらんですよ! 本当に一回飛んでみてって、マジで!!!! ていうか一緒に飛びに行こうぜ誰か!!(でも誰の同意も得られない……)



 本当は一分間あるはずのフリーフォールなんですが、あっという間ですよあんなもの。気がつけばパラシュートが開いて、あーもっと飛んでたかったのに! っていう感じです。前に比べれば今回の方が長かったはずなんですけど、それでもやっぱり足りないですよ(苦笑)



 で、実は私パラシュート開いてからの方が苦手だったりします。実はパラシュートってめっちゃめちゃ酔うんですよ! 高いところは大好きだし、景色もすっごく綺麗だし、気分はいいんですけど、あの風をうけてぐーっと旋回する感じがどうにもこうにも慣れなくてですね(苦笑) 酔いやすい人はできるだけ遠くを見てって言われてたんでなんとか頑張ってやりすごしてたんですが、最終的に着地するときって絶対下見ちゃうじゃないですか。それでもう一発で胃にきました(笑) もうちょっと私の三半規管が強ければ最後のパラシュートまで楽しめるんですけどねー。まあフリーフォールに比べたら全然屁でもないので問題はないですけど。



 無事に着地すると、早速カメラを構えた母がやってきて写真をぱちぱちとってくれました。一応上から降りてくるところをカメラに収めようとしてたらしいですが、一瞬過ぎて点にしかならなかったとのこと。やっぱり空の上にいたのってほんのわずかな間だったんですね。めちゃめちゃ濃い一分間でしたけど!



 そして前回同様の認定証授与式。相変わらずおちゃめなタンデムマスターさんに褒めてもらえると嬉しくなりますね! また来たいなぁって思っちゃうじゃないですか! もう一回行く?っていわれたら、行きたい! って即答ですからね(笑)



 で、すぐさま車に乗せられて事務所に戻ったんですが、これがまた良くなかったんでしょうねー、胃にとっては。ただでさえ気持ち悪くなってたところに車移動で、事務所からまたホテルまでも車移動で。姉はただでさえ寝不足で体調悪かったのに、スカイやって車にのって、すっかりグロッキーになってました。でもまあそれなりには楽しんでもらえたようで何よりです。



 帰ってからも相変わらずドラゴンボールのオープニングが頭から離れなくて困りました。だってまさに『空を急降下Jet Coaster』ですよ? もう思わずSparking!!って叫びたいテンションでした。いやー面白かった!!



 まあさすがに疲れていたのでしばらく姉には休憩してもらって、その間に大阪さんにお土産とお昼ご飯を買いに行くことに。ちなみにお土産はマンゴーにしましたよー。だってチョコレートもらっても正直どうなのって話だし。ていうか海外旅行のおみやげ=チョコレートすぎてうんざりなんですもん!(ただ私がチョコレートそんなに好きじゃないだけですが/苦笑)



 でも大阪さんには結構雑貨もいっぱい売っていたので、ファレオとか、マグカップとか、それっぽいのもいろいろ購入しました。南国っぽいっていうのは重要ですよね!



 ちなみに昼ごはんはカップラーメン。いやいや、日本のカップ麺は偉大なりですよ! 日清さんすげぇって思いますもんほんと!!



 さてホテルにて腹ごしらえをしたところで、昼からは恋人岬にいってみることにしました。すごく海が綺麗でカップルが訪れる有名な名所らしいんですが、どうやらマイクロネシアモールというショッピングモールからバスが出ているとのこと。ということでとりあえずバスにのってマイクロネシアモールに向かうことにしました。



 ちなみに私がマイクロネシアモールに抱いた感想なんですが、まんま、ダイヤモンドシティって感じです(笑)専門店が一杯入ってて、フードコートもあって、結構値段も手ごろな感じで、家族連れがいっぱいる!みたいな。真ん中の広場に子供向けの展示物があるあたりとかもう完全にイオンじゃねぇか!!みたいな。思わず親近感わきまくりですよ。



 で、バスの時間を見てみたらまだ余裕があったので、モール内をうろうろしてみることに。なかなか楽しかったですよ! 途中で本屋に寄ってみたんですが、日本食の作り方の本とかありましたしね。日本の旅行ガイドブックの表紙がまんま京都で笑えました。いやいや、ナイスジャパニーズ!ですよ。さすがにサムライ、ゲイシャ、ニンジャではなかったですけどねー。



 絵本コーナーもいろいろ置いてあって、せっかくだから甥っ子に何か絵本を買って帰ろう!ということに。色が綺麗でわかりやすい可愛い絵本を買いましたよ。これで是非国際的で英語が得意な子に育って欲しいものです。叔母さんはもう失敗しちゃってるからね!(でも度胸はそれなりについたよ!)



 時間がきたのでバスにのって恋人岬に向かいます。本当に岬のてっぺんに展望台があるんですが、結構な絶壁の上なんですよね。で、覗き込んだ海がめちゃめちゃ綺麗! 本当にサイパンで見た海と変わらないぐらい綺麗で感動しました!

 

 やっぱり人がいればいるほど海は汚くなるだけなんだなーとしみじみですよ。結局そんなもんですけどね、どこも、自然って。



 ちょっとへこみつつ、恋人岬の由来を書いた石版みたいなのがあったので、読んでみたら(全文英語)、あまりにも想像通りのストーリーでちょっと笑ってしまいました。いやいや、どこの国でも一緒ですな、伝説は!! ちなみに恋人岬についての詳細はこちら



 そしてそこに附属していたおみやげ物屋さんの中で、『横井庄一展』が開催されていたので入ってみました。実は私の本命は恋人岬よりもこっちで、偶然案内チラシをもらってからすっごく気になってたんですよ!



 私たち家族以外に誰もお客さんはいなかったんですが、ひとり5ドルを払って入ってみました。



 まず私は横井庄一さんがグアムで発見されたってことすら知りませんでした。『恥ずかしながら〜』のセリフはなんとなく聞いたことはありましたけど横井さんだって知らなかったし、28年間も密林の中で隠れてたっていうのも何も知らなかったわけです。

 

 日本語と英語の両方でいろんな写真やパネルが展示されてるんですが、実際に横井さんがサバイバル生活に使ってた道具とか、作った服とかも展示してありました。それから、ずっと生活していた穴の模型。発見直後の写真から、結婚後にグアムに戻ってきたときの写真とか、いろいろ。



 すっごくびっくりした、というのが素直な感想です。だって私には28年なんていう年月は想像もつかないわけですよ。まだやっと生まれて23年弱しか生きてなくて、その間もこんなにいろんなことがあったのに、それ以上の年月をこの人はひたすらおびえて隠れて過ごすことで生きてきたわけですよ。しかも戦争が終わったって言われても信じられないし、終わったとしても自分は殺されるとしか思えないから、ひたすら穴の中でじっと息をひそめて耐えるしかないっていう。



 何が一番怖いって、そんな風に人の思考を作り変えてしまう戦争そのものが恐ろしすぎるだろう、と。生きて帰ることが恥になって、実際グアムで2万人も死んでて(それも知らなかったからもうなんつーか震えがきますね)。当たり前ですけどめっちゃ怖いです。28年間ひとりでおびえながら(発見される8年前までは仲間が居たそうですが)生きていくって、本当に想像もつかないし、よくわからないけど、とにかくそれが起こりえるっていうのがもうおかしいと思うし、怖いと思います。



 戦争は怖いなぁ、と思いました。いろんなことを含めて。いつか祖父が語ってくれた空襲の話を思い出したので、昔の日記から少し抜粋。(2005年の終戦記念日の日記です)





(前略)



 私の祖父は80歳なのですが、ちょうど60年前の今日は訓練にでかけていたそうです。そして帰ってきて、上官にお前ら武器を捨てろ、もう戦争は終わった、と言われたんだとか。



 その時、何故かみんな泣いたらしいです。何故泣いたのかはわからないらしいんですが、ただ泣いたと。で、泣き終わった後、これで家に帰れると思って嬉しくなったらしいです。



 ちょうど20歳で徴兵を受けて訓練を始めて半年だったらしいのですが、もしもう1年早くに生まれていたら戦地に向かっていただろうと言ってました。その他にも、前日の14日に京橋の軍事工場が爆撃を受け、何人も人が死んだけれど、もう一日早く戦争が終わっていたらその人たちは死なずにすんだのに、とか。



 それから、敵の爆撃は今の花火なんかよりもずっとずっと綺麗だったらしいですよ。真っ赤な火が沢山落ちてきて、それが下でまた赤く光ってるんですって。昔は木造だからどの建物も燃えて。焼け残るのは鉄筋の建物か土蔵の蔵だけで、あとは見渡す限りの焼け野原だったと。



 土蔵は焼け残ったから中身は大丈夫かと思えば、中身は全部黒こげで。地下に米を缶にいれて保存しておいたものも、中身は全部真っ黒になってしまったとか。当然そんな状態で、防空壕なんてものが役に立つわけないですよね。



 そんなことを淡々と祖父は語ってくれました。想像もつかないようなことですけれど、全部それは本当にあったことで。爆撃がどれだけ綺麗だったか、と言った祖父の言葉がとてもつらくて苦しくなりました。



 本当にその体験をした人の言葉は、しかも私につながる人の言葉はとても重くて重くて聞くのがつらいけれど、こうして話が聞けて本当に良かったと思いました。知りたくないけれど、知っておかなければいけないことだと思うのです。



 そのあとお墓参りに行って、線香をあげました。一昨年亡くなった曽祖父のことを思い出したりしました。



 当たり前ですけど、私の大好きな人たちが少しでも長く生きれますように、と心から思いました。



(後略)





 一応目的は果たしたので、またバスにのって戻ることにしたんですが、今度はマイクロネシアモール行きではなくDFSギャラリア行きのバスに乗り込みました。いわゆる免税店なのですが、到着して中に入ってみて、あまりの場違い感にびっくりしました(苦笑)



 まあ免税店ですよ。なんだったらここがグアムのメインだったりするわけですよ普通は。日本人観光客であふれてて、それこそグッチだとかシャネルだとかヴィトンだとか知ってるものからよく知らんものまでひったすらブランドがずらりとならんでまして。そもそも日本での値段を知らない私からすると、これが安いのかどうかすらもよくわからん!っていうぐらいポカーンとなってました。



 へーすごいねーすごいねーっつって最終的に私が一番テンションあがったの何かって入口で見つけた小さいヤモリですからね(笑)あのヤモリめっちゃ可愛かったなー! サラマンダーとか本当にペットにできるんじゃないかなって思います(笑)



 さてそこからバスにのってホテルに帰ろうよ、ってことになったんですがこれがなっかなかバスが来ないんです。一日あちこちいってたんで結構ぐったりしてまして。なんとかきたバスに乗り込んで帰ったんですが、そのままホテルの一階に入っていたハーゲンダッツのお店に行きました。



 そもそもこれまた私日本でハーゲンのお店なんかまったく行かないもんで、メニューの差とか全然わからなかったんですけど、(高いのか安いのかもなぞ)母と姉があれこれ言うので一緒に食べてみましたよ。なかなかおいしかったです。(当たり前)



 ちなみに私はマンゴーアイスを頼んだんですが、その時たまたま隣で選んでた現地の警察官?警備員?みたいな制服きたおっちゃんたちにすっげぇびっくりされました。「その発想なかったわ!」みたいなテンションで驚かれてこっちもびっくりですよ(笑)



 さてホテルの部屋で一息ついてから、晩御飯どうする?という話に。でも結局変なとこいくよりもカプチョでいいよね……というやる気のない結論になり、結局またカプチョにいきました(笑)いや、うまいんですもんだって! しかも安心感プライスレス! つまりは東京でモスに入るみたいなもんですよね、と。(私の中で同じ次元)



 腹ごしらえもし、おみやげもいろいろ買い込み、ホテルに戻って最後の夜を過ごしました。ちなみに今晩帰るんですがなんと集合が深夜3時というスケジュールなんで、9時には寝ないと!ということで結構無理やり寝ました。でも疲れてたんでしょうねー。普通にぐっすりでした。



 今日はここまで。