ディープ・イン・アイズ。

 ならぬことはならぬものです。


 結局寝たのが深夜にも関わらず、起きたのは早朝6時。しかも友人はもっと早く起きてなんと自作ベーグルを作製しておりました!(恐るべきベーグル道) しかも本気で味を追求しているのでまあうまいことうまいこと! これ売れるんじゃねぇの!?っていうぐらいレベルの高いベーグルを朝からうまうまと食べさせていただきました。



 さて7時には出発し、仙台駅からバスに乗り込みます。本日の目的地は会津若松なのです! 思えば東北をほとんど観光がしたことない私(でも仙台だけはなぜか今回が4回目)なので、福島も全然行ったことなかったんですよ。なんならちょっと福島って東北のイメージがあんまりなかったような……(苦笑)どうしても関東と東北の間って感じで結構どっちつかず?なイメージがあったんですよね。ほら、三重的な!(三重県民に謝れ……ていうかもうあそこは東海だよね)



 で、ぶっちゃけ福島……桃? ぐらいのイメージだったんですが、よくよく考えてみれば猪苗代湖とか会津若松とか郡山とか全部福島なんですよね!(今更)



 仙台からだと高速バスにのって2時間という手ごろな距離だったので、友人に連れて行ってもらいました。でもまず行きのバスからすっごく混んでましたねー。2つ並んであいてる席がなかったので、恰幅のいいお兄さんの隣に座ることになったんですが、このお兄さん、あまりにも恰幅がよくて若干席からはみだしてるんですよ! しかも体温がやたらと高く、ただでさえ私の体温も高いのに、さらにはエアコンもそんなに効いてない、とかでかなり汗だくの状態で会津若松に向かうことになりました(苦笑)



 ようやく到着し、降り立ったときの方がむしろ涼しかったですからね。天気がかなりよくて日差しは強かったんですが、やっぱり日陰にはいると涼しいあたりがさすが東北って感じがします。まあ会津は盆地なので仙台よりは明らかに暑いんですが。



 会津若松駅に降りたんですが、そこでいきなり目に入った看板にでかでかと「ならぬことはならぬものです」って書いてあってきょとーん。まあ後々分かるんですけど、最初はなんじゃこりゃ?って思ってました。



 まずは飯盛山から行きますか!ということになったので、行きかたを見てたんですが、バス何分の記載にコレ頑張ったら歩けるんじゃねぇ?ということになり徒歩でいくことに。結局15分か20分弱ぐらいかかったんですが、わりとふたりとも歩きなれているので元気です。



 白虎隊記念館駐車場、なんて文字が目に入ると、その下になんとレンタサイクルの事務所が。レンタサイクルいーじゃん!と即決し、おばさまにお願いして飯盛山見てきて帰って来たあとに借りることにいたしました。でもレンタサイクルって本当に便利だと思いますよ。田舎をぐるっと見て周るにはちょうどいいサイズだと思います!



 さて飯盛山ですが、両脇にみやげ物屋が立ち並ぶ中をあがっていくっていう風景が、すごく香川の金毘羅さんっぽい感じがしました。あそこもひたすら階段をのぼっていくわけですが、あっちは駕篭かきさんがいらっしゃいましたがこちらはエスカレーターみたいな動く歩道がありました。まあ有料だったのでスルーしたわけですが。(既にここまで徒歩だし今更だよ!)



 結構のんびりした感じで上っていくと、さっそく目に入った記念館の文字。まあ帰りに見て帰ろうということでとりあえず頂上に向かいました。



 頂上にはずらりと石碑が並んでましたー。正直誰が誰やらさっぱりわからないのですが、飯沼さんのお墓だけは別にしてあったのでわかりましたよ。ちなみに飯沼さんが20人中ひとりだけ生き残ってそのことを伝えたって人だそうです。



 あとムッソリーニから贈られた石碑とかがあってびっくりしました。まあ、なんつーか、好きそうな感じですよね(苦笑)



 で、石碑のあるてっぺんからすこし降りた、今は普通にお墓になっている場所が実際に自刃した場所らしいです。で、一応そこにお城の方向はあっちっていう看板があったんですが、正直どれが城やらまったく見えませんでした(苦笑)まあいっぱい建物が立っちゃってますもんね。



 だいたい一通りみたところでまた階段を下りていくわけですが、途中の土産物屋さんで白虎隊ドラを発見。迷わず購入していると、ふいにあたりが静かになりました。



 ちょうどお昼だったんですよね。で、振り返ってみたらみやげ物やのおばさんが手を合わせてて。あ、そうか今日9日だ、って気づいて一緒に黙祷しました。



 ドラを購入したあとは、そのまま来た道を戻って白虎隊記念館へ。ここがなんというか……まあディープな感じの場所でしたね(苦笑)



 まず入口の看板の書き方あたりからおおぅ、って感じなんですが、中に入ってからの展示物の感じとかがまたなんともいえない感じで。まあどこから関連があってどこから関連がないのかさっぱりわからないぐらいいろんなものがところ狭しとおいてありましたよ! あとはなんか小さいジオラマみたいなのがあって、会津藩の歴史から、会津戦争のあれこれ(つまり白虎隊自刃に至るまで)が順を追って展示してありました。



 私の幕末知識なんて浅いもんなんで、戊辰戦争についても会津戦争についても全然知らなかったわけですよ。そこで戦争して城が落ちた、ぐらいなもんですから。でまあ事細かにいかに会津の人々が勇猛であったかということを書き連ねてあるわけですが。まーディープですわ、マジで!(苦笑)



 ちなみに二階も展示コーナーがあったんですが、二階ではなんとテレビアニメが放映されておりました! そのアニメもなかなかのクオリティでしたよ。「お城が燃えているー(棒読み)」的な。



 あ、ちなみにそこで「ならぬことはならぬものです」の真相がわかりましたよ! なんでも什(じゅう)っていう、いったら藩士の子供たちの縦割り班みたいなグループで修行やら勉強やらをしてたってわけですね。で、それで毎日読み上げてた掟の中の一文だそうな。「間違ってるものは間違ってる」ぐらいの意味合いでいいんですかね。とにかくそういう格言があるみたいです。



 白虎隊すごかったぜ……と記念館を後にし、レンタサイクルにのってこんどは東山温泉に行ってみることにしました。既に時刻もお昼ですから、温泉街で何か名物でも食べれたらいいよねーついでに日帰りでお風呂に入れたらいいよねーなんて安易な考えで東山温泉に向かったわけですが……。



 ええ甘かったですよ。

 なんてったって東 やま 温泉なんですからね。



 めちゃめちゃ普通に山の中にありましたよ!(ぎっこぎっこレンタサイクルをこぎながら)



 ええ、どんどん車通りがなくなっていって、奥に進めば進むほど、「あれ、ここどこ? っていうか今、いつ?」みたいな気分になっていきました。だって温泉街っていいつつマジで千と千尋に出てきそうな風景なんですもん!!!



 確かに昼の12時っていうよくわからん時間帯にいっちゃいましたけど。でも山奥だからなんか薄暗いし、木造のそれこそ湯婆々が出てきそうな旅館がずらっと並んでるし、川は流れてるし(あんまり関係ないか)、とにかく、なんかインパクトがすごかったです!(だってこっそり覗いてみた料金が16950円〜ですもん!)



 結局お昼食べる場所がないか、日帰りで温泉に入れるところがないか、観光案内所があったんで聞いてみたんですけど、お昼は普通の食堂みたいなところしかないというし(そりゃそうだよ)、温泉が入れるところも時間帯が微妙とか値段が結構するとかで断念。何しにきたんだろうねー……なんて感じで市街地へと帰還したのでした。



 でも本当に風情あふれるというか、すごく古くて良い感じの温泉街だったんで、普通に泊まりに行ってみたいです! もうちょいビッグになってから!(笑)



 さて結局お昼が食べられなかったので、途中で見つけた蕎麦屋さんに入ることにしました。もちろんお蕎麦も有名ですからまったく問題ないんですけどね。でもやっぱり東は蕎麦なんだなーとしみじみ思いました。普通に十割蕎麦とかいって何がどうとかさらっと答えられるんですもん!



 でも私も最近東に来ることが多かったので、うまく蕎麦をたぐれるようになってきましたよ。といっても相変わらずうどんの方がすきなのは変わらないですけど(関西人だもの!)



 腹ごしらえしたのちは、さらにレンタサイクルで市街地をうろつきます。最終的に自転車を返す目的地を若松城にしていたので、若松城は最後にして、他に面白そうなところがないかをるるぶで調べてみます。すると酒蔵があるとのこと! Aさんはまったく酒に興味はないんですが、私が好きだということを知っているので行ってみることにしました。ちなみに鶴乃江酒造さん。中に入ると早速試飲コーナーがあったんですが、なぜかAさん自分が飲めないもんだからかやたらと私に飲ますんですよ! 「これどんな味なの? これは? じゃあこれは?」とひたすら私ガブ飲みです。日本酒ならともかく焼酎まで飲ませようとするから味どころじゃなくて、最終的に耐久レースでしたよ(苦笑) だから焼酎ストレートが確かに好きだけどこういう風に飲むもんじゃないんだよ酒は! と力説したくなりました。(でもやっぱり飲めない人はそりゃわからんって話ですよね)



 ちなみに印象に残ってるのはにごり酒。確かサイダーで割って飲ませてもらったんじゃないですかね。さわやかな味になって暑さで喉が渇いていたのでちょうどよかったです! もちろんどれもおいしかったですよ。Aさんもありますけど、お店のお姉さんもこれでもかと飲ませてくれるので出た頃にはかなり酔っ払ってました(笑)



 レンタサイクルを漕げば自然と酔いもさめるので、続いて近くにある「会州一蔵」にいってみることに。るるぶのマップにのってたので行ってみたんですが、私たちこれを博物館か何かだと思ってたんですよね。なんか歴史的景観指定建造物とかになってます、って書いてあるから。



 ところが行ってみると、隣にでっかいスーパーがあって、その建物自体はこれかな?って思ったんですが、中には売店とギャラリーぐらいしかない、と。(ギャラリーも貸しギャラリーだしね) あれ、これって合ってる? この博物館ってどこ? という勘違いを引き起こし、結局るるぶが古すぎて(2004年度版だった)今はもうこの博物館みたいなの無いんだよ! なくなってスーパーになっちゃったんだよ! という説を打ち立ててそのスーパーで飲み物を買って後にしたのでした。



 ちにみに調べてみると、もともと博物館でもなんでもなくて酒蔵の蔵を壊すのはあれだから保存しよう、せっかくだから町のコミュニティー施設にしちゃおう!ということで生まれた場所だったんですよね。いやはや、勘違いでした!



 そろそろ時間も来たので若松城に向かいますか、ということで自転車にのって若松城へ。ところがまず入口で迷う(苦笑)レンタサイクルを返す場所がどこかぜんぜんわからなくて、ずっと入口付近をうろうろしてました。まあ結局本気でお城の内部にあったんですけどね。だってそこまで自転車で入っていいのかなんてわからないじゃないですか!!



 若松城、通称は鶴ヶ城だそうですが、まず北出丸から中に入ります。大手門をくぐって隣に見えるのが武者走という石垣の上に兵士をあげるための階段……があるんですけど、その名前と形からトレーニング用の階段昇降用の階段かと普通に勘違いしてました(苦笑) だって今は石垣が全部残ってるわけじゃなくて、そこだけピックアップされてるからそう思ったんですよう!



 さて大手門から中にはいり、レンタサイクルを返して少し休憩したあと、そのまま天守閣へごー……と思ったら、まずは塩蔵から中に入りました。なんでもそのまま塩とかを貯蔵してたとこみたいなんですが、いわばB1Fですね。姫路城でも見れた気がしますが、そもそも鶴ヶ城現存天守ではないので石垣の積み方なんかを解説するシアター風?みたいになってました。ていうか石垣は残ってたのかな。



 一層から上は全部展示コーナーになってて、階段でぐるぐるあがりながらいろんなコーナーを眺めていきます。本当に大阪城みたいな感じですね!



 大体はよくある感じで歴史とかの説明なんですけど、ちょっと面白かったのが体験コーナーみたいなところ。畳のコーナーがあって、打掛着て写真取れたり、顔はめみたいなところ覗けたり、殿様の一日を紹介してたり、結構子供が楽しめるように作ってあってなかなか良かったんじゃないかなと思います。



 それから企画展は北方の守りを会津藩が命じられたときの資料などが展示されてました。これもなかなかおもしろかったですよー。



 が、何が一番インパクトがあったかっていうと、おそらくボランティアガイドの方と思われるおじいちゃんが、子ども会の遠足?みたいな子供たちをつれていろいろ解説してくださっていたのですが、その口調や情熱がすごいんですよね、マジで! いかに新政府軍が会津藩の人々に対して無体をはたらいたか、またいかに会津藩の人々が勇敢に戦ったかを熱い語り口調でとつとつと語るわけですよ。あーすごいなぁーと素直に感心してしまいました。



 グアムで横井さん記念展見たときとは又違う感覚ですよね。やっぱり昭和っていうとつい最近って感じがしますけど、正直明治初期なんか完全に私の中ではもう歴史の一部に組み込まれてしまっているわけですよ。それこそ戊辰戦争とかいわれても教科書の一文で。会津がどんな場所かっていうのもいまいちよくわかってなかったし、何が起こったかっていうのも全然知らなかったわけで。でもやっぱりここの人たちにとっては思いっきり最近の話なんだなーと思ってしまいました。



 幕末まではそれこそ藩っていうのはひとつの国だったんだろうし、国が違えば思想も違うし。ついでにいうとその国の中でもいろんな層に分かれてて、それぞれの思惑も違ってて。戦国時代を経た歴史の上で、土佐藩みたいな藩士の中での二重構造みたいなのもあるし(あとから調べたらどうやら会津藩もそんな感じだったっぽい?)今もそうだけど今以上にドロドロしたいろんな思惑があったんでしょうね。



 天守閣の一番上は展望台になっていて、景色が綺麗でしたよ! 天気も良かったですしね。



 さてまたぐるぐる回って階段を下りて、これまた新しく復元されたというぴかぴかの櫓を通ってから外に出ます。そこからお茶室の方へと向かいました。



 ちなみにこのお茶室(麟閣)は、利休さんの息子の少庵が建てたんですって。利休さんといえば秀吉の元でぶいぶい言わせてたところを結局怒られて切腹させられちゃうんですけど(え、そういう認識で間違ってないよね?)そのまま千家が途絶えるのは惜しいってことで、そのとき会津を治めてた蒲生氏郷が息子の少庵くんを匿ってくれたんだそうです。そのお礼にってことで少庵くんが建てた茶室なんだとか。



 私の中での少庵くんのイメージって完全に茶杓の形でしかないんですけど(お稽古で使ってる茶杓が千家歴代好みの形を集めたセットのやつ)少庵好みの茶杓って一番細くて一番すらっとしてて一番クセがないんですよね。で、なんとなく気弱そうないい人そうなイメージだったんですよ(笑)間違ってないような気もするけど!



 もちろんお庭も素敵だったし、茶室もすごく素敵でしたよー。私もそこまでお茶室をいろいろ拝見したわけではないですが、一番ベタというか、スタンダードな感じがしました。ってうかまあ二代目だからそんなもんですかね。でも調べてみたところによると東日本では珍しい形なんだそうですね。たぶん私茶室は西日本でしか見たことない気がするんですよ。そうそうぽんぽんあるわけでもないし。抹茶をいただくことはお寺なんかにいくとよくありますけどお茶室を拝見させていただくってなかなかないもので。今度は茶室もいろいろ注目して見たいなーと思いました。



 見終わった頃にはちょうどよい時間になっていたので、そのまま鶴ヶ城北口にあるバス停から高速バスにのって仙台へと戻ったのでした。

 

 高速バスといえば、最近後部座席のシートベルトが義務化されたこととかと関係してるのか、高速バスでのシートベルト着用も義務になったんですよね。でまあだいたいはちゃんとシートベルトするんですけど、その時はたまたまちょっと息苦しかったんでしてなかったんですよ。で、そのまま爆睡。



 するとその時にみた夢の中で、私はちゃんと高速バスに乗ってるんですよ。で、普通に乗っててぼーっとしてたら、夢の中で急にナレーションが入りまして。



 その時の私は何も知らなかった。このあと、まさかあんな事件が起こるとは……



 っていう、ナレーションと共になぜかバスがトンネルに吸い込まれていくスロー映像が流れたんですよ! 夢の中で!! もうびっくりして飛び起きましたよ。え、何これ今から事故るってことですか!? おええええ!? ってもう起きて汗びっしょりで。



 思わずシートベルトをきっちりはめてしまったことは言うまでもありません。(もちろん事故なんて起きなかったし、そうでなくてもシートベルトは大切だよ☆)



 ちなみに晩御飯はやっぱり近くのスーパーの寿司だったんですが、このパック寿司が結構ばかにできないぐらいうまいんですよ! やっぱり海のある県は違うなぁとしみじみ思ったのでした……。



 今日はここまで。