ガーデンミュージアム比叡。

 大津は悪くない。


 今日はドライブだ!ということで5時半には起床し、朝イチでレンタカーに乗り込み出発いたしました。ちなみに目的地は比叡山。実はずっと比叡山に行きたい行きたいと思ってたんですが(殿が焼き討ちした寺がどんなもんか偵察してやろう、とかそんな動機)なかなか機会がなかったので。



 まずはその前にYちゃんを迎えにいったん南阪奈を使って奈良方面に向かいます。が、ここでいつもの難関が。美原ICが一番近いんですが、そこがJCTと併設なためにめっちゃめちゃわかりにくいんですよ!! 毎回挑戦して1回で素直に乗れたことがないんです。今回こそは!と突撃していったんですが、結局よくわからないまま、失敗。カーナビと看板を頼りにしてるはずなんですがイマイチわからず、2回目を失敗したあたりでもういい!という気分になりまして。結局高架下の地道を併走したのち、次の羽曳野ICで乗ったほうが断然早いということが判明いたしました(遠い目)。でも悔しいので次も挑戦したいと思います。あれぐらいのICでまごついてるなんて!(めらめら)



 そんなこんなで1時間ほどでYちゃんのお宅に到着。そこからいざ比叡山に向けて出発であります。169号を北上して奈良までいき、そこから京奈道路にのり一気に京滋バイパスへ。そのまま名神高速にのって大津へ行こう!と思ってたんですがここでまさかの自体が。なんと京滋バイパス名神をつなぐ瀬田東JCTが、ハーフJCTであったことが判明! えええちょっとまてよええええ!と行ってる間に見事に名古屋方面へ。(つまり京滋バイパスの上りから名神高速の下りは繋がってない)私は名古屋に行くんじゃねぇよ大津だよ!ということで次の草津田上ICで降りて、地道で大津まで向かうことにいたしました。



 ちなみに草津田上で降りたらそのまま立命館大学があって、ここがリッツか!と認識。予想以上に山の中にずどんと建てられていたので、学生達はさぞや不便であろうなと想像してしまったのでした(勝手な思い込み)。



 さてそんなこんなでなんとか大津市街地までたどり着いたのですが、時刻は既にお昼前。おなかがすいたねといいながら湖岸のコンビニで小休憩。天気も良かったので本当に綺麗に琵琶湖が見えました! そう思うと京都と大津ってやっぱり近いんだよねとか、滋賀のほとんどは琵琶湖なんだねとか(ちなみに奈良のほとんどは山なので人のことは言えない)語り合いながら三井寺を通過し、比叡山のふもとに到着。



 比叡山ドライブウェイに入り、途中の小さな食堂みたいなところで腹ごしらえをし、ちょうどお昼に延暦寺に到着いたしました!



 延暦寺=焼き討ちのイメージしかないのですが(歴史で出てくるのがその部分しかないので)、まず私の延暦寺知識といえば『最澄がはじめた天台宗の総本山』『弁慶はここの僧兵だった』『僧兵がいっぱいで武装勢力もっててかなり権力握ってた』『後白河のジジイすらウザがるほど』『殿の逆鱗に触れて焼き討ち』ぐらいしかなかったわけですよ。ぼんやりと寺があるんだろうなーぐらいでどこが国宝だとかそういうことも全然知らなくて。



 で、まずドライブウェイに入ってから思ったんですけど結構高低差ありますね! 琵琶湖からスタートしたから余計かもしれませんが、車でぐんぐん上っていくと景色がかなり綺麗なんですよ。これはなかなか、と思っていたところ、まずは中心の東塔ゾーンへ。行ってから初めて知りましたが、当たり前ですが比叡山は山なので広い! その中のあちらこちらに寺院やお堂が立っているというわけです。その中でも中心がこの東塔ゾーンで、国宝の根本中堂があります。ここがなんでも最澄さんが最初に立てたんだそうな。暗い土間の向こうにぼんやりと何かがおいてある、というぐらいにしか見えませんでした。ちなみに本尊は薬師如来。ここに最澄の時代からともされ続けているという「不滅の法灯」がありました。まああまりにも暗くてどれがそれやらわからなかったんですが(苦笑)



 続いて大講堂へ。そこに延暦寺出身の人々の像がたくさんあったんですが、ズラリと有名どころが並んでてびっくり! うちの浄土宗の開祖法然上人もここ出身とは知りませんでした。他にも鎌倉新仏教は日蓮にいたるまでだいたいここですし、とりあえずみんないったんはここで修行してから新しい宗派を起こしていったんだと知って驚きました。そりゃ平安以降南都はどうも時代遅れの感があったみたいですし(大体最澄さんもそれで疑問を覚えて独自路線にいったらしいし)、僧侶になるならやっぱり延暦寺☆みたいな流行があったんでしょうかね(たぶん違うけど)。



 そもそも天台宗密教のイメージしかなかったんですけど、わりと基本というか、仏像や建築の文化にしてもそうだしそれほど発酵してない感じがしました。そう思うと京都からの近さもあって、やっぱり権力闘争の中心になりやすかったからなんでしょうね。南都もそうだしね(苦笑)でも山だからやっぱり独立国家みたいになるわけで、そうなると僧兵がたくさんいるわけで……ううむ。なかなか歴史の深さを感じますね。



 さて東塔ゾーンは大体見たのでそこから西塔ゾーンへ移動。こちらは先ほどとは変わって静かな落ち着いた雰囲気の場所です。それぞれの修行していたお堂がある、という感じですね。こちらの方がなんだか落ち着きました。ぐるっとまわって今度は横川ゾーンに移動。こちらも本当に静かな雰囲気で落ち着きました。周囲がぐるりと山なので誰もいなければそりゃさぞかし修行に身が入るだろうな、と実感しましたよ。



 これは帰ってからわかったことですが、延暦寺はかなりつらい修行がいろいろあるそうですね。今もやっておられる方がいらっしゃるのだとか。そういう点においては密教っぽいのかなと思いますが、教義自体はストレートで結構気に入りました。ていうかまあ鞍馬寺インパクトが強すぎるだけで普通の密教はそこまでアレではないと思うんですけどね!(苦笑) 鞍馬寺の魔王尊は650万年前に金星から地球に降り立って、その体は通常の人間とは異なる元素で出来ていて、年齢は16歳のままで不老不死なんだぜ!ってそれどこのSFファンタジー!?みたいな話があるので(笑)



 でもなかなか面白かったです延暦寺! 寺の縁起っていうのをたどっていくといろいろでてくるのもので。歴史にも関わってますしねー。殿がなぜ焼き討ちをしたかっていうのも調べてみてわかったし。そしてミッチーが直に焼いたっていうよりはミッチーが事後処理を任されたっていうのが正しいみたいですね。あと秀吉が甘かったのも本当の話のようで。やっぱり歴史って面白いなぁ!



 まだ時間があったので、そこから山頂まで足を伸ばして「ガーデンミュージアム比叡」に行ってまいりました。ここが予想以上にとっても良かったのです!!!



 印象派の画家(主にモネ、ゴッホルノワール)の陶版画をモチーフにした庭園美術館、だそうで、まず外観からさっきまでの延暦寺とは打って変わってとってもおフランスな雰囲気。入ってみると色とりどりの花があって、効果的に配置された絵画がまたとっても素敵なのです! 天気が良かったこともあって本当に素敵な空間でした!



 日本の庭園とは全く違った華やかさと賑やかさにあふれた庭園で、遊び心も随所にあって、花の種類も豊富だし時期が良かったのかいろんな花を見ることができました。あそこまできっちりテーマに沿って作られた庭園を見るのは初めてかもしれません。また絵も素敵なんですよね。全体的に私はやっぱりモネが好きみたいです。ルノワールも人物が入ってると結構素敵なんですが、風景だけだとやっぱりモネかなぁ。ゴッホは本気を感じ取れる状態で本物を見てみたいなと思っているので、あんまり印象派のイメージがなくて(というかwikiではあまり印象派には分類されていない様子)おとなしめの印象派に近い作品が多く展示されてました。

 

 山頂にある庭園なので展望台からの景色は見事ですよ! また、たまたまですがクラシックギターのミニライブもあって、ギターの切ない音色を聞きながらカフェテリアでまったりするという至福の時間を過ごさせていただきました。しかもそのカフェが結構よくって、ラタトゥイユのパスタとかあるんですよ!(昼飯くったのにさらにパスタ食べた人) ハーブティーも種類があって、ケーキセットとかもあるしかなり良いカフェです。優雅な気分になれました。ばら園もあったんですが季節が少し早いみたいでそれほど見れず。咲き誇っているときに一度きてみたいものです!



 かなり園内も広いので沢山見るところがあって素敵でした。おみやげ屋さんもあるんですが、ハーブやローズといったお嬢様、おばさまに受けそうなものがたくさん。せっかくなのでローズのジャムを購入しました。紅茶なんかに入れたら良さそうですね。それから陶版画の中で一番気に入ったモネの『散歩道 日傘の女』がモチーフのメモパッドを購入。でも今度ちゃんとモネ展を見に行ってみたいなと思いました(マネはマネ展にいったのでがっつりみた)



 いやぁとっても素敵だった、良かった比叡山!とホクホクしながら夕方17時ごろに帰路についたのですが、奥比叡ドライブウェイを抜けて、そのまま湖西道路に入ってそのまま名神にのれたらいいなーとか思ってたわけです。ところがまさかの大渋滞。どうも後から調べたら慢性的に渋滞してる道らしいんですが、そうと知らない我々は事故なのかなんなのかさっぱりわからずイライラがつのるばかり。結局なんとか大津手前で抜け出して地道に降りたものの、あたりはすでに薄暗くなっておきております。さてそこからなんとか大津にいかねば、大津ICはどこだ!ということで走ってたんですが京阪浜大津駅の前ですよ。ただでさえ混んでいた道がさらに輪をかけた大渋滞。しかも京阪京津線って浜大津からでてしばらくは路面を走ってたりするんですよ!!



 こんなところで路面電車の恐怖再びかよ!と思いつつじりじりした思いで車を走らせていたのですが、途中で1号線で名古屋方面に曲がる左折の場所がわからず、気が付けば車は逢坂の関へ。違う、違うよ別に京都に行きたいわけじゃねーんだよぉぉ!と叫びながら京都につっこんでいくはめに。



 結局名神にのれたのは京都東ICでございました……。(ため息)



 それでも大阪方面に向かうのは混んでるだろうな、ということで行きと同じく名古屋方面から京滋バイパスを通って帰りましたよ。行きに学んだおかげで乗り換えもばっちりでしたしね! 京滋バイパスまで戻れればあとは簡単です。元きた道をひたすら逆走し、なんとか帰り着くことができたのでした。ちなみにYちゃんのお宅についたのは21時前で、そこからレンタカー屋に車を返せたのは21時40分でした。本当にもうまた最後の最後でこんなオチがつくなんて!



 今日はここまで。