広州再び。

 強くなって帰って来たぞ!


 朝6時集合とかそんなレベルだったのでいくらも眠れないままロビーに集合。日本人スタッフさんにお弁当をいただき、車に乗り込みます。桂林空港までは1時間かかるのでその間に弁当をもそもそ食べていたわけですが、普通の幕の内っぽいお弁当でびっくりしました! お姉さま方も驚いておられて、普通中国旅行で朝ごはんがお弁当、と言われたら小さいパンと水、とかそんなレベルなんだそうです。さすが日本資本の良いホテル、サービスが行き届いてる!と朝からちょっとテンションがあがります。(しかも普通にうまかったんで完食)



 がたごと揺られながら最後の桂林の町並みを見ていたわけですが、桂林はやっぱり良いところでとても楽しいところでした。広州からの落差っていうのがあったのかもしれませんがやっぱり私達は田舎がいいんだな、てことですね(笑) そりゃもちろん文化は全然違うし感覚とかギャップとか感じるところも多々あったけれど、それも含めてまるっと楽しめたのは本当に良かったなと思います。やっぱり大自然大自然ですし、ね!(人の向き合い方が全然違うけど)



 空港に到着してチェックインして荷物を預けた後、肖さんとお別れしたわけですけど肖さんも本当にお世話になりました。っていうか本当に素敵なおっちゃんでした! いろんなイレギュラーな事態もありましたけどそれでも楽しく過ごせるようにフォローしてくれたのは肖さんだし、日本に住んでおられたこともあるだけだって、日本人の特性をよくわかってらっしゃったというか(笑)何より単純にああ、いい人だな、と思えたのは良かったです。もちろん商売だからいろいろあるのはわかってるけどそれでもやっぱりいい人だったしお世話になったし心から素直にありがとう、と思える人に案内してもらえたのは良かったですね。



 桂林から広州への飛行機の旅も手慣れたもので、広州に到着してからは今度はお姉さま方とのお別れです。お姉さま方はこのまま日本に戻られるので、出口のところでお礼を言って別れました。正直姉と2人だけだったら不安でここまで楽しめなかったかもしれないし、いろいろ参考になることや面白い話も聞けて本当に楽しかったです。一緒になったのがこのお姉さまたちでよかった!



 ……さて。



 楽しかった桂林とそれに関わる人々とのお別れを果たし、今からは迎えるは最後の広州観光でございます。が、今の我々は初日の我々ではありません。2日間の桂林・陽朔での体験を経てパワーアップして帰って来た我々なのです!! 確実に、臆することなく、我々は広州という街を楽しみ、人を楽しんでやるのですよ!!!



 と決意も新たに出口に向かいます。ええ、李さん再びです。



 李さんがにこやかに手を振って迎えてくださったので、こちらもにこやかに笑ってハイテンションでご挨拶いたしました。姉が話す余地もないぐらいに桂林がいかに楽しかったかについて李さんとぺらぺらしゃべります。車に乗り込むと李さんがライチを買ってきてくれていたので、ライチをいただきつつまずは陳氏書院に向かいます。



 陳氏書院というのはその名の通り陳さんが建てた書院、なわけですが、中心地からは少し離れたところにあるのでもともとのツアー日程には入ってなかったんですね。ただ初日のアレコレによりたとえふっかけられたとしても土産物屋に連れて行かれる時間を少なくしたい!ていうか私達は観光しにきたんじゃい!ということで李さんに連れて行っていただきました。



 駐車場に車を止めて歩いていくと、見えてきたのはでっかい御殿。半分ほどが修理中ということでシートに覆われているものの、まず入口の玄関部分がとんでもないことになっております。ええ、何がとんでもないかというと屋根から柱か壁から何から何までどこもかしこもびっしりと埋め尽くされた彫刻の数々! カラフルな部分も色なしな部分もいろいろあるんですが、そりゃまあ細かい彫刻なんですよ! 近づいてみればよりわかりますがまさにびっしり。イメージは本当に日光東照宮に近いものがあります。端から端まで金かけてまっせ!みたいな。



 すげーとなってまず写真をとってから中へ。ちなみにこの建物はもともと昔、陳さんという人が科挙に合格したことからはじまります。科挙に合格した陳さん、全国の陳さんのために勉強できるところを作りたい!という要望により広州じゅうの陳さんからお金をあつめてこの書院を建てたそうです。そこで陳姓を持つ勉強したい人たちを集めて勉強させてたわけですね。なので、会議室みたいなところや教室みたいなところ、住居などがあってまさに学校の雰囲気。ものすごい豪華ですけど(笑)



 なのでその当時の(金持ちの)暮らしぶりがよくわかるつくりになってるんだそうです。で、あとはその当時の工芸品も展示してありました。陶器、彫刻、硯、玉、刺繍などなど。李さんがわりと一部屋一部屋きっちり解説してくださったのと、私達が結構じっくり(もう相手のペースに巻き込まれないんだからね!)見てまわったので割と満足でした。ていうかすごいな陳さん!



 とにかく中も広いしいろんな部屋があるし、全部どこもかしこも装飾がすごいので(天井見上げたらこれまたえらいことになってる)見ごたえ十分でした! これは連れてきてもらってよかったです!



 オチとしてはまあ、そんだけ頑張って陳さんたちが勉強してたんですが結局その後誰一人として科挙に合格した人はいなかったそうですよ。至れり尽くせりの環境におかれると人間はハングリー精神を失って勉強しなくなるらしいですな。まさに!(笑)



 さて続きまして広州といえばコレ!な中山記念堂へ。初日に行った五羊石像とここはどのツアーみても組み込まれているので有名みたいですね。車を降りるとまさに快晴!な天気だったので、記念堂のまわりの公園には日陰でご近所の皆さんがトランプなどに興じてらっしゃいました。あと広州は南なので様々な南国の花が咲いてるのがすごいですね。きちんと整備されてる公園は花も見ごたえがあります。普通にブーゲンビリアとかガジュマルとかあるんだもの!



 てっきり私は中山記念堂というのは孫文の博物館みたいなところかと思ってたんですが、コンサートホール的なところだったんですね。大学とかにもよくあるナントカ記念館みたいな感じで。でも建物はすごく綺麗で面白かったです。見た目はかなり中華っぽい形をしてて、上から見ると八角形の形になっています。何もなければ中も見学できるらしいんですが、今日は何かイベントがあったらしくて中は見れず。正面に立っている孫文銅像の前で写真をとりました。



 てことで恒例のwikiにて孫文についてかるーく勉強してみたわけですがいまいち何をやったのかわか……らない……(呆然)。いや辛亥革命とか中華民国だとか日本に亡命してたとかそういう諸々の記載はあー見覚えあるなーって感じなんですがそもそもその当時の中国をとりまく列強との関係だとか日本との関係だとか台湾だとか朝鮮だとかの知識が浅すぎて、歴史的背景とかも全然知らなくて孫文が実際何をやってどうなった、っていうのが読み取れないんですよね。うおお漢字だらけだ(苦笑)



 きっとがっつりやったらこのあたりも面白そうではあるんですが(そして面白そう、というところで止めておきたい)、そもそも日本の幕末知識すら危ういので勉強したいですね。まあ孫文がいろいろやったってことはわかりました。(ざっくり)ちなみに中国では孫文といっても通じず、中山という名前で呼ばれてるみたいです。もともと日本亡命中になんか気に入ったからという名前で名乗ったらしんですが、中山というのは中国になかった名前なので、中国の中山という名前は全部孫文関連なんですって。もっと歴史勉強してくればよかったな。時間がなかったのでガイドブックをざっと読みしかできなかったのが残念です。くそう。



 まあ概ね満足ですよ、ということで本日の観光予定はここで終了。じゃあ土産物屋に行こうね、と恒例のパターンになりました。陳氏書院を間に挟んでいるので通常よりもだいぶ予定時間は短くなってるとは思いますが、当然下りてまず連れていかれるお茶ブース。初日にあんだけ買ったのにまだ買えってか!と軽くイラッとしたものの、初日の我々じゃございません。とりあえず一通り飲みまくり、で、あんた何買うのよ、という空気になってきたので苦丁茶といういいともの罰ゲームで使われていたこともあるにがーいお茶(でも体にはいい)を購入しました。それなりには値切ったんで別にいいんですけど、それにしたって店員さんの態度があからさまでいっそすがすがしかったですね!(笑)



 初日に行ったところのおみやげ物やさんはそれなりに規模も大きくて、外国人向けでもグレード高めなんだろうなということが伺えるお店だったせいか店員さんもにこやかに対応(でも買えという気合はすさまじい)してたんですけど、ここの店員さんは基本仏頂面で言葉も投げつけるよう。ため息舌打ち当たり前。それにもめげないだけの気力を手に入れたので私も基本的ににこやかに「でもいらねぇよかわねぇよ」感を出して対応してたんですが、本当に買い物って戦いですな!



 お茶買ったからもういいでしょう、ということで席をたって、あと残った元を使い切るために他の土産を探すことにしました。うろうろしてると延々店員さんが付いてくるので鬱陶しいことことのうえないのですが、いろいろ試食させてくれるというのでぼりぼりお菓子はむさぼっておきました。けっ。(いろいろやさぐれている) 



 姉は姉でストラップコーナーでわかりやすいストラップを買おうかどうしようか迷っていたのですが、そんな姉に1本40元だよ!と店員さん。姉はそもそも交渉が苦手なので(日本でもやたらと話しかけてくる服屋の店員にげんなりするタイプ)私が変わりに割って入り値切り交渉。最終的に1本10元になりました。(姉と私で合計10本買ったので)



 ちなみにこのお土産屋さんは初日とは違って他のツアー客(主にお年寄りの団体さん)が一緒だったので他の人たちの話も聞こえてたんですが、隣でおじいちゃんが私達が買ったストラップをいい値で買っていてちょっと切なくなりました。まあいいんですけど、ね。



 あとは残りの金で会社に配る用のお菓子買うかーと見てたんですが、それも結局それなりには値切ったと思います。あとはもう用事はねぇよ!ということで休憩してた李さんにもういいっすーとお伝えしたんですが、ちょっと待ってて、といってリアルにレジのお姉さんから金受け取ってるのを見てさらにげんなりしました。理解はしてますけどやっぱり目の前でやってほしくないなぁと思うのは日本人だからでしょうかね。うーん、異文化。



 さて気持ちは切り替えて最後のお昼ご飯!ということで近くのレストランで飲茶をいただきました。これは普通にうまかったです! やっぱりなじみがある料理だし、シュウマイとかエッグタルトとか見覚えのあるのばっかりだったし。ただやっぱり量は少なかったですけどね。ここもさっさと済ませて空港へ向かいます。



 最後の車の中も終始ずーっと李さんとしゃべりっぱなしだったんですけど、最後までこの人と打ち解けることはできなかったなぁ……となんだかちょっと面白かったです。別に悪い人ではないというのは理解しているし、好きから嫌いかっていう問題でもないとは思うけど、根本的な考え方の差とか文化の差とかっていうのはそこにある事実としてどうしようもない、というのがある意味すごく実感することができてよかったです。それはもちろん日本でもそうで、そもそも合わない、っていうのはどうしたってあるわけで。 



 李さんとも最終的には笑顔で手をふってお別れしましたけどね。最終的な結論として李さんは都会の姉ちゃんであり肖さんは田舎のおっちゃんだった、というそれ以上でもそれ以下でもねぇな、ということになりました(笑)。だって私も姉も都会のいけいけのギャルのねーちゃんとしゃべれって言われたらげんなりしますもん! たぶん向こうもげんなりするけど! 美容と買い物に興味がまったくない我々と、日本からわざわざ資生堂とかの高級化粧品を取り揃えてファッションとかも超気にしてて、彼氏探しに一生懸命な李さんと話が合うわけねーよな!! ということです!(ばっさり)



 広州という街に関しても結局ここは都会で観光地ではなくて、それは多分大阪観光とそっくりで、大阪城いって通天閣いったらあとはご飯か買い物ぐらいしかねぇ!(そりゃもっと見て欲しいところはいっぱいあるし好きな場所もいっぱいあるのは知ってるけど一般的に、ね)ってことと同じだと思います。そりゃ合わんわ。どうしようもないわ。(納得)



 少なくともそういう部分を知れただけでも十分楽しかったと思うので、結論としてやっぱりこの旅行は最初から最後までぐるっとまとめて楽しかったということなのです、よ! 予想外な事態もろもろも含めてね。



 お疲れお疲れ、と慣れ親しんだJAL機内にて満足げに姉と一緒にキリンビールで乾杯していたら、なんと天候状況により飛行機が1時間遅れるとのこと。あらら、と思っていたらアテンダントの皆様がにこやかにビールやおつまみのおかわりを勧めてくださいます。あ、いいんすか?じゃ、いただきまーす、とビールがぶ飲み。で、いざ搭乗の瞬間になってトイレに行きたくなって、シートベルトランプが消えるまでの10分の間に危険な状態に陥ったんですけどね!(自業自得)



 ちなみに帰りの飛行機では実写版ドラゴンボール(びっくりするぐらい悟空がヘタレ主人公キャラになってた)とレッドクリフ2(周喩さまのかっこよさにメロメロ)を堪能しておりましたよ。



 さて、明日からは仕事。楽しかったよ中国!



 今日はここまで。