ぐるっとひとまわり。

 最後まで完璧。


 朝は7時半には起床し、下のカフェで朝食をいただきました。そして8時半にはチェックアウトしていざくじらの博物館リベンジです。くじらの博物館は太地町立の博物館で歴史も古く、開館は1969年だそうなので40年の歴史です。まず博物館内部は1階から3階まで吹き抜けになっていて、そこに巨大なくじらの模型があってかなりの迫力です。歴史が古いだけあって展示物も結構古いんですが、その分かなりインパクトがあります。



 1階はでっかい骨格標本がたくさん並んでおり、太地のミニチュアジオラマなんかもあったりしました(ボタン押すとその場所が光るやつですね)。なので細かく見ていくメインは2階から。2階は完全に生物学的立場からの展示なので、たぶんダメな人は本気でダメな空間だと思います(脳のホルマリン漬けとか普通にありますからね!) 理系の私にとってはかなりテンションあがりました。姉も意外と平気だったようで姉妹で舐めるようにして見てたんですけど見終わった頃にはめちゃめちゃクジラの生態について詳しくなってましたよ。クジラもたくさん種類がってそれぞれで生態が全然違うわけですよ。ううむ興味深い。



 3階は捕鯨の歴史と共に捕鯨の道具などがおいてありました。つまり3連式のモリ銃とかあったりするんです! 巨大なの! 超かっこいいやつが!(テンション高) 江戸時代の絵巻物やら世界の捕鯨の歴史やらが詳しく展示してあって歴史好きな私にとってはこれまた楽しい空間でした。いやあ捕鯨は深いですね。いろいろね。



 しっかり展示を見た後は外のプールにてイルカショー。こじんまりしたプールと座席なので本当に間近で見られました。何より三連休ど真ん中の朝だというのに人が少ないのが素晴らしかったです。いや、先行きを思うと本当にがんばれと思うんですが(既に太地町を心から応援したいと思っている)やっぱり人だらけよりは空いてる方が見やすいですしね。



 前にイルカショーを見たのはそれこそ幼少期にアドベンチャーワールドに行ったときなので、久しぶりに見たんですがかなりすごかったです。イルカかしこい!と素直に思いました。いやぁイルカと意思疎通ができるってすごいなぁ。ちなみにくじらの博物館情報によるとクジラやイルカの知能はわんこ程度なのだそうです。うん確かに。



 イルカショーを堪能したあとは、100円払ってイルカと握手ができます! これも先着30名とのことだったんですが、人が少なかったおかげか希望者は全員できたと思います。係の人の指示に従ってイルカさんと握手させていただいたわけですが、感触としてはびっくりするぐらい想像通りの感触でした。結構硬くて、つるっとしてて、ゴムっぽい感じ、という見たまんまの感触に納得。でもなかなか出来ない貴重な体験なので本当に楽しかったです。



 その後はシャチの食餌も軽く見てから、マリナリュウム(海洋水族館)に向かいます。こじんまりした水族館なんですが、なんと水槽の真ん中がトンネルになっていて(海遊館みたい!)下からイルカが泳ぐ姿を見ることができるのです。ちなみに居たのは今年の4月に生まれたばかりの赤ちゃんイルカとそのお母さん、それから世界で1頭という腹びれのあるイルカをみることができます。トンネルになっているので本当に間近で見れて感動しますよ。赤ちゃんとお母さんが寄り添って泳いでるところとか、糞をしているところとか(笑)本当に近くで見れます。それからイルカだけでなく和歌山の海でに住む生き物の展示もあって、そちらも楽しかったですね。こじんまりしてるのに内容が詰まっていておなか一杯でした。



 めちゃめちゃ堪能してしまったうえに、ものすごく気に入ってしまったのでこれはお金を落とさねばならん!ということでミュージアムショップにてお土産購入。もともとここが旅の目的地だったので、会社にはくじら煎餅(クジラは入っておりません)、友達にはクジラの大和煮缶詰、くじらの博物館オリジナルクリアファイルなどを購入しました。姉はクジラの土鈴、私はクジラのぬいぐるみが気に入ったのでそれぞれ購入。でも本当にくじらがまるっと大好きになりましたよ。ホエールウォッチングもしたいがクジラ肉も食いたいと素直に思います。これは矛盾してるんですかねー。



 ちなみにくじらの博物館は「くじらの浜公園入場券」で入館しているので、捕鯨船資料館も共通券で見ることができます。こっちは実際の捕鯨船をそのまんま資料館にしているのでこれも面白いです。操舵室とか普通に入って見れるし、いろんなもの展示してあるし、前には捕鯨砲とかありますからね! 興味深かったのが地元の小学生?か何かが捕鯨船資料館の館長さんにインタビューした模造紙の記事(手書き)で、太地町では捕鯨に関係する苗字が多いんだそうな。たとえば「背子」さんは勢子船(捕鯨船)の砲手の家系とか、由谷さんはクジラから油を取り出す仕事していた家系とか。船大工の家系とか工芸品の家系とかそういうのがきちんと残っているんですって。いかにこの町の人々とクジラが密接に結びついているかってことですよね。



 かなり大幅に予定時間はオーバーしていたので、最後に入口にあったクジラのモニュメントを記念撮影して太地町を後にしました。でも本当に太地町はかなり気に入ったので、是非ともまた訪れてみたいものです。いやー楽しかった! そして興味深かった!! ありがとう太地町!!



 さて次の目的地は熊野那智大社です。相変わらずの42号線の旅を続け、途中から山手へ。本当は古来の参詣道がちゃんとあるんですが、時間がないわれわれはとっとと那智の滝に向かいます。駐車場に車を止めて、石段を登ることしばし。山の上なので空気はひんやりとしており、天気もいいので木々の間から差し込む木漏れ日がとてもきれいです。お客さんも多く、時代衣装の貸し出しなんかもやっているようで、雰囲気がある中を進んでいくとようやく到着いたしました。



 那智の滝は落差133mとあってかなりの迫力でした! 水量も結構あって、水しぶきがかかるほどとまではいきませんがそれでもなかなかのもの。お金を払うとちょっとだけ近づくことができたので、ついでに記念写真をとっておきました。どちらかというと熊野那智大社よりも那智の滝自体のほうが歴史は古いみたいですね。そこでおこった滝信仰から派生しての修験道で、そこから熊野とくっついた、というのがどうやら歴史のルートのようです。



 ちなみに以前日光で華厳の滝は制覇したので、日本三名瀑と日本三大神滝のうち2つは制覇したことになります!(ちなみにあと1つは茨城県袋田の滝兵庫県の布引の滝だそうな)



 さてメインの熊野那智大社ですが、これがまた当たり前ですけどひたすら階段をのぼります! まだそんなに暑くなかったのでわりと平気でしたが、それでも日ごろの運動不足がたたって上につくころにはだぶ息があがってましたね。一応姉をひっぱってあるけるぐらいだったので登山部の面目は保てたと思いますが、それにしたって体がなまってしまってますねぇ。運動しないと。



 熊野那智大社はさっきも言ったとおりもともとは修験道が中心の霊場だったんですが、その後神仏習合熊野三山との関係もあったりして徐々に栄えていったところのようです。さらに当時の天皇たちのあいだで熊野詣が流行、法皇とかが詣でまくった結果、広く民衆にも伝わったのだとか。本当にホットなスポットだったみたいですね。



 お参りをしたあとはお約束の巨大おみくじをひいてみたり、景色の写真をとったりしてすごしました。でも本当に天気には最高にめぐまれていたので、見渡す限りの青空に気分爽快でしたよ! やっぱりきてよかった!!



 下山してきてちょうどよい時間だったのでお昼は食堂にておそば。めはり寿司が名物だったんですがこれもうまかったです! ついでにちょいとお土産を冷やかし、紀州らしく梅酒や梅塩などを購入。黒飴那智黒はたぶんみんなのご家庭に絶対一袋あると思うのでやめておきました(笑)。



 さてまたもや42号線の旅に戻ります。熊野那智とくれば次は熊野速玉(新宮)だよね!ということでいってまいりました新宮。熊野三山っていうぐらいですし、本宮も那智もでかかったので期待してたんですが、行ってみれば意外とこじんまりしてました。いや、もちろんそれでも普通の神社に比べればでかいんですけど!



 でも三山の中では一番都市部(というか平野部)にあるせいか、スタンダードな神社、という感じがしました。そして新宮というだけあってやっぱり新しいな、と。本宮とか那智はやっぱり山の上にあっていろいろ思想とかが発酵してるイメージなんですが、新宮は素直に奉ってあるという感じがします。なのでおまいりするのも心健やかにできるというか(笑)さらっといってさらっと戻ってこれる感じです。それでも駐車場がいっぱいでにぎわってましたよ!



 熊野三山も制覇だぜ!ということであとは家に帰るだけ。今回はぐるっと回って帰宅を目標にしているので、すでに時刻は昼下がり、ちょうど良い時間帯です。最後に見納めになるであろう波止場の海辺をちょこっとだけ走り別れを告げ、あとはまたもや42号線の旅へ。



 リアス式海岸になってきそうなあたりで熊野街道がぐっと内にひっこむので、山の中をひたすら突き抜けるコースになります。ひたすら山の中を走りぬけ、長いトンネルを走り抜けると尾鷲到着。休憩がてら地元の道の駅みたいなところを冷やかしてたんですが、尾鷲にはいるとさっそくひのきグッズなどが売っていて面白かったです! 尾鷲といえばやっぱり海洋深層水とひのきなんですねぇ。ちなみに一番おもしろかったのはひのきの香水。なんと手に吹き付けるとそこがひのきの香りを放つというすぐれものです。たぶんホーローのお風呂とかでもこれ吹き付ければヒノキ風呂になると思います。そのときはネタで笑って買わなかったんですが、後から思い起こせば思い起こすほどほしくなってしまい、次に尾鷲に行ったときは絶対に買ってやろうと誓いました。だって手首からひのきの香りがするんですよ! ほれるね!(うそつけ)



 さああとはひたすら帰路をたどるのみです。熊野街道をえんえん走り続け、山間の村を抜け、おそらくあれが大台ケ原だ!と叫んでみたり、海が見えた!とはしゃいでみたり、それなりに楽しくドライブをしておりました。途中から紀勢自動車道に乗るとあとはもうひたすら高速道路。紀勢自動車道伊勢自動車道名阪国道をノンストップで爆走。心配していたほど車も多くなく(津とか四日市らへんは渋滞してたみたいですが)予想通りずいぶん早く奈良まで帰ってきてしまいました。



 ただ西名阪はどう考えても混んでるだろうし、その後の近畿道も絶対混んでるよね、ということでいったん天理で降りて南阪奈に乗り換えることに。でもどうせ天理で降りるならついでに晩飯ラーメン食えばいいんじゃね?というノリだけで気がつけば彩華ラーメンの屋台で麺をすすっておりました(笑)ちなみに彩華は初体験だったんですが、休日の夜だけあってすっごい人でしたね! もちろんおいしかったですよー。



 南阪奈は予想通りのガッラガラで、予定よりもずいぶん早く帰ってこれてしまったのでいったん自宅に帰り、荷物を全部おいて財布だけを持ち、さらにはTSUTAYAによってレンタルCDをすべて返却して、レンタカー屋に車を返却。ぐるっと一周紀州の旅は終了したのでした。



 でもほんっとーーーに濃い2日間でした! 盛りだくさんだったしいろんなもの見れたし、何より太地町での熱いくじらとの出会いが!(本気で今回くじらメインでした) これからも何の回し者かといわれそうなぐらい太地町を勝手に応援したいと思います。みんな、くじらの博物館ちょう楽しいぜ!!(アピール)



 今日はここまで。