沖縄旅行2日目。

沖縄の歴史を考える。


 2日目は美ら海水族館に行く、と決めていたので6時半起床、7時朝食、というスケジュールでスタートしました。朝ごはんはトーストとコーヒーがついているのですが、持ち込み自由ということで昨夜ファミマで仕入れたヨーグルトや野菜ジュースをお供にもそもそ。いざ出発ということで準備をしていたんですが、今日は一日雨で、かなり寒いとの予報。夜中は暑くて目が覚めたりしていたので本当に気温の変化が激しいですねぇ。大は小をかねるだろう、と目一杯重ね着をして出かけます。

 水族館がある海洋博公園は沖縄本島のかなり北にあります。那覇からだと高速を使って2時間程度。天気は予想通りの暴風雨で、本土はどうやらこのとき大雪に見舞われていたみたいですが沖縄も十分大荒れでした。昨日にホエールウォッチングやっといて良かったね、といいつつ車を飛ばします。高速も途中までしかないので、降りてからはひたすら荒れた東シナ海を眺めながら海辺の道を疾走。名護を経由していったので、日ハムキャンプ地の前を通っていきましたよ! もちろん雨なので外練習なんかないんですが、それでも人だかりができてました。さすがの王子ですねぇ。

 きっちり2時間で海洋博公園到着。水族館近くの駐車場に止めて、10時半には入館できたんですが(開館は8時半)既にすんごい人でした! 三連休初日ですもんねー。修学旅行?らしき高校生達もいっぱいで賑わっております。

 まず最初に目に入ったのはイノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)の生き物達、ということでタッチプールがありました。なんとヒトデやナマコに触れるコーナーです。小さい子たちにまじってニセクロナマコだのマンジュウヒトデだのを触ってきたのですが、ナマコはなかなかに気持ち悪い触感でした! 想像通りなんだけど、想像通りに気持ち悪い(笑)ふわふわでやわらかで気持ちがいいんですけど、そのやわらかいタッチが気持ち悪いという矛盾です。だって見た目がすごいんだもの。で、ヒトデはどれも案外硬かったです。やっぱり実際触ってみるインパクトはすごいですね。絶対忘れませんもんね!

 そこから実際のサンゴの海や(沢山のサンゴが栽培?生育?されています)、サンゴ礁でくらす熱帯魚の海、個別のサンゴの部屋、などなど。特にサンゴの海と熱帯魚の海は水槽自体が大きいのと、サンゴ礁が本当の海の中のように育っているのと、レイアウトがすごく見やすいのと、沢山の種類の魚が一度に泳いでいるのと、アクリル板ギリギリまで魚達が近寄ってきてくれるというのとで、とにかく見ごたえがありました! いわゆる『水槽』ぽさが少ないのが理由だろうな、と思います。普通の水族館だとやっぱりレイアウトなんかが「魚を飼ってる」感じに近いのでね。美ら海は大きい水槽にどーんとサンゴ礁も一緒に魚ごと放り込んでる感じが、そのまま海を切り取ってきているかのような臨場感を与えてくれるんですね。なるほどなーと思いました。人が少なければじっくり眺めていたかったんですが、さすが日本一の人気水族館、次から次へと人がきて、かつ学生・家族連れ・中国人観光客が多くて騒がしく、ちょっと落ち着いてみるのは難しかったです。いつかオフシーズン(今もオフだと思うけど)のド平日なんかに来てまったりしてみたいですね……。

 個別水槽も沢山あるので、本当に見ごたえは十分です。どの水槽も細部にまでこだわってレイアウト作ってるんだな……というのがよくわかります。個人的にはチンアナゴさんが一杯顔出してくれてて超かわいかったです!! ていうかどの子も可愛いので本当にもっとじっくり眺めていたかった!(人ごみに体力消耗して負けた)

 で、メインは「黒潮の海」でございます。世界最大のアクリルパネルを使った(今調べたらドバイの水族館に抜かれたらしいですが)巨大水槽! 深さ10m、幅35m、奥行き27mというケタ違いの迫力。なんとジンベイザメが3匹もいます。さらにマンタ、エイ、その他のサメなどなどがうじゃうじゃいるのに加え、アジだのマグロだのおいしそうな面々(さすが黒潮!)もたっぷり。本当にこの水槽の前にぼんやり立ってるだけであっという間に時間が過ぎますね。ジンベイたちが悠々と水槽の中を泳いだり、マンタが上下に優雅にふわふわしているのを見ていると、自分まで海の底にいるかのような気分になれます。というかアクリルパネルがめちゃめちゃ綺麗で透明なので、本当にジンベイたちが空を飛んでるみたいに見えるんですよ! おそらく照明なんかもすごく計算してあると思うんですが、自分がいる場所の方が暗くて水槽の方が明るいのでそういう効果があるんでしょうね。

 そして上手い具合にそんな巨大水槽の隣にはカフェがあります。その名もオーシャン・ブルー。朝が早かったのでお腹もすっかり空いております。もちろん水槽前の良席は全部埋まっていたのですが、ちょうどよく少し離れたところに空席ができたので、少し早いお昼をそこで食べることにしました。ちなみにカフェなので軽食メニューはタコライスかスパゲッティぐらいしかないのですが、スパゲッティとスープのセットにしてみました。まあどう考えてもスパゲッティではない食感でしたが、それはまあご愛嬌というものです。場所代見学代込みのお値段でしょうからね!!

 でも本当にいつまででも眺めてたい光景でした。さすがだなー。本当にいつか人が少ないときにきてやる!!(笑)

 食事を終えた後は最後に深海ルーム。飛び出せ科学くんを見ているので深海生物が気になる今日この頃、どれもおもしろそうなやつばっかりでなかなか楽しめました。やっぱり深海ってロマンがありますよね……! 実際に発光してる生き物(蛍光ではない)とか原理がものすごく気になりました。生物学的にいったいどういう発光物質をどのようにして作り出しているのかとか、その目的とか、超気になる……!

 そんなこんなでいろんな知的好奇心と美的感覚を刺激された水族館でした。最後のお土産コーナーでテンションあがってあれこれ購入してしまったのはいうまでもありません(笑)ついおさかな便箋を購入してしまいました。

 外へ出てみるとかなり風が強く、寒い!! 気温はおそらく15度前後あると思うんですが、何せ海風がきついもんですから確かに寒く感じます。こういうことかー!と叫びながら続いてマナティ館へ。マナティーさんは鳥羽水族館にいらっしゃいますし、なんだったらバナナワニ園でも見ましたが、いつ見ても和むフォルムでいらっしゃいます。のんびりのんびりした感じがいいですねぇ。

 続いてウミガメ館。ウミガメは天王寺動物園のアイファーでお食事風景を見て以来ですかね?(アンディランドには確かいなかったはず。。。)ただここのウミガメはびっくりするぐらいの数がいました。あんなにウミガメばっかりうじゃうじゃいる様子は初めてです! すげぇ!! しかも種類がかなり豊富で、いろんなウミガメが見れました。カメもやっぱり和みます……。やっぱり私は爬虫類が、好きだ!(またアイファー行って癒されたい……)

 堪能したあとは、たまたま無料運行していた遊覧車(電動)にのって同じく海洋博公園内にある熱帯ドリームセンターへ。

 実は全然知らなかったんですが、もともとここって1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会の会場だったんですね。その当時の海洋生物園、がリニューアルして美ら海水族館になったというわけで。熱帯ドリームセンターが当時からあったものかどうかは定かではないのですが、おそらく植物園という位置づけだとすると似たような感じではあったんでしょうね。母はなんとなく覚えていたようですが。

 ちなみにたまたまドリームセンターでは沖縄国際洋蘭博覧会2011が行われており、花が大好きな母は大いに盛り上がっておりました! 実家にもシンビジュームが何鉢かありますし、胡蝶蘭ぐらいは知ってましたがまさかあんなにもさまざまな種類のランがあるとは思いませんでした。とにかくありとあらゆるところにランがあるので、本気で一生分のランを見たんじゃないかと思います。ランはどれも結構な迫力があるので、見ごたえばっちりでしたよ。いやーすごかったです。ある意味水族館とは違った迫力がありました。

 最後に展望台から荒れた海を暴風の中で眺め(苦笑)、同じく遊覧車に乗って駐車場へと戻りました。戻る際におきなわ郷土村を通っていったんですが、やっぱり文化圏が全然違いますよね。気候も違うし国として違っていたんだから当たり前ですけど。時間があればこっちもじっくり見たかったなぁ。

 さて車に乗り込んでからは、続いて「今帰仁城(なきじんぐすく)跡」へ。私はてっきり首里城だけが世界遺産に登録されてるものと思っていましたが、首里城を含む関連した城および遺跡がまるごと世界遺産に登録されてるんですよね。いやはや不勉強です。

 今帰仁城自体は石垣が見事な山城なんですが、本土の城とはもちろんまったく違います。どちらかというともののけ姫に出くるようなタタラ場みたいな? 要塞と集落が同化しているような?イメージでした。実は城跡散策しながら思ってたんですが、今まで本土の城見るときってある程度歴史の前提があるわけじゃないですか。戦国時代は本土全体で戦国時代だったわけだし、その地方の武将っていうのも大体把握しているわけで。前提があるから納得して城を見れるんですが、沖縄は当たり前ですけど歴史が全然違うわけです。だって違う国だったんですもの当時!

 沖縄の歴史をまったく知らないままにきてしまった私は時代もわからないし説明書きもピンとこないので大いにもどかしい気持ちを抱えることになりました。くそう、もっと勉強してくればよかった……!

 ちなみに城跡は今は桜の名所となっており、見事な桜が沢山植えられておりました!(ソメイヨシノではなくヒカンサクラという種類) もう見ごろは過ぎており(先週まで桜まつりだったそうな)、葉桜になっておりましたがいくつか綺麗に咲いているものもあってなかなか良かったですよ! しかし2月に桜とは! やっぱり沖縄ですねぇ。

 隣に併設されている今帰仁村歴史文化センターではそんな今帰仁村の生活や文化などについていろいろ展示してあるんですが、確かに本土との文化差は感じるものの、なんとなく農民の暮らしについては想像がつく気がしました。稲作やってると大体似てきますからね(サトウキビを作り出したのはわりと近代のよう)。一番違いを感じたのはやっぱり信仰の形でした。本土は精霊崇拝(アミニズム)と祖先崇拝が皇室によって仏教やらと習合して今みたいな形になっていきましたけど、沖縄はかなり初期の精霊崇拝と祖先崇拝がそのまま残ってる気がしますね。シャーマンであるところのノロ(神女/巫女じゃないと思うイメージとしては)とかそのまんま卑弥呼ですもん。

 そりゃ神話からして違うんだから本土の常識なんて通じないよな……!としみじみ思いながらいろいろ眺めていました。知らないことが多すぎる、っていうかひとつの国の歴史をイチから学ばないとわからないことが多すぎてもう、という感じです。知的欲求が刺激されまくりでした。

 さて続いては気分を変えてドライブです。といっても天気はあれなのですが、せっかくきたからには無料で通行できる長さ日本一の橋、古宇利大橋を渡らねばいかんだろう!ということで一路古宇利島へ。屋我地島と古宇利島を結ぶ1960mの橋ですが、エメラルドグリーンの海の上を走っていくのでまるで空を飛んでるみたい!!に、なるそうです晴れた日は(笑) でも十分綺麗でしたけどね。多少波は高かったですが、大阪湾に比べれば天地ほどの差があるぐらい海は綺麗でしたもの(比べる対象が低すぎるけど)。でも晴れた日にまた行ってみたいなーと思える橋でした。行ってすぐ引き返したので古宇利島滞在は10分ぐらいでしたけどね。

 まだ時間があったので、続いては万座毛と呼ばれる絶壁を見に行くことに。名護を越えて、許田を越えて、恩納村に向かいます。沖縄の道はわりとどこも混み気味なんですが、1時間ほどで万座毛に到着。象の鼻みたいな岩が有名らしく、万座毛という由来は一万人ぐらい座れる広い原っぱ、という場所です。

 が、とにかく天気が悪かった!! 晴れた日なら美しい海と素晴らしい景色が堪能できるらしいんですが、なんせ暴風雨。高波がざっぱんざっぱん打ち寄せ、景色はまるで東尋坊。これ東シナ海じゃなくて日本海なんじゃないの!?っていうぐらいに荒波と強風でした。長袖シャツに薄手のパーカー、ウインドブレーカー、ダウン着てちょうどってどういうこと!(苦笑)

 思わずやってもいない罪を火サスか土ワイばりに告白しそうになりましたが、これはこれでなかなか楽しかったです。まあこんな沖縄もなかなか見れませんよね、ってことで!

 さてじゃあそろそろ帰りますか、ということで高速道路に乗って那覇に向かって帰ることにしたんですが、晩御飯には微妙に早い時間。まだなんか見たい、という姉の言葉によりあれこれ地図を見ていたんですが、ちょうど高速道路が嘉手納基地のそばを通っており、沖縄南インター降りてすぐ道の駅もあるらしく、そこの展望台から基地が見えるらしい、ということがわかりまして。

 まあ沖縄に来たからには基地も見ないといけないだろう、ということで嘉手納に向かいました。降りると本当に空軍基地の際の道を通っていくんですが、カーナビの地図は当然灰色表示。境界には有刺鉄線が張り巡らされ、ところどころに「WARNING!」の掲示。ここから先は日本じゃないんだ……!ということがひしひしと感じられる状態でした。なんというかとってもリアル。10分ほど走ると道の駅かでなに到着。展望台からは見事に米軍嘉手納飛行場が見えました。

 5分ぐらい待っていると、轟音と共に離陸していく輸送機が見れました。辺りに響き渡る爆音。これはきっついな……と思っていると、次々に輸送機が離着陸をしており、その間中ずっと爆音が続いています。まあそりゃそうだよな、と思いつつ、これはしんどいな、という思いが同時に沸き起こります。まあ私がどんなことを思ったところで実際にそこに住んでいる人の気持ちなんてわかりゃしないのですが、わずか20分ほど展望台にいただけでも騒音が酷いのはわかりました。なんとなく無言で眺めたあと、おみやげ物を屋を冷やかして帰路についたのですが、いろいろ考えさせられますねぇ。

 正直なところ私は勉強不足なのでなんともいえないのですが、まあいろんな意味で賛否両論あるんだろうなという感じです。そこから那覇市へ向かう国道を走ってたんですが、風景は完全にグアム。日本のチェーンも英語の看板掲げて、両側に店が立ち並ぶ様子とか、隣や前を走ってる車のナンバーが「Y」だったり(米軍関係の私有車両)、普通に住宅街を走り抜けても明らかに関係しているだろうご家族の車が多かったし。環境的な問題もあるけれど経済的な問題もあるだろうし、そもそも歴史的な背景も私は全て知っているわけではないのですが根は深いんだろうし、うむむむ、と考えながら走っておりました。でもやっぱり行ってみて見ないとわからないことって沢山ありますよね。そういう意味では本当に行って良かったなと思います。

 混みあった国道を避けて高速道路に戻り(ちなみに高速は無料化社会実験中でタダでした!)、本日の晩御飯はジャッキーステーキハウス。本土復帰前の1953年から営業しているという老舗のステーキハウスです。結構有名店でついたころには満席。壁にはいろんな有名人のサインが飾ってありましたよ。値段も手ごろでメニューもシンプル、昔から米兵に愛されてきたお店、なんだそうです。

 ようやく順番が来たので、母と姉はテンダーロインステーキ(フィレ)、私はニューヨークステーキ(サーロイン)を注文。ミディアムで頼んだんですが結構赤身が多くてタタキ風になってておいしかったです。やっぱり生肉の方が食べやすい気がしますし、ステーキはやっぱり赤身ですよ。霜降りのステーキはもれなく胃痛を引き起こすんですが(油を処理しきれない)ここのステーキは大丈夫でした。ちなみにスープとライスがついてたんですが、スープはいろんな意味でびっくりなお味です。素朴を通り越して質素な味でしたが、あれもむしろ歴史を感じさせるためにあえて変えてないのかもしれませんね。もしくは肉の味を最大限に引き立てるためかもしれません。まあ平たく言うと小麦粉をお湯で伸ばしたような味だったということです。あとサイドメニューでタコスを頼んだのですが、これもなかなかうまかったですよ!

 がっつり食って満足したのでようやく宿に帰還。お風呂のあとはロビーでお土産を大量に買い込みました。宿泊客は20%引きで、かつ価格設定も良心的(他所をリサーチした結果)ということがわかったので、もうここで全部仕入れちゃえばいいじゃん!ということでちんすこう等を大量購入いたしました。紅いもタルトも頼まれてたんですがそれはなかったので、最終的に空港で買えばいいか、ということで。とりあえずいろいろ買ったんでまた皆さんにおすそ分けしたいと思いますので!

 そんなこんなで2日目もたっぷり盛りだくさんで充実しておりました。明日は首里城平和祈念公園の予定です。がっつり学ぶぜ!

 今日はここまで。