梅の香。

花ぞむかしの香ににほひける。


 実家の梅の木がまさに満開で白い花をこれでもかと咲かせているのですが、それだけでは飽き足らず梅を見に月ヶ瀬梅林に行ってまいりました! 確か3年か4年ぶり? 去年は確か梅は見損ねてるんですよね。(実家では見てますが)

 慣れたものでカーナビをガン無視して福住ICから名阪国道へ。なぜあれほどにカーナビが頑なに天理ICを推奨するのかさっぱりわかりません。確かに福住は山の上だけど空いてて早いのに! 降りるときもなぜか山添ICで降ろそうとするので、五月橋ICの方が近いし案内表示も出てるでしょ!と無視して突き進みました。こういうときにはやっぱり道路地図が必要ですよね。いや、言うとおりに行っても行けるでしょうけどやっぱり効率重視といいますか。

 さて月ヶ瀬梅林に到着したので公民館の駐車場に車を止め、梅林に向かって歩いていきます。途中農協前で大和茶が振舞われていたので一杯いただき、坂を上っていきます。梅の木はまだ少し早かったようで、早咲きのものがちらほらと、といった感じでした。でもそこはかとなく梅の香りが漂っていて良かったですよ! 何より天気が本当に快晴で、2月とは思えないほどの暖かさ。行きのコンビニでおにぎりを仕入れていったんですが、鮎の塩焼きの看板を見つけて思わず購入。(ちなみに私は鮎の塩焼きを見つけると例外なく購入してしまいます……だってうまいんだもの!)鮎の塩焼きをおかずにおにぎりを食べ、景色を堪能です。いやーやっぱり梅も素敵だなぁ!

 私は梅を見てるとその枝ぶりの力強さからかっこいい!と思うんですが、一緒に行ったYちゃんは花の可憐さからかわいらしい!と思うみたいです。確かにどっちも併せ持ちますねぇ。桜がとにかく華やかさ重視な感じなのに比べると、梅はやっぱり控えめで凛とした印象があります。実のすっぱさもあるのかもしれませんが。

 ちなみに月ヶ瀬梅林の起こりは、やはりというか、道真さんみたいですね。天神神社を作るときに梅を植樹したのだとか。その後は後醍醐天皇にからんで梅が伝えられたとか、いろいろ説があるそうです。関ヶ原からの帰りに前田家のどなたかがここらへんに寄ったという碑なんかも残ってたり。

 真福寺のまわりをぐるっと回って梅を堪能した後、来た道を戻って坂を下りていったのですがその途中で杖をついて立っているおばあさんを発見。声をかけられたので近づくと、どうもなかなかひとりで坂を上がれないらしく、ガードレールを手すり代わりに登りたいのでガードレールまで手を引っ張って連れて行ってくれないか、とのこと。

 おばあさん曰く、家の前から(見えてました)ガードレールまでが大変なのだそうです。手を握れば手が暖かいから心が優しいいい子やねと褒められ、本当にちょっと手をひいただけなんですが大いにお礼を言われ、大いに感動された上に、お礼に梅を一枝あげようと言われました。いえいえ結構ですと断ったのですがおばあさんも聞かず、この梅はうちの梅だからあげるよ、と近くに居たおじさんに声をかけて枝を折ってもらうことに。

 ありがとうございます、とお礼を言って梅の枝をいただいたのは良かったんですが、駐車場までの帰り道、この梅の枝はそこらへんのを勝手に折ったんじゃなくて困っているおばあさんを助けたらもらったものなんですよ!とアピールしたい気分でした。いやありがたいんですけども。気分はわらしべ長者です。

 車に戻るとまだ13時すぎ。Yちゃんが夕方に奈良に降ろして欲しいというので、じゃあそれまで奈良のカフェで一服しますか、ということで一路奈良へ。ナビに従って走っていくと、途中で広域農道の標識が。走ってみると普通の道路なんですが、はたして広域農道とは何ぞや、と思って調べてみたらどうやら国交省管轄ではなく農水省管轄の農業用道路なんですね。しかも事業仕分けで新規敷設はなくなってるらしいです(苦笑)。

 走ったことのない道を走りぬけ(茗荷町とかはじめて通りました)、奈良市内へ。私が新薬師寺に行ったことがない、という話から、新薬師寺に向かいます。

 こちらの新薬師寺は国宝の十二神将が有名です。とはいえ本尊の薬師如来ももちろん国宝ですし、本堂も国宝だし、なんだったら門から鐘楼から大体重要文化財な歴史の古いお寺なんですが、若干奈良市内から外れているので見そびれてたんですよねー。やっと来れてよかったです!

 もともと天(十二神将やら四天王やら)は見ていてテンションが上がるので大好きなんですが、ここの十二神将は結構控えめ。もちろん装飾や武器やポーズは十二神将らしく勇ましいのですが、表情、もっと言うと目がなんとなく沈鬱なのです。視線がうつむき加減というのもあるんでしょうけど(なので凄く目は合うんですけど)余計に『守り戦うことについての深い悲しみ』的な悩みなんだろうか……と余計な詮索をしてしまいたくなります。ちなみにこの十二神将が国内最古ということですので、あとの十二神将はどんどんイケイケになっていくということですね(注:私のイメージです)。

 その中でも最も表情がイケイケで素敵なかっこいいのは、リーフレットの表紙を飾っている伐折羅(バサラ)さんです!(戌神)これが本当にイケメンでほれぼれしておりました。やっぱり好きだわー。

 本尊の薬師如来がこれまた個性的なんですが、とにかく目がでっかくて口もでっかくで結構まるまるとした顔と体躯なんです。平安初期の作ということでいろいろ過渡期だったのかもしれませんが、とにかく人間味あふれる表情。基本的に仏様、特に如来の皆様はもはや人ではないところに行かれてしまっているので、あんまり人っぽくは描かれないはずなんですけどね。生き生きとして、私は女性的なように見えたんですが、あとでHPで寄りの画を見てみたらヒゲが生えていたのでおっちゃんぽく(失礼!)見えました。どちらにせよなんだかとてつもなく親しみやすい感じの仏様でした。

 本当はもうひとつ、おたま地蔵尊と呼ばれる裸まんまのお地蔵様がいらっしゃるらしいのですが、人も多かったのでまたの機会に。秘仏というわけではなくあまりにも丸出しなので普段はしまわれているのだそうです。今度は人が少ないときにこっそり見せてもらいに行かなくては。

 そこから少しいったところにある空気ケーキというお店でこしを落ち着けケーキをつつきながら奈良産の紅茶をいただいておしゃべり。その間に友人Aからメールがきたのですが、どうやらGW全部使ってトルコ行きが確定したようです。問題は2日と6日が休めるかどうかなんですよね……! 正直なところまだ新人で(実際4月の半ばぐらいからようやく配属決定)仕事がなさ過ぎて休めるか、新人だからという理由で休めないかの2択だと思うんですけど、出たとこ勝負かな、と。だって今のうちしか行けないんだったら、なんとしてでも行きたいんですもの!! なんとなく職場の雰囲気的には今と似たような感じっぽいですが、それも上司によりますしねぇ。全部入ってみないとわからないわけですから。どうしても無理なときは無理と潔く諦めるとして、いけるところまで頑張ってみたいと思います。いざとなれば誰かに結婚していただくとか……(最後の手)

 そんなこんなだべってから、奈良駅前にYちゃんを降ろして帰路に。24号線でいくか169号線でいくかを迷って24号線をチョイスしたんですが、走り出してから郡山あたりでそういや桜井のTSUTAYAにDVDを返してくれと頼まれていたことを思い出し、とりあえずよくわからないけど左折してみるという暴挙にでました。いやー久々に知らない道をつきすすんでしまいましたね! ナビもあったし方向さえ間違えなければ大丈夫なのはわかってましたが、いろいろ知らない道を通って面白かったです。

 帰ってきてからは晩御飯にお好み焼き。なんとなくご飯前から胃が重いなーとは思っていたんですが、特に気にせずに2枚をぺろり。帰りの電車でも胃が気持ち悪くて、なんだろう、食べすぎかな?とかきょとんとしていたんですが、これがまさか、悪夢の始まりとはね……。

 今日はここまで。