トルコ旅行最終日。

飛んでイスタンブール



 今日は最後のトルコ!ということで朝6時半に起きて準備をして朝ごはん。食欲はそんなになかったんですが、とりあえず最終日の朝食もいつも通りトマト・ズッキーニ・パン・ゆで卵・ソーセージですませました。結局トルココーヒー(煮出して上澄みを飲む)は飲まなかったなー。ホテルは大体コーヒー普通だし、街で飲むのはチャイなので。

 8時にはすべて荷物をまとめてチェックアウト。荷物をフロントに預けていざ出発! イスタンブールは街自体が世界遺産で、かつ1600年も自体の最高権力者が拠点としていた街ですからとんでもなく広いのです! 全部見て回るなら普通に一週間は必要という広さですが、ざっくり分けると海峡を境に旧市街・新市街・アジア側ぐらいに分かれてます。海峡はもちろんかの有名な(地理選択者の中では)ボスポラス海峡ですね。地図を見れば見るほどいかにこの街が重要だったかがわかります。ヨーロッパとアジアの境目なんですもの!

 ホテルは旧市街のスィルケジ駅の近くにあります。外に出てみると、道路はすべて石畳で、その間を路面電車が走ってるではありませんか! トラムヴァイと呼ばれる路面電車と市内バスがイスタンブールでの交通の要です。といっても旧市街の観光名所は結構集まっているので徒歩で十分回れる範囲なんですけどね。

 街歩いてて思うんですけど、やっぱり街が綺麗です。清潔、というわけではなく、きちんと均整がとれた綺麗さというか。行ったことないけどヨーロッパってこんなイメージなのかな、という感じの街です。少なくとも今まで行ってきたカイロやホーチミンとは全然違った街ですね。十分にぎわってるし車も多いんだけど、雰囲気が違います。

 さて、てくてく歩いてまずはスルタンアフメットジャーミィへ。通称ブルーモスク。イスタンブールの象徴とも言われているモスクなんですが、これがまた遠目に見てもすっごく綺麗! きちんとしたシンメトリーと、朝日に輝くドームは本当に素敵です。一応地球の歩き方には開館時間が「随時」となっていたので一番最初に行ったんですが、8時半ではまた開いていない様子。中庭でしばし眺めてぼんやりしていたら、突然ムスリムの観光客のお姉さまがた(おそらくトルコ人?)がやってきて、ものすごいテンションで写真撮ってー!って言われたのでなぜか一緒にハイチーズ。アジア人がやっぱり珍しいのかな……? 昨日の小学生といいほんと無邪気だなぁ。でもなんだか悪い気はしません。

 そろそろかな、と思って入り口に移動。団体客の皆様が列を作っていたのでそこに並びます。8:45頃ようやく開館。靴を脱いで中に入ったんですが、中は予想以上に壮大で荘厳な空間が!! エジプトでもモロッコでもモスクには入りましたが、それよりももっと『洗練された』イメージでした。装飾も何もかもが均整がとれていて美しいんです。スルタンの権力の象徴でもあり、また信仰の形でもあるんだろうなと思いました。

 ぐるりと回った後は、そのまま歩いて目の前にあるアヤソフィア博物館へ。時刻は9時過ぎなんですが、すでにすごい人の数! 土曜日いうこともあり、団体さんが観光バスで乗りつけてぞくぞくと中に入っていきます。負けないように中に入ってみてびっくり。先ほどのブルーモスクとはまた違った光景が広がっていました。

 それもそのはず、博物館と呼ばれてはおりますが、実際はその昔ギリシア正教大本山として栄えていた教会。それがオスマン朝時代にジャーミィに変えられ、キリストのモザイク画などはすべて漆喰で塗り固められてしまったのです。それが近年モザイク画などが発見され、賢明な初代大統領アタテュルクにより博物館として一般公開されているというわけ。メヴラーナもそうでしたけど、アタテュルクって本当にすごい人だったんですよね。アラブの国に行ってきたあとなので、いかにラテン文字の導入や政教分離をやってのけたっていうのがすごいかがわかります。政教分離って本当にすごいことなんだよほんと!!(今も数々の抵抗はあるそうですが)

 さてそんなアヤソフィア、壁のひとつひとつに歴史が刻まれております。中にはいって見上げてみたらさっそくにそこには聖画と十字架。でもドームの奥にはムハンマドと書かれた円盤ががっつりかかっていたりするんです。なんてこった! これだけでこの地が歩んできた歴史の複雑さがわかりますねぇ。

 ちなみに1本の柱には大仏殿の鼻の穴みたいな名物スポットがあります。その名も聖母マリアの手形。なんでも指を入れて手をぐるっとまわせたら願いがかなうんですって! とりあえず一周させておきました。何かが叶うといいですな。

 有名なモザイク画は2階の回廊に。損傷が激しいものも多いですが、しっかり残っているものもありました。あとで知ったんですが、モザイクで聖画を描くのはビザンツ文化特有のものらしいですね。ビザンツ帝国自体がすごく面白そうな気がしてきました。やっぱり世界史勉強したい……!

 ひとまわりしたので外に出てきたら、さらに人が増えていてびっくり! 団体さんたちをかき分けて、続いて目指すのは地下宮殿。こちらも宮殿といってますが、実際は地下の貯水池跡です。でも装飾の施された柱がずらりと地下に並び、幻想的なライトアップをされている様子は確かに宮殿といっても遜色はないですね。すっごく綺麗!

 水の上に歩道が設けてあるのでその上を歩いて奥までいけるんですが、水の中にはなんと魚もいました。たぶんどこかで外とつながってるんでしょうね。奥には84年の修理で発見されたメドゥーサの首があったりします。コンスタンティスヌ帝の時代から造られてるっていう言葉に納得ですね。うーむ。ちなみにこのメドゥーサ、2つあるんですが1つはさかさま、1つは横向きになっています。まったく謎だらけだ!

 外に出ると天気がいいのでまぶしい限り。時間はお昼前。続いて最後の目的地、トプカプ宮殿へ。ここはオスマン朝の支配者の居城として400年栄え続けていた宮殿です。オスマン朝になってから一度も侵略を受けていないので、とんでもない規模のものがとんでもないまま残ってるという奇跡的な宮殿です(笑)

 で、歩いて入り口まで行ってみたんですが、まあどこの某ランドですかっていうレベルの人の数が! そうですよね今日土曜日だよねツアーで絶対来るよねここ……という人の数にうんざりしつつ、なんとかチケット購入して中へ。中もずいぶん広いんですが、とりあえず見るべし、と地球の歩き方に描かれていたハレムへ。ここはさらに別料金がさらにかかるせいか、若干空いてました。

 ハレムとはその名の通り、大奥みたいなところです。中身もつまり、大奥みたいなもので、一番最初に男の子を生んだ妻が一番偉くて、住む部屋もいろいろ格差があります。部屋はもちろん装飾が施されまくりで豪奢なんですが、二重扉だったり囲まれていたりと、やっぱり外には出られなかったんだな、という感じでした。どこの権力者も似たようなものなのですね。

 ハレム内を見て回っていたら、今度は警備員さんが声をかけてきまして。日本人だよ、と言ったら流暢な日本語で答えられてびっくり! なんでも日本人の彼女がいるらしいです。本当にトルコ人って日本語うまい人多いな! 英語ができるぐらいじゃ驚かないけど、日本語がかたことでも話せるってすごいことだと思うんです。正直私はトルコに行くまで「こんにちは」すら知らなかったですよ……。ちなみに「メルハバ」って言います。そういや初日に入国するときに、入国審査で気合入れて「メルハバ!」って挨拶したら、審査官に「コンニチハ!」って返されたんでしたそういや……。

 ハレムから外に出て、何やら列ができていた建物に並んで中に入ってみたんですがたぶん武器庫? でもとにかく中も外も尋常じゃないぐらい人が多くて身動きがとれない! 正倉院展最終日ぐらいのレベルの人の混みようで、見るものも見えないという感じでした。なんとか出てきて宝物館でも見ようかしら、と前に行ってみたんですが、そこはそこで、リアルに30分待ちレベルの長蛇の列!! 朝から歩き回って疲れてたし並ぶの外だし、正直しんどいよね……という気分に。

 滅多にイスタンブールなんて来るわけないってわかってるけど、でも並ぶのはしんどい!ということで世界最大のエメラルドとかあったらしいんですけどスルーさせていただきました。またいつか来るかもしれないしね……!(可能性は捨てない)

 でも景色はいろいろ堪能しましたよ! 居城だっただけあって、3方を海に囲まれた丘の端に立っているんです。天気が良かったので、海峡の向こうのアジア川も見えましたし、金角湾を挟んだ反対側の新市街も見えました。支配者としては絶好のポジションですね。

 ぐったりしてきたところで外にでて、とりあえずどこかでご飯食べるか、と歩き出したら突然声をかけられまして。日本人だよ、と答えたらまた流暢な日本語! なんでも日本で知り合いが店やってるらしいです。本当に多いなそのパターン! どこまで本当だか知りませんが(最終的にオススメのお店とか紹介されそうになったので/好意だったかもしれないけど)実際に日本語うまい人がいるっていうのはすごいですよね。

 トルコ人のお兄さんたちとは別れて、歩いてスィルケジ駅近くのマクドナルドへ。とりあえずマックトルコを食べておきました。一応押さえておくべきかと思いまして(笑)

 その後は屋台が多いというエミノニュ周辺へ。海沿いを歩いているとあちらこちらに屋台が! とりあえず食べてみたかったムール貝のピラウ(ピラフ)をいただきました。一口サイズでおいしい! それから名物だというサバサンド。その名の通りサバの塩焼きをタマネギやトマトと一緒にパンにはさんだサンドイッチなんですが、これがなかなかオツな味。日本人は結構気に入ると思いますよ!

 じゃあそろそろ買い物でも行きますか、とエジプシャンバザールに行ってみたんですが、まあ、予想はしてましたけど、それにしたって、すごい人!!!! 尋常じゃない人ごみにやっぱり体力が吸い取られまして。通りを一通り歩いただけでぐったりしたうえ、あんな人だらけの中で交渉して買い物するなんてしんどすぎる……ということで、いったん喫茶店にてチャイで休憩。今後の戦略を練ります。

 できれば私はお土産を買うなら安心のスーパーがいいなと思っていたんですが、どうも旧市街周辺にはそういう意味でのスーパーマケットはない様子。(小売店や八百屋や魚やはあるんですが)ガイドブックに載ってるスーパーは新市街の方にあるらしく、歩いていくのは無理な距離。が、しかし、人であふれる旧市街うろつくのも体力の限界が……ということになり、結局スーパーのためだけに新市街を目指すことにしました。

 そうなればまずは地球の歩き方で行き方を調べます。トラムヴァイで10分ほど+バスで10分でいけるらしいので、エミノニュ駅からトラムに乗ります。ちなみにトラムは一律料金。切符ではなくジェトンと呼ばれるコインを購入します。なので自動改札なんですが、コインを入れてバーを回すというタイプでした。なかなか新鮮!

 トラムはすごく綺麗で、シートも快適。エミノニュ駅から金角湾にかかるガラタ橋を渡って、新市街へ。終点のカバタシュ駅で降りて、そこからは市内バスです。カバタシュ駅がバスターミナルなので、バスはすごい混みよう! ちなみにバスも一律料金で、ちゃんとPiTaPaみたいなICカードがあるんですが、私たちは現金。現金の場合はちゃんと料金係のおっちゃんがいて、そのおっちゃんに払います。ICカードがあるのにそこは手動なあたりが面白いですね。

 混み混みの車内で、さらに渋滞もひどく、結局本当はオルタキョイのバス停で降りたかったんですがあまりに動かなかったのでこれはいっそ歩いた方が早い!ということで途中下車しててくてく。ガイドブックに書いてあるスーパー目指して歩きます。ガイドブックには結構近くに書いてあったんですが、実際行ってみたらそれなりの距離を歩きました! しかも普通に観光地からガンガン離れていくので明らかに地元民しか行かないであろう道を通っていきましたよ。

 本当につくのか不安になってきたころに、ようやくスーパー発見。トルコでは初めての大型スーパーです! ずっとトイレに行きたかったらしいS君は店員さんにトイレの場所を聞いたんですが、店員さんが英語がわからず大混乱。とにかく英語できる人呼んできて!っていうのと、トイレ行きたいんだ!っていうのをなんとか身振り手振りで伝えて事なきを得たようです。でもたぶん奈良の田舎のジャスコにいきなりフィンランド人が来てトイレ要求したレベルの大事件だと思いますコレ……。

 ようやくついたスーパーなので、土産用にトルコっぽいクノールカップスープを大量購入。ひとつがやっすいのでたくさん買っても安心ですね。ついでにサーレップというトルコ独特の飲み物(らしい)を購入してみたり、アップルティー買ってみたり。おやつはあんまりいいのがなかったのでやめておきました。

 安心の定価払いで(でも結構イスタンブールはどこの店も値札がついているので安心)来た道をてくてく歩いて戻ります。ちなみにオルタキョイにはオルタキョイ・メジディエ・ジャーミィがあるんですが、たまたまお祈りの時間?か閉館時間?で入れませんでした。残念。ただクンピルと呼ばれる巨大ジャガイモをふかしてその上にトッピングめちゃ乗せして食べるというボリュームたっぷりの料理の屋台が出ていたので、それを食べて休憩(食べきれなかったけど!)。ボスポラス海峡とボスポラス大橋もがっつり眺められたのでなかなか良かったかなと思います。トラムもバスもちゃんと乗れたしね!

 夕方になってきたのでバスに乗り、トラムにのって旧市街まで戻ります。すっかり交通機関にも慣れました。次イスタンブール来たときは大丈夫だと思います!(笑)

 ホテル近くのお土産物屋さんで雑貨類を購入。ひとつ1TLの小物入れとか、2TLのピアスとか、トルコトランプとか、トルコグラスとか、そういう定番的なものを大量購入しておきました。

 最後の晩御飯はホテル近くのレストランで。イスタンブールは基本的に客引きがものすごいのですが(深夜とかだとぼったくりバーに連れて行かれるらしい)、レストラン選びも大変。みんな日本語・中国語・韓国語と取り揃えて客引きするので逆に尊敬しました。いやーすごいわ!

 ひとつのレストランに入ってやっぱり最後もビールで乾杯。このたびは散々エフェスビールを飲みまくった旅でしたね! ポテトフライやケバブをつまみにひたすら飲みまくっておりました。最後の夜ですからね!

 総括すると、やっぱりトルコは全体通してひたすら観光しやすかったな、と思います。今までの国と比べると、かもしれませんけど(笑) でも本当に観光国というか、落ち着いていたし、少なくともそこまで緊張し続けなくてはいけないことはなかったです。もちろん異国なので最低限の用心はしますが、最低限でいいという感じ。勝手にガイドして金を要求されることもないし、物乞いの子供たちに囲まれることもないし、強盗とかの心配をそこまでしなくても大丈夫、というか。騙されることはありえるかもしれないけど命を取られることはなさそう、というか。そういう意味ではすごく観光しやすかったな、と思います。

 その分すごく観光に集中できたというか、今までで一番観光したな!というイメージです。インドやエジプトは別の意味で強烈でしたから(笑) あとまあ、それに加えて私自身が海外旅行に慣れてきたっていうのもあると思いますけどね。気を付けるべきところと気を抜くところがわかってきたので、そんなに疲れませんでしたもん。あ、あとビール飲めるのはすっごくうれしかったです! ベトナム以来かなビールがぶ飲みできたのは。

 トイレもわりと綺麗だったし(有料だったり紙流せなかったりするけど)、物の定価が決まってるし(サービスは日本と比べようもないけど)、そういう意味では海外旅行慣れしてない日本人でもわりと安心して海外旅行ができるんじゃないかなと思います。文化が入り混じってるところとか、どこか日本ぽいところもありますしね!

 ホテルに戻って荷物を受け取り、迎えを待ちます。ラマダンさんがやってきたので、ホテルを後にして、ミニバスにのって空港へ。夜景を見ながらいろいろ思い返しておりました。

 着いてすぐにチェックインして荷物を預け、出国審査ののち最後のお買いもの。とにかくTLを使い切ってしまわないと!ということでお菓子と石鹸を買ったんですが、微妙にまだ余ったのでオリーブオイルを買いました(笑) 空港価格なんで尋常じゃない高級オリーブオイルでしたけどね! でも余らせても使い道ないしな、ということで。

 ロビーで搭乗を待ちながら友人Aとこの旅の統括を話しつつ、次はどこに行こうか?という話で盛り上がっておりました。来年はタンザニアブータンあたりに行きたいんですが、そもそもツアーが存在するのかどうかから若干不安(笑)

 23:50発の関空行きの便に乗り込んだんですが、かなり満席な様子。最初は席が離れてたんですが、みんなと組み替えて結局友人Aの隣に。帰りもさすがのトルキッシュエアライン、安心の日本語アナウンスに充実のアメニティ、おいしい機内食で万全の態勢で日本に向けて出発しました。

 ありがとうトルコ! 本当に楽しかったよ!!

 今日はここまで。