カンボジア旅行2日目。

アンコールワットからナイトマーケットまで。


 結構ゆっくり寝られて(といいつつエアコンの調節が難しくて何回か起きたりはしたけれど)6時半起床。朝ごはんはホテルのバイキングです。基本のパンや卵、サラダやシリアルの洋食メニューはもちろんですが、ちょこちょこカンボジア料理っぽいメニューもおいてあるのがいいですね。おかゆとかフォー(カンボジアではたぶん別の言い方だと思うけど/調べてみたら、クイティオ?)もおいてありました。今日はクロワッサンにしたんですが、パンもやっぱりうまいです。ベトナムのときも思いましたがさすが元フランス植民地ですよね。

 もりもり食べて、身支度を整えて迎えを待ちます。今日も案内してくれるのはチョクさん。私たち以外にもあちこちホテルでピックアップして、結局総勢14人で観光に向かいます。

 本日の予定はアンコールトム&タプロームアンコールワット(アプサラダンスのディナーショー付)という盛りだくさん予定。明日も明後日も遺跡観光なんですが、なんとアンコール遺跡はほとんどすべて共通券で見れます。3日券をもらったんですが、ちゃんとチケット売り場で顔写真をとって写真入りで発行してもらうんですよね。ふむふむ。

 私も今回カンボジアに行くにあたって初めて知ったんですが、アンコールワットというのはひとつの寺院にすぎなくて、アンコールトムという巨大な王都の中にある都のシンボル的な寺院だったわけです。つまり、平城京における東大寺、的な。平城京にはそれ以外にもいろんなお寺がたくさんあってそれが今も残っているわけですが、まさにアンコールトムもそんな感じです。

 ということでアンコールトムにおける南大門というのは平城京における朱雀門なわけです。それまでのクメール王朝というのは主にヒンドゥー教と若干の上座部仏教がまじりあった宗教だったらしいのですが(それでもメインはヒンドゥー教よりだと思われ)、アンコールトムを築き、クメール朝の最盛期を迎えていたジャヤヴァルマン7世はかなり大乗仏教に傾倒してたそうな。その後ヒンドゥー教が盛り返して宗教紛争があったり、最終的に現在のカンボジアは仏教だったりと紆余曲折があるみたいなのですが、歴史を紐解くと常に隣国との争いや内戦などなど、なかなか大変だったみたいですね。

 特に私は直近のWW2以降を具体的に知らないのですが、調べれば調べるほど愕然としますね……まあそれについては後程。

 アンコールトムは王都なのでそのまわりをぐるりと堀で囲われているのですが、門の欄干にはたいていどこも神々と阿修羅の像が飾られています。これはヒンドゥー教のモチーフで、乳海撹拌(にゅうかいかくはん)という神話がベースです。これはほかの寺院のレリーフでも使われまくっているヒンドゥー教の天地創生神話らしいのですが、大蛇(ナーガ)を神々と阿修羅(神々に対する敵)が綱引きをして海中をぐるぐるかきまぜ、1000年ぐらいにわたってかきまぜて海が乳海となり、新たな神々や不老不死の薬「アムリタ」が生まれたという話です。まあイザナギイザナミの国生み物語みたいなもんですな。神話とは得てしてトンデモ設定なものです!

 というわけで欄干の神々と阿修羅は両方とも一所懸命ヘビ(ナーガ)で綱引きをしている姿でずらりと並んでおります。面白いモチーフです! ただ、やっぱり損傷は激しくて頭がとられていたり、結構雑にセメントで修復されていたりするのでなんともいえないのですが、ね。

 南大門も観音様がいたりゾウが3頭あしらってあったり、装飾が面白いです。またつかわれている資材も目的によって使い分けてあるらしく、建材として使われるラテライト(赤い石)と装飾用の柔らかい砂岩(灰色)で色が違ってたりするんですよね。そういう細かいところまでチョクさんがしっかり説明してくれるので、興味深く見れました。

 南大門をくぐってもう一度バスに乗り込み、アンコールトムの中心、バイヨンへ。

 バイヨンはアンコールトムを築いた同じ王、ジャヤヴァルマン7世によって作られた仏教寺院です。チョクさんいわく、仏教寺院は平面的な構造をしていて、ヒンドゥー教寺院は高さがある立体的な構造をしているそうです。バイヨンは仏教寺院なので平面的、というかかなり広いのですが、日本の寺院とは違っていて回廊がぐるりと中心を何重にも囲む構造になっています。

 すべて石造りで、柱や壁にはこれでもかと装飾が施されていて、その細かさや気合の入れっぷりは日光東照宮を彷彿とさせます。ひとつひとつの壁や扉にアプサラ(天女)やデバター(女神)がいて、これまたひとつひとつポーズや表情が違ってたりするんですよね。いつまで見てても飽きません。

 バイヨンが有名なのは第一回廊や第二回廊に描かれた表情豊かなレリーフの彫刻です。神話の物語というよりは、その当時の国の歴史や風俗の様子が生き生きと描かれていて、なんかもうマンガみたいな感じです(笑)だってストーリー性があるんだもの! 隣国(チャンパ軍)との戦いの様子から、食事の準備の様子、トラやワニ、魚などの動物アレコレ、出産シーンに至るまでいろんなことがわかります。神聖というよりは面白いというか、なんだかほほえましく思えてしまう回廊でした。積み重なってきた人の歴史が刻まれるっていうのがいいですね。

 そしてもうひとつ、バイヨンが誇るのは観音菩薩の四面塔。その名のとおり石塔の四方向に観音菩薩の顔の彫刻が施されているのですが、そのサイズの大きさと表情の豊かさといったら! やっぱりインドの神様は慣れない部分もありますが、観音菩薩はなじみがあるんですよね。もちろん日本の菩薩とは違う部分も多いですが、やっぱり落ち着きますもん。チョクさんおすすめの三つ観音さんの顔が並んで見えるポイントで写真をとってもらって、しばらく自由時間をもらったので回廊をぐるぐる回って堪能しました。観光客も結構いたけれど、良かったです。仏教寺院だからかなぁ。

 ちなみにこの時点で結構気温もぐんぐん上がって日差しもすごくて暑かったんですが、雨季のこの時期、晴れるのは久しぶりなんだそうです。一週間前までは毎日雨ばっかりだったのだとか。やっぱり暑くても晴れてる方がうれしいですもんねー。

 バイヨンの前でゾウがお客を乗せているのを尻目に(ゾウも素敵だった……時間があれば乗ったのに)続いての目的地バプーオンへ徒歩で向かいます。同じくアンコールトム内にある、今度はヒンドゥー教の遺跡です。

 バプーオンは作った王も宗教も違うのでまた全然違った雰囲気です。修復中で残念ながら中には入れなかったんですが、石造りの円柱で支えられた参道や、ヒンドゥー教らしく高さのある建物の外観は素敵でしたよ。2013年に修復が完了するらしいので、その時にまた来たいなぁ。

 さらっと見てから続いては王宮のあった地域へ。アンコールトム内の、さらにぐるりと城壁に囲まれたゾーンです。つまり平城京における内裏ですね! ここに大極殿ならぬピミアナカスという階段ピラミッド型の宮殿があるのですが、こちらもヒンドゥー教の寺院ですね。こちらは登ることができるのですが、あくまで寺院ですから階段の傾斜が恐ろしく急だったりします。なんとかよじのぼって上から眺めると、結構遠くまで見渡せていい感じでしたよ! ひたすらジャングルが広がる光景というのがなかなか新鮮です。山がないなんて!

 儀式メインの場所だったらしいのですが、なんでも伝説があって、王は毎晩毎晩奥さんと夜を過ごす前に絶対この場所にきてここに宿るヘビの神様と交わらないといけなかったらしいです。一夜でも怠ったら王は早死にするとか。なんてこったい!

 ちなみにヒンドゥー教らしく、ピラミッドのてっぺん中央にあるのはリンガです。ヘビの神様に通じるところもありますし、生命や創造のシンボルでもありますからね。国の繁栄のためには神と交わることが不可欠だったんでしょうな。

 ちなみに王宮自体は木造建築だったらしいので、今は基礎だけが残っています。生活する場所は刷新されていって、宗教的なものはがっつり石で永遠に残るようにぶちたてる、っていうのは宗教観を表してますね。

 王宮ゾーンの正面側には、テラスと呼ばれる石造りの広い舞台みたいなところがあります。ここがまたびっしり彫刻が施されていて、バイヨンを作ったジャヤヴァルマン7世作と聞いて納得。うーん、自己顕示欲、って感じ! その分見事なんですけど!

 正面にある象のテラスはずらりと並んだガルーダ(ヴィシュヌ神の乗り物/ナーガの天敵/頭と翼だけ鷲であと人間)が支えていて、反対側はリアルな象の彫刻がテラスを支えてます。この彫刻が見事です。

 またその奥にあるライ王のテラス(チョクさんいわく、らい病/ハンセン病にかかった王のテラス、という意味もあるのだとか)には神々と阿修羅が交互に描かれています。こっちも細かいな!

 テラス前の駐車場にバスが待機してくれていたので、エアコンの効いたバスに乗り込み、続いての目的地へ。今度は日本でも有名な、タ・プロームへ向かいます。

 アンコール・トムから少し離れた位置に建てられた大きな寺院で、バイヨンと同じくジャヤヴァルマン7世が、母親のために建てたのだそうです。というわけで元は仏教寺院だったのですが、のちにヒンドゥー教寺院に変えられたらしく、実は仏の彫刻が削り取られたり(その代わりにリンガが掘られたり)首だけがなくなっていたりします。まあ盗難もあるみたいですが。

 が、それよりもタ・プロームが有名なのはスポアンと呼ばれる樹木の根がまるで生き物のように遺跡に絡みついている様子です。何度か世界ふしぎ発見とかで紹介されてるらしいのですが、見た目はまんまラピュタムスカじゃないですけど「木の根がこんなところまで!?」と叫びたくなる感じです。長い年月をかけて木がどんどん遺跡を侵食していく様子がよくわかります。

 もちろん根っこを取り払わないとどんどん遺跡が崩壊してしまうので、修復作業を行わなくてはいけないんですが、逆にとってしまうとこの遺跡の見どころがなくなってしまうということでもあるわけで。難しいところみたいです。(それでもさすがに一部は修復してましたが)

 アジア人に大人気!スポットだけに、私たち以外にも中国・韓国の団体さんがゾロゾロ。写真撮影スポットも順番待ちができる感じで、すっかり観光地という感じでした。正直なところやっぱり期待値は大きかったわけで、静かに遺跡の雰囲気に浸って歴史に思いを馳せたいな……という気持ちがあったものの、結局なんだか観光地らしくはい次ーって感じでまわってしまったのでもったいなかったなと。やっぱり遺跡は人が少ないのがいいですよね……。(しかも中韓の団体客さんはパワフルさが半端なくてぶっちゃけうるさry)

 でも根の間から垣間見える彫刻群はなかなかのものでしたよ。これから先どのようにしてこの遺跡が保存されていくのかに興味があります。ちなみにここを担当しているのはインドなのだとか。各遺跡ごとに各国が分担して修復を担当していたりするので、それぞれの遺跡の修復の仕方にも特色が出てくるみたいですね。考え方も違いますよねぇ……。

 さてようやく午前中の観光は終了!ということでランチに向かう前に、定番のお土産ショップへ。日本人による日本人のためのカンボジア土産、アンコールクッキーのお店に連れて行ってもらいました。

 アンコールクッキーは現地の雇用促進のために日本人によって設立された会社、なんだそうです。まあどこまで本当かは知りませんけど、実際に日本人向けにバラまき用にきちんと個包装になっていて、かつわかりやすいお土産に違いないので多少値段は高くてももともと購入するつもりだったのです。会社とか同期とかにはこれで十分ですしね。アンコールビールとナッツのセットやカンボジアステッカーなんかも売っていたので合わせて購入。ひとまずはお土産確保です。

 その近くのレストランでみんな昼食となったのですが、メニューは中華(主に飲茶/ただし揚げ春巻とかはカンボジア料理っぽかった)朝からずっと同じメンバーで過ごしてきたのでだんだん皆さんと仲良くなってきまして。円卓2つに分かれて座ったのですが、私たちと同じ円卓に座ったメンバーが、北海道の函館からさらに1時間以上車でかかるところにお住まいのおばさま(一緒にカンボジアに行ってくれる人がいなくて一人旅)、横浜からいらした若奥様と小学生の娘さん(旦那さんと上の子はおいてきて2人旅)、かなり旅慣れた感じのお姉さん(ほぼフリーで回っておられるそうな)、今年就職したばかりの旅慣れたお兄さん(卒業旅行で一か月ヨーロッパにいたらしい)、同じく今年就職したばかりの中学校の英語の先生なお兄さん(人生初海外でカンボジアベトナムをチョイス)というバラエティに富んだメンバーでした。

 当たり前ですけどカンボジアにきてJTBやHISなんかの大手旅行会社ではなく現地ツアー参加って時点で過去にあっちこっち行ってる人ばっかりなんですよね! 話聞いてるだけで面白くて面白くて。しかも一人旅ばっかりなので、みんな変わり者というか(笑)なかなかいいキャラクターしてるんですよ!

 私たちも話に混ぜてもらって、アンコールビール片手に(だって水と似たような値段ですもの)あれこれ話をしていたんですが、結局泊まっているホテルも同じだったり近かったりなんで今日のツアーが終わった後に夜みんなでナイトマーケットに行きましょう!ということで盛り上がりました。確かに女性2人でナイトマーケットに行くのは不安があったので、みんなでいけるなら安心ということで。トゥクトゥク割り勘もできますしね。

 いい感じで盛り上がったところでランチ終了。午後の観光へ向かいます。

 午後はさっそくこの旅メインのアンコール・ワット! 平城京でいうならば東大寺であります。といいつつ、アンコール・ワットはアンコールトムができる50年ほど前に、スーリヤヴァルマン2世に建てられたヒンドゥー教の寺院です。のちに仏教寺院になったり、クメール・ルージュに破壊されたりとまあいろんな歴史の中でさまざまな形で絡んできたりするのですが、それも納得の強大なお寺です。石造りなので日本人からするとあんまり見た目がお寺っぽくないな、って気がするんですけど、やっぱり中の雰囲気はお寺なんですよね。

 雨季なので水をなみなみと湛えた堀を越え、正面は混んでいたので左側の入り口から入ります(ゾウの門なのだそうな)。ちなみにアンコール遺跡の中で、唯一アンコールワットだけが西側を正面に建てられていたりします。(他は大体東が正面)実はビシュヌ神をまつる寺院でもありながら、建設した王、スーリヤヴァルマン2世のお墓でもあるのだそうです。正面から見たシンメトリーな感じ、ひたすらいろんなものの力を結集して建てたであろう外観がどこかとかぶるなと思ったらやっぱりタージマハールなんですよね。あれも結局王の権力を誇示し、かつ、死者への弔い(アンコールワットは自身の神格化ですが)にとてつもなく膨大な労力や財力や権力を結集させた結果というのが似てるんです。そして出来上がったものは驚くほどに緻密で、かつ綺麗なんですよね。

 全部石ですよ、石! それこそピラミッドもそうですけど、現実味がなくなる凄さです。これを人が全部作り上げたのかというと本当に果てしない気分になりますね。

 アンコールワットもバイヨンと同じく第一回廊・第二回廊・第三回廊とまわりが回廊に囲まれていて中心に塔があるんですが、回廊にはもれなくびっしりと彫刻が! ただバイヨンが生活感あふれる歴史・風俗の描写だったのに対し、アンコールワットはひたすら神話(ラーマーヤナとかマハーバーラタとか)のシーンが描かれています。バイヨンは人々でしたが、アンコールワットは神々の物語なんですよね。これまた神格化の度合いがよく表れている気がします。

 すべてを見ると丸一日かかるので、有名なところをチョクさんに解説してもらいながらちょこちょこ。「天国と地獄」の描写では上下に場面を分けて、天国部分と地獄部分があるんですが、地獄部分の描写がホントリアル! ウソついて舌抜かれたり(これはヒンドゥー由来なんですね)、串刺しにされたり、火あぶりにされたり、そこまでリアルに描かんでも!っていうぐらいにリアルでした。いやー恐ろしい。天国が幸せなところに描かれているっていうよりも地獄がよりエグいところに描かれるっていうのは人間の心理を表している気がしますねぇ。

 もうひとつ有名どころは「乳海撹拌」。ヘビ綱引きで海を混ぜるという壮大ストーリーですが、これもリアルに精密に描かれているので見ごたえがあってよかったです! 半分は修復中で見られなかったんですが、それでも半分は見られました! これは面白かったですね。

 現代ヒンドゥー教はなんとなくインドで見てきたんですが、やっぱりその感じとは全体的に雰囲気が違うんですよね。国が違うからなのか、今は仏教寺院になってしまっているからなのかはわかりませんが。まあ確かに日本の仏教寺院でも宗派によって雰囲気は違いますけどね。密教禅宗とか全然違うし。そういうイメージなのかな、と思ったりします。今も現在進行形で発展しているヒンドゥー教と、その当時カンボジアで栄えていたものはまた別なのかもしれませんね。

 ちなみに昔の日本人もここを訪れていたりします。その時の落書き(というか但し書き)が残っているのですが、なんと加藤清正の家臣である森本右近太夫一房という人が祇園精舎と勘違いされていたアンコールワットにやってきて仏像を納めたんだそうです。意外と世界に進出してたんですよね日本人。

 チョクさんがすごく細かく解説してくれるのでみんなまじめに勉強しつつ、物売りの女の子たちが売ってくるグッズを適当にあしらいつつ(といいつつアンコールTシャツは若干ほしかった/ご夫婦の旦那さんがさっそく買って着てた)、第二回廊を越えて第三回廊へ。どんどん階段を上っていくので(ヒンドゥー教寺院なので上下に高く作られている)、第三回廊まで登り切ったあとには素晴らしい眺めが! 窓から見えるのがひたすらジャングルっていうのがなかなかすごい光景です。

 少し自由時間をもらったので第三回廊をぐるっと回って中央の塔にお参りし、降りてきてからはちょっと休憩。座って水を飲んでいたら裸足の小さな男の子が二人よってきて何やらニャムニャム(本当にそう聞こえた)言ってきます。どうやら何かをくれといっているわけではなさそう?な感じ?? 物売りは回廊内部までは入ってこれないのでたぶん違うと思うのですが、何やらさっぱりでした。でもくりっくりの目でにこにこしながら寄ってくるのはめちゃめちゃ可愛かったです。甥っ子より少し大きいぐらいかなぁ。なんだったんだろうなぁ。しかし外国人の子供はかわいく見えますね。無邪気だし、何より目が澄んできらっきらしてるんですもの。

 時間が来たのでアンコールワットを後にします。なかなかすごかった!とは思うのですが、個人的な好みをいうならバイヨンのが好きです(笑)なんだろう、やっぱり仏教寺院だから? 遺跡全体がなんだか親しみやすかったような気がするんですよね。

 トイレ休憩をはさんで、続いては夕日を見るためにアンコールトム近くの遺跡、プノン・バケンに向かいます。こちらは山の上に建てられたヒンドゥー教の寺院で、遺跡本体よりも夕日観光スポットとして有名です。てくてく歩いて20分ほどで山頂に到着するのですが、そこからまた急なピラミッドが! どっちかというとペルーあたりにありそうな台形型のピラミッドなんですが、そこの階段をなんとか登りきると、見事に360度、アンコール遺跡が一望できました!

 17時半ぐらいに到着して、日没は18時ぐらいだからそれまで自由ね、とチョクさんに言われたのですが、さすが人気スポット、後から後から観光客が集まってきます。国籍も様々で、一応中央にはリンガやお社みたいなのがあったりするんですが、そっちのけてみんな場所取り。でもまあ一生に一回あるかないかだよねぇ、と思いながら待機しつつ、ガイドブックで勉強にいそしみます。実はこのあたりで姉のデジカメの充電が切れて大変なことになってたんですが(苦笑)

 結局日没は18時20分ごろだったんですが、1時間近く待ったかいがありました! 確かにすんごいキレイ!!多少雲はかかってましたけど、それでも綺麗に見れました!

 実は雨季ということもあり先週までずっと雨で、サンセットもなかなか見れなかったらしいのです。貴方たちは本当にラッキーだ、とチョクさんに言われましたけど、見れて本当に良かったです。桂林で洪水に巻き込まれた経験もあるので心配だったんですが、今回は本当に天候に恵まれてよかった!

 で、日没を見たわけですからそのままあたりは真っ暗に。当然街灯なんて一切ありませんから、集まりに集まった観光客全員が一斉に山を下りることになります。急なピラミッドを下りるのも一苦労でしたが、そこから暗闇の山道を下りるのもまた大変。私は毎回旅行にLEDライトを持ち歩いているので大丈夫でしたが、何もなかった人は大変だったみたいですね〜。

 ようやく山を下りてから、最後のディナーショーへ。近くのホテルでカンボジアの伝統舞踊、アプサラダンスをみながらビュッフェをいただくのです。

 もうすっかりみんな仲良くなったので、みんなでビールで乾杯しながらディナーショースタート。なかなか素敵なステージでしたよ! あまり各国の舞踊に詳しくないのでイメージなんですが、やっぱりインドっぽい、というか、ヒンドゥーっぽいのかな? アプサラ(天女)をモチーフにしていて、かつ内容もヒンドゥー教の神話を表しているというので。でも音楽も生歌生演奏でよかったし、どこか日本の伎楽に通じるようなところもあって(男性が出てくるところとか)すごく良かったです! ご飯はまあまあ、ってとこでしたけどね(苦笑)

 ディナーが終わり、ダンサーさんたちと記念撮影もさせてもらってホテルへ帰還。かなり一日目いっぱい盛りだくさんでしたが、さらにここから約束していた通りにナイトマーケットに向かいます。

 ホテルに荷物をおいたあと、貴重品だけもってロビーに集合。別のホテルに泊まってる2人はそのままに、一人旅の若者2人に、たまたまホテルが一緒だった幼稚園の先生だという女の子1人(本日のツアーは参加せず)、関西からいらしたお姉さまに、北海道からいらしたおばさま、という総勢7人でナイトマーケットに向かうことになりました。

 とりあえずホテル出てトゥクトゥクを捕まえよう、ということになったんですが、ホテルを出るとさっそく声をかけてきます。値段はすべて交渉制なのですが、だいたい市内は片道1ドルが相場。当然運ちゃんたちは1人1ドル(つまり全員で4ドル)!というんですが、こっちは全員で1ドルでいってくれ!と交渉します。

 ところが交渉している途中で突然怪しげなおじさんが近づいてきて我々に話しかけるではありませんか。「私は日本人です」という自称日本人のヤマカワさん、だそうなんですが、なぜか自称日本人にも関わらず言葉のふしぶしが英語というまるでルー大柴のような語り口で話しかけてきまして。「このトゥクトゥクのマネーはベリーチープね!」だの「このホテルのGMはマイフレンドなんだ!」だの、最終的には「何かあったら私に連絡してくれたら責任取るよ!」とまで言い出して、怪しさ大爆発。思わず爆笑してしまったのですが、とりあえずなんだかおもしろかったので面白さに免じて一人1ドルで往復してもらうことになりました。まあまあ往復なら片道2ドルずつぐらいですしね。ケチケチしてもね。

 ガイドブックやネットの口コミでは、シェムリアップは夜になると真っ暗で夜道は出歩かない方がいい、と書かれていましたけどそれがどうして、夜でも店は明々としているし、メインストリートは車がたくさん走っているし、24時間営業のコンビニがあったりしてすっかり大都市の雰囲気です。(もちろんアジアの、であって日本の都市とは比べ物になりませんが)ガイドブックが半年か一年前の情報なんで、それでこんだけ発展したんだなぁ……と思うとしみじみした気分になりました。まあトゥクトゥク乗ってる間は埃っぽくて大変なんですけどね。

 ちなみに昼間はオールドマーケットというところがメイン市場なんですが、その向かい側に新しくできたのがナイトマーケットです。オールドマーケットは夕方で閉まるので、そのあとにオープンして深夜近くまでやっていたりします。

 観光客でにぎわい、客引きのお兄さんやお姉さんが声をかけていく感じが本当に繁華街という雰囲気で楽しいです。そこまで強引な客引きもないのでわりと買い物もしやすい感じ。実際マーケット内でみんなでうろうろしてたんですが、それぞれのお土産の好みも違っていて面白いですね。若者が意外と置物を買おうと真剣に悩んでて面白かったです(笑)

 ちなみに私はヤシの木で作った小さな網かごに、カンボジア原産のハーブティーが入って6個パックで売っていたのを、2セット買うから!ということで7ドルで購入。銀のアクセサリーも有名らしく、たくさん売っていたので、カンボジアらしいアプサラのピアスをこれまた2セット買うから10ドルにして!と購入。他に何かお土産になる小物はないかな……と探してたんですが、どれも今まで過去にあげたことのあるものばかり。布(モロッコ)、箸(ベトナム)、小物入れポーチ(トルコ)、と二番煎じが多いので悩みに悩み、最終的にサンダルにすることにしました! 鈴がちりちり鳴って可愛かったしカラフルだったので! それも5セット買うから10ドルにして!とゴリ押しし、なかなかいい買い物ができたんじゃないかと思います。しかしカンボジアの人はやさしいですね! ベトナムのときよりよっぽど買い物しやすかったな〜。まあ私が交渉になれてきたから、というのもあるんですが。

 無事にみんなも買い物が終わったみたいなので合流し、せっかくだからアイスでも食べよう!ということでアイス屋さんへ。これまたせっかくなので「クメール・フルーツ味」をチョイスしてみたんですが、パッションフルーツミックス、という感じでなかなかおいしかったですよ! 南国って感じですな〜。

 みんなで記念撮影なんかもして、トゥクトゥクのおっちゃんたちとの待ち合わせ場所へ。ちゃんと待っててくれたし、ちゃんとホテルまで連れて帰ってくれたし、ちゃんと言い値でOKでした。大人数ってのもあるかもしれないですけど、ヤマカワさんが言ってたのは本当だったのかしら(笑)

 結局22時半ぐらいにホテルに帰り着いたんですが、当たり前ですがもうくったくた(笑)でも本当に朝から晩まで充実満喫だったので大満足です! 風呂に入ってすぐに就寝。本当にぐっすりでした。明日は朝から日の出を見るぞ!

 今日はここまで。