カンボジア旅行最終日。

山から流れて湖へ。


 今日で観光ラスト!ということで、最後の朝食を食べた後(相変わらず米麺が間違いのないおいしさでした)荷造り。荷物を降ろしてひとまず先にチェックアウトしてから迎えを待ちます。

 2日間で有名どころの遺跡はだいたい見れたので今日はちょっとマイナーな遺跡観光。午前中はクパルスピアンというシェムリアップから1時間以上離れた山の中の遺跡に向かいます。朝8時にチョクさんではなく別のガイドさんが迎えに来てくれたのですが、ここで初めてガイドと姉と私と2人だけというメンバーに。今までずっと複数人で観光してきたのでちょっと新鮮です。またガイドさんのテンションがチョクさんと全然違うので若干の不安が(苦笑)なんかチャラいんですけどガイドさん……。

 クパルスピアンまでの道中もジャングルをずーっと抜けていくんですが、その間もiPod聞きながらドライバーさんとぺらぺらしゃべってるし(クメール語わからないけどなんかノリが軽そうなのだけは伝わった)大丈夫かしらこの人、とか思ってる中駐車場へ到着。実際の遺跡は山頂付近にあるのでここから片道40分ほど歩きます。

 ジャングルの中を抜けていくのは結構面白かったです! 確かに山道なんですが、植生が明らかに日本の山とは違うので本当にジャングル探検って感じで。ガイドブックにはまだまだ地雷の撤去が完了しておらず人も少ないので……って書かれ方をしてましたが、なかなかどうしてもうすっかり有名遺跡な感じです。他のお客さんやツアーの皆さんもいてにぎやかでした。

 ガイドさんがたまに変な虫がいたりしたら教えてくれたりするんですが、基本的にペースが早い! 若いのにダメじゃん的なことまで言われてしまいましたがこちとら観光三日目で結構疲れがたまってるんですよ!と思いつつ必死でついていきます。

 てくてく歩くこと30分すぎ、で、ようやく川のせせらぎの近くに出てきました。川の中の岩や石に、よく目を凝らすとリンガやヴィシュヌ、シヴァなどの像が彫ってあるのが見えます。川の源流は聖地として考えられていたらしく、王様が沐浴するための場所が作られていたりしました。結構盗掘されていたり壊れていたりする部分も多いのですが、水はきれいだしガイドさんもポイントをいろいろ教えてくれるのでなかなか良かったです。やっぱり水が湧き出るところっていうのはどこの国でも大切にされるものですよね。

 写真もいろいろとってもらって、帰りもテクテク歩いて帰ります。途中でムカデを発見したり(元気でした)、つる性の植物がブランコみたいになってるポイントで写真をとったり、軽快なガイドさんがいろんな別のガイドさんに声をかけたり笑いあったり欧米の観光客に英語で話しかけたりするのを眺めたりしつつ帰還。それ自体もなかなか面白かったです。

 駐車場ではやっぱり物売りの女の子たちが寄ってくるのですが、その中の一人がチマキみたいなのを売ってまして。なぜかガイドさんがそれをおごってくれました。バナナとごはんをバナナの葉っぱにまいて焼いたバナナごはんチマキと、ごはんだけのプレーンチマキがあったんですが、どっちも超うまかったです。調味料とか全然はいってないのにバナナごはんめっちゃ甘くておいしいし! プレーンチマキも焼きおにぎりみたいで香ばしくておいしかったです。いやーありがたい。

 なんでおごってくれたのかはよくわからなかったんですが(そういう気分だったのかな?)なんだかんだで楽しかったので良かったですよ! 今のところガイドさんのハズレはないかなー。ただやっぱりチョクさんの実直で真面目で不器用な感じのガイドが気に入っちゃいましたけど(笑)

 お昼ぐらいにシェムリアップに戻ってこれたのですが、今日のお昼ご飯はツアーに入っていなかったのでセンターマーケットという街の中心で車から下ろしてもらいました。

 お昼ご飯は最終日にしてケンタッキーフライドチキン。街の真ん中に一軒だけあるのですが、やはり高級店なんでしょうね。中に入るとお昼時だというのに客はほとんどいませんでした。せっかくなんで独自メニューを頼んでみよう、ということで「ジンジャーバーガー」と「ワイキキバーガー」。そしてドリンクには「クメールジュース」。ちゃんと2階席もあったので誰もいないソファー席をひろびろ堪能しておりました。やっぱりケンタも万国共通な内装なんですねぇ。

 ちなみにジンジャーバーガーは竜田揚げみたいで結構おいしかったです! ワイキキバーガーはパイナップルが挟まってました(それも普通にうまかった)。クメールジュースはトロピカルフルーツジュースですね。何が入ってるのかはよくわからないですけど(笑)

 エアコンが効いていて涼しいし、ほかに客もいなくて静かなのでのんびり。ガイドブック眺めつつ休憩し、そこからオールドマーケットまで歩いてだらだら。というのも午後はまたチョクさん一行に拾ってもらってトンレサップ湖クルーズに行くためです。もともとは午後まるまるフリーの予定だったんですが、買い物も大体したしせっかくだから湖にも行きたい!ということで(日本でツアー予約したときは最終日はトンレサップ湖かクパルスピアンの2択だった)チョクさんに聞いたら追加料金を払えばOK、とのこと。オールドマーケット出たところのシェムリアップ川の橋の上で昼に待ち合わせねーということで約束していたのです。

 まだ時間があったので途中カフェに寄ってアイスを食べたりしつつ、無事に橋の上でチョクさんたちと合流。(ちなみに昨日から乗ってるバスが見事に車体まるごとマゼンタなめちゃめちゃ目立つマイクロバスなので、私たちは勝手にラブワゴン@あいのりと命名しておりました)ラブワゴンに乗り込んでいざトンレサップ湖です。

 ずっとご一緒しているご夫婦と、昨日一日ホテルのプールで泳いでいたという横浜から来られた親子と一緒に向かったのですが、すっかり仲良くなってしまっているのでいろいろお互い報告しあったりして楽しかったです。ご夫婦は西宮在住で阪神の試合をよく見に行っているとか、横浜からきた親子は旦那さんとお兄ちゃんを置いてきて女2人旅がどんだけ楽か、とか。旅は道連れとはよくいいますねぇ。

 疲れもあったので眠気をこらえつつ、湖に近づいてくるとまた集落がいろいろと見えてきます。トンレサップ湖は雨季と乾季で3倍ぐらい大きさが違うので、人々はそれに対応した暮らしをしているわけですね。まだ雨季になったばかりなので湖は現在拡大中、とのことですが、道沿いには湖上家屋(固定)の集落がちらほら。

 集落を抜け、港からクルーズ船に乗り込みます。10人〜15人乗りぐらいの木造の簡単なボートで、簡単な屋根と簡単な椅子が簡単に固定されているという素朴なモータボートです。みんなで座っていざトンレサップ湖の中へ。しばらく進むと湖上家屋もとい、船上家屋が! ちょうど小学校が終わる時間だったのか、みんな親や兄弟が小舟やタライ舟で子供たちを迎えに来ていて面白い光景でした。みんな本気で船の上で生活してるんだな……!

 普通の一般ご家庭も舟の上なら店も舟だし、さっきも言った通り学校も舟の上。子供たちはみんなタライ舟でうろちょろしているし、物売りの子たちももちろん船で寄ってきます。中にはヘビつかいの子供もいて、ヘビを見せてはチップを要求するという商売を営んでいるようです。手を振った子供がいたのでついうっかり振りかえそうものならすごい勢いで寄ってきて缶ビールとジュースを売りつけてきます。まあ手を振った手前買わないわけにもいかないのでやっぱりビールで乾杯しましたけどね(これもまたうまかったし良かったです)。

 そんな感じでみなさんたくましく生きてらっしゃるわけですが、水位が変わるのに合わせて毎年移動をされるのだそうです。いやーすごい生活だなぁ。

 途中でこれまた船上にある食堂兼お土産物屋兼休憩所、みたいなところでボートを下りて、チョクさんの解説。いろんな淡水魚がいて、貴重な水産資源なんだそうです。ただやっぱり漁獲量は減ってるらしいですねー。

 それから船上で街を作って暮らしている人々はほとんどがベトナム人とのこと。どうもベトナム難民の人々が内戦中のカンボジアにやってきてそのまま住み着いてしまった結果、だそうな。ここにも歴史がいろいろあるな……。

 ちなみにその休憩所ではなぜか大量にワニが飼われていたのですが(つくづくワニに縁がある! 好きだからいいけども)昔はワニもいい値段で売れたらしく、大人になったら皮にして売り飛ばしていたらしいのですが、最近はそれほど値段が良くないので観光用においてあるらしいです。おお、ワニがんばれワニ……。ちなみにクロコダイルキングダム(inベトナム)には負けますが、それでも結構なワニ量でしたよ! 見ごたえありました!

 上の休憩所に戻るとご夫婦がせっかくだからみんなで記念写真をとりましょう、ということでかわるがわるチョクさんも交えてみんなで写真をとりました。本当にたった三日間でもずいぶんと仲良くなるものです。

 またボートに乗り込んで、続いてトンレサップ湖のより奥へ。現在雨季で拡大中、ということで水の色は泥水で茶色く濁っているしあんまり綺麗ではないのですが、(落ち着けば綺麗になってくるそう)、やっぱり広さはとんでもなかったです!! 琵琶湖の5倍やら10倍やらって広さですからね。もう完全に水平線しか見えません! 見渡す限りの泥水、とい光景が逆に新鮮でした。茶色い水なので海みたい、には見えないんですよ。なんかもう異様な光景としか(笑)

 軽くぐるっとまわってもとの港に帰ってきたのですが、最終日に遺跡とはまた違った風景が見られてよかったです。クパルスピアンもダブルで一日で堪能できて良かった!

 今日の予定はこれで終了なのですが、ホテルに空港への送迎の迎えがくるまでにはまだずいぶん時間があります。すでにチェックアウトしてしまっているので部屋で休憩もできないし、買い物も済んじゃったし、疲れてるし、どうする?という話だったのですが、姉がスパへ行きたいとダダをこねておりまして。正直私は全身スパは興味がなかったので(インドで体験して恥ずかしすぎたのでいろいろ……)足だけだったら付き合ってもいいよ、ということで姉は全身、私は足だけのコースで1時間やってもらいました。

 別室でひたすら足だけマッサージしてもらったんですが、やっぱり爆睡(笑)だって疲れてるし気持ちいいしライト落としてあるし超リラックスですよ! いやー最後に疲れが落とせてよかった! やっぱり海外でマッサージしてもらう方が絶対価格的にも安いですよね。日本だと保険が効く整骨院しか行けないしなぁ……。

 17時ぐらいになったので(迎えは20時)そこから最後の晩御飯。ずっとカンボジア料理ばっかりだったので最終日はフレンチのお店に行ってみよう!ということになりました。カンボジアは元フランス領、ということなので何軒かフレンチのお店があるのです。といっても本気のフレンチは日本同様とってもお高いので、ガイドブックを検討した結果ちょっとリーズナブルなお店に行くことに。

 ホテル前からトゥクトゥクをチャーター。案の定2ドル!と言われたんですが絶対1ドル、じゃなきゃ別にいい、と交渉しなんとか1ドルで。実際にのって店まで行ってみたら歩いてもいけるぐらいにめちゃめちゃ近かったので1ドルでも高いぐらいだったかも(苦笑)

 ちなみに「バリオ」というお店だったんですが、見た目は普通のカンボジア料理のレストランと同じ感じ。メニューを見ると7ドルのステーキのコースがあったのでそれをチョイス。飲み物はビールとグラスワインで(ワインの種類はよくわからなかった)。前菜にパテが選べたんですが、パテはめっちゃうまかったですよ! 前菜、サラダ、ときて最後にメインのステーキが出てきたんですが、付け合せが山盛りポテトフライ(笑)フレンチじゃなくてアメリカンだ!と思いながらもぐもぐおいしくいただきました。まあ結局なんでもうまいよね。ビールに合うしね(笑)

 まだまだずっとカンボジアで観光していたい……!と思うぐらい楽しい3日間だったので、今晩もう日本に帰るのかと思うとすごくさびしい気分になってしまいました。海外行くと毎回そうなんですけど、ようやくその国に慣れてきたころに帰ることになっちゃうんですよね。1か月とか滞在できたらもっと違うものが見えてくるのかもしれないな、とか思います。ううう、周遊とかしてみたい……。

 時間がきたのでぶらぶら歩いてホテルまで。途中でコンビニ(24時間営業!)があったのでアイスとクロレッツを購入(クロレッツは世界的なブランド名だと初めて知った/メントスとかと同じ会社らしい)。本当に普通に観光しやすい便利な国ですよねぇ。

 最後の夜を惜しみながらホテルに戻り、20時にはチョクさんが迎えに。ご夫婦も一緒に空港に向かいます。本当に最初から最後までチョクさんには本当にお世話になりました、ということでお別れの際には握手と一緒にチップをはずんでおきました。なんかこう、チップってやっぱり本来こういう気持ちで渡すものだよね、と納得したというか。心からありがとう、と思いました。チョクさんのおかげでカンボジアがすごく好きになりましたもん! やっぱり出会いだなぁ。

 審査を抜けて最後のお土産物屋でポストカードを買ってリエルを使い切り、飛行機を待っていたら突然土砂降りに。3日間まったくといっていいほど雨に合わなかったのに、最後の最後でスコールが待ってました。もし雨だったらきっと観光も大変だったろうし見れないものも多かったんだろうな、と思うと天気にも恵まれた3日間でしたね。

 ハノイ行きの飛行機に乗り込み、最後のカンボジアに別れを告げました。ほんっとに楽しかったし、素晴らしかったです。ありがとうシェムリアップ

 まあ乗った瞬間から爆睡だったわけですけど(笑) ただ眠い目をこすりながらハノイ空港に降り立ったのはいいんですが、そこから乗り換えに結構手間取りまして。まずホーチミンではなかったパスポート審査をいちいち受けることになったのと(なんで同じ国なのに違うんだ/これが南北ベトナムの差なのか)、ハノイ空港の待合ロビーになぜか便名表示一覧の掲示板がなくて、我々の乗る関空行きの搭乗ゲートがどこかまったくわからないというのが大変でした。なんで表示されてないの! 意味わからん!!

 ご夫婦も一緒に帰るので4人でうろうろしながら探し回ったのですが結局ないし、しょうがないのでそこらへんにいた係員捕まえて聞いてここだよ、と言われたのは良かったんですが次の便名も表示されないので不安この上ないという状態で。まわりの日本人たちと一緒になんだかなぁ、と思いながら待っていたら、案の定直前になってから搭乗口変更のアナウンスが。まあそういうもんですよね……(慣れてきた)。

 無事に関空行きに乗り込み、かつ出発できたのであとは安心して寝るのみです! ということでひたすら何もかもをスルーして寝続けました。毎回帰りは機内食その他何も気づかないなんですよね(笑)

 今日はここまで。