のぼう様!!

いかんこれはいかんぞ。


案の定の9時起床で若干凹みましたがまあこれも気長に行くしかないですよね。その代わり変な夢というかリアルに嫌な夢、というのは減ってきた気がします。寝れてるか寝れてないかの判別もつかないのでイマイチどうなってるのかわかりませんが。睡眠とは奥深きものであることよ……。ちなみに陰陽師ばっかり読んでいるのでなんとなく頭の中が平安っていうか時代小説口調になっております。あなや!(わかりやすい)

朝バナナ→日記はいつも通りなんですが12時からの回ということで早めに準備していざ天王寺。先にチケット買って席をおさえてからお昼ご飯でルシアスの下の坦坦いってきました!いや、あまりにも店内がきのこ料理専門店(今昼は担担麺屋で夜はきのこ料理やというスタイルになっている)の様相を呈しているのでそのうち担担麺が食べられなくなるんじゃないかと不安に駆られまして……。まあでも夜はもっと居酒屋営業にシフトした方が儲かるってことなのかなぁ……。晩御飯で担担麺食べたいときだってあるとは思うんですが……。

さていざゆかんのぼうの城!ということで見てまいりました。以下感想。


やべぇ普通にめっちゃおもしれぇえええ!!

実は原作の名前は知っていたものの読んでいなかったので映画が初見だったんですが、めっちゃ良かったです!! 後で知ったんですが、これもともと映画のための脚本が賞をとった作品で、でもあまりにスケールでかすぎて映画化に金がかかるからノベライズして出版→ベストセラーになり話題になる→スポンサーつく→ようやく映画化!という流れだったというのです。いや普通にめっちゃ面白かったですよだって映画化前提の話なんだもの! もちろん小説読んでる人が見たって安心できる作品だと思いますよ。キャスティングもいろいろ言われてましたけど私は素直にどれもはまってたと思います。時代小説っていうよりは映画化前提だけあってキャラクターが立ってて一大スペクタクルがあってストーリー構成の妙があってとりあえず素直にやれおもしろい!と手を打つ作品でありました。

野村萬斎さん目当てでいったんですが普通に佐藤浩市めっちゃかっこいいしぐっさんいい味出してるし、成宮くんのまたこの小生意気な感じがぴったりだし、前田吟とか中尾くんとか、三成の上地雄輔も普通に良かったですよ! 刑部(大谷吉継)の山田君がいい感じに渋くてですね! 秀吉が市村正親さんとは知りませんでしたがこれまた豪快な感じで、三成を佐吉って呼んでるところとか、みっちゃん(三成です)が秀吉様にあこがれて備中高松の水攻めを見ててあんな戦をしたい!って思ってるところとか、自分にも人にも誇りや気位を要求するいい意味でのへいくゎい者なところが綺麗に描かれて良かったと思います。みっちゃんは自分にも他人にも厳しくて仕える秀吉様に純粋にまっしぐらなんだよ!あと刑部とのやりとりとかね。秀吉が紀之介って呼んでてみっちゃんのこと頼むぞ!って言われてるのがなんかもう豊臣軍びいきとしては(というか三成びいき)すんごい良かったです。敵役だけど悪役ではないところが妙ですな! さすが!!

でまあ本筋の成田家なんですけど、のぼう様は基本的によくわかんない人なので、よくわかんない萬斎さんはぴったりだったと思います(笑)だってオファーだけはもう5〜6年前に行ってたって話ですもんね。それありきで考えてますもんね。キャラクターが立っているのでそれぞれの合戦シーンの見応えはもちろん(やっぱりこの、映像化を前提に描かれてる、ってところが大事なんですよ、絶対!)やはり侍たるものこうあるべし!な感じが素直にすかっとするしかっこよかったし燃えました。萌えじゃないよ燃えだよ!! いいなぁやはり戦国武将はこうでなくては!と思わせてくれます。合戦シーン良かったなぁ。佐藤浩市さん演ずる丹波の騎馬上での一騎打ちシーンとかね! 鉄砲隊と騎馬鉄砲のかけひきとかね! ちゃんと忍城が浮き城と呼ばれるぐらい攻めにくい城であるっていうのもわかるし、戦略や軍議や、そういう戦国、日本の合戦ならではの武士(もののふ)の豪気といいますか!これ絶対男の人好きなんだろうなーと思います。だって私が好きだもの(笑)

百姓さんたちの描き方も良かったですね。のぼう様との関係性もそうなんですが、やはり侍と百姓との違いっていうのはありますし。前田吟がねーまたいい味出してるんですよこれが。百姓の強さ、土に生きる者の強さ、元をただせばわれら坂東武者の子孫である!って気概があるところとか。

のぼう様はじつをいうと前半は本当によくわかんない人なんですけど(家臣のキャラクターや石田軍の方が多く描かれる)開城迫られていやじゃ!ってつっぱねだすところからのぼう様のかっこよくなりきれないかっこよさが出てきて、でまあ水攻めに関しての余裕や、家臣や領民をひとつにまとめるための奇策としての田楽があるわけですが、ここはもう野村萬斎劇場ですよねー。だからオファーが行ったってわけじゃなく、別の振付師の方を呼ぶとかいう話もあったんですが、やっぱり2万人をのせる田楽をやるには自ら考えて作詞作曲して振付してやったっていうから素敵じゃないですか。まあ結局2万人の男どもを乗せるには下ネタが一番っていうのはすごい納得しましたけど(笑)だってモロッコ行ったときに大道芸人が下ネタで笑いとってるのだけはアラビア語全然わかんない私たちでも笑えたんだもの! とくに男ならわかりやすいものほど大爆笑ですよね。あとは音のリズムだと思います。のせやすい、のりやすい、もはやf分の1のゆらぎが出てんじゃないかっていうぐらいの「れろれろれろやぁ!」がね。「わっしょいわっしょい」とか「えいえいえいおー」とかもそうですけど、日本語の音律やリズム感がもつものってやっぱり日本人の体に染みついてると思うんですよ。俳句や和歌、川柳が今でも身になじむのと一緒ですよね。

最後の三成とのやりとりのシーンもめっちゃ好きです。上地くん良かったですよ! 年齢差考えたらだいたいそんな感じだと思うし、へいくわいな故に誇りを求め、かつ、そんな三成のこと好きな刑部っていう構図も良かったしねー。刑部も秀吉もそんなみっちゃんが好きなんだよな!っていうのがわかります。また正家の横柄な態度が対照的でよかったです。うーん、石田軍もやっぱり好き! のぼう様もかっこよさも存分に出てたし、男たちの誇り、っていうのがね、いいじゃないですか。かっこつけてるところが! あ、ちなみに奥方様も甲斐姫も良かったですよ。甲斐姫はおてんばでよかったと思いますし。いわゆる男臭い戦国映画、だけじゃない、エンターテイメント映画!にしてあるところも私はいいと思いましたよー。誰が見ても楽しめますもの。

でまあ公開が遅れた水攻めのシーンなんですが、ここはもう監督の特撮技術とCG技術が本当にすごくて。確かに公開をためらわざるをえないほどのリアリティのある水攻めシーンでした。すごかった。だって本物を見てしまったから。まるで映画みたいな現実の映像があって、それが本当に映画で再現されて映し出されたから。どうあってもやっぱり記憶は呼び起されてしまいますからね。

これもあとで知ったんですが、エンディングの最後に、現在の忍城跡を含めた埼玉県行田市の映像が映し出されるんですよ。実った田んぼや走る電車、子供たちが歩く姿、何気ない日常。一部残された石田堤の跡や、丹波がたてたお寺とか、今でも残ってる碑とか。私はその当時のそんな歴史があった上に我々が生きているんだよ、という意味でその映像を流したのかなと単純に思って、こういうのいいなぁ、って素直に感心してたんですが、あとで本屋でオリジナルの脚本を読んで知ったんですがこれはあえて意図的に、3.11をうけて追加された映像なんだそうです。そうなんですよ。水攻めされて、荒れに荒れて、何もかも流されてしまった場所が、ああなってしまった町が場所が、今はこうして人々が生きているんだ、っていうそういうメッセージが込められているそうです。

ということで本当に最初から最後まで飽きのない、よくできた、エンターテイメントと言える映画でした。戦国映画とか時代劇映画でもあるんですが、それよりもエンターテイメント性が強く押し出されているので、本当によくできた映画だなぁと私は思います。キャスティングに不満もなかったし! じつは三成はちょっと不安だったんですが、悪くなかったと思います。何より小説読まずに見れたのは幸せだったなと(笑)だって展開全然知らないんですもん! のぼう様が田楽やるとか知らないんですもんー!! 石田軍と一緒になって「なんじゃこいつ」って思いながら見てましたからね。あー楽しかったなぁ!

とまあ、こんだけ熱く感想を語りたくなるほど面白かった映画であるのは確かなので、もう一遍レディースデー狙って行って来ようと思います(笑)だって面白かったんだものー!お客さんも平日にもかかわらず結構入ってて、よかったと思いますよー。

で、終わってから本屋で雑誌チェックしたのち陰陽師の2巻目読破、っていう(笑)もう一回1冊ペースで順番に読んで行ってやろうと思います。あとのぼうの城の原作小説も読んでやろうかと思ったんですが、たぶん映画見た人が普通に買っていくんでしょうね、品薄状態になってました。(映画館の下にある本屋ですもんね)いや、よきことであるぞ! またどっかで探して読みます!

帰ってきてからは熱が冷めやらずついついネットで野村萬斎動画を探す旅にでてしまいました。基本的には狂言しかないんですが、今は積極的にyoutubeとかでも映画広報しているので、のぼう様関連の番宣映像は結構見ましたよ。それで映画に関する詳細を知ったっていうのもあるんですけど。陰陽師のときの番宣映像とか見つけちゃって、真田広之と一緒にインタビュー受けてるの見たら若っ!って思いましたけど今もかっこいいし昔もかっこいいですねぇ(うっとり)。NHKの木曜時代劇で主演で鞍馬天狗やってたっていうのも判明して思わずこれもTSUTAYAで探さねば!と思いました。

あと萬斎さんの本業である狂言もね、一回どっかで見たいなぁと。精力的に活動されておられるので実は見ようと思えばたぶん見れるんですが、さすがにちょっと落ち着けどうどう、という気分になりまして。いや何せ今暇なもんだから勢いだけで行っちゃいそうなんですよ!(そして行ってしまう行動力を自分が持っていることも理解している)まあ調べてみたところ定期公演もあるし、関西方面に来られることもあるようなので(実は今週末とか普通に京都でやってはるんですけど!/一瞬普通に行こうかと考えたけど!)まあいずれまた、と。そんなに料金も高くないですしね。しかし行くからにはやはり狂言というものをきちんと把握してから行きたいし、狂言DVDとかも出てるみたいなんでそれもちょっとTSUTAYAで借りてみようと思います。普通に「にほんごであそぼ」の萬斎さんだけまとめたDVDがあるらしくそれはいっそ欲しいレベルなんですけどね!(笑)

どっぷり萬斎さんに浸かってたら普通に夕方になっちゃったので晩御飯。賞味期限が2010年のシチュールーは果たして大丈夫なのか!?という実験を兼ねてシチューを作ってみました。いや、カレーなら香辛料でいけそうな気がするんですが、シチューって乳製品だし不安じゃないですか。でもパッケージ開けて匂い嗅いだらそんなにでもなかったのでいけるかなと。ということで晩御飯はマカロニ入りシチューとあいなりました。ひとりでは食べきれないので明日のお昼も自動的にシチューになりますがね。

煮込みに時間がかかるのでその間何やってたかっていうと台所でテレビ見ながら立ったまま牡蠣の山椒漬けを肴に日本酒でいっぱいやってたんですが、これちょっとはまりそうですやばい(笑)牡蠣は一日5粒まで、日本酒は半合まで!と決めていますよちゃんと! ひとりで際限なく飲むことはないし半合ぐらいじゃ本当に酔わないので、料理しながら飲んでも平気なんですよ! まあ決して良い習慣とは言えませんが、まあまあ。

夜はHDDの整理をして、お風呂にも入って就寝。明日こそは早く起きる!

今日はここまで。