案内と解説。

名前を覚えるのは難しい!


Iさんとの山歩きの予定となぜか高校時代の友人Kさんとの約束をダブルブッキングしてしまい、Kさんに謝罪の電話をしたらKさんが黙り込んでしまって怒らせてしまったどうしよう……!!!と泣きそうになっていやいやもともとそんな約束なんかしてへんがな!とつっこんで起きるという目覚めでした。久々に記憶に残った悪夢でしたね!

空模様は曇りでしたが、朝からバナナを食し、水筒に熱いお茶をつめて残りの食料はすべてコンビニ調達で(本当はおにぎり自分で作ったほうがよかったんでしょうけどね/おかずがなくて)9時10分に山中渓駅に到着。泉南の山に行くのは初めてなのでかなり新鮮でした!

山中渓から雲山峰をめざし、ぐるっとまわって山中渓にもどってくるという日帰りコースです。ほぼ和歌山との県境なんですが、Iさんはこのあたりをベースに植物観察や野鳥観察をされているらしく、ひたすら野鳥・植物の解説つきで山歩きを楽しみました。というのも今まで私がやっていた登山は純粋に頂上を目指すだけで歩くときに、そりゃまあ多少は周囲を見ますがあんまり何も気にしてなかったわけですよ。山頂にたった瞬間を楽しみにひたすら重いザックを背負って無言で黙々と上る、っていう感じだったので。それはそれで楽しいし良かったんですが、こんな風にひとつひとつ木々や植物、野鳥の声に気を付けながらゆるゆる進む、というのもまたいいですね。

Iさんがとにかく詳しいので、鳥の鳴き声が聞こえればあれはヒヨドリ!とかメジロ!とかウグイス!とか言ってくれるのが感心しきりでした。私も一応スポーツグラスは持って行ったんですがやっぱり野鳥観察用の双眼鏡とは見え方が違いますね。実際に姿をちらっと見れたのはルリビタキのメス(オスはその名の通りきれいな青い鳥なんだそうですが、メスは灰色)とセグロセキレイのペア?は確認できました。しかし野鳥っていうのも結構いるものですね! あと鳴き方が季節や場合によってそんなに変わるってことも知りませんでした。ウグイスの地鳴きがあんなに地味だったとは……。まだまだ鳴き声だけで判別できるほどはいきませんが、ヒヨドリがやたらうるさいのはわかりました(笑)めっちゃでかい声で鳴くのであれはすぐわかりますね。あとかなりいっぱいいた?みたいです。渡りとか留りとか生態について詳しくはしりませんが鳴き声はとにかく聞きまくったので。

あと植物の名前は何回聞いても覚えきれないといいますか……。とりあえず見分けがつくと思うのは、ヤマモモ、カゴノキ(樹皮が鹿の子ようなまだ模様になる)、カゴノキに似た樹皮だけど縦長にめくれるリョウブ、あたりですかね……。ネジキは樹皮がねじれているのでその名前がついたとか。ネズミサシはその名の通りネズミ避けに使われていたそうです。名称は「ネズ」が正式かな? あと秋に連れて行ってもらえればヤマコウバシはわかると思います。紅葉するのに落葉しない(落葉部分の遺伝子が発達してないとかなんとか)のでそれだけ目立つので。香ばしい匂いはそんなにしませんでしたが……。あと別名テングノウチワ、なカクレミノ! アオキはもう言われないとわかりませんたぶん(笑)あと魚のゴンズイと同じゴンズイっていう木もあるそうです。あと綺麗に真っ赤に紅葉してたのがハゼだったと思うんですが、ヤマハゼなのかハゼノキなのか(両方あるみたい)。あと柏餅の柏の葉の代用に使われるというサルトリイバラ、など。樹木系だとどんぐりが落ちるもので、ウバメガシ、マテバシイ、コナラ、クヌギあたりがあったと思うんですが、正直樹皮と葉っぱで見分けられる気はしません!(苦笑)

実がなる系だとヒサカキ(ビシャコ)、シャシャンボがよく似ていて、実が食べられるのはシャシャンボの方だとか。葉っぱの裏に蜜腺?のような凹凸があるのでそれを触って見分けるそうです。あと葉っぱがふわふわで毛が生えているのがヤブムラサキ、生えていないのがムラサキシキブでどちらも紫色の実をつけるとか。あと赤い実をつけて十両という別名をもつヤブコウジ。(Iさんは五両、っていってましたがどうやら十両の方が正しいよう?)普通にナンテンも生えてました。(低地の方ですが)あと食用になるアケビとムベ。葉っぱの見分けは尽きませんが、実の見分けはつきます(笑)普通のアケビとミツバアケビ(葉っぱが3つに分かれる)は両方ありました。ムベは郁子とかいてムベと読むようです。むべ山風を〜の句に出てくる古語の「むべ」は「なるほど」の意味でこれとは関係ないらしいですが、実の方の「ムベ」の語源は天智天皇が発した「むべなるかな(もっともなことだなぁ)」という言葉から、だそうです。むべ! あと野いちごではナガバモミジイチゴ(葉っぱがモミジみたい)ともうひとつぐらい見た気がするんですが思い出せないな……。

あと教えてもらったのはコウヤボウキ、アキノキリンソウカンアオイ、センボンヤリなど。あ、成長しきったゼンマイはまったく面影がなく覚えるのに苦労しました(苦笑)。キク科は種類が多くて難しいそうなんですが、ノコンギクヨメナの違いなど。ヨメナタンポポみたいな毛がない?のが違いだそうな。あとはシダ類で、ノキシノブ、マメヅタなどの特徴的なものから、コシダ、ウラジロのスタンダードなものはわかりますが、それ以外になってくるともう種類が多すぎて!! 聞いてもすぐ忘れてく気がします……。ちなみにスミレ類もめっちゃ多いらしいです。

とにかくまあIさんがお詳しいので一回出てきた植物とかだとテストしてくれるんですが、自分の記憶力のなさに愕然ですよ(苦笑)やはりこれは魚類と同じくひたすら写真にとるか図鑑をみて覚えるしかないんでしょうね。Iさんも最初の頃はとにかく帰ってきて図鑑で調べて、を繰り返していたそうですから。

雲山峰は標高409mでピークなんですが展望はそんなによくなかったです。でもそれまでの第一パノラマや稜線沿いの道が開けて景色は良かったですよ! ただ天気予報は晴れだったのが終始雨が降りそうな微妙な曇天でしたが……。

そして高校時代にはいていたボロボロの登山靴で臨んだ結果、中盤から靴底がはがれ始めるという事態に(苦笑)なーんかべこべこするなぁと思ったら見事にかかとからはがれかけてるではありませんか! 仕方がないので最初はザックのポケットを止めていたゴム紐(ザックも高校時代のものでゴムものびのびなので抵抗なし)をハサミで切って応急処置をしてたんですが、下山するころには右の靴が完全にはがれたので、左もはがして帰りました。まあさすが登山靴、靴底がなくたって歩けないことはないあたりが丈夫ですね!

ちなみに山中渓の駅に戻る直前に日本最後の(オフィシャルに認められた)仇討ちの碑がありました。最後の仇討ちはおそらくドラマにもなった秋月藩の話でしょうが、こちらはきちんと免状をもらって正式にやった仇討ち、の最後、となるようです。仇討ち文化ってのもいろいろありますからねぇ。

また山中渓自体も昔は熊野古道の宿場町としてにぎわっていた場所だそうです。また温泉もあり、山中渓温泉として営業していた旅館もあったそうですが、それもすべて廃業になっているとか。やはり時代の移り変わりとともに人がいなくなっていってしまったんでしょうね……。

で、山中渓から電車にのって東岸和田で降り、Iさんおすすめの居酒屋へ。泉南名物だというがっちょ(ネズミゴチ)のからあげをいただきました! あとワタリガニのから揚げもすんごくおいしかったです! 日本酒も泉南の地酒をいただいたんですが、丸一日歩き続けた疲れからかまあ酒がまわることまわること。ビール1杯、日本酒2杯で相当酔っ払ってた気がします。Iさんも地元ってことでかなりの油断っぷりで(わかりますけど/笑)今からうちにシメにそうめん食べにおいで!ということでそのままのノリでIさんのマンションにお邪魔。知り合いからもらったという「ド・ロさまそうめん」をいただきました。これがそうめんを愛してやまないIさんの中で、ダントツNo.1だった「三輪そうめん」の座をおびやかすほどにうまいというのです。素麺会社の娘としてそれは食さねばならぬ!!といただいたんですが……た、確かにうまい! 太さは三輪そうめんよりも太くてちょっと平打ち?っぽいところもあるんですが、味が確かにいいんですよ。なんでも長崎の素麺で、ド・ロ神父という宣教師が製法を伝え、ピーナッツ油を使って作られているというそうめんなのだそうです。

まあ記憶があるのはこのあたりまででそうめんを食べた私はそのまま寝てしまったらしいのですが(どんだけ油断してたんだ)、1時間ほどで目が覚めたらIさんがすでに風呂上りでびっくりしました。とにかく謝り倒して(もちろん笑って許してくださいましたが)無事に家に帰り着くことができたのでした。

しかし充実した一日でしたよ! 植物も野鳥も、やっぱり自然は奥が深い!

今日はここまで。