異界への扉。

思考回路もフル回転。


 連休中ということもあってか2カ月ぶりの青春エコドリームにはきゃっきゃした大学生ぐらいの女性が後ろに乗ってて久々にいらいらしました! 止まるたびにおしゃべりしていいってわけじゃないし、ましてやSAで肉まん買って持ち込むのはやめなさい! においのきつい食べ物禁止!!(からあげじゃないだけマシとも言えるけど)まあ寝るのは寝れたんですけどね。隣の席の人が私と同じぐらい夜行バス慣れしてる方だったんで2人して一切SAで止まろうが微動だにしないっていうね。でもJRバスもかなり時刻表改変されたし、朝型にSAに止まるようになってたりしたのでちょっと便も選んだ方がいいかもしれません。でもせめて7時には東京駅についてほしいんだよな……。

 無事に到着して八重洲の地下で軽く身支度整えて今回はビッグサイトへ。天気は快晴ですがさすがに外で待つのは寒かろう、と思っていったら中で待たせてもらえました!良かった! おかげでヒートテックキャミソール+ヒートテック8分丈+タイツ+靴下+毛糸のパンツ+セーター+カーディガン+ダウンコート+レギュラーサイズの貼るカイロで行ったら汗だくになりましたけどね。いやでも嬉しい誤算ですよこれは! ということで椅子に座ってひたすら新渡戸先生の武士道を読んでおりました。もっと小難しいかと思ったら全然そんなことはなく、むしろうんうんなるほど!と思うことばかりで大いに楽しく読ませていただきました。というか普通に心が熱くなりましたよ! タイムリーに吉田松陰先生の辞世の句とか引用されてて「やむにやまれぬ大和魂!!」とか叫びたくなりましたけど(気分は覚馬さん)面白かったです。あくまで客観的に日本の精神性について海外向けに説明をした本、という立ち位置なので押しつけがましいことも何もなかったですしね。むしろ海外の人々の誤解の部分が面白かったりもしました。これはもう1周ぐらいしたいなー。

 で、普通に読み終えてしまったのでボーヴォワール第二の性の1巻目へ。こちらは当然のことながらフランス人だし時代も1949年とかだし、今とはだいぶ違うこともあるんですがさすがジェンダー論の基礎となる本ですね、いろいろなるほどなぁと思うこともありました。母娘の関係性とか、身体的特徴とか。まだ1巻目はあくまで幼年期から第二次性徴までのらへんで、論の展開というよりは細かく事象を分析していく段階だと思うんですが、自分に回帰させると面白いですね。そう思うと確かに私のこの考え方は母によるところも大きいんだろうなと思います。結論はもちろん5巻目まで読破してからじゃないと出せないんですけどね。

 とかなんとかやってるうちに開場になったのでそこからは速やかに買い物を行いました。今回は豊作で諭吉先生が2名ほど出て行かれることになりましたが悔いはなくむしろ満足であります! 早めに羽田に移動し、たまたま見つけた天丼てんやでオールスター天丼と小うどんのセットを頼んだら800円で驚きの品質でした。東京なのに! この味とボリュームとは!! 天ぷらが海老とホタテといんげんとまいたけとれんこん入って、うどんは関西風味の薄味のダシで薬味にネギとゆずが付いてくるんですよ、っていうか東京で丼とうどんのセットとか! てっきり知らないだけで関西の店なのかなと思って見たらめっちゃ東京のチェーンでした。ということは東京人がようやく丼+うどんの最強の炭水化物セットがうまいってことに気づいたってことですね。八重洲の地下にもあるらしいし普通に毎回天丼でもいいんじゃないかと思うレベルでした。いや東京で価格と味が見合う、かつお得感すら生まれるってことがなかなかないものでね。

 満腹になってチェックインして早めに検査場通って待ってる間も戦利品を読みふけり、久々のJALは連休中日のお昼の便ということでがらがらなのをいいことに帰りも読みふけり、なんだったらめっちゃ快晴なんで久々に景色なんかながめちゃったりして、JALなんでドリンクもいただいて(SKYゆずがSKYシークヮーサーになってた)ゆったりと伊丹に到着。ちょうど出たらバスが来たところでまったく待つことなくスムーズに天王寺に帰還。うーん、これで新幹線より安いとは!! 今後もやっぱり飛行機帰還かなー。

 で、帰ってきたら16時半でそこからもう一回荷物を整理しなおして今度は奈良に向います。Yちゃんと「なら瑠璃絵」に行くのです! 2010年からはじまったイベントで、要は観光客の少ない2月のこの時期になんとか来てもらおう!というイルミネーションイベントなんですが、それに合わせて東大寺戒壇堂が夜間拝観できるというのでそれ目当てで行ってきました(先月も行ったけどね!)。提灯行列とか灯篭が並んでたりとか、そういうのもなかなか良かったんですが、夜の戒壇堂は一味違いました。普段は自然光だけなので結構薄暗く、遠目にみるだけだとわからなかった表情がライトアップされることにより一層生々しく、かつ鮮明に四天王像が映し出されるのです……!! 5周ぐらいしてじっくり眺めていたのですが、表情が本当に生々しく、持国天増長天の睨みが本当に眼球が動くんじゃないかっていうぐらいにリアルで、多聞天広目天は表情に刻まれたしわが鮮明に見えて普段よりもいっそう悩ましく(なんだったら老けて)見えました。陰影が強調されるせいか、身体のラインもよりくっきりわかるし、なんだったら邪鬼の表情もより鮮明に見えて、夜の戒壇堂もいいよね……!と思いました。ああもう本当にここの四天王がいちばん素敵……!!(先月も見ています)

 そこから久々に南大門の仁王像も見に行ったら仁王像もライトアップされてより鮮明に見えてそれも良かったです!! 足の爪までくっきり見えたよ!(どこ見てんだ) 仁王像も本当にほれぼれしますよねぇ肉体美。というかもう慶派の表現力がすさまじくてため息です。東大寺ってほんっっっとうに素敵な仏像がたくさんありますよね……! 久々に日光月光菩薩も見たくなってきたな……。

 でまあ実をいうとこれは別にメインではなく、イルミネーションがメインなので春日大社の参道へ。毎年初詣に来るくせに春日さんは全スルーなので参道自体も久しぶりだったんですがここがまあおかしなことになってました!! まず木々が生い茂る参道の中に突如現れるミラーボールに度肝を抜かれ(いろんなところに反射して完全に妖怪の百目みたいな世界になってる)、木につるされた不思議な青い実に驚き(完全に回復アイテムかセーブポイント)、今話題のアートプロジェクションによるゲートは音とデザインが完全にぶっ飛んでて異界への門となってました。今調べたら春日の雷の神様タケミカヅチをイメージしたってそんなもんじゃなかったですよあの飛び具合は!!

 そのくせ石灯籠に明かりがともってたりするので完全に違う世界へ行くための道って感じになってました春日大社。まあ名前からして「ミラクル春日参道」って書いてましたけどね。もう方向性がイレギュラーすぎて逆にグッジョブ!って感じです。いやーすげぇ面白かった! はしゃいだ!! 時間オーバーでお参りできないぐらいに!

 そこからメイン会場の奈良公園に行ったら完全にテンションがクリスマスでした。LEDのイルミネーションの中にたまに不思議なモヤッとボール(懐かしい)みたいな不思議な実がなってたりしましたけどね。いやーしかし初めてなら瑠璃絵いきましたけどなかなか楽しかったですよ! 寒かったけど!!

 そのままYちゃんちに戻ってお風呂に入って就寝しようと思ったんですが朝から何せ武士道と第二の性を読んでいたせいか脳の回転が治まらず2時ぐらいまでフェミニズムについての議論をふっかけるという酷いことをしてしまいました。いや本当に思考が暴走しすぎであるよ!!

 今日はここまで。