京都の狩野派は濃い。

 山雪さんにときめきが。


 昨日に引き続き今度は朝イチで京都です。京都国立博物館で開催されている京狩野の代表、狩野山楽と山雪でございます!

 実は京博にちゃんと入るのは初めてなんですが、リニューアルしたばっかりでめっちゃ綺麗ですね! 展示はもちろんですが、ガラスや照明がすごく良くてさらに見応えがありました。やっぱり定期的にメンテナンスがいりますねー。

 紹介文が全体的に熱がはいりまくっててなかなか濃かったんですが、やはり狩野派、金地への色使いや表現がすてきですね!! 山楽さんの龍虎図はめっちゃイケメンでキリっとしているのに対し、息子の山雪の龍虎図はどこかユーモラスでほのぼの。豪快かつ才能にあふれた山楽に対して、山雪はすごく繊細なんだなーっていうのは竹垣に書き込み方とか遠景での水平線の取り方とか、緻密で綿密で神経質で、でもどこかふっと抜ける部分があってとても好感が持てました。どこか、不器用なのが、いい!! もんのすごくかわいらしい猿猴とかいてびっくりしました。何あれ!

 基本的に禅画多いのでいろいろ考え込んでしまうのですが、蝦蟇仙人が連れてる白い三本足のカエルにときめいたり、寒山拾得の背筋が震える笑みにぞぞぞとなったりしてました。いやでも確かに濃い!! 特に山雪さんの白の使い方がすんごく繊細で綺麗で素晴らしいのですよ。狩野派といえば金地にカラフルにどーんも素敵なのですが、こういうのもいいよねぇ、とまったりしてしまいました。

 ミュージアムショップで見事に罠にはまり、猿猴デザイントートバックとかなにこれ買えってことなの!?(逆ギレ)となるぐらいに気に入って購入。でも一番気に入った山雪さんの方の龍虎図は売ってなくてしょぼんとしました。ああでも山雪さん素敵……! 調べてみたら実は毎年行ってる(今年いけなかったけど)吉野水分神社の襖絵が山雪さん筆だとか。ついつい真ん中の枝垂桜に目がひかれて襖スルーしがちでしたけど、今度行ったときにちゃんと見てこよう……! ていうかちゃんと公開してるのかな?(吉野は何かと秘していることが多い)

 お昼ご飯は本当はイタリアンに行こうと思ったらいつの間にか自転車屋さんにかわっていたのでインド料理屋へ。タンドリーチキンがめっちゃうまい! カレーもナンもうまくてついついビールも飲んじゃってぺろっと平らげてしまいました。

 午後は南禅寺へ。Yちゃんが南禅寺に行ったことがないというので連れて行ったんですが、久々ですね! 私が南禅寺に行ったのは前職の館長に湯豆腐を食べさせてもらったときだったんで、本当に大人の南禅寺でしたよね……(遠い目)

 天気が良かったのでインクラインの線路をてくてく歩いてみたり。いまいちびわ湖疎水についてあまり理解していなかったんですが、案内板で首都がうつって京都が荒廃していたときに経済復興を遂げるきっかけになったと書いてあって思わずうなってしまいました。確かに首都機能はずーっと京都にあったわけですもんね。政治機能が江戸であったとしてもそれ以外は全部京都が中心地ですもんね。幕末から明治〜昭和って本当に激動だったんだなぁと思います。いやいつの時代も激動だったんだろうけど、やっぱり一番自分から近い時代ですしこうやって残ってるのが見えるわけですもの!

 たまたま歩いてる最中にちらっと見かけた無鄰菴という庭園を見かけて寄り道。なんでも山縣有朋の別荘だったそうです。実は山縣有朋という名前だけは知っていて何をした人かはさっぱり知らなかったんですが、軍部の人だったようですね。今ざっとwiki先生に聞いてみたら掘り下げたら面白そうな人ではあります。何せ戦後ひたすら軍国主義者として意図的にマイナス評価を受けていたというあたりがとても気になりますね!!(最近判官びいきをこじらせています)

 でも別荘のお庭は普通にとっても素敵でした。天気が良くて借景も素晴らしくて、池の水がゆるやかに流れていて、本当に素晴らしい庭園でした。洋館もあったんですが、見た目は思いっきり土蔵でした(笑)白壁もひとつ間違うと蔵になりますな。階段やお部屋はきれいでしたよー。ここで日露戦争の話をしてたっていうから歴史ってすごいものです。

 さていざメインの南禅寺。やはり青紅葉もすばらしいですな!! 紅葉の季節には間違いなく素晴らしいであろうと思われる紅葉が茂っておりました。とりあえず山門に上って景色を堪能。天井の絵は狩野探幽筆だったようですが、あんまりはっきりとは見えませんでした。

 続いて水路閣。火サスごっこしないとだめだよねということで歩きながら琵琶湖疏水を堪能。やはり水の流れは涼しげでいいものです。

 法堂の天井をのぞいたら龍がいたんですが、これも公開してほしいなー! 調べたら結構新しいものみたいですけど、それでもみたいじゃないですか、ねぇ!

 方丈はこれでもかと襖絵があるのと、有名な小堀遠州作の枯山水のお庭、虎の子渡しがあります。まあ枯山水はイマジネーションの問題だと思うんですが、これを楽しむとなると本当に禅の世界に旅立たないとだめですね。けれど今ならもう一度父が買っていた一休宗純の伝記漫画やマンガ「禅の思想」を読んで違う感想が得られるかもしれません。今度実家帰った時に探してみよう。如心庭という心という形に石を配置した庭とかもう深すぎてよくわかんない……! 輪廻庭という六道をぐるぐるする庭の方がまだ俗世に近くてなんかなじみやすかったです(笑)

 でも禅寺っていうのもやっぱりいいですねぇ。相国寺建仁寺もまた行きたいなぁ。相国寺の龍がまた公開されたら見に行きたい!

 みっちり見た後はロフトへ行ってもろもろ購入してから帰還。オーレで久々に一口とんかつ&からあげ定食をむさぼってから家に帰りました。Yちゃんの製本を仕上げてから風呂に入って就寝。いや、京都を堪能しましたですよ!!

 今日はここまで。