永平寺の本気。

もはやアトラクション。


 無事に6時20分に梅田につけたのでそこから颯爽と家に帰って荷物まとめてすぐに出発し、無事に8時になかもずに着くことができました。今回はトヨレンでヴィッツではなくパッソです。やっぱり小さいなー。

 とりあえず手続きもろもろを済ませて荷物を積んでCD入れてETCセットしてドリンクやらガムやらをセッティングして準備完了。待機していたところでZちゃんが到着しました。今からいざ福井に向かいます! 本当は越前松島水族館で夜の水族館に宿泊できるという(水槽の上で寝られるんだって!)ニッチなツアーがあったのでそれに参加したかったんですが、GW中にもかかわらず最少催行人数が満たせず成立しなかったという悲しい事情があるんですがね……。でもるるぶまで買っちゃったし普通に福井旅行に行くか!ということで出発です。

 カーナビ設定したらとりあえず阪神高速に乗せようとするんですが都会の高速なんかのってられるか!ということでガン無視して美原インター方面へ。まあ結局コンビニよったりうろうろしてたら松原まで行っちゃったんですけどね。まあいいや。

 近畿道をすっとばして第二京阪からの名神へ。途中の菩提寺SAで休憩して竜田揚げを食べて、名神から北陸道へ。福井ICについたのはちょうど12時ぐらいでした。結構飛ばしたけど時間がかかりましたねー。まあちょっと混んでたところもありましたけど。

 福井ICから永平寺に向かう途中でお昼食べていく?ということに。永平寺は山の中なのであまりお店もありません。できれば名産の越前そばとか食べたいよね、とか言ってたらちょうど交差点でお蕎麦屋さんの看板発見!「けんぞう蕎麦」と書かれた看板にひかれて道をたどっていくとまさかの激混みの大人気のお店で行列できてました。いやだって普通の住宅街の中ですよ!? そんなに!?と思うぐらい突然のにぎわいでびっくりしましたが、じゃあ先に永平寺見てからにするかーということで永平寺へ。

 行く途中の道は全然混んでないし意外とすいてるのかなーと思って参道につっこんだら突然すごい人と車がわらわら固まっててびっくりしました。奈良も人のこと言えないですけど、田舎って人が集まるポイントが少なすぎてすんごい極地的ですよね!! 参道の狭さとか土産物屋の感じとかがめっちゃ長谷寺っぽいなと思いました。各土産物屋さんが何円以上お買いもので駐車料金無料!!っていってるのがね。

 とりあえず公営のやつにいれようと思って挑むもあと1台のところで惜しくも満車。仕方がないので別のお土産物屋さんの駐車場に入れました。ほんとうに一苦労だな!

 さて初めて来たぜ永平寺!と思ったんですがよくよく考えたら名前しか知らなった私。禅宗の寺というイメージしかなかったんですが曹洞宗大本山なんですねー。道元の名前はもちろん知ってます。とりあえず受付の券売機で拝観券を買ってから近代的な会館の中へ。すんごい地元の天理教の大教会に来たような気分ですが、そのあと座敷に観光客が集められて正座でお坊さんの説明を聞くというくだりになってようやく納得しました。今も当たり前ですが禅宗大本山として修行僧がたくさんいらっしゃる場所なんですね! 観光地化してますけど、禅の修行が今も脈々とされている場所なんだなーと思いました。まあお坊さんがそういうことを説明されたわけですけど、最初に「永平寺には国宝の建物も仏像もありません!」と断言したあたりがすがすがしいな、と思いました。

 とはいってももちろん七堂伽藍は見事なものでしたよ。近世以降に再建されたとはいえ普通の建物とは違いますもの。まあ完全にきちんと順路が設けられて逆にアトラクションのようでしたけどね。システマチックなあたりが逆にきちんとしていて好感が持てます! 雪深い山の中なのに発酵してないあたりがいいですね。いやでもある意味禅宗も発酵してるといえばしてるのか……? 宗派について説明とか教えについての説明はそれほどなかったので(教えるもんじゃないんでしょうけど/只管打坐も難しいですね)とりあえず建築と自然との融合を楽しんで帰りました。天気が良かったのも良かったです!

 いろんなものをそぎ落として自己と向きあう方向に行ったのが禅ですもんね。私は基本的に奈良仏教か浄土信仰しか知らないので禅について今ならもうちょっと理解が深まりそうな気がします。父がいろいろ教えてくれたんだけどあの時はまだ若かったからね……!(苦笑)

 なんやかんやでみっちり回って終わったのは14時。お土産(永平寺みそ)も買って、いい加減にそろそろ蕎麦屋もすいてるだろうーと行ってみたらまさかの大行列リターンズでした。えええええ……! 逆にそんなに人気なけんぞう蕎麦とは何者ぞ、という気分になったのでそっから1時間待って入りましたとも!! いやー寒かったですもはや。

 ちなみにメニューにあった「けんぞう蕎麦」を頼んでみたんですが、つけ汁が辛味大根の汁でつゆを割ったものだったんですけど、尋常じゃなく辛い!!!!もちろん蕎麦はうまいんですけど大根の辛みがもう痛いぐらい辛くてとにかく辛いとしかいいようのない辛さがもう!!!っていうすんごいインパクトでした。な、なんというけんぞう蕎麦……! 唐辛子ともわさびとも違う独特の方向性ですよね大根の辛さって……! 耳鼻咽喉が思いっきり刺激されてすごいことになりましたけど。いやうまかったです。うまかったですよ!

 なんでもここのご主人、全日本素人そば打ち名人大会で2年連続優勝したという実力者だそうです。つまりあれですね、これはもう店出しちゃいなよ!というパターンですね。どうりでお店が民家だと思った……。やはり辛味大根が人気でこれが病みつきになる、とのことです。うんでもなんか立地といい蕎麦好きが探してきそうな感じしますよね……。

 そんなことをしていたらすっかり夕方になってしまったので、最後にもうひとつだけ行けそうなところ、ということで福井市内の福井市立郷土歴史博物館へ向かいました。なんとここ、公共の施設なのに19時まで開館しているのです。これならちょっと時間が余った時に行けるよねーといいながら車を走らせます。道中ちょっと驚いたのが普通に道の周辺にずらっと国旗が掲揚されていることですね。正直大阪にいるとまず見られない光景だよなーと思いました。だって古いおうちの玄関とかもれなく国旗がかかってるんですもん! お国柄というのがあるんだろうか……。

 当然ながら博物館前にもがっつり掲揚されていたのを目を細めつつ、博物館へ。特別展はこれまた濃い「麗しきチベット仏教の絵画」というものでした。チベット仏教独特のタンカと呼ばれる布製の掛け軸みたいな絵画があるんですが、それを堂内に掲げて拝んでいるそうです。なるほどなー。ちなみにチベット仏教に出てくる仏様とかの簡単な解説とかもあったんですが、密教がとても密教すぎてもう!(深淵なる世界)中国経由してきた日本の仏教とは違ってインドから直輸入な感じなので、とりあえずインド色がすごいというか、仏教だけども後期密教を結構リアルに取り入れているとのことで像とかもそんな感じでした。手とか足がいっぱいあるよー。あとあからさまだよー。(カラフルで綺麗だけどさ)

 常設展は普通に福井の歴史だったんですが、やはり注目すべきは幕末でしょうね。春嶽さんがとてもフューチャーされておりました。そりゃそうかー。私も越前って言われてぱっと思い浮かぶのは朝倉さんぐらいですもんね。若狭とは別の国ってことですからそういう意味ではちゃんと越前の歴史を見たのは初めてかもしれません。面白かったですよ。基本的に中世は荘園!って感じでしたけど。荘園難しいよ荘園……。

 ちなみに博物館の前には松平家の別邸だったという養浩館庭園があります。こちらも19時まであいてます、ということで夕暮れの庭園でまったりしておりました。池が広くてよかったです!! すっかり日も長くなりまし、まさに黄昏時な雰囲気でございました。

 そこから福井駅のショッピングモールで先にお土産を購入。知らず知らずのうちにいつになく散財してしまいました。ほたるいか羽二重餅とお干菓子と越前和紙! 最近お茶づいているのでなんとなくお茶に使えそうなものを買ってしまいますな。

 続いて駅併設のスーパーに。地産地消を押していたのでいろいろご当地ものが買えました。中でも衝撃的だったのは「おちらし」ですけどね。煎った麦を粉にした、いわゆる「はったい粉」らしいのですが、これをお湯で溶かして飲むそうです……。裏面の説明書きに「昔の思い出がよみがえります」って書いてあったんだけどこれどう考えても戦時中の思い出だよねっていう。私が飲めばいったいどんな記憶がよみがえるというのか!!

 でもスーパーって面白いですよね。国内でも違い出ますもん。海外でもスーパーに行くのが一番楽しい気がします。そこに暮らす人々の生活が見えるっていうのがいいですよね。

 ようやくホテルに引き揚げたんですが、格安でとったわりにすんごいきれいなホテル。チェックインして荷物を置いてから、徒歩圏内にあった海鮮居酒屋に行きました。お刺身はもちろん珍味各種をこれでもかといただきましたよー。珍味があるととにかく日本酒が進むので調子にのってかっくらっておりました。そこそこ良い気分になって帰還したらそのままバタンと眠りました。あいや満足である!

 今日はここまで。