大分満喫。

雨だけど。


 やはりそこまで慣れていないのか、普段の夜行バスレベルで寝たり起きたりしておりました。布団が微妙に暑かったりと気温調節に失敗したからかな? 帰りはもうちょっと工夫の余地がありそうです。

 どんな感じで起こされるのかなと思ったら5時半に強制的に放送が入りました。まあそうですよね。車で来てる人は最初の人が車出してくれないと次の車が出られませんもんね。朝もレストランは開いてるんですが、時間も早いし降りたらなんかあるだろう、ということで下船準備。当たり前ですけど身支度整えられる移動手段って素晴らしいですね!(そればっかり)

 無事に時間通りに到着したものの、降りてみると別府は見事な土砂降りでした……!(ぬるい笑み)といってもどうしようもないので荷物抱えて折り畳み傘で歩き出します。目星をつけていたパン屋さんが近くにあったのでそこまでずぶ濡れになりながら歩きました。サンダル失敗したなー……。

 でもパン屋さんはおしゃれでイートインもあって、パンの種類もすんごくいっぱいあっておいしくて安くてすごく良かったです! 大阪だとこの値段では食べられんやろ!というレベルのパンがごろごろ。ドリンクも100円で、こういうお店近所にほしい、とガチで思ってしまったのでした。別府、いいところだね!

 腹ごしらえをしている間に雨も少し落ち着いたのでレンタカー屋へ移動。今回はトヨタレンタカーさんにお世話になります。白ヴィッツでした。

 ただ何せ雨なので、予定ならば午前中に地獄めぐり、午後はもう少し足を延ばして、と思っていたんですが変更。まずはお土産を買いに行こうということになりました。別府駅にお土産屋さんがあるだろうということで別府駅へ。キオスク内でお土産を物色します。会社へは定番のざびえるにしたんですが、そのほか何かないかとうろうろ。黒田官兵衛大友宗麟が推されていたのでわかりやすく官兵衛チョコクランチクッキーとSORINビールを購入してしまいました。ていうか宗麟はSORINと表記されることが普通すぎてもう驚きません。かっこいいよSORIN。素晴らしいよSORIN。

 そのほか駅前のスーパーとか市場とかどうかな、と思ってみてみたんですが開店が9時でまだ市場すら開いていなかったというね……! 雨もやむ気配がないので続いて大分駅に向かいます。

 大分駅はなんだか工事中?だったので、駅前にあったマルミヤストアへ。別府でも見かけたので大分ではメジャーなチェーンなんですかね? とりあえず例のごとくスーパーをひととおり物色しました。地方のスーパーって見てるだけで楽しいですよね。野菜とか本当に地産地消で地元のものがいっぱいあっていいなと思いました。生椎茸が安いよ……! あと海鮮も豊富です。うらやましい。スーパーの寿司のクオリティが違うんだ!!

 かぼす果汁やらあおさ汁、いりこ、だんご汁、松前漬のもと、だし醤油など、地元っぽいものをあれこれ発見したので買い込んでしまいました。いやでも絶対おいしいと思うんだ!!

 スーパーを後にして、じゃあ先に早めにお昼食べちゃうか、ということで大分駅前にあった海鮮のお店へ。ここまできたら食べねばならんだろう!ということで海坊主まんぞく膳2300円をチョイス。刺身にお寿司に味噌汁、小鉢、とり天がついております。友達が頼んだ定食のごはんまで頂いちゃってまるっとたいらげました。しかも食後にはデザートとアイスコーヒーが! なぜアイスコーヒー限定なのかわかりませんでしたけど、どちらもおいしくいただきましたよー。

 食べた後はよし温泉だ、ということで別府に戻って公衆浴場の竹瓦温泉へ。入湯料100円という安さですが、由緒ある建物で、歴史を感じました。本当に正しく昔の公衆浴場って感じですね。中に入ると本当に湯船だけで、洗い場も何もなく、湯船のへりに柱がどーんと立っているのがすごかったです。

 ちなみに朝から雨に濡れ、スーパーでさらに冷やされ、お昼は刺身に寿司でついでにアイスコーヒーとシャーベットを食べたのでこの猛暑と言われる夏にも関わらず体の芯まで冷え切っているというおかしな状況だったんですが、熱いお湯が効きました……! まあ熱すぎて(温度43℃)すぐにあがっちゃったんですけどね。

 うまい具合に雨が上がっていたので、ではメインイベントの地獄めぐりだ!ということでいざ地獄。海地獄から順番にまわっていくのが良い、というアドバイスがあったのでまずは海地獄へ。ここで共通券を購入します。(スマホ10%割引がありました)

 車に乗ってる時から山のあちこちから白煙が上がっていたのですごいな、とは思っていたんですが、実際に見てみたら迫力が違いました。す、すげぇ……! 硫黄臭と蒸気はもちろんですが、水面の色がおかしい……! 海地獄はその名の通り、綺麗な青白色をしております。硫酸鉄によるブルーとのことですが、水温98℃。その熱を利用して隣の池でオオオニバスとかが栽培されてました。地獄噴気利用温室があったんですが、英訳が「Hell emitting gas use greenhouse」なのがとてもよかったです。ヘル・エミッティング・ガス!!

 続いて鬼石坊主地獄。こちらは灰色の熱泥がこぽこぽと湧き出す地獄で、イメージする温泉に近いかも。温泉施設が併設されてました。

 で、山地獄。温泉があるわけではなく、岩の間から蒸気がすんごい勢いで噴き出す地獄でしたが、なかなか見ごたえがありました。ここは動物園があって、クジャク・カバ・ラマ・フラミンゴ・ゾウ・ニホンザル・マントヒヒなどなど。カバが屋外で飼育されているのが珍しいということだったんですが、飼育場の上から下を見下ろす感じになっており、ニンジンなんかの餌をあげることができます。覗き込むとまさにカバがニンジンを奥歯でぼりぼりやっているところで、カバの咀嚼シーンを真上から見るというある意味貴重な体験ができました。毛穴とかすんごいリアルなんですよ……! あとあんだけ口でかいのに奥歯はすごく奥まったところに並んでるのとか! カバすげぇカバすげぇとひたすら眺めておりました。 ゾウが奥の檻に引っ込んだままで見れなかったのは残念だったんですが、ラマはなぜかひたすら往復運動してたし、フラミンゴも間近で見れましたよー。

 マントヒヒはどう考えても悟りを開いているとしか思えない目線とポーズで「諦観」を表しており、ニホンザルのペアは私たちを見るとわざわざ奥に寝転がっていたもう1匹のサルの毛づくろいをする様子を見せてくれました。完全に私たちを見てから動きだし、さも「これが見たいんやろお前ら」というような雰囲気で一瞥をくれていたので合ってると思います。さすがである……!

 鬼山地獄は私が一番期待していたといっても過言ではないワニ地獄に異名をもつほど多数のワニを飼育している地獄です! なぜかベトナムでクロコダイル・キングダムに足を踏み入れて以来いっそワニに憑かれてるんじゃないかと思うぐらいワニ遭遇率が高いのでもはやワニ愛もひどいんですが、その名に恥じないぐらいワニが大量にいました……! 土日はワニの餌やりが見れたらしいんですが、今日は月曜日なのでやっておらず、しょんぼり。でもワニが50匹ぐらいひとつの飼育場にわんさかいる光景はとてもテンションがあがりました……! 可愛いよワニ。素敵だよワニ!!(なぜここまでワニに愛着がわくのか自分でもわからない)

 その向かいにあるかまど地獄はちょっとしたパラダイス。なかなか面白そう……ではあったんですが、見事に韓国人観光客の団体さんとぶつかってしまったのでちょっとテンション減。団体さんが悪いわけではないのですが、特に中韓の方々のテンションがね……。ここでは地獄ピータンというゆで卵が有名なんですが、団体さんが皆さん一斉に堪能しておられたのでしばらく隅っこで大人しく待ってました。なんとか足湯とピータンにはありつけたのですが、うん……という気分だったので早々に退散。来てもらえるのはありがたいんだけどラムネをこぼしまくってそこらじゅうに卵の殻を捨てまくるのはどうかと思うんだ……。

 続いての白池地獄は人が少なくてまったり見れました。熱帯魚館が併設されているんですが、そこのあおりがとても昭和で、こちらもパラダイス感満載。「アマゾンの人喰魚 ピラニア」とか「アマゾンの大王魚 ピラルク」とか昭和のあのフォントであちこちに掲げてあって、ピラルクの水槽にはわざわざ「このガラスは拡大鏡ではありません」とか注意書きが書いてあるんですよ。ああ、昭和の人々がきっと目を輝かせて見に来ていたのだろうなぁ、と思うとたまらないじゃないですか。今は水族館も動物園も増えたし、飼育技術も向上したからどこでもなんでも見れますけど、昔は地獄の熱を利用して熱帯の動植物を飼育できるっていうのが売りだったわけですし。歴史を感じるなぁ。

 血の池地獄は少し離れているので車で移動。その名の通り酸化鉄で真っ赤に染まっている地獄です。歴史は古く、赤温泉として風土記にも載っているとか。昔は温泉として入ってたみたいですが、着物が赤く染まってしまうというクレームですぐに閉鎖したそうです(苦笑)でもなかなか見ごたえがありました。海地獄と血の池地獄はそれぞれ入浴剤が売っていたので両方購入しました。おうちで地獄気分ですなー。

 最後は竜巻地獄で、こちらは間欠泉という、定期的に地下からぶしゅーっと温泉が吹き上がるやつです。間欠泉自体を生で見るのははじめてだったんで、結構テンションあがりました! 湧き上がる間隔が短い(40分間隔)のが特徴らしいですね。100℃の温泉が吹き上がるので危険、ということで周りや天井がコンクリートで固められているのがちょっと残念ですが、これが自然の状態で吹き上がってればそりゃ昔の人たちはビビるなぁと思いました。

 どの地獄にも共通でいえることですが、どれも自然にそうなっている、っていうのがすごいですよね。場所も近いのに鉱物によって色も見た目も全然違うし、形も違うし。その昔、別府の地方は農業に適さない土地として大変で、まさに地獄だったといわれてしまえばそうなわけですしね。いやー面白かったです地獄めぐり!! 日本には本当にいろんな場所があるなぁ。

 帰りのフェリーが18時45分出港と少し早いので、晩御飯を買って中で食べようかということに。スーパーで名産のお弁当でも買ったらいいかな?ということでゆめタウンへ。マルミヤストアでは売っていなかったあれこれもあったので、それも合わせて物色したものの、お惣菜コーナーではとり天以外にそれほど何もなく。うーん……という気分になったので、別府の交通センターに行ってみることにしました。すでにその時点で時刻は17時半。結構時間もぎりぎりだし、いっそここのレストランで食べてしまうか!と思って入店したら、18時閉店なんです、とのこと。よくよく考えたらもう普通の人たちはみんな乗船済みで、そりゃ18時には閉まるわな!と納得したのでそこからさらに別のスーパーへ。18時45分出港ということは少なくとも10分前には乗船してないとダメで、そこまでにガソリンを入れて車を返して、レンタカー屋から港まで歩いて……と考えたらもう時間がギリギリ。しかも道がラッシュで混みだしており、かなりスリリングな状況に。とりあえず近くのスーパーによって、2割引きとか半額のシールが貼ってあるから揚げやサラダ、太巻き、ビールなどを買い込んで、ガソリンをセルフで入れ、18時すぎにはなんとかレンタカー返却。荷物をまとめて(お土産&晩御飯で大荷物)大急ぎで港に向かいます。なんとか18時30分に乗船手続きをすまし、18時35分には乗船しました! ま、間に合った……!

 なぜ行きに引き続き帰りもこんなにギリギリなんだ……!と思いつつ、ベッドに荷物を置いて、ラウンジでごはんを広げてビールで乾杯。何やら慌ただしいし、半分は雨と買い物で費やされてしまった別府の旅でしたが、なかなか面白かったですよ! 往復の船旅も込みで今回の旅行ですしねー。

 お風呂も昨日から学んで早めに入った方がいいということがわかったので20時すぎには入り、21時にはお金の計算も済んで後は寝るだけの状態に。もうやることないし、寝るか、ということで健康的に22時には就寝しました。行きで布団が少し暑いことがわかっていたのでシーツだけで対応。疲れもあってか、見事に朝まで熟睡いたしました。

 九州までの船旅、そして別府地獄めぐりと、なんだか昭和に流行った旅を満喫した気がします。でもはやり、いくら時代が進んでも、雰囲気があった良いものですよね! 次はフェリーでどこに行こうかなー!

 今日はここまで。