思い通りにならない世界。

頑張っても報われないことだってある。


 午前中はひとまずまったりしていたのですが、お昼休み前に事務室にて係長と待機。どうなりますかねぇ、という感じで待っていたら、リーダーNさんがひとりでやってきました。あれどうしたの?と聞いたところ、昼休み、という約束で待っていたら昼休みなってからあと15分で駅につくのでーというのん気なメールが来てイラっとしてこちらに来たようです。わかってたけど、当の本人まったく事態の重さを理解してないな……!

 とにかくNさんが怒り心頭だったのでなだめつつ今までの経緯なんかを聞いてたんですが、基本的にNさんはしっかりもののきっちりタイプ。やると決めたらきちんとそれぞれしたいし、事前に準備をするなら打ち合わせをして決めておきたい。逆に相手の男の子Kくんは典型的なノリで生きてる大学生っぽく、やる気だけは人一倍あるけど時間は守らない〆切は守らないやるといったことを最後までできないタイプ。完全に水と油な二人なので、NさんがイライラしていることをKくんは理解できないし、Kくんがそういう人間であることをNさんは許せない、というのがよくわかりました。

 しかしそうはいっても今回の交換留学に関しては、大学としての公式行事なわけであり、学生主体のプロジェクトとはいえ大学同士の協定に基づくものです。サークルじゃありません。そうなるとKくんの言い分はあまり通りません。もう20歳超えてるし、こっちだって仕事なんだから時間厳守、〆切厳守、ちゃんと最後までやりぬく、という当たり前のことを求めていきますからね。まあすでに彼は現在進行形で遅刻中なわけですけどね。

 で、ようやく遅れてKくん登場。本人はびっくりです。2人で話をすると思ってたら大人が2人も待ち構えていたので、え、え、という感じでそのまま別室へ。4人で話し合いをすることになったんですが、まあどう考えても1対3の構図にはなりますわな。というか元から最初は先生からKくんに対してもっとちゃんとやらないとダメだぞっていう注意を促してもらいたいだけの話だったのに!

 とりあえずNさんが何に怒っていて、Kくんが認識していなかったことを認識してもらい、何か言い分があるなら聞くし、今後注意して改善していくためにはどうしていくべきか考えよう、というような話をしていたはずだったんですが、とつぜんKくんが会話の途中で号泣。思わず3人ともドン引き。ポロポロ涙をこぼすどころが大声でワンワン泣くので、とりあえず落ち着けや、としか言えません。

 そこからなんとか話を建て直し、今後はメールできちんと報・連・相すること!という基本的なことを話し合い。途中でKくんが私たち2人だけに話をしたいと言い出したので、とりあえずNさんには最後に何か言いたいことある?と聞いたら、Nさんもなかなかに強烈なことを言い放って帰っていきました。いやしかし完全にベクトルが違いすぎて歩み寄るとかそんな問題じゃない関係性ですねこれはね……。

 Nさんのフォローはあとですることにして、ひとまずKくんの話の続き。で、私たちに言いたいことってなんだね、と聞いてみたら、今回の交換留学は辞退します、とのこと。正直私も係長も、この状態で行かせるのは不安でしょうがなかったので、それならそれで良いけども、でも後悔はしないのね? 大丈夫ね? と確認。どうも本人的には大学の看板背負っていくという感覚がまったく欠如していたというか、思っていたレベルではなかったようですね。ちょっとした海外旅行気分ぐらいだったと。まあこれまで留学経験もないし、海外もこの前いってきたカンボジアが初というし、まあそんなもんですかねぇ。こればっかりは彼ばかりを責められないのだけれども。

 そしてそこからなぜか延々と人生相談がスタート。これまでもどうやらいろいろあったらしく、サークルの部長を解任されたり、ゼミの幹事をクビになったりしているらしく、引きこもっていた時期もあるとかなんとか。そんだけ挫折してるんやったらそっからなんか学ぶことはなかったのか、と思わなくも無いんですが、ひとまず君の考え方が甘すぎる、自由すぎる、少なくとも責任を果たしてはじめて自由が得られるのである、的なお説教くさいことを散々2人で言って聞かせました。

 その話の途中でも2回ぐらい号泣のターンがあったんですが、あまりにわぁわぁ言って泣くので、思わず「君が泣いてるのはなんなの? 怒り? 悲しみ? 悔しさ? どれなの?」と真顔で聞いてしまいましたよ。そしたら帰ってきたのが「思い通りにならない世界」ですからね。そうだね世界は君を中心に回っているわけではないからね!!!!

 完全に泣き方としても小さい子が癇癪起こしてギャン泣きするのと一緒な感じで、泣かれてしまうとこっちも何もできないのでテイッシュ渡してとりあえず鼻かめよしか言えないんですけど、しかしまあ、ここで気づいてよかったというべきか、もっとなんとかならんかったんかというべきか……。

 係長に14時から別の会議が入っていたのでとりあえずいったん終了し、ようやくお昼にありつけました。どっと疲れましたよ本当に……。まあこれでなんとかなってくれればいいんですけどね。

 今週長すぎやろ……と思いながら退勤して、久々の整骨院へ。がっつり全身もんでもらって、帰ってからはビールで乾杯。自分にご褒美だ、ということでウイスキーをちびちびやりながらシャーロックシーズン3を鑑賞。いやもう愛が深すぎてマジ愛だよね愛! This Love!!とか思いながらニヤニヤしていたら、係長から突然の電話。んん?と思って電話に出てみたら、なんと昨日ステイ先に引き渡したフランス人がステイ先を追い出されることになったとのこと。な、なんだってー!!!!

 酔いも一瞬で覚めてどういうことですかそれ、と事情を聞いてみたら、事前に渡していた彼の履歴書では英語も日本語もそこそこ話せると書かれていたのにまったく話せない。部屋にカギをかけてひきこもっている。なんだったら写真ももしや別人かもしれない。不安だ、こんな子をひとり置いてでかけたりできない! もうムリだこちらでは引き受けられない!!とのこと。まあ気持ちはわからなくはないんですがそれにしたって土日どうすんねん、という相談。ひとまず明日の朝に係長がステイ先まで迎えに行き、土日の宿をどこかホテルを探しそこにつっこみ、月曜日以降に別途調整することに。ただ問題なのは当の本人がどこまで事態を理解してるかなんですよね……!

 そこからとりあえずNさんに電話。フランス語ができる学生につないでもらい、彼女はもともとフランス留学中に彼と会ったことがあり、メールアドレスなども把握しているとのことだったので説明してもらうことに。時間にして既に深夜で日付超えてますけどね。申し訳ない……! とりあえず2時ぐらいまで待機して彼に連絡がつくかどうか試してもらったけれど、結局この日はつながらず。あとは明日係長が迎えに行ってからまた報告します、ということでいったん終了となったのでした。

 世界って、マジで思い通りにならないもんだぜ!

 今日はここまで。