バリ旅行最終日。

最後までギリギリ。


 最終日ぐらいはホテルの朝ごはんが食べたい、ということで7時前にはチェックアウトの準備を整えて、レストランへ。7時からなのでレストラン前で待機していたのですが、朝食ビュッフェは予想以上のレベルでした! ナシゴレンもミゴレンもめっちゃおいしいし(少なくとも一昨日のインスタントではなかった)、オムレツにソーセージにポテトの暖かいプレートがもらえるし、パンも種類いっぱいあるし
なんならレストランがオープンテラスですんごい気候もさわやかで良い気分でした。本当に昨日と一昨日の朝食が食べられなかったことが悔やまれるわ……!

 まあそこで調子に乗ってしまったのがいけなかったんでしょうね。ただでさえ昨日に胃をひっくり返してワインを飲んで胃が迷走している中、朝食ももりっと投入したところで完全に私の胃は営業を停止しました。

 荷物をまとめてチェックアウトして迎えの車に乗っても結構危ない汗が出てくるレベルに胃が気持ち悪く、ガイドさんと合流して最初の目的地まではガイドさんの説明もそこそこに爆睡。でも結構車が揺れるので寝るのも結構しんどいんですよねこれが……。

 まあ胃のことはしばらくおいといて、最初の目的地へ。世界遺産に指定されているタマン・アユン寺院に到着です。ガイドのウィダナさんがまあ丁寧な方で、ひとつひとつものすごく詳しく解説してくださるのですごく良かったです。バリの世界遺産は建物や景観だけではなく、バリ島全体にある「トリ・ヒタ・カラナ」という哲学に基づいて整備されている「スバック」という水利システムおよびそれに付随する文化的なものすべてをまるっと世界遺産登録されているそうです。「スバック」とは水を公平に分配するためのシステムで、そこにバリ・ヒンドゥーの信仰が結びついて、各スバックごとにお寺が建てられたり祭りが行われたりしているのだそう。その中のひとつがタマン・アユン寺院というわけです。

 インドでみたヒンドゥー寺院ともカンボジアで見たヒンドゥー寺院ともまた異なるバリ独特の景観だなと思うのは茅葺の塔(メル)。ひとつひとつがお社で神様を祭ってあると思うんですが、屋根の数はやっぱり奇数で、その数によって祭る神様が変わっているのだそうです。綺麗に整備されていて、観光用に闘鶏の模型がおいてあったりしました。でも世界遺産に指定されてからは、実際にここで闘鶏が行われたり、台所で調理がされたりはなくなったとのこと。

 でもお寺の雰囲気はすっごく身に馴染むというか、心が穏やかになる空気が流れてました。日差しはまぶしいし暑いんだけど日陰に入れば涼しいし、風は気持ちよいし、ハイビスカスやプルメリアの花があちこちに咲いていて、色鮮やかなのも良かったですねぇ。

 ゆったり回って車に戻り、続いてはジャティルイ村の棚田へ。心は穏やかなんですけど胃腸がちっとも穏やかになってくれないので(まあ激怒させた自覚はあります)、移動はとにかく寝て回復につとめます。

 ジャティルイ村は当たり前ですが結構な山の中なので、細くて狭くてぐねぐねした道をひたすら登り、ようやく到着。ちなみにインドネシアの交通事情的にはほとんど日本車が走っており、右ハンドルの左側通行なのでものすごく景色が普通です。まあ全部マニュアル車ばっかりですけどね。

 先ほども説明してもらったスバックシステムを体現しているのがこの棚田。世界遺産に指定されているだけのすばらしい景観でした。見渡す限り綺麗に整備された緑の田んぼが広がっているのですもの!!

 真っ青な空に緑がとてもよく映えます。遠くの山もよく見えて(これは珍しいのだそう)あぜ道をてくてく歩いていきます。ウィダナさんがまあ丁寧に真面目に毎回写真をとってくれるので、その都度ポーズをとってパチパチ。水田でちょうど田植えをしてしばらくしたころ、とのことでした。田んぼ自体は散々見て育ってきてるので普通なのですが、その合間にヤシやらバナナやらが大量に植わっているのが違和感であります。そういえばここは東南アジアであった。

 白米だけではなく黒米や赤米も作っているそうで、緑の革命で品種改良されたり生産性をあげた時期もあったらしいのですが、そうすると今度は水不足や農薬による汚染や、過剰な利益による争いが生まれ、スバックシステムが崩壊しかけたのだそうです。で、結局やっぱり今は伝統的な文化を尊重するように戻ってきているのだとか。どこの国でも同じなんですねぇ。

 お昼ごはんはそんな棚田を一望できるビュッフェレストラン。ランチ代は込みこみなのですが、せっかくだからとビンタンビールを注文、乾杯。まあ私の胃はそこが限界でしたけどね……! どんだけ寝ようとも景色を堪能しようとも、私の胃は本当はもう営業してくれることはないようです。まああんだけのことをすればね、営業再開まで時間はかかりますよね、うん……。

 仕方がないので景色を堪能しつつぼんやり。でも本当にバリっていいところだなぁとしみじみ思います。まず直行便があって便利だし、海は綺麗だし、ご飯はおいしいし、何よりいろんなものが馴染み深いというか、落ち着くというか。私の中のリゾートはあくまでグアム・サイパンだったので、それと比べるとやはりご飯のおいしさで確実にバリ島に軍配があがります。

 また次来るときは今度こそゆったりリゾートを満喫しような、と反省しつつ、ご飯が終わったので次の場所へ。ウルン・ダヌ・ブラタン寺院というお寺です。このお寺は世界遺産には登録されていないのですが、湖に浮かぶお寺として有名だそうで、50000ルピア札のイラストにも使われています。ちょうどこの日はお葬式が行われていたそうで、お坊さんたちがなにやら儀式を行っておられました。

 ここにきてようやく観光客がわらわらいる場面に出くわしたのですが、今回の旅ではほとんと中韓の団体さんには出会ってこなかったんですよね。スミニャックの中でもビーチ側ではなく街中のホテルだったので団体客が全然居なかったし、レストランも欧米系の方が多かったし(オーストラリアからの観光客が多いらしい)ダイビングも個人グループばかりだったので中国人のカップルも来られてましたけど普通でしたもの! まあブラタン寺院の団体さんはまだ少なかったしそこまでうるさくはなかったですけどね。そういう意味では良かったですけどね! 何せ団体さんになったときのあの喧騒はハンパないのですよ……。

 湖の傍というのもあるのかかなり広い敷地があって、芝生の公園みたいになっているエリアにはなぜかいろんな動物のオブジェがおいてあったり花壇があったり。テーマパークみたいだなぁと思いながら歩いていると、なんどプチ動物園を発見。動物園というか、動物と一緒に写真がとれるよ!というようなところだったんですが、そこに猛禽を発見。トリクラスタ的にえ、撮りたい!!とテンションがあがったのですが、なんと大蛇がいるではないですか! トリクラスタ以前に爬虫類クラスタである私はもうさらにテンションがあがり、渋る姉をよそに大蛇との写真撮影決定。ちなみに他の動物は全て500円程度ですが、大蛇だけは1000円でした。でも1000円なら安いものですよ……!

 白地に黄色い模様のあるニシキヘビで、アルビノかそういう種類かはわからなかったんですが、体長2メートル近くある大物。それを姉とふたりで並んで首からかけてもらいました。ひんやりしてすべすべしていてお目目が赤くてかわいいのですよ! いやー念願のヘビとのふれあい! やった!!

 途中でシューシュー言い出したりしたんですがそれもまたかわいくて。ぐるぐる巻きついてきても全然嫌な感じもなく私はおおはしゃぎ。ひとりずつも撮影してもらいましたが私の満面の笑みが生まれたと思います。

 他の動物達とも、触るのはダメだけど撮影はしていいよーといわれたのでパチパチ。小さいふくろうさんがずらっと止まり木に並んでいたり、見たことのない熱帯系の派手な鳥がいたり、でっかいこうもりがいたり、イグアナがいたり。どいつもこいつも超かわいかったです。ちなみに姉はオーストラリアでニシキヘビと記念撮影しているのですが、通常カラーはいけるけどアルビノは怖くてダメだそうです。アルビノウサギも苦手なんだとか。ウサギは確かに野うさぎの方がかわいい気はしますけど、ヘビはどっちでもいいなぁ。どっちにしろかわいいんだもの!

 そんな寄り道をしつつ、車に戻って市場へ。が、ガイドさんが定価や相場がわからないのであんまり買わないほうがいいですときっぱり言われてしまったので買い物は特になし。ですが、一応ウィダナさんおすすめのコーヒー農園につれていってもらいました。コーヒーの解説をあれこれしてもらい(英語解説だったので若干危ういですが)試飲もさせてもらいました。お昼をビンタンで済ませているところにさらなるカフェインという暴挙ですが、まあここまできたらもう関係ないよね☆ということで飲みまくっておりました。

 バリコーヒーは粉に直接お湯を混ぜて、上澄みを飲むスタイルなのですが、それと並んで有名なのがジャコウネココーヒー。聞いたことはあるものの詳しくは知らなかったんですが、ジャコウネコがコーヒーの実を食べ、種が消化されずに排泄されたものから豆を取り出し、焙煎したものです。独特の香りがあり、世界一高級なコーヒーとして取引されているらしく、一杯500円で飲めますけどどうですか?とのこと。せっかくだしいっとこう!ということで飲んでみました。そんなにクセも強くなく、結構飲みやすいコーヒーという印象。ですが逆にそこまで独特さも感じなかったので購入まではいたらなかったです。普通のおいしいコーヒーでしたけど。

 ジャコウネコもケージに入れられていたんですが、やつらもかわいいですね! フェレット的かわいさがありました。(イタチとはまた別の生き物ですが) 土産物屋さんではついうっかりバリワインとして紹介されていた蒸留酒を試飲してみたり。ワインといいつつ味は完全にスピリットで、香りも良い感じ。ココナツとお米から作られているそうです。

 そんな感じで一日のツアーは無事に終了。ホテルまでの帰路はひたすら寝てたんですが、それでも最後の酒とコーヒーで止めを刺したのか、胃が歩み寄ることはありませんでした。まあ鬼畜の所業にもほどがあるような胃腸の使い方したので自業自得ですけどね!

 ホテルに戻ってまずは土産を購入せねば、ということで近所の雑貨屋さんを中心にうろうろ。バリ雑貨はかわいくていいですねぇ。目星をつけていたブティックではかわいいトンボ玉のブレスレットを発見したので購入。姉は試着してみて気に入ったワンピースを購入しておりました。ついでにかわいい生地の巾着袋も購入し、続いてはスーパーへ。

 結構大型で土産物も結構あったので、ヌガーやらチョコサンドやらのおやつ系と、雑貨系を買いあさりました。まあ会社で配る分にはこのあたりで良いかと。

 さあでは晩御飯だ、ということだったんですが、何せ私は一切のものを受け付けられない状況なので、姉にお任せ。ホテルの向かいのステーキハウスに行くことになったんですが、私は付け合せのポテトと炭酸水を飲むだけで精一杯でした。ポテトを詰め込みながら、いやしかしこれは一度トイレでリセットしたほうがよいのかどうかについて真剣に悩むという有様でした。そう思うと姉は本当に元気だなぁ(遠い目)。姉のすごいところは私がどれだけ極限状態に追い込まれていようと全ての予定を遂行していくところだと思います。まあ世の中の姉という存在はきっとそういうものなのですよ……。

 ホテルのロビーに戻り、預けていた荷物を出してもらって荷物整理。迎えてがきたので空港まで送迎してもらい、無事に出国審査も待たされることなく通過し、土産コーナーへ。姉は残っていたルピアを使い切るべくコーヒーを購入したところ、ルピアが足りずに日本円プラスで支払い。するとお釣りが出るはずだったんですが、10円玉が発見できなかったらしく、お釣りがなぜかルピアで返って来ました。まあ20円分のルピアもらっても仕方がないんですけどね……。

 飛行機を待つ間はひたすらFacebookに投稿したりLINEをしたり。WiFiが使えると本当に世界が広がるようになりましたねぇ。

 時間が来たので搭乗し、離陸とともに就寝しました。最後まで胃との和解ははかれなかったですけど、まあ仕方がない!

 今日はここまで。