29歳。

それでもひたすら、前へ。


 朝起きたらNから誕生日おめでとうのLINEがきていてよしよし忘れていなかったのだな、とほっと一安心。まあこっちは気づかずに爆睡していたわけですが。

 今日は履修登録の修正最終日、ということで最後の最後までいろんな学生に対してやきもきすることになりました。大半の子はちゃんとしてくれているんですけどね! やっぱり個別に電話して窓口に呼んで指導して、の繰り返しでした。まあそれでも例年に比べれはスムーズに行ったほうがな気がしますが。

 そしてずーっと母娘関係がこじれて大変になっていたところも、ようやく結論が出まして。まあお母様も納得されたということですし、本人も区切りになればいいな、と思います。窓口で話をしてみたんですが、来年のことは何も考えてない、ということでした。まあだらだらと大学に居続けるよりは一度リセットしたほうが良いのかもしれません。親御さん的には割り切れない部分もあるとは思いますけどね。

 終業後は天王寺へ繰り出し、まずはソフマップへ。PCの音声をコンポのスピーカーから出力したくて、それをつなぐ線を購入したかったのと、宇都宮でいまいちスマホの充電がうまくいかず、新しい充電器を購入したかったのです。

 でまあケーブルは見つかったので良かったのですが、充電器選びに熟考してまして。なんでもUSBのケーブルには高速充電に対応しているものとそうでないものがあり、またACアダプタにもアンペア数で違いがあるということが判明して、ではいったいどれを選べば高速に充電できかつ安全なのか!ということについてそれこそスマホ片手にひたすら検討。まあ純正が一番いいのはわかってるんですが、そこはやはり他の電子機器にも利用したいじゃないですか。特に海外で使うことが前提なので、ああでもないこうでもない……といろいろ悩んでいたら、Nが到着してしまうという(笑) 結局ソフマップで合流してから指輪の購入に行くことになりました。

 で、肝心の指輪でございます。既に比較検討は済ませているので、提案を伝えまして。まず前提として私もNも指輪をつけるという習慣がなく、また指輪にそれほど執着もない。なので、婚約指輪は不要である。

 よって、選べる選択肢は3つ。1.普通に私にファッションリングを贈ってもらう。2.普通に2人でペアのファッションリングを購入する。3.指輪を購入するという行為自体を一回で済ますため、結婚指輪を購入する。さあこの3つのうちどれだ! 選べ!と聞いたところ、1か2でお願いしたいとのことでした。3に関してはやはりNにとっては「一手が重過ぎる」だそうで、そこまでの踏ん切りはつかないそうです。まあ結婚指輪なんて本人達の気分の問題だし、選択肢2で購入した指輪をそのまま使っちゃえばいいんじゃねーの、って思ったんですけどね。

 で、既に店舗も含めてリサーチ済である旨をつたえ、とりあえずMiOにいこうと提案。店舗に行くと、既に私がネットで目をつけていたブランドがあるので、このあたりかなーとショーケースを覗いていると店員さんにお声がけいただきまして。で、ペアリングを探しているのですが何せ我々指輪をまったくはめず、自分のサイズもよくわかっておりませんと申告。サイズを測ってもらいました!

 ちなみに私は8号がジャストサイズ。Nは18号が入りますね、という感じでした。我々には10号もサイズ差があるんですって! ちなみに既製品のペアリングはどちらも大きめで揃っているか、小さめで揃っているからしく、10号差のペアはないのでオーダーになります、とのこと。そうなるとお値段も若干上がるんですが、まあまあ想定内(私にとって)。じゃあオーダーかなーってことで、目をつけていたブランドからチョイスすることになりました。ちなみに実際にジャストサイズのものをはめてみると抜くのに一苦労だったので、それぞれ1号ずつあげて9号と19号ということに。

 あれこれ選びながらさりげなくこのブランドって日本のブランドですか?って聞いてみたところ、予想通りシチズンです、とのお答え。そうそうシチズンで探していたのですよ!ということで聞いてみると、意外とこのブランドは人気らしく、製法は鍛造製法です、とのこと。Nは機械専門なので、鍛造いいっすよね!と盛り上がっておりました。指輪の製法には鍛造と鋳造の2種類があるわけですが、鍛造の方は読んで字のごとく金属を鍛えてつくる製法。鋳造は型に溶かした金属を流し込んで作る製法です。鍛造の長所はなんといっても強度。工業製品に多く使われる製法で、丈夫さがうりなのですが、その分複雑なデザインや繊細なデザインには向きません。鋳造製法は逆に型から作るので複雑なデザインが可能なのです。

 まあどう考えても我々ふたりは鍛造でしょう!ということで、嬉々としてデザイン選びへ。最終的には半分つや消しになっているデザインに落ち着きました。カットで光を反射してキラキラするものもあったんですが、自分の指にキラキラしたものがはまっているという事実に慣れない気がしましてね……。(指輪も慣れるかは疑問である)

 オーダーなので文字をいれたりもできますがどうします?といわれたのでせっかくなのでいれてもらうことに。じゃあ名前ですかねぇ、ということで二人の名前をいれることにしたのですが、お互いの呼び方が完全にあだ名ななので(Nも本名のイニシャルではないし)、結局私もいわしで彫ってもらうことにしました。まあ別に誰に見せるもんでなし、我々だけが認識していればいい話なのでね!!

 というわけで出来上がりは一ヵ月後とのこと。支払いはNが全部やってくれました! そしてもちろんポイントは私に。ありがとう!!

 お受け取りはNがしてくれるので、じゃあNから私に贈ってくれるときにいろいろ期待しておくよ、ということで無事に購入は完了しました。ええ、次はちゃんと待ちますよ! さすがに攻勢をかけすぎたからな!!

 でまあ二人で店でた瞬間どっと息をつく、というね。何せ私もNもジュエリーショップなどに行かないもんですからね。よしこれで目的は果たしたし飲みに行こうぜ!ということでワインバルで乾杯しておりました。

 飲みながらあれこれNの話をきいたり私の話をしたりしてたんですが、思えば去年の誕生日にはつげ櫛と似顔絵が届き、一昨年は絶賛休職中であったということを思えば、しみじみ今年の誕生日は良かったと思うよ、と語ると本当によかったね、とねぎらってもらえました。まあ我ながら人生が波乱に満ちすぎてびっくりですけどね!

 結局28歳の一年間は仕事もまだまだわからないことが多くて、体調もいまいちすっきりしない時期があって(腰痛事件とか)、婚活もいろいろあって、でもまあ特筆すべきはポルトガルだし、そんないろんな経験の結果が今こうやってNとふたりでワイン飲んでるわけだから、それはそれでやっぱり良かったんだよな、という総括になります。去年も一昨年もつらかったけどそれはそれで必要な経験だったと思うのですよ。

 やっぱり私はプライドが高くて理屈っぽくて本能無視して突っ走って、あれやこれやと手を出して、考え込みすぎて、考え抜いて、刺激がないと生きていけなくて、停滞が嫌で、常に泳いでいないと死んでしまうような回遊魚のような生き方をしておりますけれども、29歳も同じように生きていくと思うのですよ。なので、弱さを見せられないという弱さと、どうやって折り合いをつけていくかだな、と思うわけで。人生の物事に対して、ひとりではなくふたりで考える、ということをできるように今後はしていきたいなと思います。

 今日はここまで。