渓谷バンザイ。

3県をひたすらうろうろ。


 今日から和歌山旅行だぜ!ということで朝からYちゃんちにお迎え。が、どうにもこうにも実家のベッドの寝つきが悪く(まあ興奮冷めやらぬ、ってのもありますが)、寝不足で出発することになりました。

 目的地の一つ目は瀞峡。前々から行きたいとは行っていたのですが、なかなか機会がなく、今回ようやくいけることになりました。ナビさんに尋ねると169をひたすら行くとよい、ということだったのでいつもどおりの吉野経由で。吉野までは手馴れたもので、途中のコンビニでお昼のお弁当を買い込みます。

 川上村まではあっという間(というか道が綺麗になっている!!)だったんですが、よくよく考えたら大台ケ原から向こうに169を行くのは初めて。上北山村下北山村を越えて北山村に入ったのですが、北山村は和歌山県の飛び地の村で、話には聞いていましたが実際に走るのは始めて。まあこのあたり一体熊野の管轄だし、新宮とのかかわりが深い土地ならそりゃあ和歌山の方がしっくりくるかな、と思いました。まあここまでくるとほぼ自治区なので奈良とか三重とか和歌山とかあんまり関係ない気がしますけどね!

 北山村を抜けると今度は十津川村。そしてようやく瀞峡に到着です。ということで瀞峡はまさに奈良県三重県和歌山県の県境にある渓谷なのです。

 車を駐車場にとめて階段を下っていくと、そこには渓谷が! そして船着場と思わしきところで和舟が一隻置いてありました。今回はウォータージェット船ではなく和舟が良いということでおじさんに話しかけてみると、ここから乗れるとのこと。ではとりあえずお昼ごはん食べてきます、ということでいったん車まで戻り、弁当を平らげます。

 まあ実は来るまでの間に寝不足がたたったのかものすごく車酔いをしてまして。途中休憩でいったんリセットするというのをやらかしていたのですが、なんとかお昼は無事におさまってくれました。良かった良かった。

 じゃあ早速よろしくお願いします! ということで行くと、たまたま別のお客さんもきていたので一緒に乗船。本当に人が何人乗るかでひとりあたりのお値段が変わるらしく、4人で乗ったのでちょっとお安くなりました。

 和舟といってもちゃんとエンジン搭載なのでそのままスピードを出して出発。おじさんがちょこちょこ岸壁まで近づいて、高山植物や地形について説明してくださいます。水は先週の台風の影響でまだにごっていたようですが、それでも十分綺麗でした! 瀞峡はもともとあった滝つぼが侵食作用によって後退して形成されたのだそうです。その淵はかなり深く、一番深いところでは25メートルにも及ぶのだとか。屏風岩などの景観もそうですが、今もなおどんどん地形が変化していくのが見えるのがいいですね。

 まあ深さ25メートルって聞くとついつい潜りたくなるんですけど、さぞ寒いんだろうなぁ(笑)

 ジェット船も楽しいと思いますが、おっちゃんと小船で遊覧するのもなかなか良かったですよ!! なにより水面に近いし、岸壁もギリギリまで寄れるので臨場感が違いますよね。

 でも3年前の台風では水位があがって大変だったそうです。見上げた上のほうに流木がひっかかっているのが見えて、そこまで水が来ていたっていうんですからどれだけ尋常じゃない雨量だったのかって話ですよね。いくら災害に慣れていたとしても桁が違うわ……。

 終わってからは瀞ホテルにてアフタヌーンティー。こちら以前はお宿をされていたそうなのですが、先代が亡くなってから閉館していたところを、息子さんが現在立て直し中とのこと。それまでは喫茶をされています。

 メニューにスコーンがあったのでそれを頼み(もう仕方がないのですよこれは……)みかんジュースなどをいただきながら景色を眺めておりました。でも本当に風情があって良いところです。おっちゃんいわく、本当に綺麗なのは朝焼けの瀞峡らしく(月見も良いって言われましたけどさすがに真夜中にここへは来れないわ!)、透明度も本気を出していないというし、リベンジしたいなぁと。まあ早朝は難しいかもしれませんが……。

 で、おっちゃんにこのあとどうするの、って言われて特に決めてませんと答えると、良かったら丸山千枚田を見てくればいいと進められまして。そんなところに棚田があるとはまったく知らなかったので、ぜひ行ってきます!ということで行くことに。

 ということでさらに169号をどんどん進んでいったのですが、トンネルを抜けたところで大規模工事が行われているのに遭遇。橋をかけているらしく、そのプラントがどどんとあってなぜかテンションがあがる我々。なんというか、建設現場ってこうロマンあふれる感じしません? だってこんなに山奥で、ひとつの橋をかけるために頑張っている人達がいるというそれだけでなんだか胸が熱くなるというものです。

 ちなみに工事はまだなので、実際は元の道をひたすらぐねぐね行ったんですが、確かに狭いしこれは綺麗な道ができたらますます短縮されるな、としみじみ思いました。頑張れ!

 で、169号から311号に入って、和歌山県紀和町の丸山地区へ。ここももちろん来るのは初めてだったのですが、行く途中までずーっと普通の山なのでどこに田んぼが?という雰囲気。それが本当に走っていくとぱんっと視界が抜けて、そこに広がる棚田が!!

 これがすごく良かったです。西日に照らされて輝く棚田はなんと合計1340枚。小さい棚田がずらっと並ぶ景観は、規模としてはバリ島にはかないませんが、それでももちろん美しかったです。いやぁ、すごい!!

 車を止めて散策していたのですが、夕焼けが良いとおっちゃんが薦めてくれたのがよくわかりました。南西の斜面に作られているので紀伊山地の向こう側から差し込む西日できらきら輝くのですよ。稲刈りが済んでしまっているので何もありませんでしたが、これが収穫の時ならさらに絵になることは間違いありません。おお、日本の原風景!!

 まあこれを見た瞬間の我々の感想が二人そろって「隠し田」だったのは謝らないといけません。ちゃんと太閤検地のときから記録されているらしいですよ。でもこんな山深いところまできっちりやってたなんて三成は凄いなぁ、と別方向で感動したりもしたのですが。(よくわからない三成愛)

 棚田を堪能した後は、ホテルに行きましょうということでひたすら那智勝浦へ。そのまま311号を使って海辺まで降り、そこから那智勝浦までは42号の海沿いを走ります。若干市街地は渋滞していましたが、それでもまあスムーズに着いたのではないかと。

 今回は駅前のビジホで、しかもダブルで安くでいいやーと思ってとったホテルだったんですが、なんと大浴場着き! しかもダブルだと思っていたらなんとベッドがキングサイズ!! 予想外に良いホテルで思わずはしゃいでしまいました。しかしなんで私は宿を予約したときに確認してなかったんだろうか……まあ結果オーライなので良いんですが。期待してないときに良いものが来ると嬉しいですよね!

 じゃあ晩飯食べに行こうぜーということで食べログなんかで検索しながら行ってみたんですが、さすが人気店、行列ができておりました。じゃあ2年前にきたときにのみに行ったお店が結構良かったから、そこでもいいじゃないということで記憶をたどってお店に行ってみると、カウンターが空いていたので前回に引き続きカウンターで飲んだくれることになりました。でもこのお店、本当においしかったんですよ!! 刺身はもちろん、天ぷらも握りも何もかもがうまくて、そりゃビールと日本酒でいい気分になるってもんですね!

 けっこうがっつり飲み食いして、満足したところでホテルへ。休憩がてら世界ふしぎ発見を見てから(モロッコ特集だったのでそれも面白かった)、大浴場へ。大浴場があるっていうのも嬉しいですよねぇ。

 まったりほかほかで就寝です。明日は鯨類を愛でるぜ!!

 今日はここまで。