羽黒山ショック。

毎回こんな気がする。


 朝5時頃に寝床の中でAさんご夫妻が二人仲良く温泉に行くのを見送り、帰ってきた後に改めて3人で本館の大浴場へ。本館には藤沢周平の展示がいろいろあったので何か縁があるのかな、と思っていたら、鶴岡出身だったんですね!

 チェックアウトは10時だったんですが、少し早めに出発。素泊まりでこれだけ温泉入れてなんと6000円というのだからお得なものです。確かにビジネスホテルに入るよりはよっぽどいいですねぇ。お料理もおいしいそうなので、次に来るときはぜひ料理付で泊まってみたいものです。

 今日は鶴岡の名所、羽黒山に行きましょうということに。羽黒山の何たるかを一切知らなかったので、ざっくりパワースポットということしか知らされてなかったのですが、修験道の歴史の深い東北では有名な場所なのですね。

 ふもとには宿坊があちこちに立っていて、高野山のような雰囲気。まあ月曜日の朝イチなのでそれほど人は多くなかったのですが、下の駐車場につくと観光客がちらほら。

 山頂には出羽神社という神社があり、車で上がることもできるのですが、徒歩で山を上がることもできるとのこと。旦那さんが子供のころに一度来たことがあるらしく、徒歩だとどれぐらい時間かかります?と尋ねたところ、30分ぐらいだったかなぁ、と。30分ぐらいなら国宝の五重塔も見たいし徒歩でいきましょう!ということで出発。

 五重塔も良かったし、何より静謐な山の空気の中で黙々と石段を登っていくのは風情があって良いもの……と思っていたのは歩き始めて10分ぐらいまででした。結構な、傾斜が、あるんですよねこれがね! かなりのアップダウンもあり、20分歩いても終わりが見えない雰囲気。あの角を曲がればゴールか! いや違うまだあった!!というフェイントを繰り返し、汗だくになり、コートを脱ぎ捨て、息を切らしながら歩き続けること1時間。無事に! 山頂に! たどり着きましたよ!!(汗だく)

 どうやら2500段もあったらしいですよ、石段。通りで途中からまったく人気がなくなるはずですよ!! 案内を見たら90分コースとかかれておりました。よくもまあ1時間弱で上りきったものですよね我々……。

 ようやくちゃんとおまいりをして、ついでにとおみくじを引いてみたら、日光東照宮でひいたものとまったく同じ文面の大吉が出ました。ええ、またもや「男性のほうが振り回される形となる」というやつです。わかった、わかったから!!!(ここまでくると信用せざるを得ない)

 さてじゃあ時間もロスしてしまったし(何せ30分の予定だった)、とっとと下山しましょうか、ということに。とはいえあの石段をまた1時間かけて下るのもつらいし(何せ雨上がりでどう考えてもすべる)、車道を降りましょうということに。実は売店で尋ねてみたところ、車道は自動車専用道路なので基本歩行者は禁止らしいのですが、徒歩で降りる人もいます、とのこと。バスは30分後だというし、もう歩きましょうよ、ということでてくてく下山。と思ったらこれがまた罠でですね……!

 実は車道のほうがぐるっと迂回していて、距離にしたら石段の道の倍ぐらいあったのです。途中でなんとなく嫌な予感はしていたのですが(Googleマップでサーチして気づいた)、ここまでくると今更引き返すこともできず。とにかく降りるしかない、と降りていたらすれ違った車のおっちゃんに声をかけられまして。なんでも「徒歩で降りると2時間弱はかかるよ」とのこと。時間的にそれ、私大阪に帰れない……!!!!

 バスを使いなさいバスを、といわれたので結局途中まで下山して、見つけた保養村の前のバス亭でなんとかバスに乗り込むことに成功しました。こちらも30分に1本だったので危なかったですね……! そしてバス亭にして2つ、ただ距離にしたら1時間ばかりのところをなんとかバスで戻ることができたのでした。いや、何の予備知識もなく行くものじゃないですね……!

 やれやれ助かった、と思ってバスを降りようとしたら、運賃はバス停2つで420円でした。おお、これが、田舎の路線バスというものですね……! まあ利用客も少ないし、路線を維持していこうと思ったらそれぐらいの値段は必要になりますよね、ええ。

 なんとか車に戻り、当初は下道を帰るはずだったんですが時間の大幅ロスによりそうも行かず、私も高速代出すのでよろしくお願いします……!ということでそこからまたもやチキチキタイムレース。なんか最近こんなばっかだな!と思いながら旦那様にプリウスをぶっとばしていただきました。まあ空いてたんで思いのほか早く帰れたんですけどね。

 14時前に河北町まで戻って来れたので、そこでお昼ご飯。紅花で有名なところなのだそうですが、もうひとつの名産が「冷たい肉そば」。一瞬どういうものかさっぱりわからなかったのですが、ここでいう肉は鶏肉のことで、冷たいかけそばの上に炊いた鶏肉がのっている、というものでした。冷たいというよりは常温ぐらいでしたが、このおダシがなかなかおいしくてですね。蕎麦は山形らしい太めのお蕎麦で、そこにしっかりと味のついた鶏肉がのっていて、結構あいます。昨日の麦切りといい、知らない麺類がめちゃめちゃありますね、山形。

 明日はそのまま出勤ということで、さらに温泉に連れて行っていただけることに。同じく河北町にあります「ひなの湯」へ。ここがまた良かったのですよ! やっぱりこれだけ温泉がそこらへんにわんさか沸いていればいくらでも通うよなぁ、とおばあちゃん達に混じってまったりしていたのでした。温泉は良いものだ。

 帰りにJAでAさん夫妻がおうち用にりんごを買い(さすが山形、りんごやラフランスが大量に並んでおりました)、仙台市内へ戻ります。高速をぶっ飛ばしていただいたおかげて、なんだったら予定より早く市内に帰ってくることができました!

 お土産は今回も萩の月を、と思ってたんですが、Aさん夫妻いわく、宮城県民的には萩の月よりもっと食べてもらいたいおいしいものがあるんですよ! ということで今回は喜久水庵というお店へ。仙台では有名なお茶屋さんだそうで。和菓子もいろいろあるのだとか。

 中でもおすすめはクリーム大福。ただし生ものなので要冷蔵、ということだったんですが、まあ次の日そのまま出勤だからなんとかなるのでは、ということで1箱購入。ついでに日持ちするものも、ということでお茶ラスクを追加。あとAさんお勧めの梅昆布茶も追加しました。

 温泉も入ったし土産も買ったし、最後は晩御飯を食べて帰るだけ、だったんですが微妙に時間があったのでいったん荷物を置きにAさん夫妻がおうちに戻るというのちょっとだけお邪魔し、最後の晩御飯は旦那さん行きつけの千羽寿しへ。何度か連れてきていただいてますけど、本当にここのお寿司がうまくてですね。感動に打ち震えるというよりは、しみじみうまさをかみ締めながらほっこりする、というお店でございます。旦那さんは閉店間際までだらだら飲むのが一番オススメとのことでした。できることならご一緒したいわ……!

 時間が来たので仙台駅のバス停まで送っていただき、お別れ。Nの話をしたので次はぜひNかYちゃんを連れておいて!ということで大いに盛り上がって仙台を後にしました。1年に1回会うだけですけど、いろいろあるみたいで大変だなと思いますけど、いうてももう10年近くのお付き合いですもんね。彼女と知り合っていなければこんなに私が東北に来ることもなかったし、いろんな経験をさせてもらうこともなかったわけで。そう思うと感慨深いものがあります。

 次はぜひNと一緒に来るので、よろしくお願いします!

 今日はここまで。