英国旅行4日目。

ここが地球の中心地。


 今日も朝イチで大聖堂に行くのでさらに早めて6時半起床の7時朝食。もりもり食べて(マジでおなかがめっちゃ減っている)、バスにのって地下鉄の駅まで。390番系統のバスが優秀なことがわかったので(そして一律料金なので)うまく使えばいい感じです。

 本日の目的地ひとつめはセントポール大聖堂。位置取り的にはがっつりビジネス街のど真ん中に突然現れる大聖堂という感じでした。開館前に着いたので外観の写真をとっていたのですがウェストミンスターがツンツンのゴシックならこちらは丸みを帯びている感じです。と思ったらバロック建築なのですね。そこまで派手な感じはしないんですが!

 こちらも音声ガイドを借りてじっくりまわっていたのですが、位置づけ的にはウェストミンスターに並ぶようで、こちらは王室ではなくロンドン市街とともに、って感じのようです。塔の上にまで上ることができるというので当然のぼったわけですが(高いところが大好き)、結構な、高さ、でしたわね!

 まあ上がってみたら強風がすさまじくてふっとばされそうでしたが確かにロンドン一望はできました! でもこうやって見渡すと本当に大都会ですよね……! でもセントポール大聖堂は建築としてすごく面白かったです。塔の中と外で構造が変えてあるんですよね。設計したのはクリストファー・レン。他にも数々の有名な建築を手がけているそうです。

 そして地下はまるで高野山のように有名人のお墓めぐりができるという(もちろんこちらはちゃんと遺体が安置されております)。ネルソン提督とか、チャーチルとか! そして設計者のレン自身も埋葬されております。

 またもここでがっつり音声ガイドを聞いてしまったので時間が大幅オーバーし、とりあえず次はロンドン塔だ!ということで移動です。ロンドン塔自体は王室の宮殿かつ要塞なのですが、現在は完全に中世の城かつテーマパークでした。

 とりあえずクラウン見たい!ということで展示室へ。完全にシャーロックでジムたんがかぶってたイメージしかなかったのですが、実物を見ると、本当になんというか児童書で散々触れてきた王様の王冠というものを見ているな、という気がしました。創作物の中でしか触れていなかったものが実際に目の前に出てくると、そうか本当に王様がいて王様は本当に王冠をかぶっていたのか!あれほんまやったんや!という気分になりますね。もちろん順番としては逆なんでしょうけども。でも本当に王冠は宝石と金とでえらいことになっているので、正しくお宝な感じがしますね。

 ちなみにロンドン塔の中に黒いもふもふ帽子の衛兵さんがいらっしゃったのでこっそりその前で記念撮影していたのですが、当たり前だけどこの人たちは軍属なんだなぁとしみじみしたのは上官らしき人(軍服)がやってきて衛兵さんがびしっと挨拶されていたときでした。いやーなかなかいいもん見た!

 あれこれ記念撮影などもしつつ続いてはホワイト・タワーへ。中は一大中世甲冑・武器資料館という感じでした。いやもうどう考えても効率悪くない?というような甲冑満載で(日本の甲冑も本当に人のことは言えないのですけども!)、そして基本的には王様用の甲冑なので細部までいろいろしっかり作ってあり面白かったです。

 しかし結局日本も西洋も戦いのための武器っていうのはかわらないのね、と思いました。そして忠勝の甲冑がおいてありましたよ! なんでも贈られたそうで。さすが戦国最強は違うな!

 ブラッディ・タワーでは幼き国王とその弟が暗殺されたエピソードが生々しく放映されていたりといろいろとテーマパーク感がありました。あとちゃんとカラスも飼われていたし!(かごにはいってた/ロンドン塔ではカラスがいなくなると滅びるといわれている)

 タワーブリッジを眺めて写真をとって、時間がないのでお昼はあきらめてグリニッジへ移動です。今回の旅ではどうしてもグリニッジに行きたかったので、タワーヒルからニュートラム的なDLR(Docklands Light Railway)とやらにのって移動です。風景がまんま南港とかポートアイランドとか新しくできたビジネス街という雰囲気でした。ドックランズというのだそうですが、後々成り立ちを調べてみたらまんま南港でちょっと面白かったです。本当に島国同士はそっくりなんだな!

 カテイ・サークという駅でおりたら目の前にはカティ・サーク号が! 帆船テンションあがる! といいつつ実はあんまりこの船がどういう船なのかよくわかってなかったんですが、今Wiki先生に聞いてみたらロマンがいろいろあるではないですか。ある意味最後の世代の帆船なのですなぁ。まさに大航海時代の終焉と共に、という感じですね。

 インフォメーション・センターがプチ博物館みたいになっていたのでチラ見しつつ、その隣にはグリニッジ大学が。なんでも旧王立海軍大学であったそうで、その当時の聖堂?講堂?が一般公開されておりました。天井画がすごいのです! そして建築としても実はクリストファー・レン作だそうで、そりゃすごいのもうなずけるというものです。そして今もグリニッジ大学で普通に使われているらしく、地下には大学食堂がありました(うっかり迷い込んだ)。

 そして目的のグリニッジ天文台へ! 丘のてっぺんにあるので結構遠いなと思っててくてく歩いていたら、その途中でほのかにカレーの匂いを察知。カレーもそういえば英国で食べたい料理のひとつである!ということで帰りにカレーを食べることにし、まずはグリニッジ。ちなみにスペルはGreenwichと書くのでどう考えても「ぐりーんうぃっち」と読みたいんですけど「ぐりにっじ」なんだそうです。

 公園が広がっており、そして丘のてっぺんにはグリニッジ天文台が! かなりの人でにぎわっておりました。とりあえず中に入ってさっそく本初子午線をまたぎます。わざわざカメラのGPSをオンにしてみたら、本当に0度0分5秒って出てる! まあ5秒はGPSの誤差よねえとか思って今Wiki先生に聞いてみたら今の設定されている本初子午線はグリニッジ子午線からは5秒ほどずれているのだそうな! まじか! ていうかむしろカメラのGPS精度の方に驚きですけど。技術の進歩!

 とりあえず記念撮影しまくり、中にはいるとこれまでの天体観測の歴史がいろいろ展示されておりました。惜しむらくは日本語音声ガイドがなかったのでざっくり推察するしかないところですけどね。でも順番に展示されているのを見ていたら技術の発達というものをしみじみ思いました。星の位置関係とかだけで大西洋渡るとか正気の沙汰ではないですよね……そりゃあ沈むぜ……。

 お土産コーナーではテンションあがって「prime meridian」(本初子午線)とかかれたTシャツを購入。あと地理女仲間のZちゃんなら私のグリニッジ子午線に対するテンションのあがり方を理解してくれるにちがいない!ってことでマグカップ購入しました。あと50年カレンダーキーホルダーとかテンションあがるわと購入したりして、ほくほくしつつ天文台を後にしたのでした。

 さあ帰りにカレーを食べようと思ってうろうろしていたのだけれど、残念ながら匂いの元を見つけることはかなわず、たぶんホテルの厨房からっぽい……?ということに。でも昼飯食べてないしひたすらM&Sのウェルシュケークでしのいでるし歩きづめだし休憩したい! ということで通りかかったパブでここでもいいかと思って眺めていたら本日のランチセットにカレーの文字を発見。

 カレー食べれるかも!と入ってみたら普通のパブで、カレー……?となったのですが、店の兄ちゃんに聞いてみたらカレーもやってるよ、とのこと。タイカレーかインドカレーか選べといわれたのでじゃあインドカレーをチョイス。するとなぜか調味料ケース(塩コショウビネガーケチャップマスタードetc)をどんとおかれるという。カレーなのに……?と不安になりつつとりあえずエール頼んでぐびぐびやっていたら、やってきたインドカレー。そしてこれがまさかのハイレベルインドカレーでした! めっちゃうまいぜ! ていうかあの調味料ケースはなんだったのか!

 あんなに味のないフィッシュアンドチップスを作るくせにレベル高いインドカレーが出せるとは! ナンもふっくらだしチャパティもサクサクだしインディカ米もパラパラやないか!と思ったのですが、そこではたと気づいたのです。そう、「イギリスの料理」がまずいのではなく「イギリス料理」とされるものがまずいのだということに……。なので普通にインド料理とか中華料理とかイタリアンとかフレンチとかはすごくおいしいのですよ。自国の料理文化がないというのは、そういうことなのか、と。

 そして「イギリス料理」であっても別にまずいのではなく「味がない」だけなのであって調味料をかければおいしく食べられるのだ!という帰結でした。なので文化的にどんなご飯を頼もうとも、とりあえず調味料ケースは置かれるし、あとは自分好みに好きに味付けしてね!というのがデフォルトなのですよ。うむ、よくわかった!

 インドカレーとエールでしっかり休憩できたので中心部に帰還です。本当はナショナル・ギャラリーも行きたかったんだけど時間が遅くて既に閉まっていたので、せめてトラファルガー広場だけでもとネルソン提督の像を見に行きました。しかし高い!!

 オベリスクなのかなと思っていたらギリシャコリントス様式の柱でした。高さが5.5mもあるともう下からネルソン提督が見えないレベルですけどね。柱の下にはライオンが4匹寝そべっておりまして、みんなが思い思いに乗っかって写真をとっておりました。でもああいう広場とか像とか立てているのを見ると、ヨーロッパだなぁと思いますね。日本だとまず5.5mの石柱が地震とかで倒れるんじゃっていう不安がありますもの。あと広場にする土地の問題とか……(世知辛い)。

 そして大英図書館が木曜日なら20時まで開いているということで図書館に移動します。大英博物館もそうですが、普通にタダではいれるはずなので入り口をすっと通ったらNが来ないという。あれ?と思って振り返ったら思いっきり警備員の人に手荷物検査されてました。むしろ私スルーだったけどよかったのか!?と思ったんですが、彼は関西空港の税関でも毎回引っかかるらしいので、つまりそういうことなんだな……と思いました。

 大英図書館大英博物館のイギリスの国立図書館で、大英博物館の図書館部門も統合されているので貴重な文献満載。展示されているギャラリーもあります。本当はマグナ・カルタが見たかったんですが、時間が遅すぎたのかその部屋には入れませんでした。でもビートルズ直筆のノートだったり、各国の聖書の原著だったり、すんごい飾りがついた中世の装丁の製本だったり、かなり見ごたえはありました! やはりインドとか中国とかの仏教・ヒンドゥー関係の聖典もいっぱいありましたしね。やはり英帝様でありますな。

 閉館ぎりぎりまで楽しんでから、そこから晩飯どうするよという話に。私の中ではパブでカレー食べたし疲れたからもうホテルにもどっても、という気分だったんですが、N的には軽く晩飯として何か、という気分だったようで。キングス・クロス周辺なら何かお店があるのでは、と安易な気持ちでもどってみて周辺をうろついてみたけれど特にこれといってなく。いやイタリアンとかはあるんですけどね? でもここまできてイタリアンや中華ってのもな、ということになり。

 どうしてもというのなら今からピカデリーサーカスにでも行こうではないか!と提案もしてみたんですが、最終的には小さなイートインもできるフィッシュアンドチップス屋に入ってみることになりました。まあファストフードというかテイクアウェイ(テイクアウトは米語)のお店なのでビールはおいておらず、まあ仕方がないなとスプライトとキドニーパイをチョイス。キドニーとは腎臓のことで、牛の腎臓をつめて焼いたパイというものです。まあモツは大好きだしいけるだろうとキドニーパイをいただいてみたわけですが。うん……牛肉のモツの味がするね……。

 まあ案の定味付けがないわけです。そして追加できる味の選択肢はケチャップ・マスタード・ビネガー・塩コショウのどれか。が、どれを試しても何かが違う!となり。おそらくモツには塩コショウじゃなくて酒としょうゆとみりんが一番合うと思うんですよね……! このときほどマイソイソースがほしいと思ったことはありませんでした。モツなんだから甘辛く煮付ければいいじゃんそれをパイ包みにすればいいじゃん!とぎゃーすかいいながら、ロンドン最後の食事がこのキドニーパイというオチでした。なんだか疲れを増幅させるお味でございました。

 ぐったりしてバスで宿に帰還し、明日に備えて爆睡したのでした。ありがとうロンドン、ありがとうキドニーパイ、次回はしょうゆもってくるから!

 今日はここまで。