英国旅行5日目。

People make Glasgow.


 本日は移動日!ということで早めに起きて最後の朝ごはんをもりもり食べてチェックアウトしました。4泊もお世話になりましたが、いい感じのB&Bだったと思います。まあ願わくばWiFi環境がもっとよければなんですけどね! フロアとか部屋の位置でもまた違ったかもしれませんが。でもお湯が出てタオルが交換されてベッドがあればすばらしいお宿ですよ!

 バスを待ってユーストン駅へ向かいます。でも本当にこのB&B前のバス路線が優秀で、主要なナショナル・レール駅を全部通っていってくれるのが旅行者にはとってもありがたいです。

 時間があったので荷物にいれ損ねていた靴下をドラッグストアで購入し、ネットで予約して日本で印刷しておいたバウチャーを見せるとそのまま乗車することができました。しかし本当に便利な世の中になりましたよね!

 英国鉄道はよく遅れると聞いてましたが無事に時間通りに発車。グラスゴーまで4時間程度の旅だったのでそこからは図書館で借りた英国史本2冊目、「とびきり愉快なイングランド史」を読んでおりました。まあ自虐と血にまみれた歴史書でしたがおおむね合っていてそして大変面白かったです。が、結局のところ今からスコットランドに行くのにスコットランド史についてはほとんど触れられていないという。

 日本人的にはイギリスはひとつの国ですが、ロンドンに滞在していても思ったのがひたすらユニオンジャックイングランド旗が掲げられており、ここはあくまでイングランドなのです、という感が満載でした。まあウェールズイングランドは併合されて歴史が長いのであれですけど、スコットランドアイルランドはまた別の国で、別の歴史がある、という前提なんでしょうね。ただメインはやっぱりイングランドなので、日本で出版されている文献についてはほとんどイギリス史=イングランド史という扱いなのは致し方ないのかもしれません。

 時間があったのでもう1冊「イギリスが作ったパリフランスが作ったロンドン」というドーヴァー好きにはたまらない本も読んでましたが街づくり的な意味でとても楽しかったです。都市の歴史というのもそれはまたひとつの面白さですよね! 今じゃつながって電車で2時間なんですもんね……。

 そんなこんなで鉄道の旅はあっという間に過ぎ、グラスゴーには時間通り到着。荷物をひとまずホテルへ預けようと向かったのですが、これがまた立地が超駅前ですばらしいホテル。早速荷物を預かってくださいとお願いしたらホテルのお兄さんの言っている英語が聞き取りにくくてんん?となりました。ロンドンではシチュエーションと単語からなんとなく意味をはじき出すぐらいのことはできていたのに!
これがスコットランド……!

 まあ旅行者がホテルに荷物持ってきたら言葉通じなくてもだいたい意味は通じるので、笑顔で荷物を預かってもらい、ひとまずお昼を食べに行こうぜということに。地球の歩き方の地図を見ながらおすすめのランチを探していたら、道行く気のよいおじさんに「困ってるのかい!?」とお声をかけていただきました。というかむしろたぶん「めいあいへるぷゆー?」的なことを言われたんですが聞き取れず、ん?と返してしまったら「あーゆーろすと?」と聞かれて、あっ!となりまして。「けっこうです、ありがとう(No, Thank you.)」と丁寧にお返ししておきました。いやグラスゴーはいいところだ……!(単純)

 目星をつけた店は少し遠かったけれど歩けなくはないなということでてくてく歩いてお店へ。なかなかの人気店らしくにぎわっておりました! ランチコースがお得とのことだったのでビールとともにいただいたのですが、ここの魚料理が超うまくてですね……!! どの料理にもこれでもかとブラックペッパーをかけてくれるサービスがあるのですが、おおむねめっちゃうまかったです。別に追加の調味料なんか足さなくてもどれもこれもちゃんとおいしい! やればできるんじゃん!!(相対評価によりおそらく普通のことがとてもすばらしいことのように思える例)

 ゆっくりお昼ごはんを食べてから本当は博物館に行こうかといっていたのですが、Nのカテドラルに行きたいという要望により変更。てくてく坂をあがっていくと見えてきました大聖堂。隣はグラスゴー大学だったんですが、調べてみたら超由緒ただしき大学でした。グラスゴー大聖堂についても調べようとしたんですが、宗教改革以前の?古い?教会?なのね?という感じぐらいしかわからず、というかスコットランドの歴史もよく知らないし、ましてや宗教改革というもの自体にもピンときていない日本人は違いがよくわからんという。一応日本語パンフレットもあったりするのだけれどあまりにも直訳なのでさっぱりわかりませんでした。一応今現在はスコットランド国教会に属しているのだそうです。あとゴシック建築の好例であるとのこと。確かに建物はたいそう立派でしたし雰囲気はよかったです!

 ちなみに大聖堂の奥の山にはネクロポリスが広がっておりました。古い石造りの教会(ゴシック)+墓地(ネクロポリス)って本当にRPGの何かだよなとしみじみ思いました。そしてその隣には領主の館が公開されており、なにやらグラスゴーで一番古い屋敷らしくがっつりした石造り。壁も天井も全部石がむき出しなのでなんというかもうファンタジーとしかいいようがないというか。でもちゃんと3階建てで、螺旋階段とかあるんですよ! 石と木だけでここまでできるのか!(まあそりゃ日本のお城とかもそうなんですけども!)

 しかしこれまた何がどうなってこの建物があるのかはよくわからないそうです。でもロマンだけは目いっぱいあったし、あとスコットランドの歴史的なこともいろいろ展示してあって面白かったです。それからグラスゴーの市章がなかなか面白くて、リングを加えたお魚がいろんなものを支えているという構図でした。たぶんその解説もあったんだと思うんですが、英語が理解しきれなかったです……。それを言うならイングランドスコットランドの同君連合の紋章もめっちゃかっこいいですけどね。あのユニコーンとライオンが向かい合ってるやつ。ちなみに領主の館にはお庭があり、こちらもなかなかでした!

 一応調べてみたらグラスゴーはロンドン・エディンバラについで3番目に観光客が多い街、らしいんですけど、そう、なの……? 正直めっちゃ普通に田舎の町なんかなと思っていたらぜんぜんそんなことなかったという。確かにセントラルとかめっちゃでかかったし、一応地下鉄も走ってるしそりゃカンタベリーとかに比べれば大都会ですけど! そっか、そうなのか……それにしてはほとんど観光客に出会わなかったんですけどね……。

 そして領主の館の向かいには美術館がありまして、スコットランドはもちろん世界の宗教のあれこれを展示している一風変わった面白い美術館でした。しかしまあ宗教っていってもいろいろありますよね。ちなみに日本の雛人形とか五月人形とかもあって、なぜに?と思ったら子供の健やかなる成長を祈るお祭りと解説に書かれていて、ある意味では宗教的行事になるのか、と思ったりしました。日本ってあまりにも宗教的な行事がそれと意識されることなく日常に根付きすぎていて、お盆休みとかもなぜそもそも休みなのかという概念がなくても休むし、墓参りも宗教的行事ではなく日常の何かになってるし、だからこそクリスマスも初詣も違和感がないんでしょうね。

 こちらも閉館まぎわまでいて、中心部にもどるか、ということになったんですが、その途中になぜか看板でブリュワリーこちら、みたいなのを見つけてしまい、へー行ってみようぜということでてくてく歩いていくことに。するとやたらTを強調した派手な工場が見えてきました。なんでも「Tennents(ネテンツ)」という会社の様子。(いろいろ調べたら社名はまた別らしいのですが)

 どうもグラスゴー、ひいてはスコットランド的に超有名ブランドらしいです。というか昼ごはんのビールは私普通にテネンツのビールを飲んでいたというね! そして工場のレンガ壁にはイラストが大量に描かれていて、その中にはなぜか日本語もあり、「アイヴ ゴット マイン」とカタカナで思いっきり書かれていたのでとりあえず記念撮影しときました(笑)

 なんとなく日本語訳的にはおれのものだぜ、とかそんなイメージ?とか思ってましたが、慣用句でもあんまりない……のかな? どうやら俗語っぽい感じで、検索かけても曲名ばっかりでてくるんですが知恵袋的には「私はもう持っているよ」的な口語的な表現ぽいです。ビールをもう持っているという、そういうことなのか……?(深く考え出すと迷宮入りしそうである)

 そんなことをしていると天候が結構悪化してきていたので、とりあえず明日の朝から空港に移動するべく空港行きの交通手段とエディンバラまでの電車を調べておくかということで中心へ戻りました。市庁舎がすごく歴史ある感じで、広場も素敵だったので写真をとっていたら、これまた通りがかりのOLのお姉さんが「とってあげようか?」と申し出てくれて2人でとってもらいました。いや本当にグラスゴーの人はいい人ばっかり!!

 ちなみにグラスゴーのあちこちに「People Make Glasgow」のコピーが掲げられていたのですが、たぶん観光キャンペーンかなんかのあれだと思います(無料でピンバッチ配ってました)。まさに人々がグラスゴーを作っていることを痛感ですよ。いいキャッチですね!

 我々がロンドンから到着したのはセントラル駅なのですが、実際の中心はクイーンズ・ストリート駅のようで、そこで空港への行き方を調べられるかなと思ったんですが駅の窓口のおいちゃんに聞いてみたらバスに乗れ!ということでさくっと帰されてしまいました。まあバス停はすぐわかったし、ホテル近くのバス停からも出てることはわかったでよかったんですけどね。

 とりあえずいったんホテルにもどるか、ということでチェックイン。受付がおばさまに変わってたんですがこれがまた見事に何を言ってるのかさっぱりわからないという! どうもグラスゴーなまりが英国内でも最もなまりがきついらしいです。英国人でもわかんないんじゃそりゃわからんわ。まあシチュエーションからなんとなく理解はできるけど!

 でもホテルはすごく快適で普通のビジホって感じでした。ツインだし、バスタブあるし!(ロンドンのB&Bはシャワーしかなかった) そしてWiFi環境がとても良いのがまたありがたい。ということで明日のフライビーのチェックインをするか、とやってみたら、最終画面が搭乗券を印刷してもってきてね!との指示に。え、プリントなんかできないよ!?と思ってあれこれ調べてたんですが、まあ最終なくてもなんとかなりそうだろうと。予約されてるのは間違いないんだから早めに空港に行けばなんとかなるでしょうたぶん!

 休憩したところでバス停の位置確認およびおみやげ物探しに出て行くことに。一応土産物屋はホテルのおばさまに聞いてでてきたものの、思いっきり閉店時間が過ぎてしまってました。そりゃまあもう20時ですからね……。晩御飯もうろうろしてみたものの結局ホテルの隣のパブでビールいっぱい飲んで終わったのでした。パブはnot居酒屋なのでつまみを一切おいてないところもあるんですよね……。でもやっぱりチェーンのイタリアンはどうかと思うんだ!

 夜は快適になったWiFi環境をいいことにひたすらネットにいそしんでおりました。便利になった反面、旅情は薄れるかもしれませんね。でも明日は憧れのアイラ島だ!

 今日はここまで。