英国旅行7日目。

スコットランドの今昔。

 
 ホテルの朝食は有料、ということで7£を支払い(価格について深く考えてはいけない)イングリッシュ・フル・ブレックファストをいただきます。ビュッフェ形式ですけどやはりカリカリベーコンと卵とポテトとソーセージがあるとテンションがあがるのです!

 あれこれもりもりとっていたら、ジャムとともにマーマイトがおかれているのを発見し、マーマイト! これが! あの有名な!となりまして。さすがにトーストに全面塗るのは怖いのですみっこに一応のせてみました。ちなみにNはマーマイトの存在を知らなかったらしく、ネタに満ちたWiki先生を読ませました。というか私はなぜマーマイトの存在を知っているのかがむしろ疑問になりましたけどね。ヘタリアにはまる前に知っていたような……?

 まあ味の感想としては酸味と塩味と甘味があわさって食べた瞬間にイーッ!!!!!ってなる味でした。なんかイーッ!てなるんですよ! いや慣れればおいしいのかもしれないけど……。とりあえず一応、体験はした、ということで。あとブラックプィング(豚の血を固めたもの)もおいてたので挑戦してみたところ、これは普通においしかったです。レバーとか好きならぜんぜんいける味でした。(ちなみにNは両方ともまったくダメ)本当に英国料理というのはいろんなものがありますね。

 そんなこんなで腹ごしらえして本日の観光はひとまずエディンバラ城から!ということで出発です。一応ホテル前にバス停があるのですがどれだけネットで調べてもその路線の情報が出てこないので、おそらく廃路線になったのではないかと推察しつつ、まあ仕方がないねということでてくてく歩いてエディンバラ城を目指します。道中で結構大き目の教会があったので寄り道したのですが、名称は
聖マリア大聖堂、でいいのかな?(ネットで調べた)結構大きくて古くてなかなか趣のあるカテドラルでした。ちゃんと日本語の解説文もあったんですが、やっぱり教区とか宗派とかがよくわからないというね! スコットランド正教会でいいの、かな?

 それからてくてく歩いてエディンバラ城へ。本当に山の上にどーんとあるので、まさに絵に描いた城で要塞感満載のお城です! また岩肌がごつごつしていて崖になっているのがロマンあふれますね。さらに一生懸命てくてくのぼって入り口へ向かいます。でも良い天気でよかった! 記念撮影してから事前にネット予約していたチケットをひきとり(便利だなぁ)中へ。

 古い大砲が設置されているのを眺めていたら、明らかに現役な軍関係者の方々が野戦砲を設置するのが見えまして。何ごと?と思っていたら今も13時きっかりに空砲を1発撃つのだそうです。12時のドン的な役割を果たしているとかなんとか(12時だと12発撃たないといけないけど13時なら1発ですむよねとのこと)。

 そうこうしていると後ろでなにやらスコットランド伝統のキルトを身につけたおじ様が熱弁をふるっておられまして。おそらくガイドツアー?の皆さんのようだったので後ろをついていくことに。おじい様が大きな声でゆっくりはっきりと解説してくれているのですがまあ2割ぐらいしかわからないよね! 難しいよスコットランド英語!

 でも最後はおじいさんと記念撮影してもらいました。やはり生足にハイソックスにキルトが伝統なのですね! 下はノーパンなのかな! こんなに寒いのに!!(キルトの下はノーパンが正装です)

 そして建物の中を見学。クラウンルームにはスコットランドの歴史が……と思いながら実際はほとんどメアリー・スチュアートとジェームズ6世(イングランドでは1世)がすごく推されてたな、という感想でした。ちなみにウェストミンスター寺院で解説を聞いてきた「運命の石」こと「スクーンの石」もございました。これまた思いのほか普通というか、なんというか……まあ石は石、ですからね。

 でもまあイングランドに獲られてから700年ぶりに帰ってきてよかったですよね。そしてやはり王冠だの宝石だのはすさまじかったです。スコットランド王家の本気ですね! まあスコットランド史はまったく知らないので帰ったら勉強しないとですけどね。

 そしてグレート・ホールでは武器がこれでもかと展示してあったり、その反対側には戦没者記念館があったり、要塞だけあって軍事関係のあれこれがありました。地下への通路があるのでなんじゃないなと思って行ってみたら、捕虜収容所があったりとか。しかも当時の様子があれこれ再現されており、話し声の音声まで再現されていてスピーカーから流れていたのですが、なかなかの雰囲気でした。アメリカ独立戦争とかの捕虜がここまで送られたりとかしてたんですね……。あと監獄とかもありました。さすが軍事施設であります。

 そこから入り口側にもどってくる途中でおばさまとぶつかりかけたところ、おばさまが「ぱるどん!」と言ってからあわてて「そーりー」といいなおしていたのでああフランス語圏の方なのね!と思いました。海外来るたびに思いますが、やっぱりもっと言語がわかれば楽しいんだろうなぁと思いますね。

 入り口側にはエディンバラ城内で一番古いチャペルとかありました。その他戦争博物館だったり軍隊博物館だったり、まあスコットランドも間違いなく延々と戦っていた国なので時代を追ってあれこれ展示してありましたよ。第二次世界大戦のコーナーだと日本の国旗とかもあったりしますしね。寄せ書きの日の丸とか見て結構名前とかしっかり残ってるのを見るとなんともいえない気持ちになります。もちろんドイツ軍関連のあれこれもおいてありました。

 ちなみにスコットランドスコットランドで別途軍隊組織を持っているようで、あとハイランドの戦士は昔から勇敢だってんで傭兵になってたりしたっていうのはどこかで読みました。そりゃ強いもんなぁ。

 エディンバラ城を満喫したのでお昼を食べに街へ。地球の歩き方に掲載されていた店に行ってみるも超満員で入れなかったので、その近所のカフェへ。とりあえずサンドイッチとエールを注文。これまたサンドイッチがすごいシンプルで味付けとかも特にされてないのがまさに英国流ですね。スコットランドでも変わらないのな!(慣れてきた)

 WiFiが使えたのでちょっと長居しようかということになり、コーヒーを頼もうということに。ゲーリックコーヒーなるものがあったのでこれは!と思って頼んでみたら、スコッチ入りコーヒーでした。アイリッシュコーヒーのスコットランド版とのことですが、どっちかっていうとスコッチのコーヒー割りに近く、また熱燗みたいになってるもんだからすんごいアルコールが回るという。

 Nもスコッチのホットレモネード割りを頼んでしまったので二人でぐでんぐでん。ストレートだとぜんぜん回らないのに私も熱燗は回るわ! とりあえず飲み干してから外の風にあたりに行ったんですが、寒さが心地いいレベルでした……。まあこの寒さを凌ぐためにみんな飲むのかもしれないですね……(体感)。

 そしてロイヤル・マイルの中心にあるセント・ジャイルズ大聖堂へ。一応エディンバラの中心的な大聖堂とのことですが、長老派?とか言われてもピンとこないんですけど! スコットランドも宗教入り乱れてますからねぇ。ゴシックで特徴的な外観なのはわかりました。

 セント・ジャイルズ大聖堂前にはいろんなゴーストツアーの案内所が立ってたので、そのうち一軒のゴーストツアーに予約をしてみることにしました。なんでもエディンバラはゴーストのでる街としても大変有名なのだそうです。19時からとのことだったので、そのままロイヤルマイルを降りてホリールード宮殿へ。

 もともとはスコットランド王家の宮殿ですが、そのまま今は連合王国の宮殿ってことで夏の間はエリザベス女王が滞在されるのだそうです。宮殿の中もぐるっと見て回れるのですが、思ったほど装飾が華美なわけでもなくシンプルで落ち着く感じですね。本来!宮殿って!これぐらいじゃないのか!(ポルトガルに向かって叫ぶ/シントラのペーナ宮殿が凄かった)

 今でこそなんとなくスコットランドの歴史を理解したから思うけれど、メアリ・ステュアートも大変やったんやと思いますよ、本当に。あともう人死にすぎやし殺されすぎですけどね! まあ日本の中世も人のこと言えないですけども、一応国の体裁としては整ってたわけなんで、ええ……。

 宮殿には廃墟になったホリールード寺院があります。こちらはあえて廃墟だからイイとか言われてそのままにしてありましたが、確かにロマンあふれておりました。最後に広い庭園をぐるっと歩いて終了です。

 続いてはクイーンズ・ギャラリーへ。ちょうどThe Gold展をやっておりました。確かに金は昔からあれこれいろんなものの象徴に使われているな、というのがわかりました。ちなみにクイーンズギャラリーは英国王室秘蔵のお宝を時期によってい入れ替えて展示しているそうです。ある意味正倉院展的な感じですね。

 まだ時間があったのでエディンバラ博物館もちらっとのぞいてみたのですが、間口が狭いのでなんか小さい展示でもやってんのかな〜とか思ったら2階と3階にこれでもかと展示物がありました! 結構面白そうだったけれども閉館時間まぎわだったので早々に出されてしまったのが残念でした。時間があればゆっくり見ても面白かったと思うんですけどね。

 なんとなく時間をもてあましつつもうろうろし、ようやく時間が来たのでゴーストツアーです! ホーンテッドマンションに出てきそうな陽気なゴーストの姿をしたお兄さんがお出迎えをしてくれました。最初は私たちだけしかいなかったのでおしゃべりしてたんですが、見事に何言ってるんだかぜんぜんわからない! とりあえず名前を聞かれて答えて、意味を答えて、俺の名前はジェームズだ!とのこと。意味は「ケン!」だぜ!と言われたものの、「ケン?」ときょとん。しばらくたってからようやく彼は「King!!」と叫んでいたことに気づくという有様です。発音がケンとしか聞こえなかったんだよキングじゃなかったんですよ!! スコットランドなまり難しいですね……。

 待ってるとブラジルから来た白人の老夫婦と、そして北アイルランドからやってきた謎の女子一団がやってきました。この女子一団がテンションが高すぎておかしいのと、あとなぜか全員ミニーのカチューシャつけてんのと、あと男性の×××を模したビニールのおもちゃを抱きかかえている子がいて「×××!!」って叫んでるので若干引くという。おそらくヘンナイト(独身女性の最後を祝うパーティー)なんでしょうが、まあテンションがすごいんですよ。人数も10人近く居たんじゃないかな? ジェームズもタジタジな勢いでぎゃーぎゃー騒ぐこと騒ぐこと。

 まあそうはいってもとりあえずツアーに行くぜ、ということでジェームズの解説スタート。まあ見事に英語が何いってるかわかんないですけどね! 2割ぐらいの理解度でジェームズにくっついて街をぞろぞろ歩いていきます。一応エディンバラの都市伝説あれこれを解説しながら歩いていってくれてるのですが、何せ英語の理解が及ばないのでわかるようなわからないような。とりあえず猟奇殺人やらなんやらがあって今でもどうのこうの〜的な話をされてたと思います。あとで調べたらたぶんソニービーンの話とジキルとハイドの話はしていたっぽいですね。どちらもエディンバラが舞台とは知りませんでしたが! おお英語力が私にもっとあれば!

 そしてそのまま街を歩いて地下への入り口へと向かいます。エディンバラの街には地下の部屋が目一杯あって、そこに貧しい人々が暮らしていたというのです。ちなみにエディンバラの富裕層は高層住宅の上の方に暮らしていて、路地なんかまったく日があたらなくて、さらに窓からごみやら糞尿やらを投げ捨てるのが当たり前の時代なんでそりゃもう衛生的にも地下はひどいことになっていたのだそうです。

 で、実際に地下の部屋に入って電気を消せばもちろん真っ暗闇。いや正直体に悪いと思いますよ……。トルコのカッパドキアでデリンクユの地下都市も見ましたが、あれはあれで管理された正しい地下生活(それもどうかと思うが)でちゃんとそこに都市を作ってたけど、エディンバラの場合はスラム街でかつ管理も何もへったくれもなかったわけだからそりゃゴーストも出るってもんですよ……。

 なるほどなるほど、と思いつつ一時間ぐらいにわたってあれこれ教えてくれたので、大変面白かったです! あんまりわかってなかったけど! でも古い路地や町並みを見学できるというのは純粋に楽しかったですよ。

 最後にスタート地点にもどってきてヘンナイトの一団はそのままパブへ。そしてなぜかブラジル老夫婦と私たちにはそのままツアー料金が返金されました。説明はよくわからなかったけど、たぶんヘンナイトの一団があまりにもうるさすぎたからかな、と。英語わからなかったし雰囲気味わえたしジェームズがんばってたから別にいいのに、と思ったけどまあ受け取っておきました(ポンド貴重)。

 でも総じてゴーストツアー、楽しかったです! そして蒸留所ツアーといい英語力!と思ったのでした。ホテルや駅・空港ぐらいなら定型文だしそれほど困らないけど、やっぱり解説を聞いたり読んだりするとなると全然違いますよね……。

 ちなみに街中に謎の銅像があれこれあったので記念撮影してたのですが、ヒューム像の足の指先がテッカテカだったのでついでにおさわりしておきました。まあヒュームが何した人か知らなかったんですけどね(あとで調べたら哲学者でした)。

 晩御飯はどうするよとまたもうろうろした挙句、そこらへんのパブに入ってホットドッグとエールを頼みました。Nはアイロンブルーとサンドイッチ。おおこれがあのうわさのアイロンブルーか!となったんですが、それもNは知らなかったようで。スコットランドの国民的飲料なんだぜ!とまたもや謎の知識を披露してしまいました。本当にスコットランド在住の方のブログを愛読しすぎだと思います。まあ飲んでみたらカキ氷のシロップの味がしましたけどね。でもこれはこれでまずくはない。

 ホットドッグはケチャップとマスタードがこれでもかとかかっていたのでおいしくいただいたのですが、付け合せのチップスがやっぱり塩がかかっておらず、これはむしろ健康志向なのかと思うぐらいでした。いやでもハインツは偉大ですね! 全てがハインツ味になりますけどね!

 そして帰り道はエディンバラ城がよく見える新市街側の道を散策しつつホテルへ帰還。途中で別の教会を見つけたのでじゃあ明日朝イチでいってみるか、ということになりました。

 夜はどうにもNが寒い寒いというのでヒーターをつけて就寝。が、夜中に私は暑くて起きるはめになりました。気温差よ!

 今日はここまで。