英国旅行8日目。

伝統音楽とマッキーの夕べ。


 朝ご飯は手馴れたものでイングリッシュ・フル・ブレックファスト! マーマイトはもう二度と塗らないと思います。いや、英国好きとしては受け入れるべきかもしれないんですけどもなかなかね。

 さあ今日はまずは昨日見かけた教会だ!ということでてくてく歩き、到着したのはセント・ジョーンズ教会。普通に街の教会かなと思っていたら、一応日本語のパンフレットなんかもありました。しかし宗派についてはやっぱりよくわからないのですよね。が、ここでまさかのNがカメラをホテルに忘れてきたことが発覚。しかも朝食時に私はNがカメラを持っているのを確認しているので、あきらかにレストランの机の上かトイレかの2択。ここは海外なのでカメラをそこらへんに放り出しておいて無事なわけはない……と思いつつ、とりあえずホテルに戻るとのこと。

 もとより教会のあとはスコットランド博物館に行く予定だったので私は先に行ってるわ、ということで別れて博物館へ。これまたてくてく歩いていくと、博物館の前には忠犬ボビーの像が! なんでも主人が死んだあと14年間もご主人のお墓を離れず、一生を過ごしたそうなのです。スコットランド版のハチ公ですね。とりあえず写真をとってから博物館の入り口へ。

 開館10時ジャストに入れたのでひとまずスコットランドの歴史を学ぶべく歴史ゾーンへ向かいます。博物館自体ものすごく広くて、大英博物館ほどではないけれども、それをしのぐ点数の多さです。

 こちらはスコットランドの歴史を順を追ってジャンル別に紹介してくれているのでわかりやすいですね。当然魔女狩りゾーンとかもあって、あかんやつがいっぱいおいてありました! ちなみに魔女狩り自体はスコットランドのほうが比較的長い間続いたみたいですね。確かに魔女も多そうなイメージはありますが……。

 そして科学・自然史博物館もかねているので剥製やら標本とかも目一杯おいてあります。T-LEXの骨格模型がおいてあったのでほほうと眺めていたら、めっちゃテンションあがった中国人男性に写真をお願いされました。一人旅できてるらしく超ほほえましかったです。

 宇宙・天体関係や地質や地震のコーナーもあるし、いろいろ体験コーナーがあったりもして、
土曜日ということもあってか家族連れで満載。でも近くにこんなんあったら子供連れてきたら楽しいだろうな〜としみじみ思いました。

 ちなみに文化人類学的なゾーンもあって、そこには日本のアイヌの伝統が紹介されていたり、浮世絵や根付や刀の鍔がいっぱいおいてあったりもしました。実はスコットランドと日本の関係も結構深いんですよね。

 そしてWiFiがつながったのでNと連絡をとったところ、1時間ほど遅れて到着したとのこと。じゃあとりあえず12時に集合ってことで、残りの展示室を回ります。屋上にも出れたし結構でかいんですよ本当に!

 12時じゃあどう考えても時間が足りないってんで13時に伸ばしたものの、それでも展示室を一通り回るので精一杯でした。大英博物館もそうですが、とにかく時間が足りないですね! 丸一日居たいし、居られる博物館でした。本当はクローン羊のドリーとかも見たかったんですが、ちょうど改修工事中らしく見れなかったのが残念です。

 お土産コーナーはそれほど心引かれるものはなかったものの、Sardinesと書かれたイワシのカードゲームを発見。え、なにこれ欲しいと即購入。フランスの玩具メーカーDJECOのカードゲームのようですが、まあ甥っ子(兄)ならどうにか遊んでくれるだろうと思います。なんかイワシがいろんなお洋服着てるのですよ、めっちゃかわいいんです!

 とりあえず昼ごはんをどこで食べるかだなといいつつロイヤルマイルへ。古風なパブを見つけたのでそこでやっぱりサンドイッチとエールを。スモークサーモンサンドイッチはおいしかったですよ! まあ何かソース的なものを使ったほうがよりおいしいと思うけれども(相変わらずシンプルすぎる塩味)。

 そしてエディンバラでのもうひとつの目的、スコッチウイスキーエクスペリエンスへ! 入ってすぐにレジみたいなところで入館料を払い、そしてそのまま樽型のライドに乗車します。ちゃんと外国語対応で日本語設定にしてもらい、そのまま樽型ライドでスコッチウイスキーの作り方を教わるのです! まあそもそもなぜ樽型ライド?と突っ込みたくなったんですが、これがまたすんごい楽しいんですよ。スコッチウイスキーの精みたいな髭の英国紳士が現れて、良い声であれこれ解説してくれるというアトラクションです!

 5分ほどでライドは終了し、そのまま少し待機して人が集まったところでテイスティングルームへ。ちゃんと音声ガイドが手渡されていたので係員さんの解説も日本語バージョンで聞けます。いまいちちゃんとわかっていなかったハイランド・ローランド・スペイサイド・アイラの4種類のウイスキーについての違いを聞いて納得し(キャンベルタウンはなかった)、そしてその中からどれかひとつお好みのものを選んでください、とのこと。

 アイラは散々飲んだからスペイサイドかな!と選んだのですが、まあうまいですよね当たり前だけれどもね! ちなみに未成年の方やお酒が飲めない方にはアイロンブルーがございます(世界でコカコーラよりも飲まれている唯一の飲料なんです!!とおっしゃっていた)。さっすがスコッチウイスキーエクスペリエンス!!

 ちなみに試飲を実際にするのはウイスキー・コレクションルームなのですが、そこにはどこぞの大富豪が集めた3500本のウイスキーコレクションが並べられている部屋の中でティスティングができます
いやーいい気分だ! ちなみにテイスティンググラスはそのままもらえます。

 そして最後はショップ。アイラ島で買えなかったのでボウモアラフロイグは絶対買うとして、ここまできたらアードベッグも買わねばなるまいと。そしてもうひとつ知らないアイラのウイスキーがあったのでそれもためしに購入してみることにしました。

 もちろんハイランドもスペイサイドも飲んでみたいのはいっぱいあるのだけれど、小瓶ですら結構なお値段なのでなくなく厳選いたしました。いやあ散財できるならしたかったんですけどね! まあこの旅のここまでの時点でだいぶ使っちゃってますからね!

 ほくほくしつつエクスペリエンスを後にしたらもう結構な時間になっていたので、ナショナルギャラリーはあきらめて子供史博物館へ。人形だのぬいぐるみだのを中心にあれやこれやと玩具を集めてある博物館で大人向けに作られたそうな。人形ばかりが大量にあると大変に気味が悪いものですが、幼子がはしゃいでいるのを見るのは大変にほほえましかったです。

 そこもさらっと見終わってしまうと結構やることがなかったりしたんですが、なんでもNが遅れついでに(でもカメラは見つからなかった/買ったばかりなのに!)、別の教会で夜にミニコンサートがあるらしいという情報を仕入れてきておりまして。せっかくなので最後の夜はそれを見て帰ろうということにしていたのですが、結構それまで時間あるしなぁということで、WiFiの看板を見つけたカフェ(というかパブ)にて休憩。

 そこからひたすら紅茶一杯で1時間ぐらい無言でネットに没頭していたら、さすがに外に出されました(苦笑) まあパブは議論をするところであるのでね! だいぶ迷惑なお客だったと思います。

 仕方がないので明日の空港行きのトラムの場所とかを確認しようぜ、ということでエディンバラ駅周辺へ。でも本当にエディンバラの街は綺麗だなと思います。あれこれ写真をとって、トラムを見たら普通に券売機でチケット買えそうだし本数もいっぱいありそうだったのでまあ大丈夫だろうということに。ぶらぶら歩いているとマークスアンドスペンサーを発見したのでお土産買いたい!ということで中へ。追加でシャーロットちゃん誕生お祝いクッキー缶やロンドンデザインクッキー缶などを購入しておきました。今回のお菓子系のお土産はすべてマークスアンドスペンサーでまかないましたけど、まあ高級スーパーだしおいしいしいいと思います。M&Sのプライベートブランドもある意味では分かりやすいですしね。

 そこから教会近くまでぶらぶら歩き、近くで軽く軽食などとってから教会に行きますかということに。まあこの適当にっていうのが難しいんですがね! 何軒か迷った結果、普通のレストランに入ったところ、ムール貝があるではないですか! バケツムール貝食べたい!ということでムール貝とエールを注文。ムール貝のワイン蒸しは大層おいしかったです! ムール貝は何の味付けもいらないので、これこそ素材の味を楽しめると思います!

 なんだかんだでご機嫌になったので、いざ教会へ。最初は場所がわからなくてん?となっていたところ、どうやら教会の脇の小さな建物内でやっている模様。既に開始時間は過ぎていたので途中からでも入れるかなぁ、とおそるおそる覗き込んだらおじいちゃんが「おいで! はいって!!!」とジェスチャー。中に入ると公民館ぐらいの広さに椅子が50脚ぐらい並べてあって、席は結構いっぱいだったけどそのおじいちゃんが「ほらここ! イス! 並べたから座って!!」とわざわざ用意してくださり、そこからコンサートを鑑賞しておりました。

 お客様は全員おじいちゃんおばあちゃんで、若い人はほぼおらず、前ではTシャツきたお兄ちゃんがバグパイプを吹いておりました。バクパイプはすごく良かったですよ! スコットランド日記でパイパーがいかに大変かを知っている身としては素直に感嘆しました。だってお兄ちゃん凄く細かったんですもの! すごいすごいと思っていたらお兄ちゃんの演奏終了。

 我々を迎え入れてくれたおじいちゃんが司会のようで、続いての演奏者を紹介していたのですが、若い男の子(ちょっと知的障がいがあるのかな?)がおばさんと一緒にゆっくりミニアコーディオンを演奏してました。ほっこりほっこりです。

 小さなバグパイプノーサンブリアン・スモールパイプ?)を演奏するおじいさんや、ギターの弾き語りのおいちゃん(渋くてめっちゃかっこよかった)、フィドルアコーディオンのセッション(どちらもおばさま)だったり、客席から直接みんな前に行っているところをみるとどうも有志の皆さんのような雰囲気で、ただしく公民館での地域の集まりのちょっとしたミニコンサートという雰囲気でした。逆になぜここに日本人がいるのかよくわかんないことになってますねこれ! でもすんごいほっこりしたし良いものでしたよ。

 そして途中休憩が挟まったのですが、おばあさまたちによって紅茶とケーキが振舞われるということに。これってもらっていいのかなぁ?とか思ってたら司会のおじさまに声をかけられて、どこから来たんだい?みたいな話に。日本人です、前のポスター見てきました、とかそんな感じで話していたら、どうも司会のおじさまは以前日本に行ったことがあるそうな。まじですか。

 そして別の隣に座っていたおじいちゃんがまあ人のよさそうなおじいちゃんで、なんかすんごい嬉しそうににこにこしてて、こっちまでにこにこです。実は同じく迷い込んできたベルギー人カップルもいたのだけれど、みんなで紅茶とケーキをいただいてしまいました。ケーキがあまったのか大量にケーキもらいました(激甘すぎて食べるのに苦労したけど)。

 あと別のおばあちゃまが日本語で声をかけてきて、すごく流暢な日本語を話されるのでなぜに!とびっくりしたら、昔日本に住んでいたそうです。愛知にいたとか。30年ぐらい前?の話とおっしゃっていて、でも日本語久しぶりです、とかおっしゃっていて、そりゃそうだろうなと思いました。だってスコットランドエディンバラの街の教会のミニコンサートにまさか日本人が来るとは思ってないし、こっちだって日本に住んでたおばあちゃまと会えると思ってなかったもの! なんか嬉しいですね。すごい日本語上手でした!

 後半の部スタートはビンゴ大会から。おそらく入場料を払うとビンゴ券がもらえる模様で、日本のビンゴとは違って普通に連番5枚の券をみんな何枚かもってて、当たりの番号持ってる人から順番に商品がもらえるシステムでした。おじいちゃんおばあちゃん達がすごく盛り上がっててなんか楽しそうでした。

 そして後半のコンサートへ。前半とほぼ同じ人たちがみんなそれぞれ別の曲を演奏するなどだったのですが、おそらくダンスナンバー的なものが演奏されはじめ、最後は強制的にダンスパーティーへ。チークダンス的なものを皆さん踊りだし、めちゃめちゃテンションが高くてとりあえず我々も参加させられました。まあわかりますよ! こちらものっとけのっとけという雰囲気でくるくるまわります。

 そして最後は歌を歌える人は前に出て歌ってね!みたいな展開へ。もちろん恥ずかしがる方多数なわけですが、まあ若干その時点からこっちに振られることも想定済なわけで。振られた場合は完全にNに任せる気満々だったので、一応どういう曲がいいかをあれこれ考えてみたけれど浮かばず。エジプトでも日本の歌教えて!って言われてめっちゃ悩んだんですよね……。

 そしてついに「日本からやってきたシンガー! Nだぜ!」的な紹介され、Nが前に出てみんなに歌を披露することに。なぜか全力でマッキーの「もう恋なんてしない」をアカペラで熱唱し、皆様に拍手をいただきましたよ! まあこんな展開になると思ってたよね!!

 最後にみんなで賛美歌を合唱して教会におけるミニコンサートは終了となりました。おじいちゃんおばあちゃんがぷるぷるしてイスを片付けるので、我々が片付けますがな!!ということでイスのお片づけもお手伝いして、そうしてイギリス最後の夜は更けていったのでした。

 なんだか我々らしいイギリス旅行最後の夜で大層良かったと思います。素敵な体験ができました!

 今日はここまで。