私は私である。

私の本質は私自身が決めるのである!


 朝9時市役所前でNと待ち合わせて、窓口があいた瞬間に婚姻届を提出いたしました。

 が、ここからが勝負であります。本日入籍となったのには理由があり、新居購入にあたって銀行側から引渡しまでには入籍を済ませておいて欲しいという要望があったのです。そりゃまあ結婚もしていない男女二人がペアローン組んで新居購入するというのもおかしな話なので(順番がいろいろおかしい)、納得したのですが、銀行側からは6月上旬にはという日付指定。それならばといろいろ考えた結果、6月10日はポルトガルの日ということが判明したので、結果、本日の入籍とあいなりました。

 ですが我々はまだそれぞれ別のところに住んでおり、NはNで今の住民票と印鑑証明が必要だし、私は新しい姓になった状態での住民票と印鑑証明がいると言われており、でも本籍があるところに婚姻届は提出しないといけないし、すぐさま新姓に切り替えてもらうためには戸籍謄本を発行してもらわないといけないとの説明を事前に受けておりまして。

 というわけで即解散し、Nは居住地に戻って住民票と印鑑証明をとりにいき、私は市役所でそのまま待機。海のイギリス史を読み続けて待っていると、1時間ほどで無事に戸籍謄本ができあがりました。

 受け取って私の現住所の区役所へ移動し、到着してすぐさま新姓での印鑑証明と住民票を発行してくれとややこしい申請を申し出て、なんとか理解してもらいました。

 が、そこから新住民票や印鑑証明を発行してもらうのにどえらい時間がかかり、区役所自体もすんごい人で混雑していて、本を読むのにも疲れてうとうと。ようやくゲットしたときにはお昼をすぎておりました。

 Nもまだ地元にいるというのでお昼は別々で。近くの駅前に素敵な居酒屋ランチを発見したのでそこで一息ついて、そこから今度は警察へ。警察署で住民票を出して免許証の氏名および本籍を書き換えてもらいます。

 これまたそれなりな時間を待ってようやく免許の書き換え完了し、終わった!ということで天王寺にてNとようやく合流。コンビニで取得してきた書類関係一式を銀行宛にFAX送信して電話確認とって、
無事になんとかなりました!

 疲れたあああということでサイゼリヤにて休憩。ドリンクバーでぐだぐだして、結局カラオケへ行き、2時間ばかり歌ってから耳鼻科に行き、診察がちょっぱやで終わったのでそのまま英国パブに2人で行ってギネスビールとフィッシュアンドチップスで乾杯したのでした。まあ実はそのパブがその昔Nが先輩に告白して振られたところだったんですけどね。まあそれも含めて乾杯だよ!

 というわけで私は新しい姓となり、本籍が変わり、いわゆる結婚、というものを公的に行ったわけですが。

 実は昨日まではずっと不安めいたものがあって、名字が変わるとか、結婚するとか、入籍するとか、そういう何か変化に対して怯えがあって、私自身も何かが変化してしまうかのような気がしていたのです。それをマリッジ・ブルーと呼ぶのだと思いますが、やっぱり名前が変わるということに対する恐怖というのはあると思うのですよ。もちろん生活とか環境とかに対する不安も多々あると思うんですけどね。

 この不安についてはNはわからないだろうし、私もうまく説明ができないというか、そういうものだと理屈ではわかっているので、この不安についてはなれるかあきらめるかしかないだろうと思っていたのですが。いざ自分が入籍してみて思ったことというのは、結局のところ当たり前だけど本質的には何一つ変わらないんだよね、という事実でした。

 逆に言えば、私は毎日を生きていく中で日々変化していっていると思うし、昨日の私と今日の私は違う私であるということも思うのですが、変わらないのはそれが私であるということを決めるのは私自身である、という事実については変化しない、ということが納得できたのだと思います。

 だから私は明日から新姓を名乗るし、きっと新姓で呼ばれるようになるけれども、だから何だという話で。私がビールが大好きなことも英国にかぶれていることも、それは名字が変わろうが、変わらない事実なんだよな、ということでNと乾杯したのでした。

 Nにもなんかもっと変わるかと思ってた、と話したのですが、いや、変わらんやろ、と言われて、そういえば私はむしろ変わらないことを許してくれるからNと結婚したんだよな、と思ったのでした。私は私がやりたいようにやっていくし、NはNのやりたいようにやっていくし、でもお互い共有する部分については2人で話し合ってやっていこうね、ということを再確認できた夜でした。

 今後とも、末永く、どうぞよろしくお願いいたします。

 今日はここまで。